母娘(ははこ)御膳 第13話「妖路」
- 2017/04/07
- 15:08
大勢の客で賑わう、ネット・カフェの区分二人席 ペア・ブースに陣取る若い二人、花井 宙(はない・そら)と阿久比 周(あぐい・あまね)の間柄、再び妖しいものに変わって行った。多客でシャワー室が思い通り使えない事もあり、唇を交わしての挨拶後、宙の行為は、食後間もなくから開始された。
「ああ・・おいおい、余り刺激してはいかん。声出ちゃうよ」下方に手指を回され、戸惑い焦る周。宙は、それを余り意識していない風情で「我慢しないで出せば?声も、下の方もさ」意外な余裕さえ見せる。「そんな事できるかよ。周りに気がつかれたら、恥かしいわ」周、呟くも、既に曝け出された男根は礼儀を正し、宙の手指はその下の、下草を纏う陰嚢にも及んでいた。ほんの僅か、揉む様な感触の指使いは、正直 周を魅了した。「ああ、好い。できれば、長く続けて欲しい・・」これが、本音であった。
宙の攻勢はもう暫く続く。「今夜は、意地悪するんだ」 「何だ?」 「周さんに、手コキだけでイってもらいます!」 「ふふん、できるか?貴女に・・」 「やってみなきゃ分らないでしょ。それに貴方、もう亀さんがすっかりその気になってるよ」宙、冷やかす様に言い、周の亀頭、そして男根の表裏を、両手指で交互に撫で上げて行く。「う、んん・・あ、あ、いかん・・出そう・・」昂ぶり、イかされそうになって、間一髪で留まる。「だから・・我慢しなくて良いって。ここでこのままイっちゃっていいから」宙は、周の男根と陰嚢を両手で包み込み、更にマッサージで刺激を加えて行く。暫く後・・
「うう・・んん、だ・・ダメ・・で・・出る・・!」遂に、最初の発射。飛び出した男精が、宙の顔面、額の辺りに降りかかる。ニヤリとしながら「周さん・・」 「?」 「良かった。一度で決まったね、顔射!」笑って言い。「そんな事言うか?」周が呆れて返すと「だって事実だもん」こう続け。「ついて行けんな、こいつは・・」これも、正直な所であった。濡れティッシュで拭い、とりあえずの処理。「この匂い、独特だね」笑いながら確かめる宙の仕草も、又 彼を慌てさせた。
入店してほぼ一時間半後の6:30pm過ぎ。周は宙に「これから、どうする?」と尋ね。彼女の答えは「周さんとこで、ゆっくりしたい。母や姉には、カプセルで泊まるって言って来たから大丈夫。今夜なんて、どこも混んでて一杯だから、それが正解よ」 「マジか・・でも、まあ良い」そう思った周は「分った。じゃ、行くか」 「うん、良いよ。行こう!」会計を済ませた二人は、そのまま地下鉄で周の居所へ向かった。
電飾に彩られたクリスマス・イヴの、賑わう街から離れるのは、些かの未練の様な気持ちもあるにはあったが、かと言って、深夜まで混み合う店舗や見所を、遅くまで周ろうと言う気にもなれなかった。7pm過ぎ、N城址北の、周の居所へ。近所のコンビニ店で、飲料などを買い、TVやネットなどで過ごす事になりそうだ。「今夜は泊まり」言わなくても、そんな風情になるだろう事が分った。
居所に入ると、周は、とりあえず入浴の準備。既に浴槽の水は張ってあるので、後は着火し焚くだけだ。TV番組のチェックなどして小半時後「先に入れよ」宙に、入浴を促し。「有難う」彼女が浴室へ向かうと、後輩の豊野 豊(とよの・ゆたか)にLINE送信。幸い、彼は居所の寮に帰っており、すぐに返信が来た。「豊か?俺だ。今夜なんかはお出かけかと思ったよ」 「ああ、阿久比さん今晩は。お出かけ・・?まさか!俺は貴方より見込み少ないですよ」 「そんな事言わんで、少し位動きゃ良いんだよ。勉強の合間の、少しの間ならOKだろ。気分転換にもなるしさ」 「本当は、そうしたいんですがねぇ。中々きっかけがありませんで」
周「確かに、本当は良かないよな。どこかで状況を変えんと、ずっと今のままだしさ。いや、大学に進んだって」 豊「まあ、そうですねえ。でも、今夜は諦めました。阿久比さんは今日、街中とか行かれたんですか?」 「ああ、まあな。イヴらしく、どこも超満員だったよ」 「ハハ、やっぱり。それご覧になって、ヒビられたのかな?」 「ふふ、まあそんなとこ。お互い様・・か。所で、肝心の事を言うわな。よく聞けよ」 「ああ、はい、分りました。伺いましょう」
「あのさ」周は続ける。「年明け二日午後の、社長んとこのお年始な。あれ、夕方以降にして欲しいんだと。時間は多分、5pmか6pm時頃になるだろう。俺は、多分にその方が良いからOKしといた。お前も事情は同じだろうが、念の為って事があるからな」
豊「有難うございます、・・ですよね。で、俺もその方が具合が好いですから同じでお願いします」 周「分った。じゃ、夕方からで、社長に話をしとくわ」 「はい、お願いします!それでですね・・」 「それで・・何だ?」 「あの・・夕方からだと、ひょっとして一泊・・なんて事は、ないでしょうかね?」 「一泊・・か。まあ、こっちで詮索すべきじゃないが、可能性はあるかもな」 「・・ですか。じゃ、一応そっちの準備もした方が良いですね」 「それは、お前の判断次第だ。俺は、何とも言えんと思うが」 「分りやした。じゃ、そうなっても良い様に準備って事で。夕方からになる自体は良いですよ」 「OK、それで決まりだな。じゃ、この後お伝えするわ。明日辺りで、時間とかの詰めをして、又連絡するわな」 「はい、ご面倒かけます。宜しくお願いします!」交信終了。
先の宙と入れ違いに、周が入浴。下着姿で部屋に戻ると、宙は、周到にも夜着のネグリジェに替えていた。暖房あれど寒いので、トレーナーの上衣を貸してやる。暫くの間、ネット検索などの後「続き、始めよう・・」宙が声かけ。「よし、もう良いか?」周は応じ、ソファに並んで座り、この日二度目の口づけ。
宙の手指の動きは素早かった。すかさず、周の股間に回り、下着越しの愛撫を始める。もう、一度はイかされたと言え、周の性感も回復が早かった。巧妙な愛撫に応じるかの様に、男根か勃起、亀頭が礼儀を正す。宙の手指が、下着の前開きに潜り込み、中の男根と陰嚢を、外に連れ出す。
「ああ・・ううう。ま・・又やる気だな」呻きながら、周が反応。「勿論!今夜は、もっと深い所へ行くわよ」宙、こう返して、周の「自身」への愛撫を、片手から両手に替え。男根の表裏、亀頭、そして陰嚢にも、濃厚な愛撫が加えられ、昂らされる。「さあ、次よ!」宙はこう言い、亀頭から、周の男根を吸い込みにかかる。
「やっぱり、好い・・なあ」素直にそう感じ、周は、暫く愉悦に身を任せ。二十分程を経て「さあ宙ちゃん、初めてのお返しだ」促してベッドへ。仰向けに臥したその上に周が重なり、三度目の口づけを経て、胸周りを開き、ブラを下へ。現れた胸の双丘を、じっくりと攻め、少しの揉みを交えて、丁寧に愛撫。「ああ・・好いわ」宙、初めての喘ぎ。やや高温の、クリアな声だ。続いて、ウェストの括(くび)れ辺りを経て、一旦脚へと飛ぶ。二ー・ハイを纏った足先から膝、太腿を経て、下半身の核心周りをゆっくりと撫で回す。
「うう・・んん。これ・・好い。つ・・続けて・・」途切れがちな言葉を伴い、宙が反応。「好い感じ・・」脚を曲げ開き、まずはショーツ越しに高めて行く。今夜は、勿論「T」ではない。少しおいて「そろそろな・・」周、宙に声かけ。意味が分かったか、微かに頷いて反応。これを確かめ、周は、ゆっくりとショーツを下ろして行く。眼前に、恐らくは、まだ交わりを知らぬだろう、白無垢の秘部が姿を見せる。
「ああ、思った通りの素晴らしさ・・」程良い薄目の下草の上に、朱の秘花が、その手前に形の佳い菊花(肛門)が並んで咲く。まずは絶景。周は、導かれた様に、宙の秘花に唇を重ね。高めの喘ぎを聞きながら、秘花の合わせ目に舌を挿し入れ、高めて行く。程なく、秘液の分泌が始まり、それを啜る「ジュルジュル」音も伴う、濃厚な口唇愛撫(クン二リングス)に変わって行く。
「周さん・・」宙が声かけ。「うん、何かな?」 「そろそろだね」 「ああ、分る。ちょっと、待ってな・・」周はそう言い、用意していた、小さい樹脂の包みを開けにかかる。ゴムの用意だ。「待って!」周の動作を、宙の手指が遮る。「?」 「あたしがするわ」 「ああ・・」宙、周から包みを奪い、中の薄手のゴムを、手早くその亀頭に着けて行く。そして・・「さあ、戻って来て!」
周は、再び宙の上に戻ると、慎重に、男根の先端を秘花に合わせて行く。「初めてかも知れない」一抹の不安が、脳裏を過る。更に、男根をゆっくり滑らせて進んだ所で、悲鳴にも似た喘ぎを伴う、大きな抵抗があった。「拙いな・・」二度、三度滑らせるも解消せず、一度、抜き離しを試す。その結果・・ゴム越しの亀頭に、一定の出血があった。「やっばり・・」周の胸中に、衝撃が走る。「彼女(こいつ)、処女だ!」
「宙ちゃん!」 「何?」返す彼女は、不満そうだ。周「無理はいかん。今夜はここまでだ!」 「どうして?大丈夫だよ」 「・・な訳ないだろ!血が出てるぞ!」 「・・・」言葉はないが、宙は、ようやく状況を悟った様だ。「手当せんといかん。生理用品ってあるか?」 「周さん、心配ないよ。あたし、処置できるから」 「ああ、悪いな。その辺は任せるわ」宙はそう言うと、速やかに処置す。
「でもさぁ」彼女は続けた。「二度目、もう一度したいな。ねえ、口でなら良いでしょ?」 「それなら、良いでしょう」続きは、再びソファの上になった。露出したままの、周の男根を再び口に含むと、宙は、濃厚な愛撫を再開し。時折、裏筋や陰嚢へのものを含め、熱くじっくりと、口唇愛撫(フェラチオ)を進めて行った。
周は、複雑な想いだった。出血を伴う、宙の症状を気遣いながらも、高められる歓びは抑えるべくもない。呻きを伴いながら昂らされ、遂にと言うか、やはりと言うか、二度目の絶頂へと押し上げられる。その時、宙は亀頭に食らいついたままだった。「ふふ・・」含み笑いの彼女に、周が訊く。「もしかして、呑んじまったのか?」 宙は、うん・・と頷きながら「そうだよ。濃くて、中々好い味ね」と笑顔で返し。
「呆れた奴め・・」呟きながら、周は「どうする?帰れる時間だけどな」訊くと、宙「ううん。このまま泊まって、明日帰るよ。ねえねえ、眠れるまで、暫く勉強したいな」こう言い出し。周「ああ、良いよ。できる所をなるべく潰して、寝ようかな」 「それ、同意です!」
二人は、居所にあった周の教材で、日付が変わって暫くまで受験準備の意見交換などを行い。「お休み!」宙の出血もあり、事後のシャワーは見合わせた。
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 鳳かなめ
久石 譲さんの今回楽曲「インポシブル・ドリーム」下記タイトルです。