南へ・・ 第20話「秘島」
- 2017/07/31
- 19:31
「二人・・」着ている上下を脱ぎ、ブラとショーツ、サスペンダー型のパンストだけになった美波(みなみ)は、唖然と眺めていた二人の若者に、こう言葉をかけた。「何を驚いてるの?今から、素っ裸になって、何かしようって訳じゃないわ。あたしは、水着に着替えてるだけ。君たち二人が見てるか否かって違いだけよ!」
見ていた周(あまね)、ようやく我に返って「なる程、そうでしたか。済みません、じゃ、俺たちも、海パンに替えないといけませんね。なあ豊(ゆたか)!」 「ホント、俺とした事が!申し訳ない、もっと早く気がつかんといけませんね。右に同じくします」そう返し、てんでに上衣とジーンズを脱ぎ始めた。
これを見た美波「よし・・」更に下着を脱ぎにかかり、一時、生まれたままの全裸に。下方に、少し浅目の下草が認められ。「ふふ・・少し寒かったかしら・・」確かに、日中も気温は10℃台前半だったが、陽が射し風も弱かったせいで、体感気温は、そう寒くは感じられなかった。更に「大丈夫、温め合えば!」の、やはり脱衣にかかった豊の冗談含みの言葉が、三人を熱くした所もあった。
やや遅れて、周も脱衣。それから美波は、愛車に似た黄色基調の、下方にフレア・ミニを伴うビキニ水着上下に、周は藍色、豊は母の名と同じ緑色の、トランクス調の海パンに着替え。「おおっ!」初めて見る、美波の水着姿に、若者二人は、流石(さすが)にどよめきを表にした。
「さあさあ、半分『寒中水泳』・・かな」笑いながら、三人は、暫しの間、まだ冷たい海の感触を味わう。勿論、まだ海水浴は解禁前だが、島の岸辺から離れず、浅瀬で水を浴びている位だけなら安全だった。「やあ、懐かしの!」などと歓声を上げ、周と豊は、少しの泳ぎと、水のかけ合いなどをして楽しんだ。美波も少しは標的にされたが、キャップを被った髪の辺りは攻めない様にした。小半時程の水浴の後・・
「さあさあ、メインのお楽しみに入ろうかしら・・」と、濡れ髪を陽に当て、乾かしながら美波が言い。「ハハ、そうですね。海の水で濡れたまま、高め合うのも、又良しかな・・」周も、笑顔で合せる。「確かに好いですね。俺、風呂場でなりゆきってのは、想像した事ありますが・・」と、豊も合せる。
周は豊に「お前も、面白い事を考えるなあ。それって何か?風呂場で事に及ぶって事かよ?」と言えば、豊も「はい、まあこれは、全部俺の考えじゃないですよ。去年かなあ、『バス・セックス』とか言うタイトルで、余り品のよろしくない週刊誌の記事に出てまして・・」こう返し、笑う。周「ハハ、何となく分るよ。その雑誌、確か『週刊衆目』って言う奴じゃないか?」
豊「ハハ、ええ、確かそんなタイトルだったと思いますね。あれ、N市の俺の寮の近所の喫茶店(サテン)に置いてるんですが、余りよろしくないですよねぇ。笑」聞いていた美波「それは何?エッチな内容なの?」尋ねると、豊「はい。ええ、まあ文章がそっちの感じなんです。後、余り問題のないとこで、ヌード・グラビアとかも載るんですが」こう返し。
美波「アハハ、たまに見るなら好いじゃないの。それに豊、寮に帰ってから、夜のお相手に使ったりしてるんじゃないの?」 豊「いや~美波さん、痛いとこ突きますねぇ。俺、一度や二度は、覚えあるなぁ。笑」わざと懐かしげに語ると、今度は、傍らで聞いていた周が「それでさ『さあ、これから病みつき!』てとこで、小町先生から、有難い教えを受けたっと。そう言う事だな?」 「嫌ですねぇ、阿久比(あぐい)さんまで。でもそれ、かなり当たってますよ」豊の返事を合図に、三人は声高に笑い合った。
美波「ハハ、そりゃ素敵な追憶(メモリー)だわ。エッチな雑誌で様子が分りかけたとこに、小町先生ってこの上ない天使が降臨されたって事よね。それは周さんも同じ・・か」 周「はい、まあ似た様なとこがありますね。『週刊衆目』とか、『アサヒル芸能』みたいなエロ系週刊誌は、俺も自分ち近所の喫茶店で見たりしてますから。豊のとこもそうですが、その手の店って、小坊レベルの子供たちもよく来るんです。だからホントは良くないんですけどね」10am過ぎまで、これも半時ほど、艶系の談笑が持たれた。
暫くして、誰からともなく「さあ、それじゃ、さっきの話の実践をそろそろって事で・・」 これに美波が「ふふ、昼間っからしてみる?」 と問えば、周が「ええ、まあ無人島につき、誰も見てないはずですから。なあ豊!」と、彼に振ろうとする。聞いた豊「はい、まあ、そう言う事ですね。水から上がって、ちと寒い・・かな?なんてとこもありますから」と返す。
「よろしい。そろそろ始めようかしら」美波は言った。聞いた周「まずは、最初のご挨拶からですね。さあ、どっちから先行こう?」と返せば、豊「はい。ああ、そりゃ阿久比さんからですよ。どうぞ、美波さんと熱いのを、お願いしますですぅ~!」 「美波さん・・」周は言った。「あんな事言ってますよ。マジで始めますか?」 美波は、これを聞くと「ふふ・・で、周さん、貴方はどうなの?始めたいんでしょ」 「はい・・」 「よろしい、それじゃ・・」 「行きましょう!」これを合図に、並んで座る美波と周は、上体を寄せ合いにかかった。
まずは口唇の交歓から。「ふ・・ふ・・好いわ!」 「ん・・うう。お・・俺もですぅ・・」少しおいて、これまでと同様に舌技をも伴った、濃厚なそれに変わって行く。双方の両腕も、背後に回って、程良いマッサージで高まって行く。途中からは豊も加勢し、左右両側から、美波の気分を高めて行く。「ふっ・・ふっ・・あぁぁ!ふ、二人・・とても上手よ」豊とも濃い口づけを交わしながら、美波の喘ぎが始まる。
周は愛撫の手を休めず、巧みに豊と交代し、昂った美波の気分をキープする様努め。予め確かめておいた、持ち物中から、豊愛用の鷹の羽を持ち出して、豊と抱き合う美波の耳や首筋、腋などを摩(さす)って高めて行く。美波う・・んん・・、あ・・周さん」 周「はい、何でしょう?」 「嫌らしい。でも・・とても好いわ。続けて・・」 「有難うございます」 鷹の羽の刺激を続けながら、頃合を見て、周は、美波の胸の双丘に仕掛けはじめる。
「さあ、今日はじっくり、感触を味わわせてもらおう!」周、手指を大きく動かして、美波の胸の双丘に、じっくりと走らせる。「うう・・あぁぁっ!」彼女の喘ぎが、徐々に高まって行く。この日、好い事に気温も徐々に上がっている気配。外で事に及ぶには、都合が良さそうだ。
「こんな事は・・」水着のブラ越しに、摩ったり甘く揉んだりを繰り返し、これも甘美な美波の喘ぎを聴きながら、周は思った。「街中でこんな事すりゃ、間違いなく警察沙汰だ。俺たちゃ、皆縄掛けられてだな、でも・・」 「ここは無人の離れ島。誰も見てない事分ってるから、大胆になれますっと・・」こう呟き、ブラを剝ぎ取るタイミングを窺う。
「周さん・・」断続的に、豊と唇を交わしていた美波が声かけ。「はい・・」周が返すと「そろそろ、もっと深い所へ進んでいいわよ」 「そうですか、それでは・・」そう返し、周は、美波の水着ブラのストラップに手をかける。「美波さん・・」念の為、訊いてみたい。「はい、何?」 「マジで、寒くないですか?」 「あたしは好いわ・・」彼女は、落ち着いて返した。所へ・・「大丈夫、温め合えば!」笑いながら、豊が大きな声をかけた。
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 百合咲うるみ
東京スカ・パラダイス・オーケストラの今回楽曲「水琴窟(上原ひろみさんとの共演)」下記タイトルです。
水琴窟