情事の時刻表 第16話「攻守」
- 2018/12/29
- 10:22
静まり返った鵜方病院上階の特別病室が入るフロアの一室で、女医・小町と「名ばかりの患者」宮城の 大声では言えない「夜の診察」が続く。屈曲の大きい正常位で「行為」が始まり、小町が「望んだ」よりは宮城の「配慮」で叶った座位を経て高まり、昂奮で腰を浮かせた女医は、座っていたソファに両の手を突いて 白衣の下方を捲ったあられもない姿で宮城を後ろに繋がせ「碁盤攻め」なる後背位で 更に昂る所であった。
「あっ、ふぅぅっ・・い、一路さん!」 「はい、聞いてますよ。何ぞ?」背後で、うねる様に怪しげな 腰の前後動をみせる宮城に、小町が言った。「顔が見えない昂りって、何か好いわ・・」 「なる程ね。『顔が見えねぇ昂り』・・ですか。俺からは、貴女の魅惑のお髪(ぐし)や腰の括れ、それに太腿やお尻が手に取る様に見えまして。うん・・『見えねぇそれって、何か 分かるなぁ・・」薄暗がりの病室で、彼の竿(男根)の幹が、小町の下草に分け入り その奥の膣内に出たり入ったりしている。何度目かの絶頂が、この男を見舞おうとしていた。
「こ、小町さん。参った、暫しのご猶予を・・」哀願する様に、男が言う。「まあ、困ったわね。射精しそうになると、逃げを打つ。貫禄のある体躯なんだからさ、それに見合った『男』らしさを見せて欲しいわ!」 「あ、いやいや・決して逃げとる訳じゃねぇんです。俺はただ『最後の絶頂』を、ホントに素晴らしいモンにして、貴女と共有してぇって事・・その一心なんですよ」
「そうか‥『素晴らしい 最後の絶頂』ね。でも・・」聞いた女医は呟いた。「でも、それを真に受けて聞いてると『診察』て仕事にならないし。そうでないと、あたしがこうして 身体張ってる意味もなくなっちまう訳よ」 対する宮城「う~ん、それがあるかぁ。折角ね、貴女の後ろで 好い感じで昇ってるんで 俺はこの方が良いんだが、でもよろしい。もう一度『尺』をお願いするって理解で良い訳ですな?」 「はい、その通り!」
「仕様がねぇ。ここはお指図通りにすっか・・」昂る快感を諦めるやむなきとなり、随分と名残り惜しくはあったが、宮城は腰の前後動を止め、繋いでいた己の「竿」を、小町の秘溝からゆっくりと抜き放す。この夜最初の射精はまだだ。秘液で濡れ、薄暗さの中で輝きを放つそれに、男は「いやいや、何とも素晴らしい眺めって事で・・」感心して呟く。秘液は、周りの下草も相当に濡らしている。「さ、熱さが冷めねぇ内に 宜しくです!」己に前かがみで尻を向けていた小町の下半身に手を添え「回れ右」を促す彼女も快く応じ、宮城と向き合って腰を落とす。
「ん、んん・・」 「ジュパッ、ジュパッ・・」初めの時より 明らかに大きな呻きと耳障りな音を伴い、小町の口唇愛撫(フェラチオ)が再開された。「あ、あぁっ・・こ、これ・・ずっと効くわ~っ!」仕掛けられた男の表情は綻び、その声は 尺り続ける女医の呻きに重なって 二重唱を奏でて行く。そして数分・・「あっ、ああっ・・い、いかん。で、出るぅ~っ!」叫ぶ様に、宮城が声を上げる。それに合わせて 小町の口内に、白く熱い液体が放たれた。
「ふふ、よく出してくれたね。これは褒(ほ)めてあげなきゃね・・」又もニヤリと微笑を浮かべ、女医が言った。ほぼ半分を飲精、残りは宮城とのザーメン・キスに回される。「ああ、アハハ・・有難うごぜぇます。まあ俺も、何度か辛抱したしね。お蔭で、とても良い感じでしたわ」昂奮と緊張が解け、宮城も笑顔で返す。聞いた小町「でも・・」 「はい・・」 「もう一度、昇って欲しいわ。今度は、あたしの上で・・」
宮城「はい、分かりやした。でも、ちょっとね・・」 小町「はい、何?」 「まあ、その前に一息入れやしょう。ちょっと水分も欲しいしね・・」宮城はそう言い、室内の冷蔵庫に入れていた ペット・ボトルの冷茶を備え付けのグラスに注ぎ分け 一方を小町にも勧める。「あ、有難う・・。ねぇ、一路さん・・」 「はい・・」 「アルコールじゃなくて悪いけど、乾杯しよか・・」 「良いですねぇ、それ・・」二人は、グラスを合わせた。
「さぁ、それじゃ・・」 10分間ちょっとの休憩を区切ると、宮城が言い「続きはベッドでって事になりますか?」 「そうそう、その通りよ。今度はね、あたしの上で昇って欲しいの」そう、小町は返した。「分かりやした。それじゃ・・」男は言葉を区切ると、女医の背後に右腕を、膝下に左腕を滑り込ませて ゆっくりと抱き上げた。前回好感された「お姫様抱っこ」の再現である。
「ああ、好いわ これ。何度してくれても良い!」華やいだ様な小町の反応に 「ああ、喜ばれてるのって、こっちも好い気分でね~!」宮城も笑って返す。「それじゃ、行きますよ~!」 「は~い、お願いね~!」いかにも この後に期待している、小町の反応であった。それに応える様に、女医を捧げる様に抱え、男はベッドに歩を進めた。
ものの数歩だが、宮城のこの振舞いも、小町を喜ばせた。ゆっくり静かに横たえると、女医は「さっ、早く来て!」と、又も彼を催促した。宮城も応じ、再び開脚で迎える小町の下方へと膝を進める。「それじゃ、〇〇は熱い内にって事で・・」 「そうそう・・」再び 正常位での連結を図り、宮城が小町の秘溝に竿を向けると、既にそれは 先程までの堅さを取り戻していた。「ふふ・・口で言うより元気じゃないの。これなら大丈夫よ」そんな女医の言葉に 男は「あは、そうですか。いや何かね、一旦は薄れた自信が戻って来た様な感じですよ」と返し、その上にのしかかって行った。
「さあ、仕切り直しと行くか。又、昇れるかどうかだが・・」そう呟(つぶや)きながら、宮城は又 小町の「開かれた」股間へと膝を進める。そして「もう一度、高めた方が良いかな?」顔を伏せると、ぐっと 湿度を保つ下草に囲われた秘溝に唇を合わせにかかった。そっと指で押し広げてみると、朱(あけ)に色づいた陰唇が 輝いて見えた。「うんうん、好いぞ。まるでルビーだな・・」男はそう呟き、口舌でのマッサージを再開した。
「あっ、んんん・・い、一路さん。好いとこで、お代わりくれるね。有難と。はっ、はっ・・!」昂らされた小町、喘いでの反応。「こっちこそ、感謝ですよ。ホント、惚れぼれする 麗しい反応でさ・・」せっせと 彼女の股間で口舌を蠢かせる傍ら、宮城はそう返す。所謂四十八手中「立ち花菱」と呼ばれる 巧妙極まる口唇愛撫(クンニリングス)の高めに、小町は艶美な喘ぎで応えた。
「ああ、素敵・・」次第に高まる「ジュルジュル・・」なる些か耳障りな音を伴い、宮城の舌技は次第に冴えをみせて行く。これは、己に全てを許した女医への気遣いの一方で、一度は頂(いただき)に押し上げられた後 少しでも精力を回復せんとする為の、云わば時間稼ぎの意味もあった。「もうすぐ次の絶頂だ。それまでに、何とか『男』を回復してぇ・・」今暫く、小町の喘ぎと、宮城の口舌が発する 微かな雑音の合唱が続いた。
「あはぁん・・一路さん、そろそろじゃない?」昂りをみせる小町がこう言い、宮城に核心の行為を促す。これに応じ「はいはい。又欲しくなりましたかな?ちょいとお待ちを。今。差し上げに参りますってに・・」と 言葉を区切った彼は、相対していた股間から顔を上げると、上体を起こして堅さを取り戻した竿の先を秘溝に合わせ、ゆっくりと滑り込ます様に 中へと返して行く。竿の軸が半ばま膣に収まると、上体を女医の上に重ね 体重を預けて行く。
「あぁ~、ふぁぁ~!い、好いわぁ~!」子宮口まで竿の先端が届く 深い連結が果たされると、ゆっくりだが それでいて「ズコズコ・・」とした力感ある腰の動きに、小町は又 両の脚をガッシリと組み付けて力を込め 酔って行く。組み敷かれながらも、上の宮城の心理を乗っ取り 制御(コントロール)して行く。「あぁ、堪らなく良いわ~!」呟く男の腰の動きは、否応なしに速さと強さを増して行く。勿論それも、女医の狙いだった。
再びの連結から 10分間余りだったろうか。最後まで変わらね正常位のまま、二人はほぼ同時に絶頂へと昇った。「あぁ、良かった・・」どちらからともなく、そう呟く。「まだ暫く、離れないで・・」の、小町の言葉を受け、宮城は少しの間 彼女を抱き続けた。「離れて良いわよ・・」の言葉を確かめて 宮城は連結を解き、膣に繋いでいた竿を 先程同様ゆっくりと抜き離す。
すかさず小町が「さあ、もう一度よ・・」と近づき、今まで下方を貫いていた竿に 又も食らいつく。「これはね、掃除よ。掃除・・」そう区切り、彼女は掃除フェラに興じた。その後で下方に中出しされた男精が、秘溝の合わせ目からゆっくり流れ現れる。二度目の絶頂とは思えぬ濃さだ。「さぁ、今度は俺だ・・」女医の指図で、流れ出た男精を小さなガラス器に回収した宮城は、彼女への掃除クンニを始めた。
(つづく 本稿はフィクションであります。勝手ながら 本年の連載ここまで。新年は 1/3木曜以降に掲載予定です。各位 良いお年を)
今回の人物壁紙 神前つかさ
今回の「音」リンク 「ミ・アモーレ(Mi Amore)」 by松岡直也(下記タイトル)
Mi Amore