2ntブログ

記事一覧

パノラマカーと変な犬 第23話「戯言(たわごと)」

photo-171010_36622.jpg
由香と由紀の木下姉妹が、学術交流行事参加準備の為 佐分利学院の学習室に詰める半日の間、中条は親許の雑用をこなした。昼食後暫くして、野菜など 食材の差し入れを持って一旦帰宅。コーヒーを入れ、ラジオの野球中継を聴きながら、合間に 初美宛てLINE送信を図った。「今日は・・」彼は思った。「彼女も、所要で G県の親許へ帰ってるかもだが・・」

初美からの返信は、数分間を要した。「お疲れ。今日は、親許へお帰りかな?」の、中条の問いに 「その通りよ。毎週末、貴方んとこで過ごしたいけど、そう都合良くも行かなくてね」 「ハハ、有難と。たまにゃ親孝行もせんとなぁ」 「そうよね。できるとこでって事になるかしら」 「うんうん、その辺は何となく分るよ。俺の両親なぞは、もう高齢の域だし・・」 「そうでしょうね。遠くない時期に、あの事で ご挨拶できる様にしないとね」 「ああ、あの事ね。そうやね、それはその様に努めんと・・」そう応じる 男の返信の語尾は、少し濁されていた。

初美の送信は続く。「新(しん)さん、ところで・・」 中条「はい・・」 「由香ちゃんと由紀ちゃんは、こちらへ入ったの?」 「ああ、ご心配なく。昨日の日中 無事着いて、俺んちへも挨拶に来たな。」これを見た初美は「ふふ・・ただの『ご挨拶』で済むレベルかしら?」と思いながら、中条に質(ただ)す。「ふうん。・・で、お宿は A大学か (佐分利)学院の近所って事ね」 「ああ・・アハハ、ま そんなとこですな・・」

「これは嘘!」ここまでのやり取りで 初美は、そう確信した。婚約前夜のレベルまで交際の進んだ今、彼女は 中条の居所の合鍵を持っていた。酒気や食材、衣類などの差し入れや 買い物などの必要で、彼の留守中の出入りも 時々ある。多分彼は、自身から誘ったか否かはさておき、姉妹を居所に寝泊まりさせている可能性がある。交信を終える時、彼女は思った。「こりゃ、近く覗きに行った方が良いかも・・」 

初美の 現在の勤務先繋がりで、興信所や私立探偵、法律事務所などに依頼する道も あるにはあったが、彼女はあくまで 己の目で確かめる事にこだわった。「まあ良いわ。あの娘(こ)たちが、彼のとこに居る事が分れば良いのよ。それに・・」 「もしもよ、彼女たちが新さんと 深い事をしてたって、そう心配じゃないって。だって、この前の旅行の時だって そんな事が何度かあったんだし・・」

一方の中条。次の週末には会う事を約して 交信を終えるも「いよいよ、説明責任が問われるな・・」の想いにはなり始めていた。彼の方こそ、誰かに・・或いはどこそこへ相談したい心境だった。勿論これは、この男の身から出た「限りなく錆に近い」事だったのだが。

ラジオの野球中継は、前々日より三連戦中、チュウキョウ・ドームにての NCトラゴンズと HEタイガースのカード。この日が三連戦最終日だ。前日は惜敗も、この日のドラゴンズは投打の内容がまずは良く、小刻みに加点して 上手くすれば完封で勝てる可能性がある様だ。

「さあ、それじゃ・・」 3pmを回り、親許から持ってきた品々の整理と、大まかな部屋掃除を終えた中条は 再び施錠の上階下に降り、駐車場の車へと向かう。ここから JR中央駅傍の 佐分利学院の本校舎までは、多少の渋滞にかかっても 10分程で到達できる。まずは一走りの距離だ。「今、着いた・・」学院階下の玄関近くに車を横づけした彼は、LINEで由香に知らせた。数分後・・

「おおきに!有難うございます!」玄関から出た、由香、由紀の姉妹が 路肩の車に近づいて来る。「おお、ご苦労!準備は進んだか?」 由香「ええ、お蔭様で、明日の朝からスムーズに入れそうですわ!」 由紀「あたしも同じくです。これで明日からの不安が、一応解消かなって感じで・・」姉妹は、笑顔で応じた。

姉妹を拾った中条は、その足で 普段の買い物をする N城址西の「丸万ストア」へと回る。店に入ると、彼は「野菜の類(たぐい)は 俺んとこに揃っとるから、買わんで良い。米がちょいとと 卵とか牛乳、ヨーグルトとかだな。後、欲しけりゃ 揚げ物の惣菜と果物(フルーツ)でもってとこだ」と言い、姉妹も 「分りました。じゃあ、そんなに手間やないですね」と 気軽に返す。N市でも屈指の安売り店だけに、日曜の夕方前でも、結構な賑わいだ。

惣菜ブースへと進んだ中条「おー、これは好いな!」揚がったばかりの鯵(あじ)フライが気に入った。「どうかな?明石海峡の上物ばっかり食してる二人には、チョイと似合わん・・かな?」と訊くと、姉妹「いやいや、とんでもありまへん!あたしらだって、普段の食事は 鯵とか鯖(さば)みたいな青魚も多いですよ」と返し。「よしよし、ご理解感謝。それじゃ、今夜のメインは これで決まりな・・」中条、姉妹の理解に一礼。六尾を入手した。その間に姉妹は、味噌汁の具にするらしい、油揚げや葱(ねぎ)、海草などを買い進む。

「一度位、馴染み処とかで外食もさせたい」所だが、この夜は 降雨の予報が出ていた。酒気の許される由香も、彼の居所での「内飲み」を気に入っている様だし、酒気未解禁の妹・由紀も、この所は概ね同調していた。何よりも、飲んで好い気分になった所で、帰宅せねばならない心配から解放されるのが大きかった。「まあいい。夜のお出かけは、明日以降だ・・」

居所への戻りは 5pm少し前。車内でも聞いていた この日の野球試合は、前日敗れた NCドラゴンズが一矢報い、HEタイガースに完封で勝利した。「やっぱりな。序盤から好い感じだったし・・」中条、結果に気を良くす。この日は敗れるも、HEタイガースは、三連戦では二勝を上げ 勝ち越していた。由香、由紀の姉妹も その事が分っていて、穏やかな姿勢に終始したのである。

「由紀ねぇ・・」帰って一息つくと、由香が言った。「はい、何やろ?」妹が返すと 「夕飯の応援、途中までで良いからさ。お風呂の時間来たら、伯父様と入っててええで」 「ほうか、有難と。ほな、そないな事で進めるわな」 「ああ、そや。ご飯炊かなあかんな」 「せや。・・で、伯父様は炊飯器使わへんから、この耐熱ガラス器に、説明通りにといだお米と水入れて、電子レンジって事で」 「よしゃ、じゃ、進めまひょ!」

由紀が米の準備をする間に、由香は、中条の持つ白ワイン一本を冷蔵庫へ。その他、野菜のうま煮と味噌汁も作った。メインの鯵フライも、米が炊けた後、もう一度温めるのだ。小半時で風呂に入れる様になると、由紀と中条は、脱衣して浴室へ。先にかけ湯の後、由紀が浴槽に入り、中条が髪と身体を洗う。入れ替わりの時には、期待の展開が・・

由紀「伯父様、ちょっと背中流して欲しいわ・・」 中条「ハハ・・言うと思った。少しやったろうかな・・」 「ええ、是非・・」髪、そして体洗いの間、男は、妹の胸周りや「女の核心」辺りに、存分に手を伸ばし、その優れた感触を味わった。「初ちゃんには悪いけど・・」「綺麗な肌や。やっぱり、若い肉体は好いな・・」

勿論、モデル・レベルの初美の姿態も、中条には十分過ぎる魅力があったが、若い姉妹のそれにも、抗えないものがある。男は、身体を清める合間に 左手を由紀の胸周りに走らせ、もう一方の右手では、下方の秘溝と臀丘を撫で回す。奥の方に潜む陰核(クリトリス)は、触手の様に蠢(うごめ)く右手に反応し、適度な堅さを保っている様に感じた。

「あ・・、ん・・、い・・好い」撫でられる由紀は、小さい喘ぎを見せる。そして、こう訊いて来た。「伯父様は、初美先生と お風呂で行為された事ってあるの?」 中条が「ああ、何・・それは風呂性交(バス・セックス)の事かね?」 「ええ、そうよ。もしそうなら、素敵な光景やな思うんです」 「うん、少しだけな。ここの風呂じゃ狭いから、中々その気にならねぇんだが・・」などと艶のある会話が暫く。戸外では、斜め向かい家の屋上に出た 不良な飼い犬「マル」が、甲高い咆哮を始める。階下を夕方通る、散歩人と連れ犬を標的にしているらしい。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 源 すず
中村由利子さんの今回楽曲「Invitation to Enchantment」下記タイトルです
Invitation to Enchantment

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

hakase32

Author:hakase32
愛知県在住の後半生男です。恐れながら、主に18歳以上限定内容を記して参ります。

お手数ですが、拙各稿を初めからお読み下さる場合は、下方にあります月間アーカイブ他のご利用をお願い致します。
他ブログを含め、拙記事の無断転用及び引用は ご遠慮下さい。

下記ランキングに参加しております。
クリックをお願いできれば幸いです。

官能小説ランキング

アクセスカウンター

愛と官能の美学

Shyrockさんの R18読み物集。他の作者各位も多数リンクされています。入口は、下記タイトルです。

赤星直也のエロ小説

赤星直也さんの R18読み物集。入口は、下記タイトルです。

未知の星

赤星直也さんの R18読み物集もう一つ。他の各位の作品も収録されます。

Mikiko's Room

Mikikoさんの、カテゴリー豊富な R18読み物集。独自視点の旅日記も好感です。

Adult Novels Search

R18 読み物の検索サイトです。

ブロとも一覧

拙バナーです

知人様より、優れたバナーを賜りました。必要時はご利用を Produced by Shyrock

もう一つの 拙バナーです

知人様ご厚意により、拙バナー追加編も賜りました。必要時はご利用を。 Produced by Shyrock

清き一票を(笑)

下記ランキングに参加しております。

日本ブログ村バナー


にほんブログ村 →できますれば、こちらも応援を・・

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

月別アーカイブ

これまでの拙連載「想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密(2016=H28,9~10)」と「轍(わだち)~それから(2016=H28,11~2017=H29,2)」  「母娘(ははこ)御膳(2017=H29,3~6)」  「南へ・・(2017=H29,6~8)」 「交感旅情(2017=H29,9~12)」 「パノラマカーと変な犬(2018=H30,1~5)」  「ちょっと入淫(2018=H30,6~10)」 「情事の時刻表(2018=H30,11~2019=R1,6)」 「レディオ・アンカーの幻影(2019=R1,11~2020=R2,5)」 「この雨は こんな風に聴こえる(2020=R2,6~2021=R3,3)」も お読み頂けます。