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轍(わだち)~それから 第10話「艶習」

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「ねえ、豊(ゆたか)。一度、上と下で入れ替わろうか」 「いいんですか?でも、それも面白そうですね。俺は歓迎です」
こんな会話と共に、総合予備校 佐分利(さぶり)学院の高層校舎上階にある、土曜日午後の養護室には、再びの熱く妖しい空気が漂い始めていた。

奥の部屋の広いベッドで、熱い口づけを合図に始まった、養護教諭 本荘小町(ほんじょう・こまち)と高等科生 豊野 豊の、大声では言えない秘密の教科は、これで二限目となる。

ここまで、ベッドに臥した豊の身体を、小町が指と唇、舌を以ての丹念な愛撫が繰り広げられて来た。ここからは、小町が臥して、豊が上に重なり、互いの顔と下方を向き合わせる、四十八手中の「椋鳥(むくどり)」と言われる姿態(ポーズ)で高め合って行く。俗に言う「69(シックス・ナイン)」の一つの型でもある。この段階で、小町のショーツは剥がされ、片足に掛る恰好となる。

「ああ、小町さん。上からの眺めも素敵です」豊、呟く。「そうでしょう。視点が変わると、又新しい気持ちでできるものよ。さ、豊、素敵な愛撫を頂戴」小町、こう返すと「はい、かしこまりました。今から始めます」豊、こう応じて師の秘花に唇を合せる。

舌で下草を探り、花の合わせ目にそれを潜らせ、じっくりと舐める行為が再開される。「んん、ああ、ふうんん・・好い、好いわ・・」小町、歌う様な喘ぎ。「ああ、素敵・・。この歌声、ずっと、ずっと聴いていたい・・」舌と唇の動きを休めず、教え子は、こんな事を想う。極上の、昂った気分の下で、ゆっくりと、しかし力強い口唇愛撫(クンニリングス)が続く。

小町、豊の「少年自身」を咥え込み、手指でその陰嚢を包み込んで「んん・・んん・・」籠った喘ぎで、彼に歓びを伝えて行く。まだ経験の浅い教え子も、その気配で、師に喜ばれている事を悟る。小半時程、この姿態での交歓が続く。豊の愛撫で、師の秘花は、咲くに十分な潤いを得る。

「豊、今日はね」小町は言った。向き合って高め合う事を覚えようよ。それと、あたしは薬(低容量経口避妊剤)を飲んでるから、ゴムなしでも大丈夫よ。」 「マジっすか?もう一度、ゴム着けてじゃいけませんか?」豊、不安がちにこう返す。「大丈夫よ。あたしを信じて」 「はい、そう仰るなら・・」そう言いながら、豊は、再びベッドに臥した。勿論、下方は礼儀を正している。

これを見て小町、豊の上に跨ると、M字の様に大きく脚を開き、少しずつ、彼の「自身」の上に、ゆっくりと腰を沈めて行く。先端、雁首、胴軸の順で呑み込まれ、やがて堅く連結される。「ふぁぁ・・んんん・・はぅぅ・・ああ、生繋がりは好いわぁ!」高めの喘ぎと共に。
四十八手では「百閉」とも「時雨茶臼」とも言われる、騎乗位の基本形だと思えば良い。

「ああ、嬉しい。直に、小町さんと繋がれる歓び。何度感じても・・好い!」小町の歓びは、迎える肉壁を介して、豊にも確かに伝わっていた。熱く快い刺激が、彼に腰を動かす様促す。下から仕掛ける様に動くと「うんん・・あぅぅ」と、師もそれを感じて、腰を上下動して見せる。
「小町さん」豊が声かけ。「はい?」 「向き合っての高め合いって、やっぱり好いですね」 「でしょう。香緒里や、前いた初美も言ってたけど『恋は、見つめ合ってするもの』だからね」 「見つめ合って・・ですか。何となく分ります」 「君は、まだ慣れないかもだけど、段々そうして欲しいわ」 「はい、そうする様お約束します!」 「きっとよ」 「勿論!」暫くは、向き合っての騎乗位での交合が続く。

暫く後「もう一つ、いいですか?」豊、小町に訊く。「何かしら?」 「あの・・後ろからの復習って、しちゃいけませんか?」 「ハハ、言うと思った。もう少ししたらね。君は、前にあたしがいるから安心だって言うけど、あたしからは、君の顔が見えないから、ちょっと残念なのよね。でも、今日は一度だけ、聞いてあげるわ」 「有難うございます!」 「でも、あたしの願いも、聞いてくれる?」
「はいっ、大抵の無理は伺います。何でしょう?」 「それはね」こう言って小町は、前に伏して、豊の耳に囁(ささや)いた。「あのね、白衣を脱いでしたいの。ね、ナース・キャップは被ったままだし、ガーター・ストッキング着けてれば十分でしょ」 「はい、ああ・・そうですね。じゃ、それで」答える豊、何か落ち着かない風情だが。

「さあ、それじゃチェンジよ」白衣を脱いだ小町、そう言って立ち上がり、前かがみにベッドに手をつき、腰と臀丘を突き上げる、刺激的な姿態(ポーズ)をとる。同じく立ち上がった全裸の豊、その後ろに寄り添い、両の手で腰を抱え、ゆっくりと「少年自身」を返して行く。「自身」の先端が師の子宮口に、陰嚢が外陰部にタッチする感触が、ほぼ同時。

「あふぅぅ~ん、好い・・これも好いわぁ~!」師弟共々、ゴムなしの、直に繋がる事のできる歓びを、前と後ろで共有する。「豊、さあ、動いて!」小町の、この叫びを合図に、後ろに繋がる教え子は、腰の前後動を開始。「んん・・んん・・んぁぁぁ!」波の様に打ち寄せる刺激と快感の海を、師弟は、暫し泳ぎ回る。豊、油断するとすぐに達してしまうので、「小町さん、休ませて下さい」 「いいわ。でも、離れないでね。繋いだまま休むのよ」 「はいっ」興奮が落ち着くと、又動き出す。

四十八手に「碁盤攻め」とある、傍目にも刺激的な後背位が小半時。その後、小町はベッドに臥し「豊、上に来て。最後は、いつも通り重なるの」こう促す。応じる豊、小町の上に重なり、高温となった「少年自身」を、潤った師の秘花に返す。「ああ・・んぁぁ・・、さあ、始めて」最後の高め合いへ向け、動き始める。教え子に、上体を抱きしめられた師は、背後に腕、腰に脚を回し、強い力で絡みついて一体になって行く。「あああ・・ふぅぅ~ん!好い~!」双方喘ぎ、十数分の高め合いを経て、頂へ。それは、豊の男精が、初めて小町の体内深くに放たれた瞬間でもあった。

「ああ、ああ、好かった~・・」暫くの間、師弟は、上と下で繋がったまま、快い余韻に酔う。それから少しおいて「離れていいわ」 「はい。有難うございます」応じる豊、まだ礼儀を正す「少年自身」を、小町の秘花からゆっくり離す。間もなく、合わせ目から、半透明 ホワイト・オパールの男精がゆっくりと流れ下る。小町、鏡でこれを見て「豊、さあ、この液を掬って。そして、その口であたしにキスをして」指図す。「信じられない!」こう顔に表すも、豊は応じ、師の秘花から男精を掬い取り、口移しでその唇に流し込む。最後は口づけ「ザーメン・キス」で締めだ。

「凄いですね・・」豊、呻く。「一度、こうしてみたかったのよ。君の男精、濃くて素敵だわ」小町、笑いながら言う。「段々慣れて来たね。君が、この事を内緒にできるなら、又次も、色んな事を教えてあげるわ」聞いた豊「ああ、守れるかなぁ」内心思うも「分りました。必ず、お守りします。又次も、宜しくお願いします!」と、言ってしまうのであった。

「さあ、シャワー行かないといけませんね」 「そうそう。一緒に使おう!」 「はい、好いですよ。片付けもしますから」そう言い合って、師弟は仲睦まじくシャワー室へ。その日の全教科も終わり、静けさの戻った高層校舎を、師弟は何食わぬ顔で退出して行く。保安課のクルーも「もう、いつもの事だから」と訝(いぶか)る様子も見られない。この時小町は、豊に、とある頼み事をしたのだが、それは又、稿を改めて触れたい。
(つづく 本稿はフィクションであります)。

今回の人物壁紙 桜リエ
松岡直也さんの今回楽曲「シーズン・オブ・ラヴ(A Season of Love)」下記タイトルです。
A Season of Love

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