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交感旅情 第7話「秘技」

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満天の星空の下、深夜の自動車道を行く、二台の新潟行夜行高速バスの、落ち着いた走りが続く。その二台目 2号車階下のトイレ内では、宙(そら)と周(あまね)の、本当は芳しからぬ秘め事が繰り広げられていた。「ん、んん・・」他の乗客乗員に知られまいとして、懸命に声を押し殺す宙の様子は、その下方に口唇愛撫(クンニリングス)を見舞う、周にもはっきりと届いていた。

「それにしても・・」ルビーの如く、暗い照明に映える陰核(クリトリス)と外陰部を、舌先で交互にチョロチョロと高めながら、周は思う。「つい半年前・・は分るが、あの時の地下鉄での出来事が、ここまで尾を引くとはなぁ・・」それはまだ大学受験前だった前年の秋、彼がほんの邪心から、宙に対し、Chikanまがいの挙に出た事だった。あわや逮捕と言う瀬戸際で、宙の母 花井 妙(はない・たえ)の取りなしもあって、刑事免責と相成ったのだったが。

ただ、その事があって以来、宙は周に、その言質を取ったかの様な出方を、時々する様になったのは事実だった。あの日、地下鉄車内で抱いた邪心が、今 己の恋人を見舞っている。「何とかしたい。でも、行く所まで行かねばダメなのか?」そんな疑念が、周の頭に渦巻いていた。

バスは依然として、安定した走りを続ける。時折現れる、路面の荒れを拾う、少しの揺れさえ気にならなければ。「周さん・・」宙が言った。「はい、何?」 「そろそろ、亀さんに会いたいわ」 「分った、でも・・」 「でも、何?」 「しゃぶるのは、頭だけにしとけよ」 「何故?」返す彼女は、不満そうだ。「それは・・」周は続けた。「ここは、いつもの部屋じゃないんだ。いいか、走ってるバスの中だぞ。もしも、急停止なんかで、その時に俺たちが飛ばされたりしたら、どうなる?」 「そんなの、その時にならなければ分らないわ」 「あのさ!」もう少し露骨に言わなければ理解されない様だ。

周は続ける。「もしもだ。俺のを咥えてる時に、急停止になってみろ。貴女の喉の奥まで突き刺さって、窒息って事だってあり得るんだぞ。そうなったら、どうなるかなんて、分らんだろうが!」 「うん。分った。じゃ、先っぽだけにしとくから・・」これを受け、周は己のジーンズとトランクスを下ろし、宙に見える様、下半身を露わにして行く。

「ふふ、素敵・・」宙は言った。「いつ、どこで見ても、貴方の亀さん、好い感じ・・」 「おい、待てよ。いつでもどこでも、とは行かんぜよ。それをやったら、俺は変態になっちまう!」周は慌てて、そう返す。「まあまあ。勿論あたしと二人だけの時によ。玉袋の金さんも、下の陰毛(ワカメ)も固くて期待できそう・・」ニヤリと笑い、眼前に現れた亀頭に食らいつく。

「あっ、うんん・・」決して、声を上げてはいけない夜行高速バスのトイレ内で、周もそれを押し殺し、宙の口唇愛撫(フェラチオ)を賜る。「う・・うん。宙ちゃん、じ・・上手だ。こんな所でよくやるわ。あ・・余り時間なくて、わ・・悪いな。うぅぅ・・」暫く、周の亀頭は、宙の、舌を交えての秘技に高められ、カウパーと呼ばれる我慢汁を滲ませながら、否応なく礼儀を正す。暫く後・・

宙「ああ、熱いわ。周さん、そろそろかしら?」 周「OK。余り長引かせちゃ拙い。そろそろ繋ぐとするか。あの事は大丈夫なのかい?」 「それはいいわ。あたしはこの旅行中、安全期よ」 「分った。有難う」周はそう言い、宙の上を覆う様にしていた態勢を、少し後ろに下げる。そして、彼女の曲げ開かれた両脚の奥、秘溝に高さを合わせるべく、腰を落としてその時に備える。

「いいか?行くぞ」 「ええ、来て・・」便器に跨ったままの、宙が頷くのを確かめ、周は己の両膝を曲げて前傾の姿勢を取り、秘液で濡れそぼった様子が分る彼女の秘溝に、己の亀頭を合せて行く。先端が外陰部に分け入り、そのまま「スゥ~ッ!」と(恐らくは)美麗な朱の肉壁の迎撃を受け、ゆっくり、しかし確実に、子宮口へと連結される感触が、手に取る様に伝わって来る。

「ふっ、はっ、ふんん~っ!」 「ん、んん・・うぅぅ~!」大きな喘ぎが外に漏れぬ様、用心しながらの抱擁と交合。ポルチオ性感のなせる、大きな歓びだ。周はこれを受け、バスの動揺の感じも見ながら、ゆっくり、腰を前後に動かし始める。交わり初めの、毎度の儀式と言う意味もあるが、この夜はやはり、万一の場合を思い描いての、用心もあった。

「ん・・ん・・ん・・ん・・んぅぅ~!」腰の動きに合わせ、宙は、籠った様な、小さい呻きを発す。「いかんなあ。反って昂奮しちまう・・」そう思いながら、周は、様子を見て彼女の唇を、時々奪いながら行為を進める事にした。繋がり始めは、はやる気持ちを押えての、スロー・ピストンを心がける。

「ああ、あ・・周さん・・」 「はい、何かな?」 「ち・・ちょっとだけ、姿勢(ポーズ)変えるね」 「ああ、いいよ。俺はこのまま・・かな?」 「うん。そのままで。変わったら、さあ動いて・・」宙はそう言いながら、上を覆う周の腰に、その両脚をガッシリと組み付ける。「ふふ・・」宙は、不敵に微笑んだ。「狭くてよく揺れるけど、蟹さん挟み、上手く行ったわ」

「ハハ、ベッドとは違うから、大変だろうが」周、笑って返し。「ううん、この体位が一番よ。さ、遅くならない内に、二人して絶頂へ行きましょう」 「いいよ。だけど焦りは禁物だ。ここは少し時間を取って、じっくり高まろうや」 「貴方も気にする、他のお客さん方、大丈夫かしらね?」 「まあそれは、運を天に任すしかないが、多分大丈夫だろう。それを信じようじゃんか」男根を「女」に繋いだ周のこの言葉に、繋がれた宙は、こっくりと頷く。小半時位の後・・

「さあ宙ちゃん。そろそろ絶頂へ行こうや!」 「うんうん。最後の高め合い、宜しくね」 「OK、任せとけ!」宙の上体を抱き、下方を美脚に挟まれた周はこう言い、己の腰使いのペースを速める。部屋での交わりなら、周囲への漏れが懸念される程の、大きな喘ぎと呻きを伴っての行為となるはずだが、このトイレでは、それが許される状況ではない。

「ふっ・・んっ・・んっ・・んっ・・んぅぅ~っ」 「はっ・・ふっ・・ん・・うぅぅ~っ!」トイレ入りしてから小一時間、若い二人は、遂に絶頂に立った。繋がれ高められ続けていた宙の表情が、ふっと緩む。「ああ・・ああ・・良かった」 「おめでとう、宙ちゃん。俺も、とても良かった」笑顔で、上と下から、改めて唇を重ねる二人であった。

周が言った。「宙ちゃん、意外な技持ってるな。こんな狭くて、揺れるとこでも、ちゃんと絶頂まで行けるのだからな。俺、感心したわ」 「ふふ、確かにあたしの技かもだけど、周さんが、せっせと素敵なピストンで、高める努力をしてくれたのも大きいわよ」 「上手い事を言うなあ。ちょっと前、健の伯父さんも言われてたけど、男って、結局バカな心がけしかできないんだって。だから、性交(セックス)の時も、余りあれこれ技とかを考える余裕がないみたいだってさ」 

宙「でも、それは慣れと経験で向上するんじゃないかしら。貴方だって、今夜のこんなとこでも、以前よりは粗っぽくないもの」 周「そうか、そりゃ有難う。上達はいいけど、そりゃつまり、俺が『オッサン』に近づいた事の証明でもあるしな」 「余り気にしないで。『オッサン』は、皆どうせスケベな生き物だから」 「いや~、これも上手い!俺、一敗だわ」上と下でこう言い合いながら、二人は笑った。

「さあ、離れてもいいかな?」 「OK。ゆっくりとね・・」宙の返事を聞き、頷いた周は、彼女の秘溝に繋いでいた男根を、ゆっくりと抜き放す。「それ、あたしに頂戴!」促されるまま、亀頭を、宙の口元へ。再び食らいつき、亀頭に付いた男精を舌技も交えて拭う「掃除フェラ」だ。「有難うね」終わった所で、周が、下着とジーンズを履き直した所へ、宙の膣内に射出され、流れ下った男精が、秘溝から姿を現す。

「宙ちゃん・・」周が言った。「今夜は、ザーメン・キスはなしな」 宙「分った。時間がないんでしょ。残念だけど、仕方ないわね」その返事を聞いて、周は備え付けのトイレット・ペーパーで、外陰部の男精を丁寧に拭き取る。終わると彼女に、スカートを戻す様促す。「俺が先に戻る。貴女は、少し間を置いて、戻ってくれ。静かにね・・」 「ええ、お互いに・・」 「有難う・・」

再び忍び足の周が、ゆっくり静かに席へと戻る。少しの間の後、宙が、同様の足取りで自席へ。事後の後始末は、勿論二人でチェックして、抜かりなく行った。戻って十分程後、後席の若い女性客が一人、トイレへと立った。「ふぅ~、危なかった!」宙と周の、この夜の秘め事が終わった。二台のバスは、冠着(かむりき)峠のトンネルを抜け、G県都を見下ろす、中条の語っていた絶景ポイントに近づいていた。もうすぐ 2am。運転手(ドライバー)交代と、車両目視点検の為の、運転停車が近づく。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 小島みなみ
葉加瀬太郎さんの今回楽曲「Loving Life」下記タイトルです。
Loving Life

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