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パノラマカーと変な犬 第57話「会艶」

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「さあ宙(そら)、ちょいと一風呂行って来ようか?」 「うん、そぅだね!」声をかけ合いながら、佐分利学院の講師 花井 結(はない・ゆい)とその妹・宙は着替えとかを携え、浴室へ向かった。暫くの間 出張所上階の居間(リヴィング)は、由香、由紀の木下姉妹と周(あまね)、中条の四人になる。時刻はまだ7:30pm前後。夜の帳(とばり)が降りはするも、まだ日中の光が暮れ残り、暗くなり始めたばかりの地方都市は、それなりの喧騒に包まれている様だった。

「さてと・・」花井姉妹が浴室に入った様子を見届けて、中条が言った。「まあ、ホントは彼女たちが上がって来るまで待つのが礼儀なんだが・・」 姉の由香が聞き「ふふ・・それで、待てない何かがあるって仰りたいんですね」 「分かってくれて、有難う。正にそれやよ」 今度は、妹の由紀が、会話に割って入る。「待てない何か。それは何か?つまり、姉とあたし、それに周さんと伯父様の間にある何かって事ですね?」

これを受ける 中条は続ける。「ああ、ご免な。正にその通りでさ。これは多分、周君も似た様な想いやねぇかって気がするんだが。そうだな?周君」 聞いた周は「伯父さんの仰りたい事、大体分かりますよ。つまり、由香さんと由紀ちゃんの、バスローブの下の装いはどんなか?て事ですよね」 「悪いな、正にその通りでさ・・」そう返しながら、男は苦笑した。暑い夜だが、部屋の空調は快適だ。

「やっぱり、男の考えって『おスケベ・ドリーム』やね!年代に関係なく・・」わざと呆れた様に、由香が反応した。由紀も「伯父様も周さんも『本音大暴露!』・・ですね」と言って苦笑。返す中条「ご免なぁ、男・・特に『オサーン』は、そんなんしか想像がつかんのやよ。もっと改革をせんと・・と思いながらできねぇってのが本音・・かな」 対する由香「ふふ・・無理ならいいわよ。むしろその方が、中年嫌らし男って感じでね!」 聞いていた由紀も「そうですよ。余り無理はされん事ですわ。少しエッチな方が、伯父様らしくてええですねん!」

中条「そうか、有難と。さて、俺ばっかり構われててもいかん。周君の方はどうなの?」と、話を周に振ろうと試みた。対する周「ハハ・・まあ殆ど伯父さんが代弁して下さったんで、自分の想いもほぼ同じですよ」笑って応じ。聞いた男は「ほう、そうか。大体俺と似た様なってか?」 周「そうです・・」 これを受け、中条「由香ちゃんたち。彼も同じ様な・・だって。俺の望みは、お風呂の姉妹さんに逆らわねぇとこで、ちょいとだけ、バスローブの下を見てみてぇって事さね。周君、これでええか?」 聞いた彼は「はい、間違いありません!」力強く答えた。

「よしゃ!そないな事なら・・」由香もはっきり返し「なあ由紀・・」と続ける。妹が頷いて返すと「結先生と宙ちゃんがお風呂済むまで、ほんの触りだけ あたしたちの下着見てもらおうやんけ。何、気になんせんでもええ。伯父様と周君が、身体(ボディ)にノータッチならそれでええねん」 聞いた由紀「ほう、さよかぁ。そないな事なら、ちょっと位ええなぁ。TV見ながらだってできるさかい、ちょいとだけ楽しんでもらおか?」

「いよっ、待ってました!」浴室に響かぬ様、声のトーンを落とした周と中条が、こっそりとかけ声を発する。これを合図に由香と由紀は、男二人が座るソファの前に進み出て、少しの間 緩い舞いを披露。それは恰も、夜の街や温泉場によくある、ヌード劇場の「序の舞」に似ていた。「う~ん、ちと古っぽいかもだが」中条は、唸りながら言った。「このシーンが、次への期待を持たせてくれる訳よ・・」 「次への期待・・ですか。何んとなく分かる様な」と、周も応じた。

10分弱の間、BGMなしで緩い舞いを遂げた由香と由紀は、徐々に踊りを終息させながら、ゆっくりとバスローブの帯を解き始める。遥か以前、民放ラジオの深夜番組を持っていた落語の名跡 笑福亭鶴光が 面白半分で歌った節「そろりそろりと帯を解く~」そのものズバリである。「さあさあ、期待の光景だぜよ!」声を殺しながら、中条が言う。周は声を出さぬ様、頷いて答える。帯を解き終えた由香、そして由紀の順で バスローブの中身が現れる。「心行くまで、覗いておくんなはれ・・」木下姉妹の表情に、そんな自信の様なものが表れていた。

「いや~、二人共素晴らしいわ!」脱ぎ去られた姉妹のバスローブを各々受け取った周と中条は、小声で感嘆した。姉はベージュ系、妹はヴァイオレット系と 色は違うも、ほぼ揃いの タンク・トップ調のキャミソールにフレアのミニ・ベティコート。下肢は中条憧れのニーハイである。「お~、素晴らしい!」唸る男。傍らの若者も、それらの魅力には 異論がなかった。

「いや~これ、今から萌え萌えだわ。下半身、大丈夫かな?」やや不安そうに中条が言えば、周も「あは、そんなですか。実は自分も、ちと不安がありまして・・」と応じ。この反応に、由香、由紀の姉妹は「面白(おもろ)いな。この二人、もそっと挑発しよか・・」半分は、冗談と悪戯心で 高く脚を挙げるハイ・キックとかを披露し、男たちの願望を煽って行く。

「今は・・」中条は呟いた。「股間に何着けとるか?まあ、それは後々分かるだろうが・・」 この言葉に周「そうですよ伯父さん、今は焦らん方が良いです。少なくとも、ノーパンでない事は分かりましたからね。もうちょっとで、結先生と宙も、風呂上がりです。追及は、それからでも遅くないでしょう」

「ああ、有難と。本当はいかんが、教え子に教えられとるとこがあるな。でもその通りやよ。焦らんでも『その時』は来るからな」中条の返事に、周も頷いて応じ。「さてさて・・」男は続けた。「そろそろ、もう一方の美人姉妹さんが、風呂からお上がりだな。ちと残念だが リセットにしようや。由香ちゃんも由紀ちゃんも有難とよ。もう一度(バスローブ)羽織っててくれや」 「了解しました。ここは、上手くやり過ごさないとね!」再びバスローブを抜かりなく纏い、何事もなかったかの様に、平静さを装う木下姉妹。暫くして・・

「伯父様、周も お先でした!」木下姉妹に続き、バスローブに身を包んだ 結と宙が戻った。同様に洗髪しており、佳き香気を発している。「さあ、周君・・」花井姉妹に会釈した中条が言った。「俺たちも、一風呂浴びよや。運転とかで、疲れたやろ」 「・・ですね。シャワーだけでも救われる想いですよ!」周も、笑って答える。男二人が浴室へ向かうと、結はニヤリとして、教え子の 若い女たちに言った。

「皆、これからの事は分かってるわね。周と伯父様のお竿(チンポ)を、じっくり美味しく頂くって事よ。周の一物は、一度で記憶に残った逸品よ。程良く堅くて大きくて、それでいてとっても体温が感じられてあったかい。ああ、今から楽しみだわぁ・・」 「ふふ、お姉ちゃん・・」聞いていた 妹の宙が返し「言っとくけどさ。周さんのお竿は あたしの物なんよ。ホントはね。ただ、お姉ちゃんが 周さんや伯父様と性交(セックス)をするみたいだからさ。それを観察できるなら良いですよって事だからね」これを聞いた結は 一瞬「キッ!」と険しい表情となった様に見えたが、直ぐに落ち着き「ああ、分かってる。まあ、そんなとこだろうね。想像つくわ」と、努めて平静に返した。

「結先生・・」由香が言った。「はい、何かしら?」結が返すと 「つまり・・伯父様と周君のお竿を、先生とあたしら三人でじっくり攻めようって趣向ですね」 「うん、その通りよ。誰が一番二番とかは決めてないの。その場のなり行きで決めれば良いって、あたしは考えてるわ」

これを聞いた由香は「先生、ちょっと 由紀と話す事 お許しを・・」と一言。頷いての同意を得た上、妹の由紀と会話。「なぁおい、さっきの話 ちょいと難しくなりそうやな」 「ああ、せやな。先生のお話じゃ、結局 周さんのお竿(チンポ)は、真っ先に先生に弄ばれそうや。宙ちゃんも、お姉ちゃんのする事やさかい、周さんのお竿を守り切れるかどうか、分からへんしなぁ・・」 「しかしや!」 「しかし、何ですねん?」 「お竿の一番乗りダメやったら、陰嚢(たまぶくろ)の方だけでも 最初にやるでぇ~!」これが、関西屈指の名家の令嬢 木下姉妹の「この夜の一会話」であった。
(つづく 本稿はフィクションであります)

(つづく 本稿はフィクションであります)
中村由利子さんの今回楽曲「プルー・オン・グリーン(Blue on Green)」下記タイトルです。
Blue on Green

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