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この雨は こんな風に聴こえる 第25話「手癖」

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もうすぐ、日付が替わろうとしていた。窓外は依然 耳に届く位の雨音が続いている。奇しくもこの頃、ほぼ時を同じくして黒木兄弟と平(たいら)姉妹は 姉の宥海(ゆうみ)と兄の恆(ひさし)、妹の麗海(;れいみ)と弟の存(たつる)の各ペアが場所こそ違え、似た様な後背位(バック)で絡み合っていた。前者はベッドから立ち上がり、大鏡の前で立ちバック、後者はベッド上で鏡を向いての行為だったが。

「あっ、ああっ・・と、とても好い。でも・・」引き続き後ろから存に攻められながら、短い着衣の下半身のみはだけたあられもない姿で喘ぎながらも、麗海の両眼はしっかりとクローゼットの方を捉えていた。「多分、あそこに彼の貴重品があるはず。今夜どんなに攻められても、どんなに昂らされても、その後の狙いは 外さないわ・・」

ゴムを着けるを止めさせた 存の竿は申し分のない太さと堅さ。多分、兄のそれより一回り弱位 太いだけなのだが、その先端 亀頭の肉壁、そして粘膜への絶妙な当たりと感触が、麗海をこよなく酔わせた。「好い!好い!ずっとずっと、続けて。あぁぁ~っ!」心底から上がる様な、甲高くも深みのある喘ぎ。

麗海の好ましい反応は、後ろの存にも伝わっていた。「よしよし、随分感じてるって事だな。分かった。暫くは前後動でお付き合いするからね・・」浴衣の捲れを途中まで戻し、わざと結合部が直に見られない様にして 麗海の腰を両の手で支えた存は もう暫くその後ろで高まるべく動き続ける事に。

さてもう一方の 宥海と黒木。大鏡の前での、局部を映しての立ちバックは大いに昂奮も、少し気を緩めると暴発しかねない風情。「宥海さん、又一休みね・・」黒木が声をかけると、やや不満そうだ。「又お休み?そろそろ高まろうよ。長くしたかったら、一度発射しちゃえば良いじゃないの・・」

「ご免ご免。分かるよ。でも・・」焦れた様な宥海の反応に、黒木はこう返した。「折角、好い感じで昇ってきてるんだよね。だから、もう一回一休みして、絶頂へ行くからね」 「まぁ、仕様がないわね。よしっ、こうなったら絶対に気持ち良くならないと嫌よ!」 「分かりやした。そこは万全で行くから、期待してて・・」 十数分間は続いた、立ちバックの結合を解くと、黒木は前傾したままの宥海の下方を クルリと立ち鏡の前に晒して朱(あけ)の秘部がよく観察できる様にした。

「うんうん・・」彼は頷いた。「いや~素敵だ。女陰の濡れ具合がとても好い。下草まで好く湿ってるな。次の結合まで、暫く指で摩って高めたい・・なぁ」 宥海「もう・・余り長いこと悪戯(いたずら)しないでよ」 「あぁ分かった。ほんの少し、触りだけで良いんですぅ・・」 「遅い!貴方はもう、そう言う傍(そば)から あたしの『女』の間に指を滑り込ませてるわ。あぁ狡い。手指でイかせようったって、そうはさせないわよ。あっ、はぁぁっ!」

立ちバックの次に もう一度屈曲の大きい正常位に戻って、黒木は宥海を絶頂に導こうとするつもりだった。だがもう一度水入りにする事で、彼女の愉悦を長引かせる事と、己の「暴発」を何とか避けたいと 彼は願っていたのだ。それで 生憎の雨ではあったが「窓の月」に近い横向きの楽な体位で、暫くは宥海の下方への悪戯(いたずら)を、彼はじっくり攻める事にしたのだ。「これで何とか、昂りが続いてくれると良いな・・」

その事への宥海の反応は「狙い通り」良好だった。手指の摩りや出し入れだけで女を昂らせる、所謂「手マン」にも、宥海は鋭い優れた反応を見せた。「うんうん、好い感じだ。もう少し続ければ、これからきっと、二人共気持ち良く 絶頂へと昇れるだろう・・」この体位の仕上げに、もう一度下し髪から首筋、その下方にかけてざっと撫でてやり、最後の高みへと繋げた。

「さぁ、そろそろ・・」宥海が頷いたのを確かめて、黒木が言った。「お待たせ。そろそろ、二人して高みへ昇ろうって事で・・」 「随分待たせたわね。でも良いわ。その分、昂奮が増してる感じだし・・」 それを聞くと、宥海のその想いを何とか受け止めようという気にもなるのだった。「大丈夫。必ず歓ばせるからさ・・」

「又、最初の体位に戻るんだよね?」の宥海の問いに、黒木「大体そうです。でもちょっと、曲がりが大きいからキツい・・かな?」 「あたしの身体の屈曲の事よね。少し位良いわ。でも・・」 「はい・・」 「問題は 男女の繋がりよ。貴方のお竿の繋がり方が、最初より浅いのは嫌だわ」 

黒木「はい了解。それはきっと深く繋がる様にしますよ」 宥海「分かった。それとね・・」 「はい、聞いてますよ」 「頂上(クライマックス)の時、貴方の男精(ザーメン)、全部あたしの中に出して欲しいの」 「う・・うん。そ・・それはきっと、そうします」 「約束だよ」 「はい、必ず・・」

言葉が区切られると、黒木は再び宥海を仰向けにして、両の脚を曲げ開いて行った。結局、浴衣は最後まで着せたままだ。「よしっ、行こう・・」 今度は、脚で腰を捉えられる「蟹鋏み」ができない様 両の腕で両の脚を抱え込み、黒木は上体を宥海のそれに重ねて行った。「早く返して・・」半ば喘ぎの呟きに導かれる様に、竿を秘溝へと返す。最初の結合より一層、亀頭への肉壁と粘膜のぬめりが大きく感じられ。「あ、はぁ。動いて・・」続いて促され、黒木は求められるがままに腰を上下に動かした。

「ふっ、はあっ、ふぅぅっ!」 最初より大きな喘ぎを確かめながら、行為を進めて行った。雨脚が強まった様で、少し位の大声は、近隣に易々とは伝わらなくなっていた。宥海の喘ぎも、案外そうした所を察知し計算した上での事かも知れず、その事が黒木に「流石(さすが)は気象予報士。部屋でこうなった場合の対処まで知ってるのか」とも思わせたものだ。

下し髪や首筋、露わな胸の双丘周りへの愛撫を伴う 熱い正常位の行為が 20分間近く。「あ、ああっ・・こ、今度こそ、出る~ぅッ!」静かな、しかし叫ぶ様な喘ぎを伴って、宥海と黒木は頂へと押し上げられた。暫し 上下で重なり合ったまま余韻を味わう。「い、好い感じ。ずっとこのままでいたい・・なぁ」黒木は素直にそう思った。それを察したかの様な 宥海の反応。「直ぐに 離れちゃダメよ・・」 真に受けたくはなかったが、黒木にはそうした受け止めも必要かも知れなかった。

昇ってから更に 10分間近く、宥海と黒木は重なり合っていた。「あぁ、良かった」 「こちらもです」 軽い接吻(キス)を交え、暫く後に 行為が区切られる時が来た。何度も様子をみて、黒木は宥海に確かめた。「そろそろ、離れても良いかな?」 「良いよ。ゆっくりね・・」の返事を確かめ、彼はゆっくり女の上体への重なりを解き、次いで慎重に、秘溝に繋いでいた竿の抜き離しにかかった。加湿十分の秘溝から まず竿の幹、次いで赤味を増した亀頭が現れ、少しおいて白みの乗った 濃い男精がトロリと姿を現した。

「恆さん、分かってるわね・・」両の脚を開いて仰向けに臥したまま、宥海は笑みを浮かべて言った。「分かりますよ・・」そう返した黒木、又も宥海の股間に顔を埋め、表出した男精を舐めとり、宥海に口移しで与えてやった。「ふふ、美味しい。好い感じだわ・・」微笑みよりは薄笑い、という感じで 宥海は応じた。これを見た黒木、もう一度唇を合わせて行く。後戯の佳き余韻を感じながら、宥海は ふと妹・麗海の事を想っていた。恆の弟・存との逢瀬は知っていた。そこで「あの手癖が出なければ良いけど・・」
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 黒木いくみ
今回の「音」リンク 「タイガー・イン・ザ・レイン(Tiger im The rain)」 by Michael Franks (下記タイトルです)
Tiger in The rain

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