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情事の時刻表 第64話「遺伝」

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「ハハ、しかしまぁ、何だろなぁ・・」 由香、由紀の姉妹が 愛犬とすべく子犬「ハル」を連れ大坂へと戻った週の末 12/23土曜、そして時の天皇誕生日でもあった日中 互いに休日となった宮城と中条は、昼食を共にした後 N市副都心の金盛公園傍の 馴染みの喫茶店へと流れていた。冬の年の瀬とあって 朝方はそこそこに冷えたが、日中は穏やかな晴れの日であった。宮城が中条に、時折鵜方病院に通院している近況を聞かせている所であった。

宮城は続けた。「担当医は勿論 小町先生なんだが、実はさ・・一、二度大声じゃ言えねぇ夜診(やしん)があってな・・」 それを聞いた中条「あぁ夜診ね、何となく分かります。つまりどうですか・・この夏ちょっと入院されてた、あんな感じですか?」 宮城「まぁ、そんなとこだな。受診すりゃ、そりゃ男にとっちゃ歓喜のサプライズありってナニだよ。そう・・今月も一度はあったな」 「ハハ、そういう夜診ですか。確かに男にとっちゃ有難ぇが、どうですか・・患者の我々の方から『貴女は経過観察!』なぁんて言わにゃいかんってのも何だかなぁって気もするんですよ」

宮城「あは、経過観察か。たまにゃ上手い事言うなぁ!実は 又さ、それについちゃ・・」 中条「はい・・」 「先月の終わり頃 俺が通院した折に 又あの美波ちゃんが出張して来ててさ、小町先生が隣県に出張してた時の事、一部だがこっそり教えてくれたのよ」 「ほほう!それでそれで?」 「やっぱりさ、現地の病院で健診のドサクサに紛れて、男の受診者を何人か食っとられたらしいわ・・」 「ハハ、やっぱり。俺もね、あの方にそれを思い留まらせるつもりで現地行ったんですが、やはり効果なかったて事ですかい・・」

「その事よ・・」笑いながら宮城が反応した。「お前も結局 初ちゃん共々、若い男女の身体を賞味しましたって事じゃねぇのかよ?」 「ハハ、バレましたかね?」中条は苦笑で返した。「まぁ否定はせんですよ。豊君の船に乗せてもらい、美波さんを交えて離れ島行って 事に及んだのは事実ですから。しかし彼女、そんな事まで話されたんかなぁ?」 「まぁ、そういう事だ。小町先生の他、お前が現地に居た時の事も、全部晒してくれて面白かったわ!」

中条「成る程ね。まぁ良いでしょう。美波さんは口が堅そうだから、宮城さんを見込んで話されたって事でしょう。初美と俺、豊君には『今夜の出来事は、誰にも喋らないって事。厳守ね!』て言われてたからさ。でもまぁ、お互い良い思いをさせてもらったのは事実・・かな」 「うんうん。そりゃ認めにゃいかんな・・」二人の男は、微笑んで頷き合った。そして「再確認だ。これ、経過観察って事な」 「了解しやした!」

「所でさ・・」と、宮城は話題を変えた。「木下さんちのお嬢姉妹と 新しいワンコは上手くやってるのかね?」 「あは、それねぇ・・」と中条は苦笑しながら返した。「この前の日曜ですな。夕方の近参(近畿参宮電鉄)の特急乗って、宵の口に無事帰着の LINEが来ましてね。まぁ、つつがなく帰ったは良いんですが 何せあの『オマル』の息子ですから、こりゃ躾(しつけ)が厄介だぞとは ふと思ったんですよ。でね・・」 「うん、聞いとるから続けろ」宮城は促した。

中条はこれを受け「はい、じゃあ続けます。昨夜、続編の写メールが来ましてね。心配された、姉妹さんちの先住ワンコとは 初めちとギクシャクしたらしいが、何とか上手く行きそうなんです。問題は尻癖ですな。何せ親父の『オマル』があのザマですから薄々気にはなってたんですが、やはり『放出』の出来が悪い様でして。こりゃこれから、頭痛の種になりそうですな」 「ハハ、やっぱりそれか。確かになぁ、俺がお前んち行って眺めてた時なんかも 屋上に出た『マル』はお前の言う通りの垂れ流し状態だった。又それを知ってて放置しとる、松下さんも松下さんなんだが・・」ここまで言葉を継ぐと、流石の宮城も 一度溜息をついた。

「宮城さん、分かりますよ・・」中条は そう返した。「何せ オマルはあの体たらく。ハルはその息子と来てるから、行状はそれこそ『推して知るべし』です。こりゃ、由香ちゃんも由紀ちゃんも相当苦労するだろうけど、まぁ仕様がねぇですな。好きで連れてったんだしさ・・」 「あぁ分かってるよ。だから、そっちの方は 静観してりゃ良いんだろ?」 「そうそう、それが一番だと思いますよ。彼女たちも もう大人なんだしさ。むしろこれから、或いは人の妻(おくがた)になり、母親になる可能性も大きいんだから、ある意味良い経験になるんじゃねぇですか?」

宮城「ハハ、経験なぁ・・それも上手い物言いだな。でも事実かもだな。まぁ、姉妹さんのこれからの為になるなら、それも良いって事でさ・・」 中条「・・ですね。まぁ俺は信じますよ。彼女たちなら、その手の苦労もきっと乗り越えてくれるってさ・・」 「そりゃ俺も同じだ。あの二人なら、きっとやる・・」談笑は 1H半程続いた。この日、よく同席となるタクシー運転手・永野は終日貸切の仕事を受け、宮城と中条の話に加われなかった。

「次によ・・」と宮城。「明日がクリスマス・イヴなんだが日曜だよな。世間のお熱い連中は、今夜辺りに 例の行事(イヴェント)に及ぶんだろな。因みに 初ちゃんとお前はどうなのよ?」 中条「はい、それ 訊かれると思いました。この後、初ちゃんが俺んちに顔を出す手筈になってますよ。彼女ねぇ、色んな名店へ連れてくより 俺んとこで内飲みするのが好きなんです。だからこの後、宮城さんを送ってから 買い物して帰るつもりなんですよ」 「あぁ内飲みな。近頃ちょっと人気だよな。行列待ちとか要予約とかの煩わしい思いもしなくて済むしさ」 「そうなんです。特に今夜なんかは、各所大盛況でしょうよ・・」

「そいじゃ、まぁ宜しくやれや。年内最後なら、良い年をな・・」 「はい、宮城さんも良いお年を・・」 3pmを過ぎ、冬の陽は早夕方の風情だ。宮城宅の前で挨拶を交わし、途中少しの買い物を経て 車を居所のある高層住宅構内に戻した中条は、上階の部屋へ。直ぐ、初美の居所へ LINEを入れる。「初ちゃん、今帰った。もう暗くなるから、俺が迎えに行くつもりだ・・」 初美からは初め「それには及ばず」の返信が来たが、彼の気持ちは変わらなかった。「もう暗くなるぞ。念の為って事がある。俺が行くから」 「分かった。そういう事なら、待ってるわ・・」話がついた。

「良かった。これで少し時間が稼げる・・」 初美を迎えに行くまでの間、ざっとした掃除と 夕食兼内飲みの準備を簡単に行う。合間に、この日会えなかった永野宛 宮城との会話の大概を LINEで送り、少し後に答礼を得た。「それにしても・・」 雑事を処理しながら、男は振り返った。「ハルの行状、ありゃもう 親父の『コピー』を通り越して『クローン』のレベルじゃねぇか。まぁ上手い事躾けねぇと、後々大変じゃねぇかなぁ・・」とも思った。後小半時で 宵闇の幕が下りようとしている。と、その時だ・・

「ワン、ワン!」斜め向かいの『松乃家」屋上に、又も狼藉犬「マル」が現れた。「もう暗くなるってのに、何考えてんだぁ?あ、そうか・・夕方の散歩人に喧嘩売る為に出て来たって事かい。そんなら分かるわ・・」 そう呟く間にも「マル」は 決して広くはない屋上スペースを悠々と徘徊し、時折片脚を上げ「ジョ~ッ!」と所嫌わず放水を見舞った。

「あのザマで・・」男の呟きは続いた。「木下さんちへ行った『ハル』も同じ事を晒しとるんだろうなぁ。姉妹の親御さんが、ちょいとの間 辛抱してくれると良いんだが・・」 暫くして、散歩人が一人 階下を通った。小型の柴らしい犬と一緒だ。「やっぱり・・」 「マル」は予定調和の反応をした。「ワン、ワンワン、ワォォ~ン!」 直ぐに上からの咆哮を見舞う。柴も負けてはいない「ワンワン、ワォ~ン!」同レベルの咆哮で返す。「バカ、まともに相手にすんなや!」とでも言いたげに、飼い主らしい初老の男がリードを締め「柴」に速やかに遠ざかる事を促す。ほんの 10秒程の 咆哮エールの交換だった。

「さて・・」中条は腰を上げた。「そろそろ『夜の部』だな・・」 これから、初美を迎えに行くべく もう一度車を出す。出がけにもう一度、出窓から外を見遣った。散歩人に遠ざかられた「マル」は相変わらず屋上をうろついている。「勝手に晒せ!」そう呟くと、くるりと背を向け 玄関へ。一旦施錠し EVにて階下へ。駐車場の車の位置からも「松乃屋」屋上の様子は分かる。

イグニッションを入れ、エンジンの暖気を始めると、又も「マル」が吠え始めた。次の散歩人が近づいているらしい。「まぁ良いや。そんな調子でこれからもずっとバカを晒して、せいぜい長生きする事だな。ワンコの寿命は平均 15年とかだが、そう言わんと 30年でも 60年でも 100年でも好きなだけ良いぞ・・」 俗に 憎まれ者は世に憚ると言うが、形こそ違え「マル」も似た所があるらしい。「Kuso犬」と罵られながらも、今日も元気だ。世に憚る・・
(おわり 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 橋本ありな
今回の「音」リンク 「パストラル(Pastral) by渡辺貞夫(下記タイトル)
Pastral

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