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ちょっと入淫 第21話「車中」

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中条らの一行が、N市東郊の T自動車博物館を訪れていたのは、昼食の場となった 関連の飲食施設を含め 約 2時間半余り。運転の永野を交え、魚介(シー・フード)メインのランチ・コースを楽しんだ一行は 1:20pm過ぎ 車に戻り、再び都市高速道で 次の行先「文化のまち二葉館」へと向かう。

中条は、助手席から一旦 後席の中央へと移動。ここは、普段は設けられている、カップ・ホルダー付きの肘掛(アーム・レスト)が 背もたれ(バック・レスト)の後方へと収納でき、当然ながら 後席中央も頭乗せ(ヘッド・レスト)が設けられ、シート・ベルトも三点式が備わる。

「うん・・」男は頷く。「後ろの真ん中だと、前席程居心地良くねぇが、両脇が美女ならまあ好いや・・」 上席の右側には姉の由香、左側には妹の由紀が着き、挟まれる格好の中条は、何やら二人の女刑事(でか)に挟まれ連行される、男性容疑者の様な風情がなくもなかった。そんな恰好で、車は自動車道を 西へ向かう。

走り出して 10分足らずで、往路も通った 割合長い地下トンネルが迫る。すると、まず由香が 図った様に、中条の右太腿の辺りに左手をさり気なく置く。「反ってエロいな。その出方・・」男は想った。と、少しおいた後、今度は 左側の由紀が動く。彼女も又、逆の右手を 男の左太腿の上へと進める。姉妹の、白くなよやかな手指が、中条の太腿を柔らかく攻め始めた。

「何かい、由香ちゃん・・」男が言った。「はい・・」姉が短く返すと 「ここで一回 俺をイかせるつもりかよ?」 「ふふ・・できる事ならね。まあ、試す価値はありかと・・」 「それに伯父様・・」今度は、妹・由紀が囁く。「うん、何だろ?」 「姉とあたしに挟まれて、逃げられるとお思いでっか?」不敵な姉妹の美しい微笑みが、中条を否応なく捉える。由紀が言葉を発した時、車はトンネルへ。

「ハハ、どうだろ・・?」最近、オレンジの光を放っていたナトリウム灯から 昼間の光に近い LED灯に替えられ、雰囲気の変わった照明を浴びながら、一日貸し切りのレクサスは トンネルを駆け抜けて行く。急ぐ行程ではない。ほぼずっと 左側の走行車線を取り、速い後続組をやり過ごす。勿論、一度や二度は 右側の追越車線に変更する事もある。

「さあ、トンネルにいる内にっと・・」由香はニヤリと微笑んで、目くばせで由紀に 中条のアンダー前開きのチャックを下ろす様指図。開かれると、更に奥の トランクスの前開きにまで手指を潜らせて行く。「あのなぁ・・」たまりかねて、男は呟く。「ここでそんな事するのよせよ。外から見られるっての、分かってるのか?」 「ふふ。ハ~イ、大丈夫よ」由香、美しく微笑んで返す。「お気がつきはりまへんか?この車の後席周りは、プライヴァシー・グラスで、外からは見えまへんのや。あたしたち、父の車で分かってますんでね・・」左側から由紀が、姉を援護する様に言った。

「仕様がねぇ。そういう事だったか・・」トンネルを抜け、暫く続く掘割の様な箇所を通って、再び都市高速道に合流する頃には、中条の竿(さお=男根)と陰嚢は、姉妹によって 完全に外へ連れ出されていた。「おい、二人・・」些か緊張した様に 彼は言った。「はい・・」由香が返すと 「悪い事は言わん。ここは、手だけにしとけや・・」 「ふぅん・・ちと残念やけど、そないしますわ・・」 妹・由紀も「ああ、それ・・何となく分かりますわ・・」 中条が言いかけた事は、姉妹にも分かった。口唇愛撫(フェラチオ)までも許すと、シート・ベルトを外さなけれればならなくなる。それは正直 危険だからだ。

「ああ・・ま、仕様(しゃあ)ないけど ほな、そないしますか・・」 露出した 男の亀頭の周りに左手指を滑らせながら、由香はそう言った。妹の由紀は「あたしも同意でっせ~!さ、お竿の手入れは姉に任せて、お玉袋の手入れを致しますぅ~!」そう言うと、右手で彼の陰嚢に摩(さす)りを入れ始めた。

「あっ、あっ、こ・・これ、き・・効くわ~っ!」思わぬ姉妹のマッサージ技を仕掛けられた中条は、呻き反応した。「な・・永ちゃん」昂りを抑えながら、粛々と運転に勤しむ 前の永野に声をかける。「はい・・」彼が返すと 「いや、ちょいと拙い事になっちゃった。このシートのマッサージ機能が要らなくなっちゃったよ。ご免な・・」 「いえいえ、大丈夫ですよ」聞いた永野、冷静に返す。状況は察しがついていたのだ。「自分に考えがあります。任せて下さい!」 「了解。ホント、悪いな・・」次の行先まで、後 10分足らずだった。

行先一つ手前の I.Cで都市高速道を降りる。そこから、永野の務める Sタクシー本社まで至近だったのは ある意味で幸運だった。一旦、構内の屋内駐車場に入庫。その際 永野は、受付の保安担当に、貸切行程の途中で、もう一度出る事を伝えた。そして「本社から OKが出ました。ですから、ここで処理して行きましょう。大丈夫、誰も見てやしませんから・・」 「悪い。有難う!」 「おおきに、有難うございます・・」中条と姉妹、それぞれ 永野に答礼した。

姉妹の異様な行動は、Sタクシー本社に着いて数分でケリがついた。中条は、姉妹に二度昂らされるも 辛うじて凌ぎきった。「さあ、これはここまでだ。続きは、約束したる」 「そういう事でしたら、ここまでにします。無理言うて済んまへん!」姉妹は、やり過ぎた所を詫びた。「分かりゃええんや」男はそう返し、諭した。

「さあ、もう一度行きますか?」 「はい、お願いします!」返事を受け、又、運転席(コクピット)に乗り込んだ永野は 再び発車。「でもさぁ、永ちゃんの会社を外からチラ見できたの、良かったな」中条が言うと 「ホンマ、左様(さよ)でんなぁ。お車もしきりに出入りしてて、忙しそうで何よりですわ~!」姉妹もそう返し、会社の活気を称えた。

次の行先は「文化のまち二葉館」。大正年間、大女優と結婚した電力の巨人 故・福沢桃介の旧邸が、歴史的評価を得て 記念館として公開されたものと聞いた。沿革はさておき、ここも 姉妹が好感するアンティークの品や事共が多くて喜ばれた。建物が、和洋両館で構成されるのも興味深い所だろうか。茶話会含め、1時間余りの見学。

駐車場の車まで戻る途中、中条と永野はほんの少し 歩きながら会話した。「永ちゃんは、明日の日曜夜の予定ってどうなってるかな?」訊かれた永野は「明日は日勤早番ですから、夕方には都合つきますね」「分かった、有難と。で、どうやろ。明日の夜、俺んち来るか?」「ああ(感謝)・・ですね。ただ 姉妹さん、中条さんとこにお泊まりなんですよね?」「永ちゃん、それだよ。彼女たちの 俺んちの泊まりは、確かに明日までだ。だから、好い記念になるんじゃね?と、俺なんかは思うんだが・・」「記念ですか そうですか。まあ何となくは分かりますがね・・」永野はそう返し、笑った。

中条は続けた。「分かってくれて、有難とよ。つまりだ、俺んちに泊まってる美人姉妹さんのどっちかと、ちょいと相手をしてくれりゃって愚考するんだが・・」「中条さん、それ・・ちょっとどころでもなければ、愚考でもないって思うんですがねぇ・・」永野は、そう応じて頷き。更に「それはつまり、性交(セックス)の事ですよね・・」とまでは、思っていても訊けなかった。所へ「お待たせしました!」少しの買い物を終えた姉妹が戻る。

「永ちゃん、清洲城行くか・・」再び前席に着いた中条が言った。「はい、好いですね。じゃ、それで行きましょう」永野は返すと、後席に収まった姉妹にも、行先を伝える。「ああ、戦国期の割と有名なお城ですよね・・」鋭い反応が返って来る。もう一度、都市高速道に入り 少し遠回りをして 20分弱で到着。

小ぢんまりながら、遠く 15世紀に建った 貫禄ある構え。京都・天龍寺を思わせる石庭も魅力的。由香と由紀も、好感したらしく「嵐山の、あのお寺と同じお庭やな」と言い合うのが聞こえた。それよりもこの城、天守閣からの眺めが 抜群に中条の好みだった。下界を行く JR東海道線や同新幹線列車の往来が、手に取る様に分かるのだ。階下の展示にある、戦国期の事共をスポーツ新聞風に纏(まと)めた「戦国スポーツ」も人気があった。「ハハハ、まぁ見たれ。広告まで『戦国調』やな」中条の指摘に、全員が笑顔になった。

小半時程見た後「今夜は、内飲みにしまひょ・・」の姉妹の希望で、帰途は N城址西の商業施設に回ってもらい、諸々のを買い物を経て 5:30pm過ぎ 無事帰着。精算を経て「今日は、有難うございました!」「永ちゃんも世話になった。お疲れサマー!」「ホンマ、お世話様でした!」元気な挨拶の後、出がけの永野に、中条が耳打ち。「じゃ、又明晩宜しく・・」 「はい、こちらこそ お願いします!」斜め向かい家屋上にたむろしていた犬共の「うるさい挨拶」を受け、上階へ。やはり、無事帰ると ホッとするのが本音らしい。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 紺野ひかる
野呂一生さんの今回楽曲「チェイス・ザ・ドリーム(Chase The Dream)」下記タイトルです。
Chase the Dream

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