交感旅情 第18話「予行」
- 2017/10/08
- 14:54
「じゃ、あたしたち、先にお部屋に戻ります」夕食を終え、飲み直すべく、すぐ傍のバー・ラウンジに移った中条たち一行六人。未成年の宙(そら)と由紀(ゆき)は、先に上階の、木下姉妹の部屋へ。食事に先立ち、檜(ひのき)の内風呂を、戻って直ぐ入れる様に、由紀は準備していた。「まあ又、一緒にお湯入ろうよ」 促される宙「どう言う事?」一瞬、不可解な想いが過(よぎ)りもしたが、まあ良いか。着ていた浴衣と下着を脱ぎ、浴室へ。
既に、貸切風呂でのボディ洗いや洗髪を終え、かけ湯程度で入湯できる。再び生まれた姿に戻り、宙と由紀は、並んで湯に浸かる。「ああ、一日に、二度も三度もお風呂入るの、久しぶりだわ」軽い伸びと共に、由紀が言った。「まあね、受験中は、余分な時間なんてなかったし」宙もそう返す。暫し、この日の出来事などを話して過ごす。
宙「貴女たち、往きは飛行機だったの?」 由紀「そうよ。昨日午後、大阪伊丹から新潟まで。伊丹はねぇ、周りに建物が多くて、昇り降りの時は、ちょっと緊張するわね」 「ふぅん。TVでしか見た事ないけど、中国の香港みたいな感じかしらね」 「まあそうね。あそこまで危なっかしくはないけど、近い感じはするわ」 「新潟までは、時間どれ位?」 「確かね、一時間ちょっと位・・かな。天気良かったし、揺れも殆どなくて、心地良いフライトだったわ。そうそう!」
宙「はい、何よ?」 由紀「もうすぐ水平飛行が終わるって時、T県から新潟県に入ろうって時だったわ。夕景だったけど、北アルプスの雪山、とっても素敵だったわ!」 「ああ、いいね。あそこの雪山はとても綺麗で、あたしも大好きよ。もう暫く観に行ってないから、周さんに、行ける様に話をしてみようかな」 「うんうん、是非そうすべきよ。一度と言わず、何度だって観に行っていいんだからね」 「・・だよね~!」暫くは、山の話で盛り上がる。そして・・
「所でさ・・」由紀はそう言い、宙の背後に右腕を回し、その髪に、手指を絡ませたりす。「何よ?一体何のつもり?」当惑した様に 宙が訊くと「さっきさぁ、初美先生と中条の伯父様、好いムードだったじゃん。あたしたちも、ちょっとの間、ああ言う事してみない?」 「ああ言う事?バカな!女どうしで昂ってどうすんのよ?もしかして、貴女『両刀使い』なの?」 「ふふ、そう思ってくれても良いかもね」こう返した由紀は、回した右手で、宙の胸の双丘を探り出す。
宙「ち・・ちょっとォ!お風呂の中じゃ、やめてくれない?」 由紀「ふふ・・あ、ご免ご免。生れた姿で高め合えるからと思ったのよ。宙ちゃんは、そう言うのは嫌かしら?」 「仕様がないなぁ。じゃ、お風呂から上がったら、ちょっとだけつき合ってあげるよ」 「分った、有難う・・」 20分程だったろうか、二人は、内風呂を終え、浴衣を纏って、既に寝具が整えられた部屋へ。
新潟・白山公園近くで初めて会い、空港までの車中を共にした時、由紀の姉 由香は宙に「妹は、押しの強い女よ。それは気に留めておいた方が良いかもね」と語っていた。夕食後からここまでのなり行きを見ていると、その言葉が真実味を帯びるのを感じるのであった。「まだ、横になるのは早いね」由紀は言った。
座椅子に並んで座り、戯れが続く。由紀は何と、浴衣の下は、何も着けていなかった。「ふふ、どうせ又、生まれた姿になるんだからさ、面倒でない方が良いじゃん」と来る。「由紀ちゃん、あのねぇ・・」些か呆れて、宙が言った。「はい・・」 「あたしは、脱がない方が昂るんだけど・・」
由紀「あっ・・そうか。宙ちゃんは『着エロ』の方なんだね。まあいいわ。ふぅん、そうすると、浴衣から手を入れる楽しみがあるわね」そう続けると、昼間、山間の公園で花見の折、宙が初美に対して仕掛けたほぼ同じ行為を始めた。「嫌ね、そうすると思ったわ!」宙は、わざと拒む様な出方をした。「宙ちゃん、分るわよ。『嫌!』と言っといて、ホントは満更でもないんだ」笑みを浮かべ、浴衣の胸元に右手を差し入れて行く。そして・・
「中々好い感じじゃないの。これなら、周さんも納得よね。彼には、こうしてもらってるの?」余り快くない事を尋ねられ、内心でムッとする宙だったが「ああ、その事?まあ、時々だけどね」適当にはぐらかしながら、答えておいたも、由紀の乳房への愛撫は相当に上手かった。「ああ、中々好い。由紀ちゃん、やめないで・・」と言うのが本音だったかも知れない。
「悔しいけど・・」宙は呟く。「由紀の愛撫は、中々だわ。さあ、上手くないかもだけど、少しは返してあげるわよ」 「有難う、でも、忘れない内に、挨拶しておこうね」こう返した由紀は、不意に、宙の唇を奪う。相手に考える余裕を与えない、間断のなさ。「ホント、両刀使いだわ・・」互いの胸の双丘に手指を走らせて後、由紀の右手は、宙の下方を狙う様になって行く。
腰回りの、浴衣の帯の少し下の合わせ目から、由紀は巧妙に右手を滑り込ませた。左手は、依然として宙の上体を捉え続ける。「由紀ちゃん、分ったよ。貴女、上手だよ・・」やがて右手指は、宙が着け直していたショーツを捉える。「さ、下ろしにかかるわよ。これで、もっと気持ち良くなるわ」由紀はそう呟くと、スゥっと、宙のショーツを、一気に足先まで下ろして行った。
由紀「さあ、いよいよ核心に入るわよ。宙ちゃんの下草、程良く濃くて良いわね。伯父様たちが戻る前に、一度昇れると良いね」巧妙に、浴衣の裾を割って捲り上げ、むき出しになった 宙の太腿から臀丘にかけて、ゆっきり愛撫を加える。「ああ、ホントに・・でももう『やめて!』て言うの、遅いよね・・」すっかり、由紀にされるがままになって行く。それでも、少しは、由紀の濃いめの下草を纏った核心に「お返し」をする余裕位はあったか。
「もう!やられっ放しのあたしじゃないわよ!」些かたまりかねた宙、由紀にやり返しを試みる。ストレート気味の黒髪、上体、胸の双丘、腰上の括(くび)れ、そして、由紀がしたのと同様に、彼女の下方を高めてやる。不自然さのない由紀の「喘ぎの答礼」。それらの後、いよいよ互いの秘溝を手指で高める行為に移る。
「あっ、あっ・・い・・好いわ。く・・悔しいけど、つ・・続けて」喘ぎながら、宙が反応す。「うふっ、好いわ。怪我しない様に、ゴム手袋着けたげるね。ああ、貴女もそうして」 「分った、いいでしょう・・」互いの右手にゴム手袋を着け、二人は「手マン」と「指マン」を深めて行った。
やはり約 20分に亘り、愉悦の時間が、二人の若い女を支配した。手鏡などを用いながら、ルビーの様な陰核を摩って刺激し合い、秘溝に何度となく手指を滑り込ませ、埋めて行く。「あっ、あっ、好い~!」断続する双方の喘ぎ。そして・・酒気を区切った、中条たち四人が部屋に戻る直前、彼女たちは絶頂を迎えた。
「ああ、ああ、由紀ちゃん・・ホント、とても上手よ。・・良かったわ・・」 「有難う、宙ちゃん。そんなに熱く感じてくれると、嬉しいわ・・」放心状態の二人、まだ息を荒げながら、呟く。だが、心地良い余韻を味わう余裕はなさそうだ。「伯父様たち、そろそろ戻る・・よね」 「そうそう、今のは『なかった』事にしとかないと・・」宙と由紀は、顔を見合せて笑い合うと、それぞれ髪と着付けを直し、中条たちの戻りを待つ。
「お待たせ、戻ったよ!」ノックの一音と共に、中条が、彼女たちの部屋に顔出し。「いえいえ、ごゆっくりできたみたいで良かったですね。あたしたちも、意味のない事ばかり話して、面白かったですわ!」宙と由紀は、そう返す。「それは良かった。で、これから・・」 「はい・・」 「ちょっと、俺たちの部屋に集まってくれるかな?」 「いいですよ!」彼女たちは応じ、隣室へと向かう。
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 鈴村あいり
葉加瀬太郎さんの今回楽曲「アナザー・スカイ(Another sky)」下記タイトルです。
Another sky
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