パノラマカーと変な犬 第38話「異趣」
- 2018/03/20
- 21:04
「由香ちゃん。途中で悪いな・・」暫く続けていた、彼女の下方への口唇愛撫(クンニリングス)を、珍しくも途中で止めた中条が言った。「はい、何でしゃろ・・」秘溝を 舌をも使って舐め回され、艶やかな喘ぎを発していた由香が返した。聞いた男は「あのな。このままソファの上で昇らん方が良い。貴女が望むなら、それでも良いけどさ。折角ベッドが空いてんだから、ここから上は、そっちで昇ろや・・」
中条の、この言葉を聞いた由香は「あは・・このままソファで昇るのも良いなあ思うてましたんや。ですが、そないな事なら、あたしも吝(やぶさ)かやおまへんで。そりゃ、ベッドの上の方が、燃えられますもんね・・」 「うんうん。俺も同(おんな)じ事を考えとったとこや。そっちなら、由紀ちゃんとも上手く『事』を進められるからな。さあ、行こか?」 「ええ・・でも」 「うん、何やね?」
由香は続ける。「ベッドまで、何や素敵な行事があるんやなくて?」 「お~、いい勘しとるやんか~!その通り!それは・・」ここまで言うと、先に立ち上がった中条は、臥した由香に右手を差し出して その上体を引き起こし、クルリと回す様に前後を入れ替え、次に 首の後ろに右腕、膝の下に左腕を滑りこませ、ゆっくり静かに持ち上げにかかる。
「わあっ、これ とっても好い!お姫様抱っこね!」由香は、感嘆して言った。聞いた中条「有難とよ。そう思ってくれりゃ嬉しいな。さ、そいじゃ・・」そう返しながら、彼は 由香を捧げ持って 寝室へ向かう。その途中で振り返り「由紀ちゃんも来いよ。分かってたらご免な」 聞いた由紀、一瞬笑顔を表し「有難とです。勿論分かってましたよ。そう来なくっちゃね!」
両腕で 姉の由香を抱き、背後に妹の由紀を纏わりつかせながら、三人は もつれる様に寝室の仕切りドアを潜(くぐ)り抜けた。ともすれば散らかりがちな 男の独居だが、中条は 割合よく片付けて住む方だった。7畳半程の寝室は、ダブル寸で、補助ベッド付きの寝台をメインに、二段積みの ガラス引き戸付きの本棚、小卓と補助椅子が 2脚。高所の物を取り下ろすための、椅子兼用の脚立が 1本。寝酒の 数種類の洋酒やグラスを収めた 低いガラス戸棚が並ぶ。この棚の下方には、野郎たちが来ると 秘かに楽しむ AVも何点か忍ばせていた。それはさておき・・
「さあさあ・・」中条は 由香を捧げ持つ両腕の力を徐々に抜き、下へと下ろして ベッドの上に そっと横たえてやる。仰向けの彼女は 両の脚を開き「さあ・・」と、男を招く。「上に来て欲しいわ・・」 「OK 。ちょいとだけ、待ってくれるか?さっきのご挨拶の続きを、ちょいと・・な」彼はそう返すと、再び露わになった秘溝に、唇を合わせて行った。
「あ・・はぁぁ、ふっふっ・・」さっきより、熱い喘ぎを聴かせる由香であった。「好いぞ 由香ちゃん。ああ、燃えるわ~・・」口唇愛撫(クンニリングス)の続きに耽(ふけ)る男、合間に呟く。彼にとっては、まずは理想の展開だ。標的の由香は、全裸にはさせない。ショーツのみを脱いだ、下方の短い キャミソール・ドレスの胸元と裾をはだけ、魅惑の双丘と「女の核心」の全貌、それに ニーハイを着けた美脚が視界を占拠、決して芳しいとは言えぬ 男心を捉えて離さない。
「あ、ううう・・由紀ちゃんも、い・・好いぞ」すっかり湿度を高めた 姉の股間に「ジュルジュル・・」なる音を発しながら仕掛け続ける 中条の背後から、由紀も 彼の耳や首筋辺りに舌を這い回らせ、下の方では、股間の一物に 右手を伸ばす。「ああ、こりゃ拙い・・」勃起した所へ 波の様に心地よい愛撫に見舞われ、又もや絶頂近くへ押し上げられた彼は、辛うじて射精を留まった。
「そいじゃ 由香ちゃん・・」 「はい、何でしゃろ?」 「そろそろ、重なろうかな」 「うんうん、きっとやよ。早う来て・・」 「よしゃ、それじゃ・・」言葉を区切った中条は、はっきりと「その時」が来た事を強く感じた。ベッドに上り、由香の両の脚を押し開き、その股間 秘溝の元へと滑り込む。
中条「このまま、行って良いのか?」と訊けば、由香「ええ、そのままね。あたし、今日辺りから安全日やから大丈夫よ・・」 「よし、そんなら・・」気持ちを決めると、中条は 由香の上に重なり、まずは胸の双丘、それから徐々に下方の愛撫をへて、下方の一物を、秘溝の入り口に合わせ。
「由紀ちゃん・・」中条、ベッドの反対側から「行為」を観察していた妹に、声をかけた。「はい伯父様、何でしゃろ?」彼女の返事を受け 男は「今からな、俺の『男』を、お姉ちゃんの『女』に連結するぞ。もしも 興味あるなら、俺の後ろから見る事だ・・」聞いた由紀は、こっくりと頷いたが、その視線は 中条が由香を眺め回すのと同様、ねっとりした光線を放っていた。
「さあ、来て・・」臥した由香、促す様に言う。中条は応じ「さあ、いよいよだ・・」と、由香の溝に 己の男根を合わせる。「行くぞ・・」一言の後、十分な硬度に達し 勃起した男根を、加湿で濡れた下草を押し分ける様にして 秘溝に合わせ、徐々に 慎重に奥へと滑らせて行く。亀頭にはっきりと伝わる、甘く熱い 肉壁の迎撃・・「あっ、あっ。ふっ、ふうう~っ!」艶のある喘ぎ声と共に、連結を果たした。
「あ・・ううっ、う・・動いて・・」再びの、由香の喘ぎを確かめて、中条は上下動を始めた。初美との行為の時もそうだが、由香も 正常位の交わりでは、彼の腰に 両の脚をガッシリと組みつけて来た。「蟹挟み」と呼ばれるこの技は、中条も好感するものだ。後ろから観察の由紀にも、見え易くしてやる。彼女も それが分かっていて、所謂「ハメ撮り」の位地から「ねっとり、しげしげ」という風情で、落ち着いて見ていた。
「ああ、これ好いなぁ・・」腰の動きを続け、呻きを交えて 中条が呟く。「ああ・・あっ、あっ、あたしも・・」喘ぎ声を弾ませ、由香も応える。この時、ベッド脇に この夜獲得した犬「豆助」の縫いぐるみが居たのだが、一時 由紀と共に視界から消えたのを、男は はっきりとはみとめられなかった。勿論、由香との情交に没頭していた為だ。
「あれ、由紀ちゃんは?」些かの 後悔の念が入り交じった気持ちで、中条は 交わる由香を醒めさせぬ様気をつけながら、辺りを窺う。少しおいて、由紀は 下方の補助ベッドに居る事が分かるのだか、この時 見過ごせない異変が起きていた。目撃した男は、思わず「おい、由紀ちゃん。その手 待った~!」叫び出したくなる有り様ではあったが・・
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 水稀みり
中村由利子さんの今回楽曲「地平線の彼方に(Beyond The Horizon)」下記タイトルです。
Beyond The Horizon