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この雨は こんな風に聴こえる 第20話「趣向」

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「いやぁ、やっぱり好いよ。これ~・・」図った様に、黒い薄手のフレア・ミニコスに着替えた宥海の姿は、正に黒木にとっての「理想のエロ」だった。ソファに並んで座り、襟元から挿し込んだ右手で 日中から通しで着けるブラをずらし、露わな胸の双丘を弄ぶ間にも、視線は下方の美脚、所謂「絶対領域」に囚われがちだった。

「下の方も気になるけど・・」双丘を片側ずつ 交互にスリスリとやりながら、黒木は呟いた。「宥海さんの乳房(おっぱい)の感触も好い感じだわ。よしゃ、今夜はじっくり丁寧に味わわせてもらおうか・・」しつこいとは思いながら、この夜の彼は これまで以上に入念に、胸への愛撫も施した。合間に開かれた上腕の陰には、薄い腋毛も認められた。これが又 好い感じだ。

「あぁ、好いわ・・」時折軽く掴まれる様な出方を交え、胸への緩いマッサージの攻めを受けた宥海は、喘ぎ交じりの反応を見せる。そして「嬉しいね。これまでで一番丁寧だわ」 聞いた黒木は「ハハ、有難うです。そうだね・・俺、お尻の方が気になって、胸の方のお触りが雑だった気がするの。これつまり『反省』て事ですよ」 「ふふ、嫌らしい『反省』ね。実行したら一段と『H』になるって事よ。いや、危ない・・かな」 「それは大丈夫。俺は決して危なくなる出方はしないからね」 これを聞いた宥海は頷いて返した。ここは黒木を信じようと思ったのだ。

「じゃあ、次ね・・」ずらしていたブラを一旦戻し、10分間超の 胸への愛撫を区切った黒木は、軽い接吻(キス)を経て言った。「これから少し、下の感触(フィール)を確かめようと思うのね」 「ハハ・・今夜は一歩ずつ、嫌らしい度合を進めるって寸法ね。貴方にそんな余裕があるのかないのか、よく分からないけど・・」ほんの少し挑発する感じで、宥海が応じた。黒木「そうです。今夜はね、焦らずに徐々に昇って行こうかな・・なぁんて」 「何となく分かるわ。あたしも本当はその方が好いの。でも、貴方の下方は随分帯熱(ヒート)してるんじゃないかしら?」そう言って指差す先のボクサー・パンツは明らかに盛り上がっていた。

「ハハ、誤魔化せないね。でも大丈夫。それ位は持たせられるから・・黒木はそう続けると、今度は右腕を宥海の腰辺りに回し、左手指をフレア・アンダーの下に滑るが如く侵入させる。サスペンダー型のパンスト越しに膝から太腿にかけて撫で回し、次いで「モノの弾み」を装って、フレア・アンダーの中へと手を滑り込ます。「嫌らしいわね!」宥海の、少し鋭い一声。そして「今、わざと手を入れたでしょ?」

「ご免。分かるかな?」股間まで挿し入れていた手指を一旦緩め、笑顔の黒木は宥海と目を合わせ、一度「ペコリ」と謝罪の風情。見た宥海は「分かれば良いの。嫌らしいけど嫌じゃない。さぁ、続けたいてしょ?」 「そーですねー。悪い、それが本音ですぅ・・」もう一度会釈した黒木は、又 左手指をフレア・アンダーの下に滑り込ませ、太腿から股間の辺りに摩りを見舞った。暫く続けていると、宥海「あっ・・もういいわ。貴方から中身がよく見える様にしたげるから・・」喘ぎ交じりにそう言って、股間を狙う左手を押し戻した。

「さぁ 恆(ひさし)さん」 シャワーの後は妖艶な下し髪に変えた宥海はそう言うと、黒木の左手を排した両の膝を持ち上げて M字型に開き、両足先をソファの縁に乗せて フレア・アンダーの奥が覗き易い様にしてやるのだった。「おー、素晴らしい。M字開脚、キター!」黒木はもう、狂喜していた。いきなり「グッ」と上体を屈めると、開かれた太腿から股間へと 顔を近づけて行った。

「いやぁ、好いよ~。素晴らしいよ~!この『T』の食い込み、絶対に忘れられんわ。立ち上る芳香も堪んないなぁ~!」 劇場の幕の様に開かれたフレア・アンダーから覗いた太腿と、申し訳程度に秘溝に食い込んだ Tバック、当然の様に誇らしく露わにされた白い臀丘は、正に黒木にとり至高の「エロ」だった。彼の鼻先と、僅かな布を纏った股間は本当に密着せんばかりの至近距離だ。

「構わん。始めるか・・」ひとしきり 股間の芳香を愛でた黒木は、今度はそこへ唇を寄せて行った。気分はもう、炎の様に昇り始めていた。何度か 音もなく接吻を経て、口舌でショーツ越しに股間を舐め回し始めた。直に秘溝を責める「クン二リングス」も楽しみであったが、それはもう少し後にする事にしたのだ。少し愛撫が進むと「あぁ・・」 宥海は、甘い喘ぎで応えてくれた。

「ねぇ、恆さん・・」合間に彼女の声がかかる。「はい・・」短く返すと 「今夜は、随分変わった出方ね。ショーツ越しに舐めるのって、そんなに昂奮する?」 「ご免ご免。俺的には随分高まるんですよ。でも余り、しつこくない方が良い・・かな?」 「うん。あたしは好い感じに刺激されて それは良いけど、貴方は更に昂ってるじゃないかなって。それに狡いわよ。そろそろあたしにも、悪戯させてよ」 「あぁ悪戯ね。何となく分かるな。場所はここで良いの?」 「良いわよ。あたしと入れ替わって、普通に座って・・」

これを聞いた黒木は、宥海の意図を直ぐに理解した。つまり彼女は、竿を愛撫したかったのだ。「つまり、フェラチオって事ね。分かった・・」促されるまま、彼は入れ替わりに着座する。そして、アンダーの前開きから竿を露出しようとするのを止められた。「あ、ダメ!気を遣わなくて良いの。それ、あたしがするのが面白いんだからね」 「そういう事なら・・」そう返した彼は、この愛撫の局面(フェーズ)を 全て宥海に任せる事にした。

「さぁ、出ておいで・・」 緩い下方の前開きに、宥海の白いなよやかな右手指が侵入し、返しで浅黒い 僅かに小ぶりな竿(男根)を外に連れ出す。「美女への礼儀」を主張するかの様に、それは既に怒張し 堅さを守っている。「ふふ、今夜も好いわぁ・・」少し薄気味悪さを帯びた微笑を見せた宥海は、亀頭から軸、濃いめの下草を纏う陰嚢へと 摩りの手指を走らせる。「ゆ、宥海さん・・上手だ。この前より進歩してる。お、俺は・・あ、あぁぁ」程好い刺激に、黒木は堪らず射精しそうになった。

「恆さん・・」 昂る黒木の様を見透かした様に、宥海が言った。「我慢しないで、このまま発射オーライよ」 「いや、ち・・ちょっと待ったぁ~!」聞いた黒木は、ギリギリの所で踏み留まっている。既に「ジュパッ」とか「ジュルル・・」などと耳障りな愛撫音を立て進むフェラチオの前に、彼の竿はかなりの透明な我慢汁を発している。「ふふふ・・」一旦その口舌から竿を解放した宥海は、嬉々として濡れて屹立する亀頭を眺めてこう言った。「何かね、お竿があたしのお口の中で嬉し泣きしてる感じなの。ほら、こんなに涙を流してるわ・・」 「あぁ、涙ね・・」聞いた黒木は、思わず苦笑してしまった。そして「それも悪いね。もしかして、涙を流す場所 間違えたかな?」

「あは、そう言われりゃそうかも・・」宥海は、遂に弾ける様な笑顔を見せた。そして「このお竿の涙、もしかして あたしの『女』に繋いでから流すものかも知れないわね。本当は・・」聞いた黒木は、目の覚める思いがした。 「そうか、そういう受け止めがあったか!」本当に「目から鱗」の気持ちになったものだ。

数度に亘り 昂らされるも辛うじて「寸止め」で暴発を免れた黒木であった。宥海の口唇愛撫(フェラチオ)は これまでにない濃厚で巧妙なもの。前回の様な粗い所が影を潜め、気を緩めていると 本当に射精しかねない程の昂奮をもたらすものになっていた。

「ホント、彼女は向上心が高いな。仕事や勉強もだろうが、性技にも抜かりがない。俺の『こうして欲しい』てとこの殆どを察知してるんじゃないか。嬉しい。でもちょっと気味が悪かったりして・・」 そう思いながらも 彼は更に高みへと押し上げられて行く。「そ、そろそろ・・彼女にお返しせんといかん。さっきの続き、口唇愛撫(クン二リングス)だ。さて彼女、場所はどっちが良いんだろ。このソファか、それとも寝室のベッドか・・?」
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 皆瀬杏樹
今回の「音」リンク 「シャンパン・レイン(Champagne Rain)」 by 日野皓正 (下記タイトルです)
Champagne Rain

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