情事の時刻表 第6話「誘引」
- 2018/11/29
- 00:03
深まる秋の夜、居間の長手ソファ上で 初美と中条の睦みが続く。臥した彼の上に 互いに顔と下方を入れ違えて初美が重なり、口舌を交えた愛撫に及ぶ所謂「69(シックス・ナイン)」、四十八手中では 女が上位の「二ツ巴」の体位である。暫くの刺激を得て 初美は少しく艶かな喘ぎを発する様になり、中条の息も荒さの度を加え始めた所だった。彼の下方は、既に下着を剥がされ露(あらわ)となり、続いて初美も同じ様になろうとする所だ...
情事の時刻表 第5話「想起」
- 2018/11/25
- 15:59
意外な程の強い力で押し倒され、長手ソファの上にねじ伏せられた中条だったが、その折でも余り芳しからぬ記憶を辿っていた。勿論 遠いそれではない。この年の夏 二度に亘り彼の居所を訪れた木下(美人)姉妹の 姉の由香が、就寝前の TV番組チェックの折 よくソファに臥した中条にのしかかり、上に重なって来たのに様子が似ていたからだ。冗談か本気か、その辺りの心理はよく分からなかったが。「ふふ、新(しん)さん・・」 ニヤ...
情事の時刻表 第4話「試問」
- 2018/11/22
- 15:59
「そいじゃ、乾杯!」暫く機会に恵まれなかった「内飲み」を、初美と中条は暫しゆっくり目に楽しんだ。とりあえずはトレーナー姿の二人。それぞれレモン・イエローとグレーの上下。万一、ワインや食材をこぼして汚れても良い様にとの配慮だ。既に触れたかもだが 初美は、トレーナー上下や身の回り品の一部を 中条の居所に常置する様になっていた。「そろそろ、牡蠣(かき)の時季(シーズン)よね」初美が言った。中条「そやな。貴女...
情事の時刻表 第3話「痕跡」
- 2018/11/18
- 21:55
宮城、そして彼を送る永野と別れた中条は、勤務先トップの実妹夫婦から頼まれていた買い物を済ますと、そのまま車を交際相手 伊野初美(いの・はつみ)の居所へと走らせた。日中降りしきっていた雨も、少し弱まる気配を見せる。「悪い、待たせた!」 「いえ、大丈夫よ」少し遅れるも、彼女はそう気にしていない様だ。「暫くだったな。夕飯どうする?」 「うん。久しぶりで内飲みしたいな」 「そか、分かった・・」大き目の肩バッ...
情事の時刻表 第2話「小声」
- 2018/11/15
- 21:55
雨降る秋の午後、馴染みの古びた喫茶店で、三人の男たち 宮城、中条、永野の 声を落とした静かな話が続く。店内の客は十余人で、さほど混み合っている訳ではない。気心の知れた 個人の会話には好いかも知れない。「そいじゃ・・」と、宮城が切り出す。「はい、聞きましょう」 中条と永野は 一瞬姿勢を正した。宮城「まあまあ、そんな固まる必要はねぇよ。雑談にゃ違ぇねぇから、そんな感じで聞きゃいいんだ」 「分かりやした...
情事の時刻表 第1話「話題」
- 2018/11/11
- 20:14
「そうですか。やはり『サンコ』は慶事(おめでた)って事ですかい?」 「うん、まあな。ちょっと前、人間で言う『つわり』みてぇな症状があってさ、食欲も今一だったんで 初めは夏バテかとも思ったんだが・・」 「はい・・」 「知り合いの 近所の獣医に診てもらったら、ほぼ間違いねぇってよ」 「なる程。するってぇと、やはりあの時『オマル』と交わったのが『一発必中』だった訳ですな・・」 「そんなとこだよ。お前、そう...
次回 拙連載についての予告 @18-11's
- 2018/11/09
- 21:37
。前回の連載終了からほぼ一カ月。2018=平成30年も、立冬の時季を迎え、当地愛知でも秋本番の風情を迎えつつありまして。山間で始まった紅葉を ゆっくり見に参りたいのは山々なんですが、中々にまとまった時間が取れず、やむなく朱やなしに 黄色く色づき始めた銀杏(いちょう)の並木を眺めたりで、画像の方は、やはり新幹線を含む JRや私鉄の列車を追ってのものが多いです。乗り降りや乗り換えの駅なんかで、通過して行く貨物列車...
幕間ですけど・・18's その5
- 2018/11/02
- 21:41
2018=平成最後の 11月を迎えました。つい一か月程前まで 日中はまだ真夏日もあった様な記憶があるんですが、先月下旬辺りからの 秋の深まりは急速で、ようやく安定した晴れの日が続く様になったのは良いんですが、昼夜の温度差が大きく、年齢や性別に関わらず 健康管理には気を遣う所です。「アホやから大丈夫」の思考は捨て、風邪を初め 色んな病気と、早い夕暮れから来る 防犯と交通安全への用心を新たにしたい所です。先月...