この雨は こんな風に聴こえる 第7話「昂雨(こうう)」
- 2020/07/09
- 14:37
「あぁ、好いね。俺から見りゃ絶景だよ・・」セミダブルのベッドに仰向けに臥し、M字に開かれた脚の間で露わにされた宥海の股間を ネットリとした視線で観察し始めた黒木は、思わずそう呟いた。「ここまで 良くしてもらった。さぁ、これから少しお返しだ。悪い気はしないだろう・・」
M字開脚を更に押し開き、暗めの照明にボンヤリと浮かび上がった 朱に染まった小陰唇にそっと唇を合わせた。そこはかとなく立ち上る、些か甘酸っぱい「女の芳香」も、今の彼には心地良く感じられたものだ。舌技も使い、静かに・・しかしねっとりと、好ましく色づいた秘溝を舐め愛でて行く。
「あ、あぁ・・、恆(ひさし)さん・・」喘ぎ交じりに、声をかけられる。黒木が「はい・・」と返すと 仕掛けられる宥海は「あたしの秘溝(アソコ)に接吻(キス)してるの?」 「そうですよ。さっき さんざんしゃぶってもらったから、当然のお返しだよね」
宥海「ハハ、嫌らしい答礼ね。でも有難う。あ、あっ・・慣れてくると、何か気持ち好い。あ、あぁ・・」 黒木「それは良かった。もう少し続けるから、この快感に身を任せてくれると嬉しいな・・」 「あは、分かった。貴方、そうして欲しいんでしょ。あ、ふぅっ・・」 「そうそう。それじゃもう少し舐めて差し上げるとしよう・・」
下方をはだかれたバス・ローブをわざと脱がせず、俗に云われる「マングリ返し」に近い姿態(ポーズ)まで宥海の両の脚を曲げて開き、小陰唇への熱く濃い接吻が区切られると、黒木は少しの間、舌技を使って女芯を磨きにかかった。執拗な口舌の攻勢に、秘溝の朱は燃える様に鮮やかさを増し、バルトリン腺から滲み出る愛液も、その度合いを少しずつ増して行った。舌を合わせ目に滑り込ませる様に「クチュクチュ・・」と愛撫音を伴い嘗め回す間に、愛撫音はより水分を増した「ジュルジュル・・」という音に変化して行った。
「ねぇ宥海さん・・」口舌の攻めを時々止め、黒木は声をかけた。「あ、ふぅ・・はい、何?」の返事を得ると 「脚 上げたままだと疲れるでしょ。だからね・・」 「はい・・」 「俺の頭の上に 脚乗せると良いよ」 「まあっ、そんな失礼な事、して良いの?」 「大丈夫大丈夫。いいからやりなさ~い!」 「分かったわ。そういう事なら・・」
余り気は進まなかったが、黒木の許し・・というより促しもあり 宥海は彼の頭上に両の脚先を乗せて行く。確かにこの方が、楽には違いなかった。「よ~し、好いぞ~!」より一体感を覚えた黒木は、宥海のより深い喘ぎを聴きながら 更に口舌を使った。
「宥海さん、これ言ったら怒られちゃう・・かな?」 膣の合わせ目からゆっくりと舌先を引き抜き、笑顔を送る黒木が言った。宥海「恆さん、舐め上手ね。あたし、油断してたらイっちゃうとこだったわ」 「あぁそりゃ具合悪いね。ならもう少し緩めにしようか?」 「あぁ、いやいや・・舐める強さはそのままで良いわ。ただね・・」 「はい・・」 「今度は、貴方のお竿を見ながら仕掛けられたいの・・」 「あぁ、分かる分かる。つまり 俺の竿が見られる様にすりゃ、もっと舐めて良いよって事ね」 「そうそう。位置はこのままあたしが下の方が良いわ」
「良いでしょう!それにしても・・」と黒木。「有難う。それで・・」と宥海も応じた。返事を得ると「今夜は、外の天気と一緒で、宥海さんの『女』もしっかり雨降りだね」と冗談を込めて続けた。「ハハ、雨降りねぇ。でもそれも、貴方がせっせと攻めるから、あたしが濡れちゃったんじゃないの。どうせ体位が替わったら、又やるんでしょ?」 「はい、その通り!あぁ、嘘はつけんなぁ・・」そう返すと、二人は笑った。
ここで、宥海と黒木の「睦みの体位」は替わる。大きく曲げ開いた女の脚の間に 男が顔を埋めて口舌で攻める「立ち花菱」から、宥海の希望を入れ 上下で互いの性器と口舌を近づける「椋鳥(むくどり)と呼ばれる姿態へと移る。両の脚を開いた宥海はそののまま。その上で 黒木が上下の身体を入れ替えて重なる。
「ふふ。これよこれ・・」引き続き仰向けに臥す宥海の眼前に礼儀を正す竿が現れると、その幹辺りから 又もねぶりの攻勢を仕掛ける。「あっ、うっ・・い、好いぞ・・」黒木は 呻きを交えた返事を送り、又も宥海の股間に顔を埋め、口舌で秘溝への愛撫をもう暫く。「あはぁっ・・!」 「うぅぅっ・・!続く雨音に乗り、男女の喘ぎや呻きの声を伴い、前戯は仕上げの時に入った。
「さ、そろそろ・・」 高められて好い色になった秘溝を舐め回しながら、黒木は思った。「俺の竿(アレ)を、宥海ちゃんの膣(アソコ)に繋げる時が近づいたな。見るが良い。合わせ目からの秘液もしっかり出てる。まるで雨脚が強まったのと競ってるみたいでさ・・」呟いた後、程好い昂奮に身を任せている様な宥膿の様子に目を遣り、こう言葉をかけた。
「宥海さん、そろそろ・・かな?」 その言葉が、できるだけ彼女の「女」に進入したいという希望が伝わる様、黒木は声を投げかけてみた。「あたしは良いわ・・」静かな返事が伝わってきた。゜よし・・」黒木はそれを確かめ、隠し持っていた小さな樹脂の包みを開けにかかる。初めてで、宥海も安全かどうか分からない。ゴムの用意だ。
「恆さん、ちょっと待って!」包みからゴムを取り出そうとする黒木の動きを、宥海が止めた。そして「自分でするなんて狡い。あたしにさせて・・」今は収入のない彼の責任感は、勿論分かっていた。だが、彼自身に着けさせるより彼女が着けてやった方が、より昂奮が増すのも分かっていたのだ。「分かりやした。じゃあ、お願いしようっと・・」 一旦動きを止めた彼は、観念した様にそう返した。
膝立ちになった黒木は、己の竿へのゴム着けを宥海に任せた。手際良く、一旦拡げられた薄手のゴムが 彼の亀頭を、そして竿の幹を覆って行く。瞬く間に漬けられると、宥海は再び仰向けに臥し「用意は良いわね?」と軽く念を押す様に言った。黒木は勿論「OKよ」と返すしかなかった。そして彼は、静かに宥海の上に重なった。
上と下での軽い接吻→再びの 胸の双丘への手指と口舌の愛撫一渡りを経て、いよいよ黒木は、宥海への交合を試して行く。開かれた両の脚、ふくらはぎの辺りを己の双肩に乗せ、秘溝に対し ゴムを冠った亀頭を向ける。当然の礼儀、竿は堅さを守る。「大丈夫、上手く行く・・」確信を得て 亀頭を小陰唇に当てると、そのままゆっくり 奥の方へと迪送して行く。ゴム越しが惜しくも、何となく 優れた肉壁の感触が分る。更に奥へ・・亀頭の先端が軽く当たる感じで連結が完了。その瞬間「あっ、はぁぁっ!」少し大きい 宥海の喘ぎを聴いた。
「さっ、ちょっと動くね・・」の短い言葉一つ、再び上体を重ねた黒木は、女と一つになった腰の運動を始めた。暫く行為がなかったので、どんな風かを思い出しながらのスロー・ピストン。「あ、あぁ・・い、好いわ・・」小刻みな喘ぎに乗せ、宥海の反応が返される。決して不快ではない様だ。「暫くは、ゆっくり・・とな」両腕を宥海の背後に滑り込ませ、時折唇を交わしながら、黒木は焦りを抑えながら行為を進める。宥海も両腕を黒木の背後に回して応える。「あぁぁ・・っ!」 「うぅぅ・・っ!」 更に続く強めの雨音に伴われ、男女の喘ぎと呻きの「三重奏」が始まった。
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 羽咲みはる
今回の「音」リンク 「明日晴れるかな」 by 桑田圭祐 (下記タイトルです)
Ashita Harerukana