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ちょっと入淫 第6話「問診」

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確かに、様子がおかしいのは事実だった。初めの話で 宮城一路(みやぎ・いちろ)は、一般病室・・つまり他の患者との「相部屋」に入るものと思っていた。しかし、通されたのは 普通この手の病室が多く設けられる中以下の階ではなく 12F建ての病棟 最上階に近いフロアであった。この辺りの層は、複数ある個人病室、そして症状が重かったり 社会的立場のある人物がよく入る 特別個室である。

「宮城さん・・」落ち着かない様子で、どうなっているのかと尋ねる彼に、女医・本荘小町(ほんじょう・こまち)は静かに言った。「余りお気になさらない方がいいわ。この措置は、あたしの判断で行う事です。仰る通り 特別個室だけど、費用面はご希望だった一般室とそう変わりません。だから、余計な事は考えないで あたしの指図に従って下さるかしら?」 聞いた宮城は「マ・・マジですか?先生がそう仰るなら、聞かん訳には行きませんで・・」少しおいて、ようやく女医の話を受け入れられる様になった風だ。傍らに控える研修看護師 瀬野美波(せの・みなみ)が微笑んで頷き 病室を開錠して 中へと招じ入れる。

普段は「一部の患者」だけを受け入れる特別個室は、都市ホテルの上級二人室(アッパー・ツインルーム)位の広さがあり 来客向け応接具に加え、車椅子のまま利用できる 補助手すりのある浴室・化粧室(トイレ)に小型冷蔵庫や貸し金庫、Wi-Fiによるインター・ネット環境も整えられ、衛星ch付きTVと共に「何でも有り」のフル装備であった。尤も 9pm以降は消灯となるので、夜早い時間までの楽しみではあるのだが。スマート・ホン初め携帯通話は 病室内は原則不可だが、直ぐ外の ロビーでの通話やデータ通信が許されていた。

ひとまず落ち着くと、小町は言った。「今日はこの後、簡単な検査と問診をします。それから 5:30pmに夕食ね。面会の方があれば 8pm位まではOKです。あくまで目安だから、多少のオーバーは 大目に見られるでしょう。初めの検尿さえ済めば、その後のトイレは原則自由。お風呂は消灯前まで使えるからね。じゃ、又後で来るから その時は宜しくね!」そして、美波の方を向き「ああ、そうだ。瀬野さん・・」 「はい」美波が返すと「もしも、宮城さんが今良ければさ、検尿の検体 もらって行こうか。用意はいい?」 

美波は頷き「宮城さん。そういう事で、先生が仰ってるけど 今、検尿いいかしら?」 宮城が「ああ、そうですね。自分はOKですが・・」と返すと、美波は図った様に、先に立って化粧室へ。「ん?ちょっとおかしいぞ。先生、これでよろしいか?」訝(いぶか)る様に訊くも、小町は微笑んでまま 黙って見ている。そこへ、美波が声をかけ・・

「宮城さん。こちらへ・・」 「はい、只今・・」宮城は返し、続いて化粧室へ。広めのスペース、洋式便器の傍らに 白衣の美波が しゃがんで控える。立ち姿の宮城からは、当然見下ろす視点となるが、白衣の上体合わせ目から 淡色のブラがかなり目につく角度となった。恵まれた胸周り。ブラ・カップは「D」位あるかも知れない。

「不謹慎・・は分かってるが」「患者」・・というか「患者にされた」かも知れぬ男は こう想った。「美波さん、好い姿態の女だ。白衣の下は、きっと眩しい影(シルエット)。チラ見えしたバストは一見して好感だし、下肢も綺麗だ。ウェストの縊(くび)れも 何となく分かるし、これで俺は 途中で理性が怪しくなるかもな・・」

美波はまだ、宮城の足元に控えている。「さあ・・」彼女は言った。「この紙カップに、少しでいいから お小水が欲しいの・・」 「了解。これですね・・」受け取ろうとした 宮城の手を、美波が制す。「待って。あたしに任せて・・」 「マジですか?」 「ええ、そうよ」彼女はそう返すと、「!」と言葉もなく緊張する男に笑いかけ「さあさあ・・」という感じで、緊張を解きながら 彼の下方に柔らかく迫る。

美波「じゃ、これから検体を頂きます」と言い、動きの固まった 宮城の下方に右手を回す。長パンツの前ボタン複数が外され、白いなよやかな右手が、柔らかく しかし容赦なく侵入する。そして、遂に宮城の「竿(男根)」が 外に連れ出された。「あ、うぅぅ・・よ、予想外だ。でもこれ・・い、いいのかな?それなら、有難う!」 美波「こちらこそ、分かって下さり有難う。普通の診察ならなしですけど、これ 本荘先生の方針ですの・・」 こう返し「さ、この中に、少しで良いから・・」と続けて、静かに 心地良いマッサージを見舞う。

「あ、うぅぅ・・瀬野さん・・じゃなく、美波さんで良いのかな?お・・俺も男だ。あ・・あんまり摩(さす)っちゃ駄目ですぅ!」 「ふふ、ご免なさい。ちょっといたずら心が起きちゃった。でも素敵ですよ。『お息子さん』ちゃんとしっかり反応してくれたもの・・」美波、そう言いながら 放出された小水を回収。そして「有難う。じゃ、残りはこちらへ・・」検体のカップにカヴァーをして、ようやく引き下がった。

残りの放水を遂げながら、宮城「ああ驚いた。特別個室になったのって、こんな理由かよ。でも・・」呟きながら続ける。「やっぱりいいなぁ。瀬野さん・・というか、美波さん・・か。とても美人だし、あの摩りは中々の名人だ。ついでに、口唇愛撫(フェラチオ)の要求(リクエスト)も叶えてくれそうだったが、そりゃ直ぐはせん方がええな・・」

「じゃあ宮城さん・・」 「はい・・」 「あたしたち、後でもう一度伺うから、必要ならお風呂とか済ましといて下さい。お食事は、部屋でも食堂でもできるけど、どっちがいい?」 宮城、一瞬迷うも「ああ、それじゃ・・」 そして続けた。「気分転換にもなるし、毎回食堂で頂くかな。まあ部屋の方が良くなりゃ、後で変更できるもんね?」 「勿論よ。じゃあまず、食堂でって事で・・」 「はい、宜しくお願いします!」

まだ真夏でもあり、宮城は ざっとシャワーを使う事に。洗髪と、大声では言えないが 下着の洗濯もした。小一時間後 もう一度小町と美波が用具を持って訪れ、問診や採血など 簡単な検査、身体検査などを行う。この間、小町の胸元もどうも緩めで、わざと宮城から見られる様な演出がされている風な印象を受けた。

「美波さんも好い感じだが・・」彼は思った。「本荘先生も素敵だ。黒髪の感じ、微妙に違う顔立ち、それとは違って、縊れや下肢は、同じ様に綺麗だし。これはこの後、何かあるのだろうか?」芳しいとは言えぬ期待が、宮城の思考を支配し始めている様な感じもあった。「事前検査は大きな問題はなしね。脂肪肝の兆候以外は。今日のはあくまで『念の為』ってとこだから・・」検査を終えた小町が言った。

「それじゃ、あたしたちは 今日は 6pmで終わりますから、又ね。明日は、美波が朝から出ますから 何かあればお知らせを。今夜の当直の先生は、総合診療医候補だから、心強いわよ。それと、明日はあたしが当直ですからお楽しみに!」 「分かりました。ご面倒かけるかもだけど、宜しくです。良くなるよりは、悪くならん様にしますわ。今日は 有難うございました!」白衣の女二人と 入院服の患者男は、笑顔で別れた。病室前の廊下で、中条宛て SNSを送る。「今日午後入院。冒頭検査無事終了」 中条からは折り返し「ご夕食後、ちらっと面会に参ります」の返事。

5:30pmからの夕食を 小一時間で終えると、後はほぼ 3H近い自由時間。病室で読書や TV番組をチェックしてもよし、場所を選べば携帯やスマート・ホンでの外部通信も自由。入院前にやり残した仕事の連絡も、この時が処理の機会(チャンス)だ。とりあえず部屋に戻ると、ナース・ステーションから内線あり。「面会です。中条さんよ!」声の主は、小町だ。「有難うです。上がってもらう様 仰って下さい。改めて、今日はお世話様でした」 「了解、お大事にね!」

少しおいて、夏の正装をした中条が上がって来た。「ご入院 お疲れ様です!」持参した、日本茶の小さいペットボトルのケースを差し出す。「有難う。永野君の尽力もあって、割合すんなり行ったよ」 「良かったですね。まだ不明かもだけど 見通しは如何?」 「うん。まだ詳しくは分からんが、割合短くて済みそうな感はあるな。夕飯は済んだのか?」 「そう願いたいですよね。ああ夕食ね・・ええ、そっちの方は 妹夫婦らと済ませまして・・」頷いて聞く宮城。暫しの間 二人は病室の応接ソファに収まり、持ち込まれた日本茶を嗜みながら、恰(あたか)も愛犬たちを伴っての 金盛(かなもり)公園で交わす様な会話が続いた。

宮城が言った。「それでな、中条・・」 「はい・・」 「例の犬共の事なんだが・・」 「ええ、どうぞ。聞きましょう」 「この前チラっと言った様に、今夜から お前んとこの近所の 松下さんとこへ預ける事にした。あそこのワンコとも仲よしでな。ただ 明日から 3日ばかりうざくなるかもだが・・」 「アハハ、そうですか。まあ、それはそれで良いでしょう。実はね。宮城さん・・」 「うん、何かな?」

中条は、かなり以前に読んだ 今は故人の作家・中野孝次が、かつて飼育した柴犬の記録「ハラスのいた日々」の文中にあった「できる事であれば、犬に 一定でも群れで行動する経験をさせるべき」との一節があった事を語った。聞いた宮城は「そうだろう。俺は毎日 あの 3匹と一緒だから、少しは分かるぞ。・・で、松下さんちの『マル』も、時々俺んちに遊びに来る仲でさ」 「ああ、なる程ね。オマルの奴、道理で時々消えてたんだな。これで納得だわ!」

「それじゃ、お大事に!」 「ああ、有難と。ちと心配かけるかもだが、大事じゃねぇ。気にせん様に・・」 鵜方病院を辞した中条が、居所に戻ったのは 8pm過ぎ。EVを降り、部屋を開錠すると、すかさず斜め向かい家の飼い犬「マル」の甲高い咆哮が聴こえた。「おー、昂奮しとるな。さて、例の件かな?」出窓からサンダルを履き ヴェランダに出ると、丁度彼の眼下に見える「松乃家」の通用門前に、見慣れた店の用務車 淡色の「トヨタ・ハイエース」が点灯したまま停まり、その傍らで「マル」が落ち着きなく動き回っている。老若二人の「旦那」が協力して、動物の入ったらしい 大き目の籠(ケージ)を降ろして行く。一つ、又一つと・・
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 佐山 愛
野呂一生さんの今回楽曲「アーリー・ビギニング(Early Beginning)」下記タイトルです。
Early Beginning

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