パノラマカーと変な犬 字余り
- 2018/05/13
- 14:53
初めのつもりより、やや長めとなった今連載でしたが、お陰様で何とか終了。ご一読下さった各位に、一言お礼を申します。
今回は、地元の N市内で仕事に出ていた 主人公の中条 新(なかじょう・しん)が遭遇した追突事故をきっかけに、事故相手 関西在住で、少し前の旅行でも顔を合わせた由香・由紀の木下姉妹と再会。彼女たちの大学行事で、再び中条の地元を訪れた約 一週間の出来事を綴る形を取り、それに姉妹と同年代の花井 宙(はない・そら)、阿久比 周(あぐい・あまね)や宙の姉で予備校講師の結(ゆい)が絡む流れとした次第。
又「戌年(いぬどし)」の今年に因み、中条の居所至近に巣食う ちょっと変な飼い犬の事も 少し詳しく交えてみました。愛称「マル」は、今回初めて分かったとの設定で、なるべく躾(しつけ)の芳しくない お間抜犬として描いたというのが本音です。
それにしても、動物のやらかす茶番は 理屈抜きで面白いと思います。奴等自体に全く自覚がなく、幾つか偶然が重なって そうなる所があるのは分かるのですが、一度そういう所を見てしまうと、次もその次も「何か やるんじゃないか?」との先入観と期待を抱いてしまうんですね。特に、犬にはその傾向が大きくあると感じます。今回作では、中条の居所 斜め向かいの屋上に毎日現れる 飼い犬「マル」が、日々確かに悪知恵をつけて「進化?」する辺りにも切り込みたかったのですが、複数の濡れ場共々、まだ詰め切れなかったかな?との反省点もありますね。
もう一つ、中条の幼少時から強烈な印象を残した 物語中の名豊電鉄列車「パノラマカー(実車は 以前名古屋鉄道に在籍)」の記憶と、現在も主力の「パノラマ・スーパー(現存。前者に同じ)」の事にも触れております。メロディーによる警笛「ミュージック・ホーン」を代々備え、物語中の他、実際にも 多くの地元愛好者から支持されている所です。
次に音楽リンク。これも「無理筋か?」とも思ったのですが、横浜のピアノ奏者 中村由利子さんの諸作を取り上げさせて頂きました。以前の拙作「轍(わだち)~それから」の折の、今は故人の松岡直也さんとは同郷の方でして、音楽の方向こそ違え、同じピアノ奏者という所も、何か因縁の様なものを感じる所でもありますね。中村女史の音楽性は、その後の「母娘(ははこ)御膳」の折の 久石 譲(ひさいし・じょう)さんに近い ヒーリング系の流れを感じさせるものでして、今回拙作とは随分落差がありそうだったのですが、敢えて取り上げた次第であります。
5月連休も終わり、梅雨前哨戦の様な空模様の昨今ですが、勝手ながら拙連載 暫くお休みを頂きます。構成面を含め、次回構想とネタ探しを 今度こそはじっくり行ってみたい想いもありまして。ですが拙欄、週に一度位は顔を出し 状況報告とかを上げられればとも思う所です。春から夏への移ろいの時季でしょうか。昼夜の温度差が大変大きい様ですが、各位どうか ご健康安全留意にて。末筆ながら、一部の回に画像提供下さった A・DENKA様にも、厚くお礼申します。
今回の壁紙 名古屋鉄道(物語中 名豊電鉄のモデル)パノラマSUPER 更新リニューアル後の姿。今後順次 この外装となる予定。名古屋本線 金山~神宮前間 2017=H29,11 名古屋市熱田区付近 撮影 筆者