情事の時刻表 第25話「不覚」
- 2019/01/29
- 11:47
確かに「不覚」だったかも知れない。女医・小町が、同行する予備校の教え子・豊の竿(=男根)だけを狙ったつもりが、自らの下方を高められる事になったのは。この日は当然入浴前、彼女の下方は、あの「匂い」もそれなりだったはずだ。しかし、豊は意に介さなかった。「先生、自分だけ気持ち良くさせて頂いてもいけません。是非 お返しさせて下さい!」その答えがこれだった。洋式便器の上で 事実上「制圧」された女医は、前述通り...
情事の時刻表 第24話「隘路(あいろ)」
- 2019/01/26
- 19:19
徐々に山が深まる JR紀勢東線を、女医・小町と総合予備校の教え子・豊の乗る 臨時特急列車「紀伊81号」は、川沿いの隘路を選ぶ様に右へ、左へとカーヴに沿って車体をくねらせる様に進む。平地と異なり 全速前進とは行かないが、そこは「特急」の名に恥じず、そう速度(スピード)を落とす事なく進んで行く。その代わりであるかの様に、電化されないローカル路線の武器たるディーゼル・エンジンの唸りは高くなり、車輪が線路の(継手...
情事の時刻表 第23話「見当」
- 2019/01/23
- 20:54
「まあ、あの女性(かた)の持病みたいなもんだから、仕方ないんだけどね・・」そう思いながら看護師・瀬野美波(せの・みなみ)は女医・本荘小町(ほんじょう・こまち)に LINEの返信をした。「大声じゃ言えない・・ですね。大体の所は分かりますわ。でも今は、詳しく触れない方が良くありません?」 少しおいて、小町から折り返しが。「分かれば良いのよ。11/3の金曜祝日に、直に会った折でも良い事だしさ・・」 「了解です。そうし...
情事の時刻表 第22話「内申」
- 2019/01/20
- 19:22
10月の後半 土曜日中から降り始めた雨は、翌日曜の夕方近くまで続いた。前夜、初美と事を構え アフターのシャワーを使ってベッドへ戻った中条が、甥・健(たける)の予備校上級生 豊野 豊(とよの・ゆたか)と LINEの交信を終える頃には、彼女はもう夢の中にあった。「今夜も、有難よ・・」美しい寝顔を一瞥した後、AMラジオの深夜番組を聴き流しながら 彼も又 夢路に就いた。雨音の続く翌日曜朝は、例によって 斜め向かい家屋...
情事の時刻表 第21話「輪郭」
- 2019/01/17
- 11:17
雨音が、はっきり聞こえた。余り行為をする事のない 居間(リヴィング)の補助椅子を足し延長したソファの上で、初美と中条は 正常位で半裸の身体を重ね、昂っている途上であった。やや下肢の曲がりが大きい体位。男の腰には、長い女の両脚が 堅く組付けられてられていた。所謂「蟹挟み」の姿態(ポーズ)である。「ふっふっ、はっ・・!し、新(しん)さん・・」上と下で 舌技を絡めての接吻(キス)を経て、初美が声をかけた。聞いた...
情事の時刻表 第20話「確保」
- 2019/01/13
- 21:50
折しも降り続く 秋雨を感じさせない程「熱い」夜だった。もう何度目かの 初美による口唇愛撫(フェラチオ)ではあったが、この夜は 二年前に初めて会った頃を彷彿とさせる新鮮な昂奮があった。「わ・・分かった。初ちゃん!」昂らされ、後少しで絶頂と射精という所を、中条は 辛うじてかわした。「あ~あ、又『寸止め』で逃げるのね。残念だわ残念だわ・・」後少しで男を追い詰める事が叶わなかった初美は、そう呟いた。「悪いな...
情事の時刻表 第19話「雨音(あまおと)」
- 2019/01/11
- 21:47
「その事なんだが・・」秋雨の夕刻、国産赤ワイン「十勝トカップ」と、ハムやスモーク・サーモン、それにブルー・チーズや野菜スティックなど馴染みの食材を伴っての内飲みを進めながら、中条は初美に言った。「ええ、聞くわ。余り芳しくなさそうな感じもするけど」と、彼女も応じた。「そいじゃ・・」男は続けた。「来月初なんだが、小町先生がさ、南隣 M県の南方 外海近くの病院に出張するみてぇなんだ。そこは、懇意に指導して...
情事の時刻表 第18話「報告」
- 2019/01/08
- 19:13
「ハハハハ、あ・・いやいや おめでとうございます!」 10月のこの所は、毎週土曜に降雨という気象パターンが続いた。この日 10/21の土曜も、例外に漏れず 降られた。尤も 雨量はそう多くはなかったが。この日 午前で仕事を切り上げた中条は、愛犬サンコが出産を遂げた 宮城宅を訪れて 犬の母子たちと対面の後、連れ立って 例の古風な喫茶店へと流れていた。いつも通り、ホット・コーヒーと豆チャームをお伴に まずは、中...
情事の時刻表 第17話「照会」
- 2019/01/05
- 21:05
「あ~、良かった良かった・・」 日付を跨いだ「怪しい診察」が終わり、女医・小町と 彼女にとってだけの患者・宮城は、衣(ころも)をはだけたまま、並んで特別病室の広いベッドに臥していた。「小町は、最高だ・・」女医の希望もあり、行為を果たした直後の男は、彼女を呼び捨てにするのが常になった。女医も又「一路の身体は、平均以上よ。だから、自信を持ってね・・」と応じる事が多かった。二度目の絶頂、正常位で交わった宮...
賀正 2019=平成31年
- 2019/01/01
- 13:38
謹賀新年。昨年中は、各位誠にお世話様でした。お蔭様で、快晴の下 穏やかな新年を迎えられております。今年も、どうか宜しくお願い致します。先程 初詣でから戻り、近親者達の集まりも進んでおりますが、その合間を見て このご挨拶を記している所です。ご存知の厳寒の折、引き続いての健康安全留意に努めると共に一時中断の連載構想も、少し位は補強を・・などと愚考を巡らしている所です。では、近日中の再開まで 暫しのご猶...