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パノラマカーと変な犬 第21話「徐冷(じょれい)」

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日付が替わり 7/30日曜の未明。由香、由紀の姉妹を 曲りなりにも絶頂へと導いた中条。自身も、後半の 由紀との交合で昇り詰め、暫し その上で興奮と快感の余韻に浸る事に。「ああ、とても好かった。大人は違うな・・」笑顔を見せながら由紀、こう呟いた。

「ああ、好かったな。俺もだよ」まだ上に重なったまま、中条も呟く。二人はもう一度、上と下で唇を交わし、後戯の愛撫をひとしきり。「もう少し、上にいてくれはる?」 「良いよ。ゆっくり離れよや・・」十分程 由紀の全身を摩りまわった末、中条は ゆっくりと彼女の下方を離れた。

「ふふ・・」抜き出された ゴムを纏った男根(コック)をチラ見した由紀、微笑して呟く。「一杯、出してくれはったね」 「シーッ、お姉ちゃんに聞こえたら拙いやんか」聞いた中条が牽制するも、傍らで見ていた由香は、事の次第を把握した様だった。「伯父様・・」物言いが、やや鋭くなった様な。

「はいはい、何かいな?」男が返すと 由香「その中身、もしかして由紀の中で出しはったの?」 中条「う~ん、どっちやったかな?ワイン飲んで、酔いが回ってたから、どっちか?ちと覚えがのう・・」由香の反感だけは避けたかったが、しかし「伯父様、とぼけても、仕様(しゃあ)ないでっしゃろ。まあ、由紀の中でしょうね。つまり・・」 「うん。聞こう・・」 「あたしの中じゃ、果ててなかった言う事でんな」由香は静かに、しかし 畳み掛ける様に続けた。

「ああ悪い。そないな事になる・・かな?」中条、歯切れが悪そうに返す。そして「そう、悪いのは分ってた。でもさ、俺ももう 周(あまね)君や豊君みてぇな若者とは違う。無理する訳にも行かねぇって事だ・・」 由香「成る程ね、そりゃ 仕様(しゃあ)ないかもやけど、でも・・」 「うん、何かな?」 「まだまだ、ほぼ一週間ありますさかい、由紀と逆のパターンもありって事で、必ずお願いしたいわね」 「ああ、そりゃ約束する。今週末は、ゴムなしでもOKや言うてたもんな」 「そうですよ~!その時はもう、ばっちり決めてもらいます~!」 「よしゃよしゃ・・」

由香は続けた。「・・でね、もう一つお願いがあるの」 中条「はいはい、聞こう・・」 「今、ゴムの中に、伯父様の男精(ザーメン)がありまんな」 「ああ、あるよ・・それが?」 「それ、実はね・・」由香はそう返すと、続きは 中条にヒソヒソと耳打ちした。それは・・「さっきね、厨房で後片付けしてたら、カクテルのシェーカーがあったの。あれ、伯父様 振れるの?」 「ああ、まあな・・」 「そりゃ良い。それでね・・」続きを聞いた男は「!」一瞬 緊張を余儀なくされた。

由香の言い分はこうだ。「それとね。戸棚の中に、沢山のワインと一緒に ジンとグレナディン・シロップがあったの。これであたしに、寝酒のカクテルを用意して欲しいのよ」 「何と!」男は一瞬、言葉を失う。そして・・「由香ちゃんの望みは分った。ジンと例のシロップ、それにホントは卵の白身と来りゃ、ピンク・レディのはずだが・・」 「そう、そのピンク・レディの卵白の代わりに、伯父様の中から出た男精を使うのよ」 「ハハ、それ好いね。面白(おもろ)いわぁ!」傍らで、由紀も笑いながら合せる。美しい笑顔とは裏腹に、言ってる事は 真正のHentaiと言って良かった。

「仕方がねぇ。イカせておいて、己が一緒に昇らなかったのは事実・・」観念した様に呟き、中条は 姉妹の願いを叶えてやる事に。彼は大学時代、アルバイトで入ったホテルのバーで、社員バーテンダーから、シェーカーの振り方を一通り仕込まれた事があり、後年も、少しは覚えがあった。

国産だが質の良いジンを、シングル・ショットよりちょいと多め、グレナディン・シロップをその半分位、更に、ゴムに溜まった 己の男精を合せ、氷を適量入れて、上半分と蓋(トップ)を合せる。左やや上にシェーカーをかざし、数秒間 氷の転がる「カチャカチャカチャ!」の小気味好い音を伴って揺らし、足つきグラスへ。思ったより美しい色合。由紀の為に作った ノン・アルコールのクレナディン・ペリエ割と共に、彼が幼少から数年ちょっと前まで慣れ親しんだ、名豊電鉄の名物展望特急電車「パノラマカー」原型列車の、品格とスピード感ある、真紅の車体を思わせた。

「有難う、美味しそうだわ・・」今度は、由香が中条に 魅惑の美しい笑みを見せる。「良かった・・いやいや、しかし・・」男は、複雑な想いで 姉を見返していた。「由香ちゃん、マジで飲むつもりか?」 対する由香、グラスを取り上げ、由紀と乾杯を交わすと、一口含んで「伯父様・・」と、言葉にはならずとも、中条に 近づく様促す。そして・・

「さあ、接吻(キス)して・・」唇をとがらせ、無言で促す。男が唇を重ねると、由香は、含んだ液体を、彼に口移しで流し込んだ。「やっぱり!」正直、衝撃だったのはむべなるかだろう。「もしかして・・」薄々気づいてはいたが、まさか、本当に実行するとは・・

「由香ちゃん、よくやるな・・」一瞬 中条は言葉を失った。真性「Hentai」の所業をやらかした由香は、そのまま静かに美しい笑顔を湛(たた)えている。その傍らで、快い甘口の グレナディン・ドリンクを嗜む由紀。「伯父様、有難う。とっても美味しいわ・・」姉妹は、声を合せてそう呟いた。「もう一度できるかしら?」由香は、中条を促した。彼は 心ならずも「ああ、まあ良いだろう。今行くよ・・」再び由香と唇を合せ、あの異常な酒を、口移しで嗜む。それは 思いの他スムーズで、甘くまろやかな飲み口であった。

「有難う。ご馳走様!」 「あたしも、ご馳走様でした!」笑顔で一礼の姉妹。「ホント、お粗末様。まさか、こんな喜ばれ方されるとはなぁ・・」まだ衝撃は冷めやらなかったが、中条の胸中の一方には、確かに喜ばしい感情があった。「さあ休むぞ。二人、シャワー行って来いよ!」 「はい、有難うございます!」

姉妹を促して、己は後片付け、そして居間(リヴィング)のソファを、補助椅子を噛ませた就寝モードに並べ替える。暫くの間、横になりながら 深夜TVを観る為だ。十分弱で、バス・ローブを纏った由紀が出て来る。「ほな、昨日今日は有難うでした。お休みなさい!」 「ああお休み。ゆっくりな・・」

入れ替わりに、中条が浴室へ赴くと、全裸の由香が まだシャワーを使っている。「伯父様、入って来て。一緒に使いたいわ」 「仕様(しゃあ)ねぇなあ。じゃ、ちょっとの間な・・」中条も脱衣、暫し二人は 生まれたままの姿で、互いの胸や腰辺りに手を遣ったり戯れながら シャワー・タイムを楽しむ。

「じゃ、お休み!」 「有難うです。お休みなさい!」一度は寝室へ向かった バスローブ姿の由香だったが、同じ出で立ちで TVを入れ、ソファに横になり落ち着いた中条は、又も「お相手」の時を迎える。「あたしも、見せて下さぁ~い!」寝室を出た由香が、中条に重なって来る。「いや~由香ちゃん。まだ続きありかよ?」 「ふふ、そうよ。だって名残り惜しいんだも~ん!」重なり合ったまま、TV画面をチェック。由香が一度 向きを変えて中条に下方を披露した様な記憶もあるが、下の男は 次第にその様な記憶も薄らぎ、眠りに落ちる。時はもう 1amに近く・・
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 松岡ちな
中村由利子さんの今回楽曲「Capriccio」下記タイトルです。
Capriccio

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