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南へ・・ 第28話「繋点(けいてん)」

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「挑発だ。又、始まった・・」大学入学の夜、女友達とも恋人とも言える、宙(そら)と共に、自室で過ごしていた周(あまね)の元へ、突如送られて来た、想いでの女性(ひと) 美波(みなみ)からのLINE。一時は返信を躊躇(ためら)うも、その事を目撃されてしまっては仕方がなかった。或いは無様かもだが、女友達の眼前で、あの二夜を過ごした女性への返信をする破目になったのであった。

周が、どの様な姿態(ポーズ)をとれば動揺するかを知る宙は、わざと下半身に照明が当たるベッド上で、彼に向け、立膝の「スポーツ座り」で「T」を着け、露出極大の股間をちらつかせながら、微笑と流し目で 周の様子を見る。それはまるで「どう?こんなの見て、まともに電文(メッセージ)を送れるかしら?」と、露骨に試している様にも見受けられた。

周は、返信を試みる。「あの三日間は、本当に有意義で素晴らしいものでした。貴女にも、良き先生として、色々教えて頂きまして、豊と共に、改めて感謝です。有難うございます!」 美波の返信「ふふ、それは良い。あたしも、女のプライドを高められる様で、素敵よ。で、貴方は、あたしが佐分利学院・養護課の 本荘小町主任とも知り合いなのは知ってるわよね」 「ええ、存じてます」 「ふふ、それでね・・」 「はい、お聞きしましょう」ここで、大相撲の水入りの様に、一分間程の休止が入る。その後・・

美波の送信が続く。「周さん、聞いて」 周「はい・・」返信。美波「こちらの病院の研修でね、又、夏までに、二日位そちらへ行く事になりそうなの。勿論、本荘主任とも会うけど、貴方とも、是非会いたいの。日時が決まったら、又教えるから、都合してくれないかなあ?」 周「ああ、それ位は良いですよ。豊も楽しみにしてるみたいだし・・」周は、彼一人なら、もう暫く 美波とやり取りがしたかったのだが、宙が、時折脚を組み替えたりして挑発して来るので、そろそろ区切ろうと思い始めていた。「何ともまあ、間の悪い・・」

周「美波さん、ご免なさい・・」 美波「何?あたしは好いわ」 「実は、親類から電話が来た様で、出ないとってとこなんですが、この辺で失礼してよろしいか?」 「分った。又近く、ゆっくり話そうね」 「はい、それはお約束しますよ」 「うん。じゃ、無理なく。元気でね!」 「有難うございます。美波さんも、お元気で!」交信終了。しかし・・

男同士なら、怒りを露わにする事も、或いは許されようが、相手が宙では、それが叶うはずもなかった。彼女の、臀丘と股間をチラつかせながらの挑発が続く。「ふふ・・お話の腰が折れたみたいで、悪いわね。ついでに、貴方の亀さんも、中折れかしらね?」そう言って笑う。周は「ああ、いやいや、別に悪く思ってやせんから、大丈夫だ。心配ない。俺の『亀』も元気だ。後で分るよ」と笑って返し。聞いた宙「アハハ、そんなら、これから本気で試すわよ!」と煽る様な出方をした。

「お待たせ。さあ、再開だ!」 「ええ、行こうね」再びベッドに横並びで座った、宙と周は、前戯再開。女体上方への愛撫を復習した後、キャミソール、その内のブラの順で少し下へずらし、現れた「胸の双丘」に、ゆっくりと前後して両の手指を走らせ。「ああ、い・・好い」軽い喘ぎを確かめて、ウェストの括(くび)れから腰周りを、キャミやミニ・アンダー越しに撫で回して行く。高まりを感じられた所で、脚部の愛撫に入る。暫く後・・

周「宙ちゃん・・」声をかけ。宙が「はい、何?」返すと「今夜も、しゃぶりたいかい?」と訊き。「露骨ね。嫌らしい!」一方でそう感じながらも「ふふ、まあね・・」と返し。「よしっ、俺、ちょっと横になるわ」 「いいわよ。早くして」周、直ぐにベッドに臥し、両脚を真っ直ぐのまま開き、その間に宙を招じ入れ。彼の股間にうずくまると、宙は、ゆっくりと亀頭に食らいつき、礼儀を知る男根の幹を咥え込んで行く。「雁が首」の姿態だ。彼女の愛撫は、例によって陰嚢にも及んだ。

「んっ、んっ、い・・好い。や・・やっぱり口唇愛撫(フェラチオ)は、宙ちゃんに限るな。う・・うぅぅ!」高められ、呻きながら、周は呟く。「ん・・ふふ、あたし、美波先生より上かしら?さあ、答えて!」低い喘ぎを発する一方で、追及の手を緩めない宙。周は、早くも劣勢だ。「んん・・あっ、あっ、そ・・宙ちゃん。その通り!あ・・余り高めんで欲しい。ぼ・・暴発はい・・嫌だ。うぅぅ!」 「アハ、暴発だって。遠慮しないで、顔射の一発でも見舞ってよ。あたしは平気よ」どうも、美波と周が出会った事で、宙も彼も、やや品性が下がってしまったらしい。

「宙ちゃん・・」 「はい・・」返事を確かめ、周が続ける。「ちょっと、考えがあるんだが・・」 「何かしら?ちょっと面白そうね」 「それはね・・」 「うん・・」 「貴女の、その綺麗な脚で、俺の『亀』を高めて欲しいんだ。できそうか?」 「あ、それ、何か聞いた事あるね。『脚コキ』て言うんでしょ。マニアックだし、上手く行くかなあ?自信ないけど・・」 「ああ分る。失敗しても責めないよ。とりあえず、やってみようや」 「仕様がないわねぇ。それじゃ・・」フェラチオを一区切りさせると、宙は両脚を周の前に投げ出し、男根を足先で挟み込む。足先から膝、太腿、臀丘にかけての、妖しい流れが、若者の目を奪う。

「周さん・・」 「はい、聞こう!」 「こうやってさ、亀さん両脚で挟んで『シュッシュッ・・』て摩(さす)ればいいの?」 「そうそう。とに角、やってみてくれ。ほれほれ、諺(ことわざ)に言うだろ『案ずるより生むが易し』って、あれだよ」 「ちょっと待ってよ!それ、そのまま聞くと、あたしがその内、周さんの赤ちゃん産む様に聞こえるじゃん」 「バカ!考え過ぎだよ。今は、そんな事期待してないから大丈夫だって!とに角実行だ」 「はいはい、好いでしょう・・」かくして、互いに向き合い、上体を斜めに起こした形で、二人にとって初めての「脚コキ」を暫し。

「ううっ、宙ちゃん・・初めてにしては、じ・・上手だわ。美波さんは、これやってない。しかし、こりゃいかん。程ほどにしとくか」 「ふふ、周さんの目論み、何となく分ったわ。美波先生も知らない・・か。いいよ。これから段々覚えるからね。でも、そろそろ繋がりたいから、上に来て欲しいわ」 「やっぱり、正常位がいいかね?」 「うん。初めと終わりはね。所で周さん、美波先生と、新しい体位を試したんじゃなくって?」 「ああ、一つあるな。さっきの脚コキじゃなくて。今から教えるよ」 「宜しくね・・」 「了解。その前に・・」周は、宙を着衣のままベッドに臥させて両脚を開き、下方に愛撫を施す。

両の足先から膝、太腿を経て、股間へ。まず、ショーツ越しに高め、喘ぎと湿度の高まりを確かめ、慎重にショーツを下ろす。変わらぬ、魅惑の秘溝。薄目の下草上に咲く秘唇と、そこから覗く、鮮やかな肉壁。それに劣らず輝く陰核(クリトリス)、荒れ知らずの菊花(肛門)も咲き競う。「やっぱり、宙ちゃんは俺の一番!」と、つくづく思う周であった。

「さあ、高めて行こうか」 「うん・・あ、はぁぁ・・」入念に、周から宙への、お返しの口唇愛撫(クンニリングス)が施される。初め「クチュクチュ」と、唇と舌の技が、微かな音を伴っていたのが、秘溝の加湿が進むと「ジュルジュル・・」と言う、耳障りな程の音に変わって行く。喘ぎの頻度が増し、高まって来た所で、周は、宙に耳打ち「さ、繋ぐね」 「うん、来て・・」

周はこれを確かめ、ぐっと宙の脚を押し開き、上に重なると、右手を添え、男根を秘溝に近づけ、ゆっくり腰を落とす。最初の喘ぎ、亀頭が肉壁の迎撃を感じながらゆっくり進み、やがて突き当たる。子宮口に達し、連結を果たす。「最初は、ゆっくりな・・」 「あ、ああ・・つ・・続けて」お約束の、スロー・ピストンによる動きが始まり、宙は高められて行く。亀頭が子宮口を繰り返しノックする、心地良いポルチオ性感に酔う二人。決して悲鳴ではない、艶やかな高音が響く。互いの両腕での抱擁に加え、宙の両脚は、周の腰を捉え、ガッシリと組み付く。ただ、上下動だけを許す為に。

十分間程、二人は、喘ぎと呻きを交換し合った。それから、周が言った。「じゃ、一旦体位を変えるよ。一度、俺が下になってっと・・」正常位から、宙の上体を抱いたまま、周が座り込む態勢に。ベッドの縁で立ち上がれる様にして「よしっ、ちょっと立つから、しっかり首に捕まっててくれ。腰に脚を巻き付けるのは、続けてな・・」 「分った。いいよ・・」宙を前に抱き、核心を繋いだまま、立ち上がる。今度は、少し強めに腰を使う必要がありそうだ。

「ああっ、ああっ、こ・・これも良さそう!」ゆっくり部屋の中を移動しながら、尚も高め合う。「宙ちゃん。これが、俺が美波さんに仕掛けた、新しい体位だ。『駅弁』て言うらしい」 「ハハ『駅弁』か。上手い事言うわね。そう言えば、ちょっと前まで駅で見かけた弁当屋さんと、ホント、よく似てる!」そして二人は笑い合った。この体位でも、十分間程続き。

「周さん・・」 「はい・・」 「最後はね、やっぱり正常位で決めたいわ」 「よしっ、いいでしょう」周は応じ、再びベッドに、宙を転がしてやる。だがしかし、全裸になる事は認めなかった。「今夜は、着エロさ・・」 「意地悪!」と、一度は拗(す)ねた宙だが、本心は満更でもない様だ。周も、上のアンダー・シャツは着けたまま、行為に臨んでいる。「さあ宙ちゃん・・」 「はい・・」 「頂上へ行こう!脚は絡められんけど、いいかな?」 「好い感じで昇れるなら、いいわ」 「よしっ!今、帰るよ」 「うん、早く、亀さんを返して・・」

会話を区切った周は、再び宙の上に重なり、両の脚を大きく曲げ開くと、両の腕で両の太腿を抱える態勢をとり、一度空けた右手を添え、ゆっくり男根を、秘溝へと返す。再びの喘ぎ、そして呻き。だが・・やはり、直ぐには腰を強めも速めもしない。「嫌ね、又焦らして・・」組み敷かれる宙は、些か不満顔。「まあまあ・・」上から、周はなだめる。

「まだ旅は、これからさ!」時を刻む様に、腰を動かす 周の脳裏に、あの海辺への往来に乗った、JR列車の、線路の繋点を通る、規則正しいジョイント音が響き渡る。「ねえ周さん・・」下から、宙が呼びかけ。「はい、聞こう!」周が返すと「美波先生が来られたらね、夜の行事に、あたしも加われるなら許すわよ!」 「あ~あ、所謂(いわゆる)3Pかよ。いや、まあ良いだろう。分ってくれて、有難う!」互いの「核心」を繋いだまま、喘ぎと吐息を交えながら、高まる二人は、上と下で笑い合った。
(おわり 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 波多野結衣
東京スカ・パラダイス・オーケストラの今回楽曲「流れゆく世界の中で」下記タイトルです。
流れゆく世界の中で

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