レディオ・アンカーの幻影 第30話「計略」
- 2020/02/25
- 22:26
株主総会、四半期毎の棚卸など 6月下旬の煩わしい本業の事共を、何とか無難にこなした前嶋は、この月最後の二日間 土・日曜日をほぼ平穏に過ごす事が叶った。「ほぼ」と記したのは、初め 6/30日曜のみ会おうと思っていた職場の同僚、理乃が意外にも前日の土曜午後から 彼の居所に投宿したからである。
6/29土曜午後から、金盛副都心で落ち合って映画二本を観終わると もう夕方。前嶋馴染みの和食処で夕食の後、暫しの間ネット・カフェに流れ、一応周囲に気をつけながら、そこから遠くない前嶋の居所に案内したのが 10pm近く。二人一緒のシャワーを経て、彼は初め 理乃と深い行為に及ぶつもりはなかったのだが「今日は安全日なの」の彼女の言葉に、二つ返事で予定変更となった次第。
既に述べたが、前嶋は着衣のままで行為に及ぶ事を好んだ。理乃もそれが分っていて、戸外では 彼のに近いノーマルなアッパーにジーンズ、ウォーキング靴といった地味な装いなるも、一度部屋に入ってシャワーを経ると、前嶋には刺激十分の 白の下着調ミニコスとニーハイのストッキングに着替えて挑発してきた。迎える男も、上方の上シャツはそのままに 下方のトランクスを脱いで「闘い」に備える。
「ハハ、理乃ちゃん。この恰好じゃ、決めん訳にはいけませんなぁ!」表では控え目ながら、内心本音では「万歳三唱!」ものの気持ちを抱く前嶋。「だからぁ、安全日だって言ったでしょ」 完全に挑発モードの理乃であった。スコッチのティーチャーズで寝酒を嗜みながら、彼は甘いコアントロー・リキュールのソーダ割を作ってやり、嗜んで少しく酔った理乃に、じっくりと攻勢を仕掛けて行った。
「あぁ、やっぱり好いわぁ・・」初めの接吻と舌吸い、胸の双丘を狙った手指の愛撫、その答礼ともいえる 下方の竿へのなよやかな手指の攻めを受け、二人は又 昂って行った。「理乃ちゃん、分かるよね。好い事をしながら 来月の『あの事』に備えて話がしたい訳ですよ」 「あぁ、それそれ!その為に今夜は泊まるんだからね」そう言葉を交わすと、既にベッド上で正常位の態勢に入った二人は、上と下で口唇を合わせた。
二度目の挨拶を終えると、前嶋は理乃の肩ストラップを緩め、アッパーを下にずらして露わにした「胸の双丘」に、交互に丁寧な挨拶を見舞った。「チュッ、ジュパッ・・」微かな愛撫音を伴い、色好い左右の乳輪に口唇を合わせて交互に吸い、じっくりと高めて行く。三回程繰り返すと「あ、んん、好い・・」 喘ぎ交じりの呟きが返って来た。
「のぞみさん、聴こえる?」下に組み敷かれた理乃が、声をかけた。「はい、聴こえてますよ」上から前嶋がニッコリした笑顔で応じると 「まだ夜はこれからよ。暫く高め合ってから、あのお話をしましょう」 「OK。意味分かります。そだね、一度高まってから話した方が良いな。ゴムはなしで良い日だよね?」既に分かってはいたが、念の為・・の想いで彼は訊いた。理乃はこっくり頷いて返した。
「よしっ、それじゃ・・」 胸の双丘の愛撫挨拶を区切ると、前嶋はその上に跨り、己の竿が理乃の視界に入る様 中腰の姿勢をとる。「ハハ、今夜も元気ね。お竿(チンポ)で何がしたいの?」 仰向けの姿勢で、理乃が笑って訊いて来る。前嶋「うん。これからちょっと試したい事があってね・・」そう返すと、両の乳房を両手で寄せ、その間に竿を滑り込ませた。
「分かるかな?俗に言う『パイズリ』て奴・・」 前嶋は、己の意図を理乃に説明した。「ハハ、好き者のしそうな事だね。もしかして貴方、その技でイっちゃう訳?」 「イっちゃう・・か。あ、いやいや・・そんな事ありませんよ。この後できりゃ、貴女にちょっとは舐めて欲しいしね」 「ほら、やっぱり。あたしのフェラチオも中々だって事ね」 「その通り!貴女の舌技も素敵だからね」 腰を前後に動かしながら、その様に言葉を継ぐ前嶋だったが、時折の強い刺激に「あっ、あっ、いかん!だ・・出しちゃダメだぁ!」油断すると、不用意に射精しかねない程の快感であった。少しの後・・
「それじゃ、そろそろ・・」呟く様な理乃の言葉に、前嶋が「はい・・」反応した。「貴方のご希望通り、少しだけ舐めてあげるわ」 「あぁ、有難うです。体位入れ替わろうかね」 「うんうん。体位は貴方が下の方が良い?」 「貴女、ずっと下だと疲れるでしょ。俺の上から仕掛けた方が良くね?」 「そういう事なら・・」と、理乃は差し出された右手に掴まると、上体を起こした。
今度は、前嶋が仰向けに臥した 逆騎乗位に近い体位だ。今度は理乃の下方、臀丘と股間の核心が拝める。とは言っても、まだ極小のショーツが着けられたままだ。前嶋はその両端ストラップに両手指をかけ、慎重に下すと左脚を抜けさせ、右脚太腿の辺りに なくさない様残してやった。理乃は直ぐ、前嶋の竿と陰嚢に 交互に口舌を走らせ始めた。「ジュプッ、ジュパッ、ジュルルル・・」些か品性の悪い愛撫音が辺りに聴こえる。それを確かめ、前嶋は理乃の股間に、これも口舌を走らせて答礼した。
「あはぁっ!のぞみさん、上達したね。上手くなったね。あぁぁ~!」 秘溝を攻められた理乃が、思わず喘ぎ声を発した。「貴女もです。理乃ちゃんの舌技は一番だ。由香利さんより上ですぜ~!うぅぅ~っ!」微かな、しかし耳障りな愛撫音を伴い、二人は口舌の技を交互に出し合い 昇って行く。
「理乃ちゃん。モノは相談・・」 攻められ昂らされ、この夜二度目の「暴発」を辛うじて抑え切った前嶋が訊いた。「はい、何?」陰嚢への口舌攻勢を区切った理乃が返すと 「こんな風だけど、合間に話ができるかな?」と続けた。「まぁそれは、貴方次第よ。あたしはいつでもお話できる。でも・・」 「はい・・」 「叶うなら、この後繋がって性交(セックス)のはずだから、その前に少しできると良いね」 「了解、それじゃ・・」ぴったりと顔を着けていた臀丘から離れると、前嶋は言葉を継いだ。
「来月の、例の事だけど・・」 「うんうん。7月の第二金曜夜だよね?」 「そうです。第二金曜の夜、ここへお越しか外泊かってとこだね」 「どっちになるかは、寸前まで分からない・・と」 「そう。だから当日は、俺達二人で夕飯済ませといた方が良いって思うんですよ」 「なる程ね。そして会ったら、なるべくシャワー位で行動開始って事?」 「まぁそんなとこですね。もしかすると、ここになるかもだけど」 「アハハ、ここかぁ。それも良いよね」前嶋の腹上に跨ったまま、理乃は笑顔で応じた。
「今の笑顔、とても素敵だよ」 「有難う。それでね・・」 「はい・・」 「来月の、その夜も あたしがこうして笑える様にして欲しいわ」 「はい・・ですね。そこは鋭意努力します!」笑って返す前嶋に、理乃は「貴方の笑顔も好いよ。そういう時だけは!」と笑顔で続けた。前嶋「ご免ご免!図星までは行かんけど、中々痛いとこ突くなぁ!」返事は苦笑と共にした。「それでね・・」と理乃は続けた。
「由香利さんと貴方が事に及んでる時、あたしは少し悪戯(いたずら)しても良いかしら?」 前嶋「少しなら良いんじゃね?ただ・・」「はい、何?」 「もう知ってると思うけど、大人のおもちゃを使うみたいな露骨な事はしない方が良いかもね」 「まぁ、そこは任せて。あたしにも考えがあるのよ」 「ほう、考えね。そりゃ、当日まで訊かん方がよろしいか?」 「そうしてもらえると嬉しいわ」
前嶋「よしゃ!そういう事で、さっきの続きに戻りやしょう。貴女、今夜は本当にゴムなしで良いの?」 理乃「勿論!今夜は間違いなく安全日。だからこうして、泊ってるんじゃないの」 「そりゃ感謝です。それじゃ、どう繋がろうね?」 「のぞみさん、いつも初めは正常位だよね。なら今夜も、それで行きましょう」 「了解!じゃあ これへ・・」
一旦起き上がった前嶋は、臥していた場所へ理乃を招じ入れ。応じて仰向けに下方を曲げ開いた上に、彼は重なって行く。竿の勃起を確かめ、昂らせて十分に熱くなった秘溝に、亀頭を合わせて行く。肉壁に導かれ、奥で子宮口に達した感触が得られると「う・・あぁぁ・・」低い喘ぎが聴こえた。「繋がったな・・」 確信を持った前嶋は、ゆっくり前後に腰を動かしにかかる。まだ微かな動きで、ベッドの軋む様な音は聴こえない。聴こえるのは 男の腰に両の脚を組付けた女の微かな喘ぎと、二人の息遣い。あぁもう一つ。戸外を濡らす雨音が始まった様だ。
(つづく 本稿はフィクションであります。)
今回の人物壁紙 小島みなみ
日野皓正さんの今回楽曲「シャンパン・レイン(Champagne Rain)下記タイトルです。
Champagne Rain