情事の時刻表 第62話「対面」
- 2019/06/16
- 21:43
初冬の「熱い夜」がひとまず終わった。日付が替わって直ぐ 一連の行為が区切られ、初美と中条に次いで由香、由紀の姉妹が交替で寝る前の入浴をした。冷めた日本茶で水分を補った後、姉妹が寝室のダブル・ベッド、初美がその下の補助ベッドを使い、中条はというと、これ又いつも通り 居間(リヴィング)の長手ソファに補助椅子を噛ませて延長した代用ベッドで就寝しようとしたのだが、小半時もすると、寝室から由紀が出て来て 一人 TV画面を抱える中条の上に重なった。
「ハハ、由紀ちゃん。まだ余韻が醒めねぇかよ?」冗談交じりに訊くと 「うん。何たって今度は、まだ伯父様と交わってまへんからなぁ」と美しく笑い 返した。「危険日なんだろ?」男が訊くと 「まぁ、そないですわ。でもさ・・」 「うん、何やね?」 「お手てやお口でやらかす 後戯(ペッティング)位はよろしですやん・・」 「あぁ、それな。ただよ・・」 「はい・・」 「俺も男だぞ。途中でどう変わるか分らん。それは分かってるか?」念を押すように言われた由紀は、又微笑んだ。そして「大丈夫ですよ。『いざ連結!』ちゅう事になったら、ゴム用意してますもん。伯父様は信じられるから、そこは安心ですわぁ・・」
「そうか、そりゃ有難と。所で由紀ちゃん・・」 「はい、何でしゃろ?」 「お姉ちゃん共々、バス・ローブ姿も中々だな。ニーハイも着けてくれとるし・・」 「あは、おおきに。ストッキングはね、伯父様が喜びはる思うたんですよ。先生も、夜は着けはるんですか?」 「うん、毎回って訳じゃねぇが、そういうの多いな。大声じゃ言えんが、黒とかメッシュの場合もあるぞ」 「ハハ、マニアックな・・。まぁ先生も脚はお綺麗やから、生よりええかも知れまへんな」 「そう、それな。いや~、由紀ちゃんも痛ぇとこを突く様になったな。まぁ良いや、それが成長ってもんだしな」
そう会話が進む頃には、仰向けに臥す中条の上に 由紀が上下の体を入れ替えて重なり、互いの下方を愛でられる態勢に入っていた。四十八手にいう「二つ巴」に近い姿態だ。「ふふ・・」又も礼儀を正した竿(男根)をじっくりと手指で摩(さす)り上げながら、由紀が微笑んで言った。「中々、お元気ですやん。伯父様は、先生と出会われる前 風俗のお店とかでこんなんしはりましたの?」 訊かれた中条「うん、あぁ・・それな。まぁ少しは覚えあるかな。でもさ・・」 「はい・・」 「あの・・顔(マスク)もだが、オマンコ・・じゃなかったご免!オメコの綺麗さじゃ 誰も貴女にゃ叶わんぞ」
由紀「おおきに、有難うございます。そやけど・・」 中条「うん、何や?」 「先生のアソコより、あたしの方が綺麗でっか?」 「う~ん、それが難しいとこでな。正直 初ちゃんとは互角なのよ。彼女のアソコは大人らしく落ち着いとるし、貴女のは何たって若さに溢れとるからなぁ・・」 「ハハ、上手く逃げはりまんなぁ。でも、褒められとるのは事実やし、悪い気はしまへんでぇ・・」 「あぁ悪いな。俺も『表現』は修行が足らんから上手く言えねぇんだが、まぁそんなとこで・・」
由紀「いえいえ、気にしまへん。それより伯父様、お竿結構イケますやん。あたしがお口でご奉仕したら、また発射してくれはりまっか?」 中条「ハハ、そりゃ迂闊に約束できん・・かな。何せさっき、初ちゃんのオメコでヌイてもらったとこだし・・」 「ちょこっとだけ、試してもよろしやろか?」 「あぁ重ねて悪い。お望みなら願っちゃおう・・かな」 「了解で~す!ほな、もう一度お口で高めて発射するか確かめてみま~す!」由紀はそう言葉を区切ると、又も中条の竿に食らいついた。「上手くやれよ。隣で初ちゃんとお姉ちゃんが寝てるしな」 「分かりやした。大丈夫、あたしはそないな『へま』はやりまへんよってに!」そう言い合い、慎重に、高め合って行った。
「ジュパッ、ジュルルル・・」とかの微かな愛撫音を立て、陰嚢と交互に ねっとりと口舌を這い廻らせる。「よしゃ、俺も応援するぞ。続けてくれ~!」こう返すと、眼前の若い秘溝に口舌を挿し入れ、かき回すが如く愛撫をくれてやった。「あぁ、ふぅぅっ!」 「ん、うぅぅ・・」半時程 押し殺した喘ぎと呻きが交錯した後「ああっ、昇るぅ~!」暫く後、どちらからともない 叫ぶ様な一声と共に、中条は由紀の顔面に この夜二度目の発射をした。
「あは、おおきに。又一つ、好い思い出ができましたわぁ・・」まだ男精のかかる顔面を綻ばせて 由紀が言った。「あぁ、こちらこそ悪いな。二度も昇れるとは良い夜だぜ・・」中条も、笑顔で返した。そして「もうえぇだろ。多分 美容に好いから俺の出したのそのままにしてるんだろうが・・」 「えぇ、ちょっとね。でも、その内匂いも気になるやろから、そろそろお顔洗って来ようかな」 「あぁ、そうしろよ・・」 その洗顔の後「貴女も、ここで休むんか?」 「いけまへんか?」 「いや別に、俺は良いよ」 「ほな、お言葉に甘えます・・」 「分かった。お休み」 「お休みなさい。今のは、姉には内緒って事で・・」 「了解!初ちゃんにも黙っといてやる・・」 由紀と中条は、結局 重なり合って一夜を明かした。
翌 12/17の日曜は、雲多くも 徐々に晴れ間が覗く様になる空模様だった。雨は未明の内に上がり、7am頃には 主な路面は渇き始めていた。・・と、斜め向かい家の癖の悪い飼い犬「マル」の ヴェランダでの咆哮が否応なく聴こえてきた。「伯父様、お早うございます。今朝もマルちゃん、元気でんなぁ~!」この日最初の 由紀の挨拶を兼ねた第一声に中条「あぁお早う。まぁ聴いてくれ。あれが俺の、普段の日の目覚ましって訳でさ・・」
相当に甲高く 大きな声なのだが、隣室の初美と由香はまだ気づかず休んでいる様だ。「その方が好都合だぜ・・」それが男の本音だった。そして「あれで良いのかも知れん。俺的には、吠えとるのか屁~こいとるのか良う分らん声だが、由紀ちゃんはどう思うや?」 聞いた由紀は「ハハ、屁でっか。まぁ 聞き様によっちゃ、そないな気もしまんな。で、どうでっか・・散歩しはる人たちに、相当敏感に反応してる様に見えまんな・・」 「それな、正直過剰反応だよ。何せ、通るだけの向きにもあんな風だからな・・」暫くのそんな会話を経て「お早う!」 「お早うございます!」昨夜来のバス・ローブを纏ったままの 初美と由香も起き出して来た。
「朝ご飯どないしまひょう?」の姉妹の問いに 男は「気にすんな。今朝は馴染みの喫茶店行こうや・・」と返し、初美を含む全員が賛同。徒歩で直ぐの馴染み処で、モーニング・セットの朝食。その席上、昼に迫った姉妹の新しい愛犬の引き渡し話が持たれた。中条は言った。「皆もう分かってるだろうが、今日の昼 斜め向かいの松下さんちに 二人のメインの目的で伺うからな。昼飯も用意して頂けるそうだ。確か今日夕方 帰るんだったな?」
由香「左様です。初め もう完全復活したあたしの愛車で来る事も考えたんですが、もしも新しい子が車酔いなんかするとあきまへんので、近参特急で帰ります。今度は新しいワンコも一緒なんで、伯父様お勧めのデラックス・カーで押えてありまっせ。なぁ由紀・・」 「はい いかにも。ワンコが旅する容器(ケージ)もこの通り用意してまして、これなら車内でも一緒できますさかい・・」 「あぁ、そりゃ良いな。例え追加料金かかっても、その方が良いだろう」 一時間程の朝食、部屋に戻っての雑談や帰り支度などで 午前が終わった。
正午少し前 「失礼します。宜しくお願いします!」 「いらっしゃいませ。皆さん、こちらこそ宜しくです!」濃色厚手の作務衣(さむえ)上下に身を固め、揃いの坊主頭(スキン・ヘッド)の「松乃家」オーナー父子の丁重な出迎えを受け、客間に通される。玄関周りは和菓子の店舗になっており、この周辺に地元常連客を多く擁している事は 中条も知っていた。まず初めに昼食を済まそうという事は、松下父子と中条の 事前の打ち合わせで周知されていた。
松下父子夫妻、由香、由紀の木下姉妹と初美、中条の計八名による昼食。親子丼と浅漬け、吸い物というシンプルなメニューだったが「親子」のネタが著名な Nコーチンというのが、客人の四人を唸らせた。この日、子犬の片親の飼い主・宮城は別件が入り 同席できなかった。食事が終わり 一服すると、若主人が切り出した。「マルの事では、日頃お世話かけてます。で、宮城社長ともお話合いの通り、今日は マルの息子を木下さんのお二人にお譲りする手筈でして・・」その言葉と共に、若女将が生まれてまだ間がない パピヨンの子犬を連れて戻った。
「わぁっ、可愛い!」姉妹から歓声が上がった。現れた子犬は、確かに父親の「マル」と瓜二つだった。由香、由紀の順でその手に抱き取られ、初めは緊張で固まっていたのが徐々に緩んで行く様に感じられた。宮城から預かった血統書の写しや 飼育に当たっての注意事項などの伝達を受け、犬の話題で盛り上がっている所へ、ひょっこりと「マル」が現れた。「あぁ、オマルだ・・」見つけた中条が、そう呟く。「マル、今はいかんよ。あっちへ行っとけ!」 由香と話し込んでいた若主人が 一瞬視線を愛犬の方へ向け、きっぱりと言った。それを察したか「マル」は中条の方をジロりと一瞥すると、短く「ワン!」と一声発し 姿を消した。「やっぱり、分かっとるかな?」中条、どうもコイツからは好く思われていない様だ。
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 愛音まりあ
今回の「音」リンク 「戻りゆく場所(The Place to Return)」 by中村由利子(下記タイトル)
The Place to Return