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ちょっと入淫 第31話「疑念」

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次第に更け行く 夏の日曜の夜。前夜よりやや蒸し暑さが参じられ、冷房が欲しい感じだ。それは勿論 ほぼ同時に進行していた、女医・小町の居所と、彼女の患者。宮城の後輩に当たる中条の居所で、ほぼ同時に進んでいた 熱い秘事のせいもあったかも知れない。広めの小町の居間(リヴィング)にての 看護師・美波とのやり取りで 次第に気分の昂(たかぶ)りを覚え始めていた宮城だったが・・

宮城「ああ、そうだ。美波ちゃん、ちょっと悪いな・・」 「はい、何かしら?」着衣の浴衣の裾をはだけ、脚を開いて 彼の方へ 露わの下方を向けていた美波が返すと 「本気で熱くなる前にさ、一件だけ メッセージさせてくれるか?」 「あたしは良いわ。短いのでしょ?」 「勿論!宮城は、素敵な女性を待たせて苛立たせはせんよ!」 「まっ、お上手!でも、多少なら長引いても OKよ」 「有難う!」 美波の色よい返事を受け、宮城は中条に宛て LINE送信をする。

宮城「遅くに失礼。中条君、生きてますか?」 由紀との行為の緒に就いていた中条からは、折り返し返事。「ああ、これはこれは宮城さん、お知らせ感謝。何や喜ばしいナニがあったみてぇでご同慶です。俺はお蔭で無事ですよ~」 「そりゃいいや。まあお前は悪運強いから、そう心配はしてねぇけどさ・・」 「有難うごぜぇます。まあご賢察通り・・かな。今夜はちょいと、暑いですね」 「その事ぞ。暑いのもな。俺はお陰で、明日午前 退院の運びになってな。ほぼ決定だわ!」 「おめでとうごぜぇます!後日、回復祝いをせんといけませんな」

宮城は送信を続けた。「そいつは感謝。で、もう一つあるぞ。今夜なんだが、俺、今 小町先生んとこに邪魔しててな。院外治療と称して、実は(夜の)好い事になりそうな気配なのよ。ついてはな、お前今から、こっちへ流れられるかよ?」 中条「う~ん、何とも有難ぇお言葉!何だかはほぼ想像ついてまして!もうね、宮城さん。俺の気持ちにゃ羽が生えて来て、困ってますって・・汗」 「・・だろうと思った。ほう、羽な。そりゃ、鴉(からす)のかよ?」 「恐れ入りまして!まあ鴉なら、夜でも飛べますわなぁ。そいじゃ、今から・・とは残念ながら行かんのですわ~・・嘆」 

宮城、更に続けた。「ほう、やっぱり 急過ぎたのがいかんって事やな。まあ薄々想像はついたがな・・」 中条「確かにまぁ、それもありまして。ですが、まだ若かった頃は ご存知の通り『中条助平』とか言われてましたからねぇ。(苦笑) もそっと早く分かっておれば、俺も 小町先生に感づかれる事なく、そっと合流してましてん。今だって、そうしたいです。が、しか~し!」 

宮城「じゃ『しか~し!』の後を続けろ。俺は読んどるぞ!」 中条「感謝です。恐縮です。今夜お目にかかれんのは申し訳ねぇです。理由としましては、拙方へも急な来客がありましてな・・」 「ほう、まだ宵の口は認めるが、些か遅い、こんな時間に来客か?お前の相手の初ちゃんが、よくも認めたなぁ・・」 

今度は、中条が応じた。「あ、いやいや、(伊野)初美は今夜 彼女の実家へ行ってまして、その辺は問題なしって事で。まあ、女性の関連ではごぜぇません。どうかご理解をば・・」 「う~ん、どうも怪しい。この時間、お前んとこへの客人って言や、大坂の木下さんちのお嬢姉妹じゃねぇのか?表向きは城址脇のホテル・Nキャッスル泊まりとか言ってたが、実際はどうだか・・?」 電文を見た中条は、流石(さすが)に焦り出した。「ああ、いやいや、そりゃ断じてありませんて。とに角ね、俺は今夜は動けなくなりまして。ホント、申し訳ねぇです!」

宮城はまだ、半信半疑である。「いや~、中条の事とて信じてやりてぇのは山々だが、これじゃ、ちょっとなぁ・・。本当に『ただの客人』なんだろうなぁ。もしかしてだぞ、最近よくある 詐欺まがいの連中を上げてるとかじゃねぇよな?」 「大丈夫です。その線も断じてありません。ですから今夜はご安心を。お互いそろそろ、収めませんかぁ~?」

宮城は、もう一つだけ糾(ただ)して区切る事にした。「実はな・・」 中条「はい・・」 「豊野 豊(とよの・ゆたか)君って、佐分利学院の受講生から、看護師の瀬野美波(せの・みなみ)さんの話は聞いてるよな?」 「ああ、瀬野看護師のお話は伺ってますよ~!技も人物も、素敵な方らしいですね。言っちまえばどうですか?『エロ美女ナース』を絵に描いた様な・・」これを読んだ宮城は、やや呆れ気味である。

宮城「お前なぁ、それ AVのタイトルじゃねぇかよ!その齢(とし)で まだ嵌(はま)ってんのか?」 中条「ど~も済いません!あれはね、JRの『青春18きっぷ』と同じで、年齢の上限はなしでしてな。だからそっち系の店行くと、俺より年長世代も 結構来てますよ・・」この返事の後半は、言い訳にしか読めなかったが・・

「ああ、分かった分かった・・」宮城の側にも、これ以上 中条の言い訳に耳を貸すつもりはなかった。「大体の様子は掴(つか)めたわ。有難とよ。しかしまぁ、お前が美波ちゃんに会わなかった事を 後々後悔するのも何かと思ってな。こんなお知らせをしてやったんだが、まあいいわ。そっちはそっち、宜しくやってくれ。後な、あのお嬢姉妹に 俺の犬共が、お前んちの向かいの松下さんちに預けられてるのを教えたの お前か?」 中条「それは認めます。彼女たちから残暑見舞いをもらったので、その返事の折に知らせたって事です」

読んだ宮城は 失笑しながらも、ようやく得心の境地へと進めた様だ。「なる程な。まあこれが、そもそも間違いの元だろう。まぁいいや。お前の責任で面倒見られるなら、黙っててやるよ。せいぜい、美波ちゃんに会えなんだ事、後悔すんなや・・」 「分かりやした。そこの所は、決して異議は言いません。今夜は、有難うごぜぇました。明日の首尾良いご退院をお祈りします!」 「い~え~、こちらこそな。ま、落ち着いたら、又な!」 「了解です。又近く!」 交信ここまで。

宮城の疑念からの追及を 何とかかわした中条だったが、由香、由紀の木下姉妹を 己の居所に寝泊まりさせているのは事実だった。瀬野美波の魅力は、豊の他、彼の先輩 阿久比 周(あぐい・あまね)からも聞いており「是非一度 寝てみたい」想いが強くあったが、今度は 間が悪かった。宮城の 彼への疑念が完全に消えたとは言い難かったし、必要なら 説明・・というより、言い訳ができる様にする必要もありそうだ。ただ今は、盆前に続いての、姉妹の「女性」に魅了されている状況(シチュエイション)から、無理に抜け出したくない想いも、少しはあったという事だろう。

LINE交信と前後して、小町と豊も浴室から戻り、寝酒のブランデーや、豊のジンジャー・エールを嗜みながら、暫し談笑の後「美波ちゃん、待たせて悪かった。さぁ、ゆっくり深みへと進もか?」 中条との交信を、微笑みながらも 大胆な M字開脚の姿態(ポーズ)で見守っていた美波に向き直り、宮城は言った。「(小町)先生から、寝室のベッド片側を使える様にしてもらった。行くかね?」 「そうしましょう・・」美波も、こっくり頷いて返した。対面からは、女医・小町もバス・ローブの胸元や下方を開いたりで 宮城を挑発して来るは 少々戸惑ったものだが・・

「じゃあ、そろそろ寝室へ移動しましょうか。そこで、今回最後の『夜の診察』をしますわ・・」思わせぶりな、小町の指図に 宮城は「美波ちゃんとは、こんな風に睦(むつ)んでていいのかな?」訊くと、女医は「勿論。その方が、具合が良いんですよ。だから美波に協力を願ってるんだし。後 豊は、是非こんな席で 教えときたい事があったから呼んだって事ですよ」と答えた。「なる程ね。まだ良くは分からんが、そうか・・寝室へ移れば分かるって事か・・」そう思う事にして、先程から胸周りなど 身体への摩(さす)りを入れ始めた美波に、こう言った。

「さあ、それじゃ・・」と宮城。「これまで四日間・・かな。世話になった方を、丁寧にベッドへとご案内しようって事で・・」まだソファに寝そべる感じの美波の背後に右腕、下肢の下に左腕を滑り込ませると、ゆっくりと持ち上げにかかった。「うぁ、嬉しい!お姫様抱っこじゃない!?」ふわりと宙に浮いた美波は、美しく笑って応じた。「仰る通り。これ、俺からの 感謝のサインでさ・・」宮城も、笑って応じた。

彼は続けた。「さあ、夜はこれから。熱くて好い時間になるぞぉ~!」 「はぁ~い、宜しくお願いしまぁ~す!」宮城は、美波を抱き上げると、捧げる様にして ゆっくりと寝室へ。「さぁ豊、あたしたちも同じ事しよ!」小町に促された豊も「はい、只今・・」と頷いて返し、同様に女医に「お姫様抱っこ」を施し、宮城たちに続く。広い寝室には、ダブル・サイズに近いベッドが二床並ぶ。これから暫く 熱い「夜の特別診察」が執り行われる気配だ。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 希志あいの
野呂一生さんの今回楽曲「ミッドナイト・ランデヴー(Midnight Rendezvous 櫻井哲夫さんとの共演)」下記タイトルです。
Midnight Rendezvous

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