轍(わだち)~それから 第9話「伝言」
- 2016/12/08
- 15:41
7月、梅雨空が続く時季。それでも、時折の晴れ間や曇り空の日もあり、総合予備校 佐分利学院に通う学生・生徒たちは、学校と学院の勉強や、合間を縫っての部活、それに町内の草サッカー・クラブ活動などをどうにかこなしていた。そんな中の11日月曜、学院の教科を終えた三少年、中等科の箕輪 徹(みのわ・とおる)と白鳥 健(しらとり・たける)に、高等科の豊野 豊(とよの・ゆたか)が、学院一階のロビーに集まる。
豊が言った。「本荘先生のお誕生日って、15日だったよな」 「そうですね。確か15日。金曜日になりますか」徹、こう返す。「そしたら、今からマクドで何をお贈りするか、ちっとの間、考えるか」豊の提案を「それ、好いですね。少し考えてみますか」健、応じ「好いですよ」徹も同意す。
三人は、学院そばの、馴染みのマクドナルドへ。夕方で混み合ってはいたが、多少待ちでどうにか落ち着けた。マック・シェイクを嗜みながらの話が続く。
豊「俺さぁ、本荘先生の白衣姿、前から憧れだったんだよな。んで、その衣裳にナース・キャップ被れば、まんま看護師・・だよな」
「豊野さん、一体、何考えてられるんですか?」苦笑しながら健が訊くと「ハハ、それはね、あの女性(ひと)の看護師姿、是非 学院の養護室で、一度見てみたいって想いがある訳よ」と返す。徹が「本当に、見るだけで済みますかねぇ?」と冷やかし気味に反応すると「ああ、それ以上妖しい考えはないよ。ただ『見てみたいだけ~!』て事さ。今はね」と笑いながら返す。
豊「それでだな」続ける。「俺たちからのプレゼント、まず ナース・キャップにしようと思う訳よ。それをさ、昔NCドラゴンズの球場があった近くのディスカウント屋で売ってるみたいなんで、近く三人で見に行きたいなって思う訳よ」 「ほう、そりゃ好いですね。面白そうだ」中等科の二少年、かなりの興味で応じ。「明日、行ってみるか。俺、教科一限なんだが」豊が言うと、「好いですよ。俺たちも一限ですから」二少年もそう返した。
翌12日火曜。一限のみの学院教科を終えた三少年は、その足でN市中央駅から、JR東海道線の上り列車に乗る。混雑の始まる時刻。プラット・フォームに上がると、丁度 中央西線を山間の方へ向かう、下り石油貨物 5885列車が、鋭い警音一声を以て通り過ぎる所。
「EF64-1000代(電気機関車二機)重連か。いつ見ても好いなぁ。去年夏の、林間学級の事が思い出されるよ」健、徹の二少年、懐かしげに眺める。「結構、好い思い出があるんだろ」豊が訊くと「そうですね。まあ追々お話ししたいですけど」と、二少年は応じ。
ディスカウント店のある、最寄駅はN市中央駅の南隣で、ものの数分で着く。そこから、徒歩僅かの店内で、三少年は「ピンクも面白そうやね」「いや、やっぱり白でしょう」一時言い合った末、目当てのナース・キャップの白を二個入手。価格は消費税込み2000円強で、健と徹が500円ずつ、残りを豊が出す事になっていた。包装された品は、豊が預かり、ひとまず彼の住む寮へ持ち帰った。
学院の養護主任 本荘小町(ほんじょう・こまち)には、誕生日当日の15日金曜に渡そうと思い、彼女にもその旨メールを送り、同意の返信を得た。豊は、誕生日を祝うメッセージ、そして彼女への仄かな好意を綴って同封したのだが、差出人の名は特定せず「生徒有志」にしておいた。万一、贈った事が、学院内に漏れた場合を考えての配慮であった。
金曜の夜は、梅雨の晴れ間。教科二限だったが、外はまだ明るく、多少は遅くなっても気にならない。豊、三少年を代表して、上階の養護室へ赴く。ノックと挨拶の後、小町と面会。
「本荘先生、お誕生日おめでとうございます」豊、祝意を述べる。「こちら、余り佳い品じゃありませんが、白鳥、箕輪と自分の、三人の気持ちです」例の祝いの品を差し出す。「有難う。中身が楽しみだわ。今日は、何か変わった事はない?」 「はい。お蔭で」
「分った。好い事ね。所で豊野君、明日土曜の予定はどうなの?」 「明日ですか。はい、午前は学校の部活、午後一限だけ学院へ来ますが」 「なら、終わったら、ここへ寄ってくれるかな?」聞いた豊、一瞬緊張が走るも、すぐに落ち着き「わ、分りました。教科が終わり次第、お伺いします」
寮へ帰った直後、豊のスマホに、小町からSMS着信。「素敵な物を有難う。近く、着けてみるから、必ず見てね。又明日」
16日の土曜、曇りの一日。もう梅雨明けが近いのかも知れない。午前 登校して部活を終え、昼食後学院にての教科一限をこなした豊は、他から目立たぬ様、上階の養護室へ向かう。ドア・ノックを経て訪ねると、小町はいつも通りの白衣姿で迎えてくれた。
「昨日は有難う。さ、あのキャップを被って見せたげるから、君は、シャワーを浴びておいでよ」 「おっと!やっぱりそう来たか」一方でそう思いながらも「分りました。使わせてもらいます」と自然に奥の部屋へと足の向く豊。シャワーを使い、戻ると、小町は前回とは違い、白衣を脱いではいなかった。そして・・
「さあ、君の見たいものを見せてあげるわ」こう言って、少年たちの贈ったナース・キャップを頂く姿を見せる。「ああ、素敵。思った通り・・」豊、感嘆す。「ふふ、前から想ってたんでしょ。あたしのこの恰好」小町、笑いながら、こう応じ。
「さあ豊、この姿で始めるわよ。奥のベッドへ・・、」促された豊「はい、只今」さしたる抵抗もなく、喜んだ風情で受ける。慣れとは恐ろしいものだ。
行為開始の、濃い口づけ。そして豊、小町の指図で、まずは前回と同じくベッドに臥す。看護師の風情の小町、その上に重なり、もう一度、舌の吸い合いをも含め、熱く唇を交わす。
まずは愛撫の復習だ。師は、指、舌、唇で教え子の小さい乳輪や腋に、刺激を加え始め。「ああ、今度も、感じる・・あ、あ・・」豊、やはりこらえきれず声を上げ。
小町は、更に豊に重なり、体重を感じさせるやり方でのしかかる。ナース・キャップの決め姿と、彼が胸で受ける、師の乳房の圧を感じる触れ方が好ましい。「ああ、好い感じ。ずっと、感じていたい・・」暫し、こう思ったものだ。
「小町さん・・」豊が言った。「そろそろ、後ろ向けて下さっていいですか?」 「見たいの?嫌らしい。でも、仕方ないわね」師は、苦笑しながら、白衣の下方を捲り、教え子に向ける。豊はまだ知らないだろうが、四十八手中の「二つ巴」の姿態(ポーズ)である。
「ああ、素敵・・」豊は、小町の下着姿の下方を愛でる。今日は、デザイン柄の白の「T」と同色のストッキング、ガーター・ベルトである。勿論これは、教え子がシャワー中に着替えたもの。普段は当然、ノーマルのショーツにパンストの組み合わせである。
豊、感嘆して、白衣の下から覗く、魅惑の臀丘に手指を走らす。「ああ・・」小町、短く喘ぎ。次いで、教え子は「T」の上から、デリケートな秘境に触れて周る。脱ぐ前の「T」の食い込む臀丘の眺めも、大いに興奮させられるものだ。
「ああ・・小町さん、こんなのも好いですね。次のとこまで、なるべくゆっくり触りたいです」豊がこう言うと「君も段々スケベになって来るね。でも好い事だわ。まだ時間があるから、焦らないで」小町もこう返す。「はい、丁寧に行きます」教え子は、こう応じる。
この日も又、養護室に、熱く妖しい風が吹くのだろうか。
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の壁紙 思い出の名古屋栄 ニッサン・ギャラリー(現在は閉鎖) 名古屋市中区 2013=H25,5 撮影 筆者
松岡直也さんの今回楽曲「アヘッド・ウィンド(A Head Wind)下記タイトルです。
A Head Wind
JR電機 EF64(1000代)の警音が聴けるシュミレーション画像 下記タイトルです。
EF64 1009