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この雨は こんな風に聴こえる 第16話「躊躇(ちゅうちょ)」

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「やはり・・」麗海の下方に繋がって少し後、一旦腰を前後に動かした黒木は、一旦停めた。「押し入った時の抵抗が、どうも大きい。彼女、処女じゃないのか?」その疑念は、時が経つにつれ 彼の脳裏を大きく占拠して行った。「事実なら・・」疑念は続く。「破瓜した時の出血もそれなりのはずだ・・」暫し続いた喘ぎを聴きながらも、彼は迷っていた。

「麗海さん・・」暫しの思案を経て、黒木は声をかけた。「あぁっ・・はい、何?」 返事を得ると「一度だけ、離れていい?」と続け。麗海「離れるって・・繋いだお竿を引き抜くって事?」 「あ・・はい。まぁ、そういう事・・かな」一瞬たじろいだ様に、曖昧に返した。「仕様がない。まぁ、一度だけならね・・」麗海の同意も、何となく渋々という感じだった。

「一応心配だからな。大事じゃなきゃ良いが・・」一旦腰を退くと、黒木は麗海の下方に繋いでいた竿(男根)を 宥海と交わった時の何倍も慎重に、ゆっくりと抜き離しにかかった。膣の奥まで吸い込まれていた礼儀を保つ幹が、徐々に姿を現す。勿論相当に分泌された秘液を纏っている。暗めの照明の下で、黒木はその様子をよく注意して観察した。幹に続いて肉壁を捉えていた亀頭も眼前に。そして・・

「あ、やっぱり・・」思ったより量は少なかったが、やはり亀頭の「カリ」の直後から幹の途中にかけ、秘液の濡れに交じって、微かに「スゥッ」という感じで、赤い条痕の様な線が二本程認められた。「もう、間違いないな・・」麗海が処女だった事に、黒木は確信を抱いた。

「ねぇ、恆(ひさし)さん・・」仰向けに開脚した、あられもない姿態のままの麗海が声をかけてきた。そして「折角繋がったのに・・お竿、早く返してよぉ」 「その事だが・・」遮る様に、黒木が返した。「無理はいかん。今夜はここまでだ」 「どうして・・!繋がる時 そんなに痛くなかったし、後の方は気持ち良くなりかかってたのよ。返して!貴方のお竿、今夜はあたしのものよ!」 「それは分かってる。でも今夜はダメだ。貴女は出血してるのだからな」 「あ~あ残念!ホント、好い感じだったのにぃ・・」

黒木「まぁ嘆くなかれ。残念は俺も同じでね。折角 薔薇(ばら)みたいに綺麗な秘溝(オマンコ)を前にして、今夜は引き返しになるんだからさ・・」 「今夜は、だね。じゃあ、近く次があるって事だよね?」 「はい、そういう事です!」と、黒木。ここは力強い言葉にした。麗海「分かった。約束よ!」 「あぁ、必ずね。その代わりと言っちゃ何だが・・」 「はい・・」 「これまでで一番、俺の竿を褒めてくれたからさ、もう一度しゃぶってみる?」 「あっ、それ好い!覚悟してね。必ずイカセるから!」

促された黒木、麗海と入れ替わりにソファに着く。竿は相変わらず、斜めに天を仰ぎ礼を尽くしている。「まぁ仕方がない。一度はあの美麗な陰唇を割り込み、秘溝の奥に分け入ろうと思えばできたのだからな。ただ繰り返すが、無理はダメだ。そこまでして愉悦を求める俺ではないわ・・」そう呟く内に、彼の眼前に優れた微笑みがあった。「行くよ。恆さん・・」再び、亀頭が秘溝に負けぬ美しさを誇る口唇に吸い込まれた。

「本気だよ!絶対にイカセるんだから~!」 「そうは行くか。直ぐに発射も恥ずかしいわ~!」~「ん、んん・・」籠った様な喘ぎと 「ジュパッ!ジュルルル~!」微かだが耳障りな愛撫音を伴って繰り出される 陰嚢にも及ぶ濃厚な愛撫行為(フェラチオ)が 10分間以上続いた。促す方と凌ぐ方、これまでで極上のフェラチオを味わう黒木であった。「堪えられさえすれば・・」彼は思った。「このまま朝まで、ずっと感じていたいもんだ・・」 繰り返し押し寄せる射精の衝動と対峙しながら、切れ切れにそんな想いを抱きもしたものだ。暫くして・・

「あっ、ああ~っ!の、昇るぅ~っ!」 「んっ、んんん~っ!」遂に黒木が押し上げられる時が来た。咥えられる度合が浅くなる拍子をみて上手く麗海の口から竿を離すと、濃度と粘性も好ましいオパール・ホワイトの男精が「ドピュッ!」と勢いを以て発射された。その瞬間、放った黒木の側も、尿道に衝撃を感じる程の勢いで放たれた男精の行く手に、麗海の優れた微笑みがあった。その顔面に、図った様に 濃厚な男精が惜しみなく降り注いだ。

「ハハハハ、恆さん 有難う!」 「いや~、俺の方こそ失礼をば。今、拭いたげるからね・・」 「いやいや、ゆっくりで良いわよ。男精(ザーメン)って好い蛋白質だからさ、女の美容にも悪くないはずだわ」 「ハハ、そういう見方もありか。じゃあ暫く待ってみても良いよね」そうはいうものの、顎から垂れ落ちるそれまでを放置する訳にも行かない。黒木はティッシュを取り出すと、まずその余分を拭き取ってやった。

もう日付が替わるのも近い。用意された冷茶でもう一度乾杯。麗海は 男精を被ったまま水分を摂る。同じく黒木の下方も露出したままだ。「何だかね・・」彼女は呟く。今夜のお役目終えたお竿(チンポ)を鑑賞しながらお茶頂くのも、悪い気はしないわね」 「アハハ、そりゃお粗末様・・」聞いた黒木は、思わず苦笑した。

茶話が区切られると、麗海の希望で二人一緒に浴室へ。男精を浴びた美顔をよく洗ってやり、互いの下方にも手を伸ばして手入れし合った。それが区切られると、麗海はバス・ローブ、黒木はトレーナー上下で寝室へ。持ち込んだ寝酒でもう一度乾杯を経て、枕を並べる事に。「ねぇ、恆さん・・」麗海が訊いた。「もう姉とも寝てるんでしょ?」 「あぁ、まぁ一度はありましたね」 「あたしと、どっちが好い感じ?」の問いに、暫く「・・・」沈黙を経て「ご免。今は答えられませんな」黒木は、本当の所を返した。

「ハハ、狡い・・」麗海は嗤って反応した。そして「もしかして、姉とあたしを秤にかけて、良い方を・・なんて思ってられるんじゃないの?」 聞いた黒木は「あ~、いやいや。今はまだ、そんなとこまでは考えてませんよ。俺が中高年のオサーンになってからなら、考え変わるかもだけど・・」 「分かった。信じるわ。で、正直に答えて。本命は、姉かしら?」 「それもご免。その通り、姉御の方です・・」黒木は、控え目に答えた。

「あ、うぅん。気にしてないから大丈夫。でもあたしも妹だから、覚えとこうと思ってね。明日朝はゆっくりで良かったよね」 「そうです。俺の馴染みんとこで、朝飯の後解散にしようかなって思うんだけど」 「同意です!じゃあそろそろお休みね」 「はいお休みです。ラジオだけ小さく入れておくからね」 「あぁ、そうだね。『ラジオ深夜館』でしょ。いつも聴いてるの?」 「そうです。ほぼ毎晩ね。じゃ、今夜は有難うです」 「はい、お休みね」 日付が替わって直後、雨は止んだ様だった。

「お早う!」 「お早うございます!」 二人の起床は、それでもそう遅くはない 8am過ぎだった。黒木はその日午前、JR熱見駅近くで例の長距離貨物列車の撮影後 伯父の会社に出る予定だったので、朝食に出る時は 普段着の上下にウォーキング靴だ。麗海も、前日の外出着そのままだ。曇天もあって 朝晩はまだ涼しさが残り、朝食のコーヒーも どちらかといえばまだホットの方が良い感じだった。

半時程 黒木馴染みの喫茶店にいて、前夜の続きの様な雑談を経て、食事がほぼ終わった頃だった。「いけない!」急に語調をこわぱらせて、麗海が慌て出した風情。「ん?何かあった?」鈍い反応の黒木に、こう続けた。

「ご免ね。あたし、ちょっと今日午前の段取りを間違えてたみたい。直ぐ出ないと、間に合わなくなりそう・・」 「ああ、そりゃいかん。勘定は俺がしとくから、忘れ物ない様に。急いでね・・」 「うんうん、有難う。それじゃ又、近くね!」 「了解。まぁ気をつけて!」 慌ただしく店を後にする麗海を見送る脳裏に、昨夜の破瓜の様子がマザマザと蘇る。とに角無理はして欲しくなかった。少しおいて、朝食を平らげた黒木は 勘定を経て一旦帰宅。しかしその折、ちょっとした異変に気がついていた。それは・・「どうも札入れ(ウォレット)の札が大きく減ってる気がするんだが・・」
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 希島あいり
今回の「音」リンク 「レイニー・ローゼズ(Rainy Roses)」 by中村由利子 (下記タイトルです)
Rainy Roses

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