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想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密 第17話「思惑」

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夜10時を過ぎ、健(たける)、徹の二少年も寝静まった頃、講師の寝室では、少しの寝酒を嗜みながらの、初美と小町の会話が聞こえる。今夜のは、小町が持参した、クレーム・ドゥ・カシスのソーダ割りだ。

小町「初美。無礼は悪いと思うけど、あたしが、何故貴方のミニコスを借りたか分る?」「ええ、何となくね。あたしと彼たちだけでいる時がどんな風か、知りたかったんでしょ。終礼キスの事は、健が、何げに貴方に漏らしたらしいわね。まあ、どうでもいい事だけど」初美、こう返す。
小町「その辺は、悪く思われても仕方がないわね。所で、ズバリ訊くけど、彼たちと、あの行為はあったの?気が進まなければ、答えなくていいけど」 聞いた初美、暫くの沈黙の後、静かに「ありますね」と一言。

小町「有難う。彼たち二人と、どんなあり様だったかまでは、訊かないわ。又、その必要もないし。ただ、貴方は大丈夫だと信じるけど、彼たち二人には、分け隔てなく公平に接して欲しいの」
初美「勿論、それは常に気をつけてるし、彼たちも理解してくれてるわ」
小町「分った。この話は、これ位にしましょう。で、次の問題も大事よ。貴方、未成年の男児と交わるのは、違法だって事は分ってるわね」「ええ、理解も覚悟もしているわ」初美、こう返す。
小町「そこでね。あたしからの提案だけど、起きちゃった事は仕方がない。ただ、その行為を、この中山荘(ちゅうざんそう)の中だけに封じ込めなければならないって事よ。実はね、ここだけの話。あたしも、少しは身に覚えがあるのよ。貴方も、一度は聞いたんじゃない?」

その覚えを少し。佐分利学院の養護主任、女医 本荘小町は、初美と同じ二年前に就任して以来数回、目をつけた優秀な教え子の男児を「特別な褒美」と称して、養護課の寝室に招じ入れ、シャワーなどの後、その童貞を奪っていた。当該生徒は、高等科三名、中等科二名で、内高等科の一名は、ゴムなしで直接性交(セックス)に及んでいた。所謂「中出し」と言われる衝撃の行為に、その教え子は、初め大きく戸惑っていたと言う。

初美「噂には聞いていたわ。事実なら、凄い事ね。まあ、あたしも彼たち二人を同時参加の、所謂3Pに関わらせたんだから、大きな事は言えないけどね」
小町「ふふ、6年次とは言え、初等科の童貞君を二人も抱き取り、咥え込んだ。スケベね」笑いながら言う。
初美「まあ、事実だから仕方がないわね。そして、あたしは蜘蛛女って事になるかしら。ただ、ゴムは必ず着けさせたし、彼たちも、進んでそうしたいって言ってくれたわ」苦笑して言う。
小町「貴方は、その辺りの指導は見事だわ。ホント、尊敬するんだから」再び微笑んだ。

初美「いいえ、とんでもないわ。それより、さっき言ってくれた『行為を、中山荘の外に出さない』その徹底って大事よね」
小町「その事よ。それが心配で、この週末は覗きに来たって事。もしもの事があったら、貴方は、未成年者福祉法規違反容疑とかで、逮捕されるかもよ。それに、彼たちだって、貴方に対する性非行の疑いで、相談所送致の可能性があるわ」
初美「そこよね。その辺りの策をどうするか、明日中にまとめないといけないわね」
小町「それ大事。あたしがいる間にまとめようよ。後、香緒里にも、いつまでもは隠せないでしょ。近々明かすべき。それじゃ、今夜はこれで。お休み」「はい、分りました。お疲れさん」返す初美。その声が、少し揺れる。

明けて7月26日の日曜は、朝から終日晴れの好日。少年たちは、草サッカーの朝錬に始まり朝食、生徒の寝室や教室の掃除などを、順調にこなした。午前は、初美の国語と小町の理数科授業が各一限。早めの昼食後は、小町の希望で、早瀬管理人の案内により、全員が揃って木曽川へ水浴に出た。午後2時半過ぎに戻り、二少年は暫しの午睡。4時頃から、四人全員参加の、自由研究に関連する社会科授業が一限。その後、二女講師、二少年の順で入浴。6時には、普段通りの夕食となった。

食後、二少年はほんの一時、天体見物。余りゆっくり見られない事は分っていたが。その間に、初美と小町は着替えにかかる。昨日に続いての、ミニコスへの変身。だが、この夜は少し、趣向を変える事にした。
「戻りました」午後7時過ぎ、二少年は天体見物を終え、玄関へ。上がって小用、手を清めた所へ、二人の「大人の妖精」が現れる。「お・か・え・り」セクシーな出迎えを受ける。

「素敵なお出迎え、有難うございます」彼たちは、深めに一礼。再び廊下に出ると、まず、初美が健の前に現れる。「健、この前みたいな、素敵な愛撫を頂戴」「かしこまりました」彼は答え、挨拶の口づけの後、初美の腋の下に両の手を滑り込ませる。撫で上げ乳房へ。「ああ、好いわ・・」初美、早くも軽い喘ぎを始める。
同じ時、徹の前には小町が。「徹、今夜はもっと深い事をしようね」「はい、宜しくお願いします」徹、こう返す。こちらは、挨拶の口づけの後「君は、後ろからしたいでしょう」小町はこう言い、悪戯っぽく笑う。「そうですね。是非お願いします」返す徹、小町の後ろに寄り添う。低い姿勢、彼女の足首からふくらはぎ、膝、太腿の絶対領域へと撫で上げる。「ああ・・」小町も喘ぎ声を上げ始め、玄関に続く廊下は、四人の喘ぎやざわめきで、暫しの賑わいを見せるのであった。
(つづく 本稿はフィクションであります 2016=H28,7,17記)

今回の人物壁紙 青山未来

渡辺貞夫さんの今回楽曲「ラウンド・トリップ(Round Trip)」下記タイトルです。
Round Trip

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