この雨は こんな風に聴こえる 第27話「同様」
- 2020/09/27
- 21:09
正に「理想」に近い、充実した一夜を過ごした宥海(ゆうみ)と黒木であった。念の為、目覚まし(アラーム)を 8amにセットしておいたが、普段は夜更かしをしない佳き習性もあって、ほぼ 30分前には目が覚めた。6月半ばの、厳密には第 3土曜の始まり。この日、彼は休日。宥海は夕方の TV番組に出演すべく、午後早くから出局の予定と聞いている。丁度、某民放chで、作家で女優でもある 阿川佐和子の対談番組が始まる所だ。黒木はもう少...
この雨は こんな風に聴こえる 第26話「挙動」
- 2020/09/24
- 12:17
十数分間は続いただろう、麗海(れいみ)と存(たつる)の、立ち鏡で 美しい愉悦の表情を確かめながらの後背位(バック)での高まりが曖昧に区切られたのは、日付が替わった直後だった。窓外は依然、やや強めの降雨。一定の防音構造とはいえ 雨音がはっきりと室内の耳元にも届き、行為による多少の喘ぎは 決して聴こえない風に思われた。「ねぇ、存さん・・」背後から やや攻める様な腰の動きを止めた彼に、麗海は声をかけた。「はい...
この雨は こんな風に聴こえる 第25話「手癖」
- 2020/09/20
- 22:05
もうすぐ、日付が替わろうとしていた。窓外は依然 耳に届く位の雨音が続いている。奇しくもこの頃、ほぼ時を同じくして黒木兄弟と平(たいら)姉妹は 姉の宥海(ゆうみ)と兄の恆(ひさし)、妹の麗海(;れいみ)と弟の存(たつる)の各ペアが場所こそ違え、似た様な後背位(バック)で絡み合っていた。前者はベッドから立ち上がり、大鏡の前で立ちバック、後者はベッド上で鏡を向いての行為だったが。「あっ、ああっ・・と、とても好い。で...
この雨は こんな風に聴こえる 第24話「探査」
- 2020/09/15
- 21:59
「好いよ。麗海さん・・じ、上手だ。うぅぅ・・」最初の射精から数分も経っていないのではないか。ベッド傍のソファに身を沈めたまま、存(たつる)の竿は麗海(れいみ)の口舌による攻めを受け、再び礼儀を正していた。夥しい男精のほぼ全てを顔面一杯に浴びせた後、ウェット・ティッシュで簡単に拭ってはやったが、全部清められた訳ではない。「ふふ、それでも良いわ」 堅くなった亀頭を吸い込んでは吐き出す仕草を繰り返しながら、...
この雨は こんな風に聴こえる 第23話「思案」
- 2020/09/10
- 21:57
この夜 麗海(れいみ)と存(たつる)が投宿したのは、N市の金盛副都心のほぼ真ん中に位置する 某都市ホテルの上階。JRや地元私鉄の名豊電鉄、それに N市営地下鉄が乗り入れる 金盛総合駅からも徒歩で数分の距離で、勿論 存の兄、黒木の居所からもそう遠くない。N城址近くの 存の居所へ行っても良かったのだが、ここは外泊を選んだ。部屋は広めのアッパー・ダブルである。「ふふ、濃くて良いね・・」並んで座る 長手ソファでの睦...
この雨は こんな風に聴こえる 第22話「攻防」
- 2020/09/07
- 13:58
「わ、分かった。ゆ、宥海さん。でも・・あぁ、効くなぁ・・」前回と違って、ゴムを介す事のない直の繋がりを 黒木はこの夜、心底じっくりと味わいたかった。双方が、彼の好む下方が露わの半脱ぎ状態。多くの男女が全裸の所謂「スッポンポン」で行為を進めると聞くが、この所は彼は、一般と少し違うかも知れなかった。それにしても、黒木の腰を下から捉えた宥海の脚力は 想像を超えて強かった。まるで蛇の様に腰を取り囲む様に組...
この雨は こんな風に聴こえる 第21話「執着」
- 2020/09/04
- 15:09
「あぁ、宥海(ゆうみ)さん・・」 濃厚、そして巧妙の度を増した口唇愛撫(フェラチオ)を見舞われ、射精はもとより腰を抜かさんばかりの刺激を見舞われた黒木は、股間に沈められた宥海の頭に両の手を回したまま、思わず呟いた。嫌がられるかもだったが、下した黒髪にもこっそりと手指を延ばして摩ったりもした。「上手だな、有難う。そしてね・・」 「はい、何?」黒木は卓上の冷茶を一口あおり、宥海にも勧めながら続けた。「これ...