パノラマカーと変な犬 第14話「磁場」
- 2018/01/31
- 19:23
夕餉(ゆうげ)の席が終わったのは 9pmに近かった。普段の土曜日と同様、中条は この夜も、某民放の歴史と報道のバラエティ番組を二本見て、日付が変わる直前に 眠りに就くのが常だった。これは、初美が泊まりに来る夜も ほぼ同じ。さて、由香、由紀の木下姉妹と共に過ごす、初めての居所での夜は、どうなるか?食後、手分けしての片づけの後、中条は 前述の通り TV番組に興じていた。この日、彼が気にする地元球団 NCドラゴンズ...
パノラマカーと変な犬 第13話「居室」
- 2018/01/29
- 14:05
「こいつ、前から覚えてたな・・」小用の為 トイレに立った所を、背後から 由紀に入り込まれ、更に 己の男根(コック)まで外に連れ出された中条は、咄嗟(とっさ)にそう想ったりしたものだった。由紀の右手は、尚も彼のパンツのジッパーの中から出る気配はなく・・「あっ、そっちもかっ?」次には、陰嚢までもが露出させられる事に・・「上手だな、由紀ちゃん・・」男は呟く。「ふふ、ちょっとね・・」背後につく由紀は、ジッパー...
パノラマカーと変な犬 第12話「暗証」
- 2018/01/27
- 19:18
7/29の土曜 曇り空の下、近畿参宮電鉄 N市中央駅に降り立った由香、由紀の木下姉妹は、少し離れた地下駅から、N市営地下鉄に乗り換え、中条の居所を目指す。「メインの1号線は、土休日も混雑する。ちょっと歩くが、丸之内(まるのうち)までは 6号線の方が良いかもな」との、彼の助言(アドヴァイス)を受け、二人は、少し大きめのキャリー・バックを引っ張って、少し地地下深くの 6号線プラット・フォームへと移動。やや地下深くの所...
パノラマカーと変な犬 第11話「一計」
- 2018/01/25
- 21:28
この年の 7月は、やや梅雨の時季が長かった。前半、一時夏らしい 暑く晴れた日々もあったが、後半に入ると、梅雨が戻った様な 雨がちの日が続く事もあった。が、それも月末頃 次第に解消へと向かい、気温の方は 真夏らしく昼夜共 気温高めの暑い日々が続く様になった。中条らの仕事の方も、中間決算を経て、忙しい日があるも、盆の時期へ向け 次第に一服と言う感じだった。その様な中、7/28の金曜夜から翌29日土曜朝にかけ、...
パノラマカーと変な犬 第10話「経過」
- 2018/01/23
- 15:41
芳しからぬ交通事故に遭遇した 6月後半の中京地方は、梅雨によくある 雨がちなるも、途中の何日かは曇りや薄日の射す事もある天気の日々であった。事故処理は順調に進み、翌週の初めには示談も成立。後は、彼と木下姉妹の愛車の修繕仕上がりを待つだけとなった。完成予定時期は、中条車が 6月末、木下姉妹のそれは 7月第2週辺りの見込みであった。中条の義弟が社長を務める、勤務先決算は 12月末。よって 6月は、中間決算の時期に...
パノラマカーと変な犬 第9話「昂点」
- 2018/01/21
- 15:55
もうすぐ、日付が変わろうとしている。初夏の土曜の夜、中条の寝室では、初美との 熱い交合が続く。梅雨の時季もあって、少しの蒸し暑さもありはするが、扇風機の弱めモードで十分。まだ冷房は、必要ない。少し離れた顔見知りの大学生 周(あまね)の居所でも、彼とその恋人 宙(そら)が、これもほぼ同様の行為を繰り広げているはずであった。ベッド上での、後背位の交わりが区切られると・・「新(しん)さん・・」下方を晒した 四...
パノラマカーと変な犬 第8話「妖道(ようどう)」
- 2018/01/19
- 19:32
深まって行く 初夏の夜。寝室の枕元に控える、古っぽい置時計の 時を刻む音に歩調を合わせるかの様に、初美と中条の「男女の行為」も、並んで歩む様に、ゆっくり しかししっかりと進んで行く。初めは、初美の好む正常位。下方の連結を確かめ、中条は、ゆっくりした腰の動きで高めて行く。数分程 腰を揺らせては止める動きを繰り返し。初美は、中条の腰に絡めた両脚に、ガッシリと力を込め、男の腰に 上下動のみを許す。次第に...
パノラマカーと変な犬 第7話「深室(しんしつ)」
- 2018/01/17
- 19:17
夜の時が進んで酒食の時が終り、寝室へと移った 初美と中条は、流れとなり行きのままに 男女の行為を深めようとしていた。居間からは、彼から「お姫様抱っこ」の歓待を受け、静かに タプル・ベッドの上に横たえられる。初美は言った。「少しだけ遊ぼうかしら。まだ夜は これからだし・・」 「夜はこれから・・な。ま、いいでしょう。喜んで、お付き合いするわな」聞いた中条も、笑顔で返す。「それじゃ・・」と女は 上体を起...
パノラマカーと変な犬 第6話「導通」
- 2018/01/15
- 15:48
土曜の夕方近く 一時間余りで、初美は、訪れた中条の居所を清め終え、この間 買い物に出かけていた彼も 戻った。暫く後、ラジオ中継されていた プロ野球試合か終り、NCドラゴンズの勝利が告げられた。「良かった。今日は勝てたか・・」そう中条は呟(つぶや)いた。「ふふ・・これで今夜は、お酒が美味しくなりそうね」買い物袋の中身を整理しながら、笑顔の初美が言った。「今日のセロリは、好い感じだわ。ああ、ブルー・チーズ...
パノラマカーと変な犬 第5話「露見」
- 2018/01/13
- 22:00
6月半ばの土曜日、先日の追突事故後 一旦大坂へと帰った、木下姉妹を見送った周(あまね)と中条は、彼の居所近くの 馴染みの喫茶店に立ち寄り、暫し談笑。この後 それぞれ交際中の 初美、そして宙(そら)と会う予定なので、夕方前には解散と言う事で、とりとめもない話をしていたのだ。中条は言った。「そうか、この後 宙姫と会うのやな。まあ、今日一日か 明日までかは訊かんが、一つ宜しく言っといてくれよ」 「分りました...