この雨は こんな風に聴こえる 第36話「思慮」
- 2020/11/08
- 23:29
「あはぁっ、こ・・この動き、と・・とても好い!恆(ひさし)お兄さん、これよ、これ!ずっと、ずっと続けて!ふぅぅっ!」モデル・ルームの寝室、セミダブルベッド上で黒木に組み敷かれ、下方に堅く這入り込まれた麗海(れいみ)は、両の美脚を彼の腰に回し、ガッシリと力を込めて捉えた。勿論 曲げ開きだから、下方から見守る弟・存(たつる)からは 下方の「結合部」がよく見えた。
黒木「あっ、うんん。それ、俺もですよ。麗海さん、ホント締めるの上手いんだから、堪んない。お脚もアソコも・・」 麗海「ふふ、有難と。何かね、貴方の『嫌らしい虫』があたしの女の中に攻め込んできてから、何かね・・力の込め方が少し分ってきた気がするの」 「そうですか。そりゃ好い。こうやって、俺の腰をお脚で掴むのを『蟹挟み」て言うらしいんだけど、貴女は上手いな・・」
麗海「何か変な褒め方だけど、まぁ嬉しいわ。これで面白くなりそうだし・・」 黒木「じゃあ、今夜はその辺りを極めたい気もするな。肉壁と粘膜の感じも、とても好いし。おおっと、腰の動きを止めちゃダメだね」 「そうですよ。折角気持ち良く昇り始めたのに、止まられちゃ興醒めだわ」 「ご免ご免。そいじゃ、悪い虫 又動きます・・」そう区切ると、黒木は又 腰の動きを慎重に再開した。
「うんうん、好いぞ好いぞ。麗海さんも兄者も、せいぜい一つになった事だ。まぁ高まってくれよ。俺、さっき 有難い『お尺』でヌかれちまったからさ。兄者が昇ったら、入れ替わりで麗海さんに繋がろうかなって思う訳よ・・」 ネットリした視線を、正常位で交わる二人の下方に投げかけていた存だったが、少しおくと「折角だ。俺も繋がる前に、少し参加させてもらうよ」そう呟き、麗海の上で腰を使い続ける兄の臀丘を「もしもし・・」とでも言う様に 軽く「ポンポン」と叩いて合図した。
「お昇り中 邪魔して悪いな。兄者、聞こえるか?」 黒木「ハハ、まぁ予期してた事だ。気にせんよ。で、何だ?」 「まぁね、お二人の絡み見させてもらうのも勉強になって良いんだが、それだけじゃ能がないんで、俺もちょっと参加しようって気になったって訳よ」 「ハハ、成る程ね。で、お前は麗海(かのじょ)の『もう一つの穴』でも狙うって事か?」 「まぁ、言っちまえばそういう事かな。勿論 粗暴(ワイルド)なのじゃないよ。それこそさ、触られてるかどうか分らん位のソフトな奴だ」 「あぁ、それね。そういう事なら、お前に任せる。少なくとも・・」 「うん、何かな?」
黒木は続けた。「少なくとも、見てて堪らず自慰(オナニー)こく様な、猿みたいな出方よりは良いだろう」 存「あぁ、大丈夫だ。俺はそんな猿まがいの下等な事はせんよ」 「分かった。後はそっちの判断で・・な」 「有難と。そいじゃ・・」 言葉を区切った存は、黒木の竿(男根)が麗海の「中」に消える下に咲く菊花(肛門)にそっと手指を伸ばした。
ほんの僅か、産毛を思わせる極薄の下草に囲われた菊花は 些かの荒れもなく、見事な薄紫の 放射状の花を咲かせていた。「素晴らしい!」一年程のホスト経験で、何人かの女の菊花とも向き合う機会あった存だが、それにしてもこれ程の美花は見た事がなかった。「いやいや、想像を上回る美肛だわ。これはこれは・・俺の不注意で散らしたりせん様にっと・・」そう呟きながら、まずは菊花の周囲を「スウッ」と、右手指でなぞって行った。その上では、兄が引き続き腰を使っている。
「あっ、ふうっ・・。ねぇ、恆お兄さん」 「はい、何ぞ?」 「何かね、嫌らしい虫がもう一匹来てるみたい」 「ほう、もう一匹ね。何処に?」 「嫌ねぇ!分かってんでしょ。あたしの『女』の方は貴方の『男』が繋がってるから、当然菊のお花の方よ」 「あぁ、そりゃ大変だ。両方の『穴』が標的(ターゲット)になってる訳ね?」 「あっ、あっ・・そうそう。あふぅ~っ!」喘ぎ交じりに、麗海はそう応じた。
菊花の周囲への摩りを区切った存は、今度は口唇愛撫に入った。細かな襞の一筋ずつ 丁寧に舌でなぞり、秘溝に対するのとほぼ同じ口唇愛撫(クン二リングス)の要領で 丁寧にマッサージし続けた。「あぁぁっ・・」時折発せられる、麗海の甲高い愉悦の声が、勿論 存の耳にも届いていた。
「さて、今度は・・」と、存がそろそろ 麗海の菊花に右手人差し指を埋め込もうと画策し始めた頃、上の黒木は彼女に「同じ体位じゃ飽きるでしょ。そろそろ入れ替わろうか?」と、飽きさせない意味もあって 訊いてみた。その反応は・・「有難と。でも・・」 「うん、何ですかな?」 「あたし、今夜はずっと下の方が良いな。だって、恆(おにい)さんが上にいてくれると 何かね、守られてる様で安心できるの」
「分かりやした。そういう事なら・・」 会話を区切った黒木は、右手招きで 後ろに控える存を呼んだ。耳元まで近づくと、彼は囁いた。「麗海ちゃん、今夜の体位はこのままだ。変更なし」 「了解。そういう事なら・・」再び下方に回ると、存は麗海の菊花を、更に深くソフトに攻めて行った。
右手人差し指に 黒木の持っていたローションをまぶし、それを麗海の花芯にそっと突き立てる。次いで なるべく抵抗がない様、ゆっくり静かに第一関節の辺りまで滑り込ませ。少しおくと 再び用心深く抜き離す。それを何度か繰り返した。「あっ、はぁぁっ!菊のお花、完全に攻められてる。嫌らしい虫が、二匹もあたしの『女』を狙ってるわ。あぁぁっ・・!」
一度に性器の秘溝と肛門の菊花を攻められ、麗海の喘ぎは甲高さと緊張感を増して行った。その声が、一段と黒木兄弟の昂奮を煽った。引き続き麗海を抱き、その「女」に繋がった兄が、なるべく発射を遅らせる努力をする一方で、弟は依然 麗海の菊花への濃厚マッサージに耽っていた。
時折の 濃い接吻(キス)を交えながらの、これも濃い正常位を守っての「交為」が一時間近く続いた。時折見舞われる どうしようもない射精への衝動を抑えながら なるべく昂奮が長続きする様努めたも、どうやら昇る時が近づいた様だ。「あっ、いやっ・・暫く昇らなかったから、何回分もが一度に噴き出してくるかもな。と・・とに角、腰を慎重に動かさんと・・あっ、いや、うぅぅ~っ!」
何とか慎重に、丁寧に麗海を昇らせ、かつ己も昇りたい所ではあったが、どうやら射精の衝動の方が上回った様だ。もう少ししてから・・と思った手前で、黒木は頂きに昇った。下の麗海は、まだ昇り切っていない様にも見えたが「ご・・ご免。昇っちゃった」と囁くと「ふふ、良いよ。あたしも昇ったから」と微笑み返してくれた。
「暫く、このままが良いよね?」黒木が訊くと、麗海「うんうん、勿論よ」そう返し、一旦緩めていた両の脚を再び腰に組付けて グッと締め直してきた。「ハハ、これで又暫く、拘束だな・・」黒木はもう、苦笑モードである。昇り切ってからも、麗海と黒木の結合は、十数分間は続いた。
「いやいや、今夜は兄者もエラく濃厚だな・・」様子を見て、菊花への愛撫を区切った存が呟いた。黒木「まぁ、そんなとこかな。もう少し引っ張ろうとかとも思ったが、残念ながら 俺の昇りが先だったわ」 まだ麗海の下方に繋がったまま、兄はそう言った。少しおいて・・
麗海「恆お兄さん、そろそろ離れても良いわよ」 黒木「あぁ、そうしようか・・」短い返事と共に、黒木は 麗海に繋いでいた竿をゆっくりと抜き離す。暫くおくと、麗海の開かれた秘溝から、黒木が放った男精がゆっくりと流れ出て来た。「ハハ、兄者も今夜は量が多そうだな」 存が笑って反応した。聞いた黒木も「あぁ。まぁ何日かぶりだからな・・」と応じ。
視線を上げると、麗海が笑顔で 現れた男精を口移しして欲しいと合図を送って来る。「あぁ、分かりやした。ちょっと待ってね・・」黒木も、笑って返す。その前に 存に「待たせて悪かったな」と一言。「お前、さっき『お尺』でヌかれてたから、少し間をおいた方が良いと思ったのさ。ま、気遣いっちゅうか、思いやりってか・・」 「ハハ、そんな気遣いや思いやりがあるもんかねぇ?」存は薄笑いで返した。黒木「まぁ、それもあるな。幾らお前が若いって言っても、この行為は少し間を置いた方が良いかも知れんし・・」
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 近藤あさみ
今回の「音」リンク 「ジョージアは雨の夜 (Rainy nighit in Georgia)」 by Randy Crowford (下記タイトルです)
Rainy nighit in Georgia