パノラマカーと変な犬 第26話「夜雨(よさめ)」
- 2018/02/24
- 22:09
7月最後の日曜 雨の夜。中条の居所では、寝泊りが決まった由香と由紀 木下姉妹との談笑が続く。窓外では、夜陰と雨をついて 又も斜め向かい家の屋上に現れた、不良犬「マル」が暫し徘徊す。日付が替わるまでには、まだ間がある。
「ホンマに、グラン・マルニエって美味しいでんね」由香が、感心して言った。中条が、この甘口リキュールをペリエで割って振舞ったのだ。「ああ、マジでな。初ちゃんがここ泊まりの時は、いつも二杯位飲んで寝るんだよな」 由香「ふぅ~ん、ほなら、これは寝酒みたいに嗜むのがよろしんですね?」
中条「まあ、飲む人にもよるけど、そんな風な飲み方が多いみてぇだな・・」こう返す中条は、マーテルのコニャック、スリー・スターをロックであおる。由紀の嗜む、真紅のグレナディン・ドリンクの輝きは、この夜も 彼に、先年一線を退き 今は伝説に昇華した、思い出多い名豊電鉄の特急列車「パノラマカー」の鮮やかな走りを思い起こさせていた。
暫くして、男がもう一度窓外に目を遣ると、斜め向かい家屋上の犬は、お約束の 片足上げての小用を経て暫く後、先日同様「ワン!」と一声吠えて、そそくさと階下に降りて行く。彼はそれを見て「又『ワン!』か。挨拶はもうええよ。さっさと Kusoして寝ろ!」 「ふふ・・マルちゃんも、寝る前にトイレですか?」今度は、妹の由紀が、笑って訊いて来る。
対する中条、苦笑しながら「ああ、多分な。見ての通り、小さい方は ホントにやりやがったし・・。ああいう『ハイ・キック』は願い下げだぜ」 由紀「又明日も見てると、面白(おもろ)そうやわ!」 「うん、まあな。そやけど、なるべくチラ見程度にすべし!」 「ですよね。余りジロジロ見てるの ばれると厄介そうやし・・」 「そう言う事。さ、明日の準備とか OKなら、そろそろ休めや」 「はい、おおきに。そないしまひょ。ちょっとの間、寝室で用意して寝ます」
「そいじゃ、お休み!雨の夜はよく寝られるらしいぞ。しっかり休んどけ」 「・・ですね。お休みなさい!」脱いでいた下着と 浴衣を着け直した姉妹は、一旦寝室へ。居間に残った中条は、一度消した TVを再びつけ、就寝用に補助椅子を噛ませて延長したソファに臥す。勿論、頭部はピローを介している。某民放のスポーツ・ニュース、その後 国内カーレース「GTシリーズ」の各番組を見ながら寝入られれば良いと思っていたのだ。が、しかし・・
11pm前からスポーツ・ニュースが始まって暫く後、中条が大型画面に見入っていると、寝室に通じるドアが静かに開き、人影が そっと近づく。「?」画面を見る目をそらさず、彼がそれとなく注意していると 「ふふ・・」微かな含み笑いの後「伯・父・さ・ま・・」と囁く声が・・。声の主は、由紀だ。
「何だ由紀ちゃん。眠れねぇのかい?」中条が訊くと、彼女は「それもあるけど、伯父様と TVが見たいんですう・・」甘えた様に返し、ソファに臥した男の上に 重なって来る。そして「一緒に 見たいわぁ!」と 笑いながら声を上げ。
「仕様(しゃあ)ねぇな。ま 俺は良いから、好きにする事だ」彼が返すと、由紀は「おおきに!ほな、ちと失礼して・・と」言い、男の顎の辺りに右手指をかけ、画面を向いていた その顔を「クイッ」という感じで彼女の顔と向き合わせ、唇を合わせにかかる。「う・・んん。でも いいな、この接吻(キス)・・」
由紀「・・でしょう。今夜はさ オメコまで行かへんみたいやから、キスや愛撫(ペッティング)の方で、深めたいんです」 中条「そうか、それなら俺も男や。つき合わせてもらうぞ。由紀ちゃんの肌は、綺麗やし好い感じやしなあ・・」手を伸ばし、まずは彼女の上体から撫で始め。 「おおきにです。今夜も、素敵そうやわぁ・・」もう一度の接吻(キス)を経て、由紀は、中条の耳に、甘噛みを始めた。「うんうん、分かるぞ。これ、中々好い感じや・・」男は、そう返して讃えた。
「無理はいかん・・」上から仕掛けられる男は、そう思った。「確かさ、二人共 まだ安全期じゃねぇはずだ。今週後半までは、気が抜けん。同意ができとる言っても、間違いねぇ様にせんと・・」
中条は訊いた「お姉ちゃんは 休んだのかい?」由紀「ええ、明日の準備して、ほんの少し喋ったら、直ぐ眠ったみたいですね」 「有難と。それが分かりゃ良い」 「おおきにです。ほな、ちっと位 声出してもよろしですね」 「うん、まあそんなとこだ。核心の行為はせんが、手マンとかで、昇る事はできるだろうな」
男の言葉を聞いた由紀は「ふふ、そいじゃあたしも 伯父様の核心部分に攻勢をかけられるって事かしらね?」と訊く。対する中条「まあさ。終わりまで一週間あるんだし、今夜だって まだ日付が替わるには時間があるからな。貴女がそのつもりなら、俺も合わせるしさ・・」
二度の接吻と 両の耳への甘噛みを果たした由紀は、ゆっくりと下方へと、中条への愛撫を進めて行く。首筋から肩、そして腋の辺りへと、手指と口舌を交互に使い、昂らせようとする。
「あっ、うぅぅ・・く、来るなあっ・・」中条は、脇腹辺りに舌技をかけられると 弱かった。「く・・か、感じるぅ・・」この様子を見た由紀、こっくりしてこう言った。「伯父様は、この辺りが一番お感じな訳ね。よ~し、暫く頑張っちゃお・・」脇腹を更に舐め上げ、手指は、男の濃いめに茂った 腋の下草をまさぐって行く。彼も、由紀の 下ろされた長目の黒髪を、じっくりと摩(さす)って行く。
TV番組が、スポーツ・ニュースから GTシリーズに替わる頃には、二人はかなり昂っていた。由紀はしきりに「伯父様、男根(コック)を見せて!」と、しきりに促す。対する中条「やだよ、今夜は。昇る訳には参らん。それは 明日だって!」と制するも、由紀は聞かず、中条のトランクスの前開きに手指を滑りこませ、易々と 男根と陰嚢を外に連れ出す。これら「男の核心」にも、手指と口舌で、濃厚な愛撫を見舞う。特に感じ易い 男根の裏筋などは、わざと執拗に摩って高めて行く。
「由紀ちゃんも上手いな。あ・・いかん。行きそうだわ・・」想像以上の彼女の技に、中条は 些か不安を覚えた。勿論 このままでは引き下がれない。由紀の向きを 上体と下体で入れ替えて、「二つ巴」とも「69(シックス・ナイン)」とも言われる体位で、更に高まって行く。視界一杯に見られる 由紀の臀丘と「女の核心」は大変な魅力だが、男は そこの所を丹念に撫で摩り、秘溝の「朱の領域」に 少しく手指を出し入れしながらも、ギリギリで昂りを凌ぎきった。
「ふぅ、危なかった・・」中条は呟く。「由紀ちゃんは、昇れたのかな?」そう訊くと 由紀「大丈夫ですよ。ちゃんと行けました!」笑って返し。「それは良かった。俺の方も、中々好い感じでな。さ、これで良い夢がみられそうだわ」 「・・ですね。さあ、あたしも続きが見たいわぁ・・」屈託なく続ける 由紀であった。
中条「ささ・・今度こそ、就寝だ。お休み」 「お休みなさい。はい、横になりますね」 「ハハ、今夜はやっぱり、俺の上かい?」 「さよです!いけまへんか?姉もしてたど・・」そう言って由紀、結局は、中条に重なり、笑い合いながら休む格好だ。窓外は、引き続き雨。まとまった量らしく、雨音も大きい。GTシリーズ番組が終わり TV電源が落とされると、いよいよ日付が替わる。
(つづく 本稿はフィクションであります。)
今回の人物壁紙 前田かおり
中村由利子さんの今回楽曲「母のピアノ(Mother's Piano)」下記タイトルです。
Mother's Piano