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パノラマカーと変な犬 第28話「呼出」

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由香、由紀の木下姉妹も参加する、私立 A大学関連の 学術交流行事の予備会合は、予定通り 10am過ぎから JR中央駅西側の、佐分利学院本校舎で始められた。姉妹は、中条に遅れる事 一時間余りの 9:30am前に 彼の居所を施錠して出発、市営地下鉄を乗り継いで、学院階下のロビーには 10amまでに着いていた。この行事には、A大学に通う周(あまね)とその交際相手で同学年の 宙(そら)も加わる。

「お早うございます。宜しくお願いします!」 「お早うございます。こちらこそ!」足元のパンプスをも含め、夏の正装を身に着けた若い女三人 宙と姉妹が、互いに挨拶。少し前にロビーに着いていた 周も合流す。彼も又、同様の正装だ。上階で行われる、数十人での全体会合が正午まで。それまでの僅かな時間、四人は談笑す。それから正午前、最初の説明会(ガイダンス)を終えると、揃って再び階下へ。

周の馴染み処での昼食時「実はね・・」と、周が切り出す。「はい、聞きましょう!」女三人が耳を寄せて来る。彼は続けた。「今度の行事、講師には 学院の小町先生もいらすんですと・・」 「ほう、養護主任の本荘先生ね。そら、面白(おもろい)な・・」直ぐに由香が反応し 「もしかして、医療予算の問題とかに触れられるんかいな?」と続けた。

周が「まあ、その可能性はあるでしょ。詳しくは、その時になってのお楽しみだが・・」と返すと、今度は由紀が訊いた。「どないなんですかね?全体会合か、学年別の分科会か、どっちでされるんやろ?」 周「はっきり答えられんで 悪いな。まあそれも、明日からの行事本番で分かると思うんだ」この時は、こう返すのがやっとだった。それを、傍らで聞いていた宙が「確かね、今朝先生と会ったら、途中の一日二日の会合に出られるとか言うお話だったわ」と反応した。

「後、そうそう・・」周は、思い出した様に続ける。「今日の会合は 2:30pmで終わる予定だよね。その後で、俺たち四人 ちょっと残って欲しいんですと・・」 由香「ほう、小町先生が?」 「そうそう・・」 「まあ、よろしやろな。あたしたち姉妹も、先生を全然知らん訳ないし・・」 「周さん・・」宙が 周に言った。「はい、何だろ?」彼が応じると 「あたしね、会合の後、母と姉の用事に加わらないといけないんで、今朝お会いした時に、その事を申し出たの。了解は頂いてるからね」

周「そうか、分かった。お家の大事な用件なら、仕方がない。小町先生も了解されてるんなら、そっちに集中されるべし~」 「うん。でも、夜は又連絡するよ」 「ああ、好きなだけどうぞ。今夜は俺、又バイトなんで その時間帯はちょっと返事遅れるかもだが・・」そうこうする内、一時間弱位の昼休みは、慌ただしく終わり。この日は、食後のアイス・コーヒーを嗜む時間もなかった。

四回生を除く 十数人ずつの学年別に分かれての分科会が終わったのが、予定通り 2:30pm。「そいじゃ、帰り気をつけて!」 「宙ちゃん、明日から宜しくね!」 「うん、有難う。こちらこそ!」別の用件で直ぐに帰宅の宙を見送った姉妹と周は、本荘小町養護主任の 事前の指図通り、EVで上階の養護室へ。ドア・ノックの上「失礼します!」声をかけると 「いいよ、お入り~」の優れた返事があった。「小町先生、暫くでした!」 「お会いしたかった。お元気そうで、何より!」 「あたしもよ。皆元気で、嬉しいわ!」定番挨拶を経て、姉妹は 勧められて応接席に、周は 空いている 小町の隣席に落ち着く。

「予備会合は、上手く行ったかしら?」人数分のアイス・コーヒーを入れながら、小町が訊く。相変わらず、上げ気味の 長い黒髪と白衣姿が妖艶だ。「ええ、お蔭様で まずは首尾よく行きましたね。明日からの行事本番も、少しは不安が解消したかなって感じです」周が答えた。小町「そりゃ良かった。明日は出られないけど、あたしも途中で何度か顔を出すし、一度は講演もあるから 期待しててね」聞いていた姉妹「ああ、そりゃ楽しみですね。今から楽しみですわ~!」小半時程、談笑が続く。

3pmを回り、学院の構内に居る生徒たちも、かなり数が減って来た様だ。小町は、それを見る様に行った。「今日も暑いでしょう。よければ、シャワー使う?」 周、喜ばしくも 一応は「いいんですか?お言葉通りで・・」 聞いた小町「勿論よ・・」静かに呟き、こっくりと頷き。「有難うございます!」返事をした教え子は、もうそのつもりで いそいそと脱衣にかかる。それを見た小町は、同様に 姉妹の方を向き 静かに微笑む。「さあ二人、分かってるわね・・」

正直、姉妹は 少しだけ戸惑っていた。決して馴染みとは言えない (佐分利)学院の養護室で、この様な展開が待っている意外性と、シャワーで暑さと汗ばみが癒せる有難みとが、脳裏で交錯する。「由紀、いいや」由香が言った。「うん・・」妹が返すと「あたしたちも、有り難く使わせてもらおや!」 「了解、ほな、行くで!」

10分間程の、狭いながらも充実のシャワー・タイムだ。「ホンマ、生まれたままの恰好で 周君と過ごせるなんて、好いなぁ!」姉妹は、本当にそう感じている様だった。周も「いやー、俺もです。学院の構内で、こんななるなんて、意外~!」そう言う一方で、シャワーを終えると「実はね・・」 「うん、何やろ?」姉妹が返すと「俺、この養護室の特別設備 知ってたんだよね」 「うわっ、マジで?」 「そうなんだよね。一度だけ、気分悪くて休憩した時に、小町先生に教えて頂いたって事で・・」

三人が前後してシャワー室を後にしようとすると、周到にも 人数分のバス・ローブが用意されていた。「先生、有難うございます!」三人が思わず一礼すると、小町「ふふ、まあまあ。これ位は普通に用意できるって訳よ・・」と返し。そして続けた。「この続きは、ベッド室で・・、ね」 「!」三人は、これからの展開を想像し、流石に緊張した。「・・つまり、そういう事だったのか」

小町「ねえ皆。もう大人なんだから、それ位の流れは分るでしょ。中条さんの勧めもあって、あたしは 直に危ない事はしなくなったけど、若い人たちの為に、これからも 便宜を図る事位はしたいのよ。そういう事よ・・」 「ハハ、そういう事ですか。なら、謹んでお受けしないといけませんね」聞いた周は、そう返した。傍らで聞く姉妹も、もう表情が緩む。

「君の言やよし!て言うのかしら?あたしも それ好いなぁ思いますよ!」姉の由香が笑顔で返せば、妹の由紀も「姉に同意です。あたしも 頭ん中は まんま同じですよ~!」と応じた。「宙ちゃんには悪いけど・・」と前置きするも、もう周は 姉妹の持つ、モデル張りの美貌と佳き人間性の虜になり始めていた。「由香さん、挨拶をさせて下さい!」 「勿論よ。周君、早く来て・・」ベッド縁に並んで座った二人、互いに両の手を上体に回し、顔と視線 それに口唇を合わせて行く。

「ふふ・・溶(とろ)ける様な接吻(キス)やね」妹の由紀、まずは笑いながら 二人の仕草の行方を見守る。周は、由香の纏うバス・ローブを上から下へ、身体の各所を確かめる様にまさぐって行く。「あ・・あぁぁ・・」由香、まだ昼間である事を忘れたかの様に喘ぎ。「ああ、素敵・・」対する周も、その優れた喘ぎに感嘆している様な。

「さあ、由紀ちゃん」小町が声をかけた。「はい先生・・」由紀が応じると 「あの二人、燃えさせときゃ良いからさ。その間に、あたしが特別レッスン 教えたげるね」 「うぉ~っ!特別レッスンですか。好いなぁ~!」 「そうよ。さあ、分かったら、彼たちと反対側に座って始めよか・・」 「はい、お願いします!」かくして、由紀はバス・ローブ、小町は白衣のまま、並んでの睦み合いに入る。

「さあ由紀ちゃん、貴女も喘がせたげるからね・・」小町はそう呟くと、由紀と口唇を交わして、その身体を バス・ローブ越しにまさぐって行く。「あっ・・先生。い・・好い」姉に負けず、由紀の喘ぎも艶やかだ。その姉 由香と周の行為も進む。まずは、バス・ローブの上体がはだかれ、優れた曲線の 乳房がお目見えだ。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 西野 翔
中村由利子さんの今回楽曲「エターニティ(Eternity)」下記タイトルです。
Eternity

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