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ちょっと入淫 第5話「合流」

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「間もなく 三瀬ヶ谷(みせがたに)、三瀬ヶ谷に着きます。お出口は左側。お降りのお客様は、お忘れ物ございません様 お仕度をしてお待ち下さい・・」人気(ひとけ)のない列車の乗降台(デッキ)に、山井(やまのい)車掌の 落ち着いた案内が流れる。

故郷の北紀長島町から N市へ向かう JR紀勢東線の特急「紀伊4号」の化粧室(トイレ)内で、男女の「事」に及んだ瀬野美波(せの・みなみ)と豊野 豊(とよの・ゆたか)は、乗り込んだ次の停車駅 三瀬ヶ谷到着の直前に、ほぼ同時に頂に達する事ができた様だ。

美波「ああ、ああ・・よ・・良かった~・・」呟くと、座した便器の上を覆う形の豊も「はぁ・・うぅ・・じ、自分もですぅ~・・」と応じた。荒げていた呼吸が少し落ち着いた頃、列車は ディーゼル・エンジンの回転を下げ、「ゴトリ・・」と、多少の軋(きし)む様な制動音を伴い、停止した。微かなチャイム音がして、自動で開く、ドア・エンジンの空気(エア)を使う音が聴こえた。二人の乗る 4号車の乗り降りはない様だ。

「美波さん・・」豊は言った。「大丈夫そうですね。自分、貴女が辛くないタイミングで離れます」 「分かったわ。もう少し繋がっていて」 「はい、勿論です・・」そのやり取りは、美波が一時でも、若い豊の いわば「支配下」に置かれた、妙な快感からかもしれなかった。数十秒停止の後、ドア・ロックを経て、列車は再びエンジンを唸らせ 発進した。「そろそろ、離れていいわ」美波が言ったのを受け、豊「はい、それじゃ・・」と返し、美波の下方に繋いでいた まだ熱くいきり立つ竿(男根)をゆっくり抜き放す。思いの他多かった秘液で、竿の大半を覆っていたゴムが光っているのが見えた。

「有難うございます。素敵でした・・」一礼しながら、豊は己の着衣を直しにかかる。「それはこの、ゴミ入れの中に・・ね」まだ下方を露わにしたまま、座した美波は、使い終わったゴムの処理を指図。そして・・「少し後から出るわ。理由は分かるわね」 「はい、勿論ですよ。それじゃ・・」豊はこう返し、慎重に化粧室ドアを開け、周囲を見ながら 静かに通路へ。

数分の後、これも着衣を直した美波が通路へ。これを見届け、先に豊が席へと戻る。次いで少しの間を置いて、美波も隣へ。着席の時「ご免ね。ちょっと気分が悪くなっちゃって」と豊に声をかけ。「ああ、いえいえ・・ちょっとの間 心配でしたけど、まず一安心ですね」彼も、何食わぬ顔で返事。所々に席を取る 他の乗客たちも、訝る様な出方はない様だ。この次の停車駅は勢和多気(せいわたき)。ここから先は、一定の乗り込みがあるはずだ。

11amになる頃、山井車掌が二度目の巡回。「ご心配をかけました。もう大丈夫です」美波、その折に 囁く様に声をかけ。「有難うございます。よろしかったですね」彼も又、静かに返して次の席へ。山間から伊勢平野に出る所の、勢和多気からは、停車の度に 何人かの乗車があり、次第に賑わいを増して行く。

「どうぞ。二人前持たせてくれたんで・・」 「ああ、有難う。そんなお話だったわね」列車が M県北部へと進んだ 11am代後半、豊は 実家から持って来た 昼食の折詰二つを開き、一方を美波に勧める。ペット・ボトルの日本茶は、それぞれが持つ。幾種かの海鮮と海藻メインの折詰は、美波を喜ばせた。暫くして・・

「さてと・・」美波が言った。「今日の午後は、佐分利学院の本校舎で 本荘(小町)先生と会って これから暫くの打ち合わせよ。豊も、ご挨拶位はすべきじゃないかしら?」 豊「ですよね。自分は 一旦寮に戻るつもりですが、それじゃご一緒に顔出す事にします」 「それがいいわ・・」こんな会話が交わされる頃には、列車は 我国屈指の Y工業地帯を間近に見ながら北上していた。

広大な木曽三川(きそさんせん)を長い鉄橋で東に越えて暫くで、N市の西市街地へ。12:40pm過ぎ、時刻表通りで 中央駅に着く。ここから学院本校舎までは、徒歩でほんの僅か。夏休み中もあって、賑わうのは 階下のロビーや自習室など一部の箇所だ。EVで上階へ。養護課のドアをノックすると、優れた声で「どうぞ!」の返事。

「失礼します!」二人で声を上げると 「ああら美波、豊もいらっしゃい!」養護主任の女医 本荘小町の魅力的な白衣姿が映った。 美波「これから暫く、宜しくお願いします!」 「はい、こちらこそ宜しくです。豊も元気そうで、何よりだわ」 「有難うございます。又月内に 実家へ帰りますが、今日のこちら戻りは、美波さんと一緒でして・・」彼の挨拶に、小町「ああ、良かったわね。君は今日、寮に戻るのだったわね。まあ美波も来てる事だし、呼ぶ事あるだろうから そのつもりでいて頂戴」 「かしこまりました。じゃ、その時は教えて下さい」 小半時程、三人で談笑。

「それじゃ自分は、一度戻ります・・」予定を少し超えた 2pm前、豊は N城址少し北方の寮へと向かう。見送った小町は美波と、この後 3pmから 約 1H半程 学院内で行われる 医療関連会合の打ち合わせを暫し。会合が終わると、再び養護課の診察室へ。

「実はね・・」小町が切り出す。「はい、お願いします」美波が返すと「もう一つの本題よ。鵜方病院へは 明日朝から出てもらう予定だけど、その日午後 ちょっと大事な患者さんの受け入れがあるの。宮城一路(みやぎ・いちろ)さんっていう 男性の方なんだけど 3:30pmに入院の為来られるから、そこからは あたしの配下に入ってもらいます。心配ないわ。看護師長さんには、あたしから話をしてあるからね」 「分かりました。有難うございます。様子も違うだろうから分からない事もあるでしょうけど、とに角頑張りますよ」 「うんうん。分からなければ 気軽に訊けばいいわ。不安はなしって事で」 「はい、有難うございます!」

小町は続けた。「泊る所は決まってるの?」 美波の「ええ、まあ近場のビジホ(ビジネス・ホテルの略)にアテがあるもんですから・・」返事を聞くと 「それ、今から取り消せないかなぁ。 こっちでの研修の間、貴女には あたしの所に泊って欲しいのよ。必要なら合鍵も貸したげるから、そうしてくれない?いいでしょ?」 「ああ、それも感謝です。分かりました。じゃ、そっちの宿はなかった事にするけど、よろしいですわね?」 「勿論!」これを受け、美波は N市を訪れる度 定宿にしていたビジホに取り消し連絡。本来は 当日の取り消しは有料の事が多いのだが、彼女は無料でのそれが叶った。

着いたその日は、会合の後 夕方まで談笑。小町の馴染み所で夕食後、彼女の居所へ。単身者向けメインとは言え、広さも十分な高級マンションの上階。寝室や浴室 食堂を兼ねる居間なども余裕十分で、美波を魅了したのだった。軽い戯れを伴う 入浴を共にした後、寝酒のリキュールを嗜みながら 翌日来る患者 宮城の話などをした。

小町「貴女も聞いた事があるだろうけど、ここの学院生の伯父さんの 中条 新(なかじょう・しん)さんの 学生時代の先輩らしいの。市内の リサイクル会社の社長さんなんだけど、ちょっと肝臓のデータにおかしなとこがあってね。それでちょっとの間 入院って事になったのよ」 美波「なる程そうですか。じゃあ お食事の制限とかがあるだろうけど、至ってお元気な訳ですね」 「まあ、そんなとこね。後は、明日お会いしてのお楽しみってとこかしら。ああ、それからあたし、明後日の金曜夜は当直だから、覚えておいてね」 「はい、確かに。分かりましたわ!」

宮城一路が、小町の指示で入院に赴いたのは 8/17木曜の 3:30pm少し前である。当日は、曇りながら 時折日差しもある夏日。まあ暑いとは言っても、猛暑とまでは言い難い天気であった。「宜しくお願いします!今から参りますね!」 「ああ、こちらこそ宜しくです!」 3pm少し前、事前の予定通り Sタクシーの永野 光(ながの・ひかる)が宮城宅に赴き、諸々の用意と共に、宮城を病院へと送る。同じ日に 彼の愛犬 3匹も、一時他家に預けられるのだが、それについては稿を改めさせて頂きたい。

受付に赴き 暫く待つと、眩しい白衣姿の二女性が現れた。「ようこそ!担当医の本荘です。宜しくね」 「宮城です。本荘先生、こちらこそお世話かけます!」 「こちらは、隣県から研修でお越しの瀬野さん。貴方の事も、担って頂く予定よ」 「瀬野と申します。宜しくお願い致します」 「ああ、瀬野さんね。どうか宜しくです。それにしても、お綺麗な方々。俺、恐縮しちゃいます・・」返す宮城は、柄にもなく 久々に顔を赤らめた。

「さてさて・・」小町は言った。「早速ですが、病室へご案内しますわね。EVで上階へ行きます。瀬野さんも、一緒にね」 「はい、何か良さそうな感じですな。楽しみにしていいのかな?」 傍らで 美波も「はい、勿論ご一緒に参ります」と笑顔で応じ。3人一緒に EVに乗り、上階へと向かう。そこでの彼の眼前には、明らかに個室と見られるドアが控える。些か不安になった宮城は、小町に尋ねた。「本荘先生、これ一体 どうなっとるんですか?」
(つづく 本稿はフィクションであります) 

今回の人物壁紙 瀬名きらり
野呂一生さんの今回楽曲「コルコヴァードの丘(Morro do Corcovado)」下記タイトルです。
morro do Corcovado

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