交感旅情 第35話「順路」
- 2017/11/12
- 19:44
「お話があるの・・」旅 二度目の、夕食の終り際。会計に臨む 中条に続いて、由紀が席を立って来た。「有難うございます!」会計を担う、若い女店員と向き合った彼は「ほんのちょっと待ってな。直ぐ終わるわ」と、一言。由紀も頷き、会計処理の終了を待つ。中条の、クレジット・カード精算は、さほどの時間を要さなかった。
店の玄関傍らの、会計台の前を通っての待合いは、奥の方がちょっと目立たない造りだ。由紀は中条を、その奥の方へ誘った。「お待たせ!聞こう。さて、何かな?」彼が尋ねると、由紀は微笑んで「伯父様、それはね・・」と返しながら、不意に男の眼前にぐっと寄り、背に腕を回し、唇を重ねて来た。「ハハ・・」唇と腕回しを返し、一旦離れた中条。笑いながら「随分急だな。部屋へ戻ってからの方が、ゆっくり、じっくりできるだろうに・・」と応じ。
由紀は続ける。「ふふ、分るわ。そやけど、こんな風な、ちと危ないとこで、してみたいって気もあるんですよ」 中条「少しは分るな。で、お姉ちゃんより先にしようってか?」危ねぇな・・と思いながら、男も応じた。由紀「流石(さすが)は伯父様、その通りですわ。昨日の様子から、今夜は、姉とあたしが伯父様と交わる番や思うの。で、あたしから先に来て欲しい思いまして・・」 「ああ、分かった。それは、気に留めておくから・・」 「約束ですよ」 「分った。いいでしょう」
由紀「その代り・・て言うと何ですけど・・」 中条「うん、何だろう?」 「伯父様は『初音ミク』言う、ネット映像の中だけのアイドル歌手って、知ってはりますか?」 「うん『初音ミク』か?名前は知っとるし、画像も、一度や二度は見たな。あれ、学生時分の悪友で、一人 嵌っとる奴がおってな」 「お~!伯父様の世代の方にも、ファンがいてはるんですね。流石やわ。・・でですね」 「はい、聞こう!」
由紀「あたしを先にして下されば、その彼女と 性交(セックス)ができるかもですよ」 中条「おいおい、正気かよ?マジで言ってるのか?貴女にそう言われると、真に受けてアテにしそうで、怖いな」 「まあ、余りの期待は何ですけど、少しは有りかもですよ」 「うん、そうか。じゃあ、ちょいとだけ、期待しようかな・・」そう言えば、由紀は、長めの黒髪を、左右二ヶ所で縛っている。何となく「初音ミク」風にも見えた。
二人は、一度 席へと戻る。他の四人は、薄物上衣を纏ったり、手回り品を持ち、席を立つ準備。その中 由香は「由紀、ちょっと・・」と小声で呼び。 「はい、何でっしゃろ?」妹が静かに返すと「貴女なぁ、伯父様と何喋(しゃべ)ったんや?」 「いや何、この後の事をちょいと・・な」 「ふん!どうせ これからの行事(イヴェント)の事で、自分に良い様にせい・・位 話したのやろ!」 「まあ、全否定はせぇへん。この後を見てくれりゃ、分るやろな」 「ふ~ん、この後を見りゃ分る・・か。まあええわ。さて、そろそろ戻る時間やで」 「了解ぃ~!」まず、姉妹が店の外へ。
残り四人になったのを確かめて、中条は「初ちゃんに宙ちゃん、ちょっといいかな?」と声をかける。「はい、何?」初美が返し、宙が頷くと、彼は続けた。「昨日は訊かなかったんだが、美人姉妹さんもいる事だし、ちょっと確かめとこうと思うんだ。俺と周(あまね)君が この前、貴女たちの『女の核心』を撮って、携帯に保存してたんだが、流石に拙いので、両方共消した。ついては、皆さんも、俺達の『男の核心』を撮った画像が残ってたら、消去願った方が良い・・と思うてな」 「ハハ、バカねぇ!新さん」初美は、笑って返す。そして続けた。
「そんな事、初めから分ってますよ。あたしが撮った、貴方の『核心画像』なんか、とっくに消去済みよ。ねぇ、宙ちゃん」 「はい、あたしも 初美先生が『消すよ』と言われた時、一緒に消しました。だから、大丈夫ですよ」流石に、この時の 女二人の笑顔には、些(いささ)か 軽蔑の念が入っている様に感じられた。
中条「ああ、ご免ご免。俺、はっきり言わなんだんで、ちょいと気になってたのさ。うんうん、全員消してるなら疑問なし(ノー・プロブレム)だ。会計は終わった。さあ、部屋に戻ろう!」促された 初美、宙、周の三人、頷き合って、中条に続く。入店の時と同じく、店員一同の、元気な一礼に見送られ、既に店外で待っていた、木下姉妹と共に、ホテル上階の客室へと戻る。
シャワーを経て、一同が落ち着いたのは、9:40pm過ぎだった。「由香ちゃんたち、悪いな。着替えたら、ちょっと 俺たちの部屋へ願えるか?」中条の促しに「はい、いいですよ。着替え次第、そちらへ行きますから」由香はそう返し、由紀は黙礼した。少し後・・
「じゃ、失礼します」ノックを経て、バス・ローブを纏った姉妹が、隣接する 中条たちの居室「エグゼクティヴ」へ。高級都市ホテルの「スィート」に当り、木下姉妹の居室「アッパー・ツイン」の三倍近い広さがあった。普段は、二人室のツインだが、予約に応じ、後二台まで エクストラ・ベッドを追加でき、この日は四人部屋の設(しつら)えに。広めのユニバスとトイレは二ヶ所にセットされ、この為 男女別に使う事もできた。
集まった六人、周と中条はガウン姿、女たち四人は、全員がバス・ローブを纏うも、その下の着衣は窺い知れなかった。ベッド脇の、四人用応接セットに収まった女たちと、補助椅子を使う周に向かい、中条が声をかける。「今日まで、お疲れさんでした。皆さんの協力のお蔭で、ここまで無事に来れた。これから、夜のお楽しみタイムだが、顔合わせをちょいと変える。俺は、美人姉妹さんと絡む。周君は、宙ちゃんと『愛』を確かめ合って欲しい。その前に、初ちゃんから『有難い教え』を賜る事になる。お分かり?」
聞いた周、既にそれを察知していたらしく「良い機会を下さり、有難うございます。きっと、素晴らしい教えだと思います。自分も、しっかりと学ばせてもらいます」と返し。中条「OK、いいだろう。そちらの委細は、初ちゃんに任せる。ただ、最初の所は、全員参加な。由香ちゃんと由紀ちゃんは、俺と話しながら進めようか。じゃ、宜しく・・」 「宜しくお願いします!」姉妹が返すと、男は「それじゃ、淑女の各位は、バス・ローブを脱いで頂きたい!」と声をかけ。「はい、只今・・」短い返事と共に、四人の女たちは、バス・ローブを脱ぎ去る。その下に控えしは・・前夜の浴衣姿とは打って変わった、若い刺激的なミニコス姿であった。
由香と宙は、近い色彩と雰囲気の、フレア・ミニを伴った、チア・リーダー風の装い。初美は、これ又 タンク・トップに同様のミニ・アンダーを合せた、妖艶な、黒いコス。そして 由紀。これは予告通り、頭から足先まで、映像(バーチャル)・アイドル 初音ミクに限りなく近い、これもミニコス。全員、その美脚には、二ーハイ・ストッキングが合せられる。捲れ易く、下から覗き込み易いフレア・アンダーは、中条至高の好みにして、周もも魅了する、趣向であった。
「おお、素晴らしい!非の打ち所がねぇわ!なあ、周君!」中条は、感嘆してこう言った。聞いた周も「ホントにねえ!自分も、見てて惚れ惚れしますよ。あっ、あっ・・し・・下が、あ・・危ない!」直ちに反応し、勃起を始めようとする下方を、周は、思わず左手で押えた。「ハハハ、若いなあ!素直で良い事だよ。まあ、ちょっとだけ、頑張れるかな?」 「は・・はい!ち・・ちょっとなら、だ・・大丈夫です!」気分が高揚し始めた周は、辛うじて返す。
「それじゃ、淑女の皆さん」続いて中条は、女四人に呼びかける。「はい、何かしら?」彼女たちを代表して、初美が返すと「今から、ちょっと協力して欲しい。その協力とは・・」 「はいっ、聞きましょう!」二番目に年長の、由香が返す。中条「貴女たち、四人全員で、俺のベッドに、四つん這いで後ろを向いて、乗って欲しいんだな。それを、周君にも観察してもらおうと思うんだ」と言い。
「ふふ、嫌らしいわね。観察したいのは、周君もだけど、貴方もでしょ!」すかさず、初美が返す。「ハハ、ご免な。それもある。じゃ、お願いしますわ」中条、重ねて要請。「仕様がないわねぇ・・」呟きながらも、女たちは横一列に四つん這いになり、背後の、周と中条に、臀丘が向く様な姿態(ポーズ)を取る。四人の着ける フレア・ミニが捲れあがり、隠れていた 太腿から臀丘にかけてが、露わになる。期待を込め 覗き込む、男と若者・・
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 高橋しょう子
葉加瀬太郎さんの今回楽曲「エイジアン・フロウ(Asian Flow)下記タイトルです。
Asian Flow
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