ちょっと入淫 第33話「特診」
- 2018/09/02
- 14:31
夜更けの進行に歩を合わせる様に、女医・小町、そして中条・・それぞれの寝室で、大声では語れない 熱い行為が始まっていた。高級ブランデーの寝酒を振舞われ、程好く気分も昂った 外出許可中の入院患者・宮城は、浴衣姿のままの看護師・美波を抱き上げて、寝室へと誘(いざな)う所であった。彼も又、作務衣(さむえ)風の夜着姿だ。
「わぁ、お姫様抱っこね。嬉しいわぁ!」 「左様!俺、是非一度 貴女にして進ぜたかった訳で。これまで世話になったお返しって意味でもさ・・」 「ふふ・・今夜は面白くなりそうね。期待してるわ」 「ああ、有難と。乞うご期待って言いてぇとこでさ。まあ見ててくれ・・」美波を押し抱いたまま、ゆっくりと寝室へ。見ていた これも浴衣を纏(まと)う小町、傍らに控える トレーナー上下姿の教え子・豊(ゆたか)に「さ・・あたしらも、寝室へ・・ね!」 「了解しました。そろそろですね。先生・・」彼の返事に、女医はこっくり頷いた。
「さあ、美波ちゃん・・」寝室に入った宮城は続け、抱いていた美波を、ゆっくりと ダブル・サイズのベッド上に、仰向けに横たえる。「はい、これから・・でしょ」彼女が返すと 「そういう事です!」と応じながら、組み敷いたその上に重なって行く。「ふふ・・思ったよりお熱いわね。順調な回復とお見受けしたわ」 「そう見えますか。それじゃ、信じてもらえる様、頑張らんといけませんな・・」 「まぁ、ご無理なくね。あたしは、薄々分かりましたわ。今夜の事は・・」 「うんうん。これからの展開がって事でしょ?」 「まぁ、そうよ。これはね、半分は 先生の目論見でもあるんだけどね・・」 「ああ、目論見ね。分かります・・」宮城はこう返し、ゆっくりと しかし有無を言わせぬ迫力で、美波の唇を奪って行った。
「あっ、うっ、んん・・」籠(こも)った様な喘ぎを発し、上に重なった宮城 そして彼と唇を合わせて行く美波の様子を見ながら、小町は豊に向かって言った。「難しいかもだけど、これからこの部屋で起きる事を、なるべく落ち着いて見てる事ね。後は、あたしが適切に教えるから、それを信じて 言う通りにして欲しいわ」 豊「はい先生。自分も、こういう方も含めて これまでも教えて頂いてますから、きっとご期待に沿えると思います。又 そうなる様 落ち着いてないといけませんよね」 「そう、できればそうしてくれると嬉しいけど・・」 女医はそう返すも、更に「・・でも、君がどうしても抑えきれなくなったら、考えたげても良いわよ。あの事は・・」と続けた。
「あ、いやいや、先生・・」聞いていた豊は、焦った様に反応した。「はい・・」小町が返すと 「さっき仰った様な事にならない様、ちゃんと抑えてご覧に入れますよ」と続けた。「ふふ・・」女医は含み笑い、そして 教え子を一瞥して「無理する事はないわよ・・」と言った。ベッド上では、重なり合う美波と宮城の 接吻(キス)による挨拶が区切られ、美波の浴衣の胸元が 徐々にはだけられ、程好く豊かな胸の双丘が現わされ始めている所だった。
「美波ちゃん、こうやって見ても 好い形しとるなぁ!」初めからノーブラの胸元を開き、露わにした両の乳房に摩(さす)りを入れながら、宮城は 努めて熱く語りかけた。仕掛けられる美波は 心地よい風な微笑を浮かべ「・・そう言って下さると、嬉しいわ。尤(もっと)も、貴方は初めからこれ狙いじゃなかったかしら?」 「ハハ、ばれてたか?」宮城が苦笑しながら返すと、彼女は「はい、こういうお仕事のお蔭もあって、そのレベルの事は想像がつく様になりまして・・」と続けた。「ああ、良いね。それはきっと、これから貴女の力になってくんじゃねぇかな?」応援のつもりで、宮城はこう言った。聞いた美波「ああ、有難う。そのお言葉、信じたいわ」美波も、笑って応じた。
ベッドでの行為を進める二人の傍らでは、小町と豊がなりゆきを見守る。「(宮城先生も)仰ってたけど・・」豊が切り出す。「はい、何かしら?」しれっとした感じで 小町が返すと「訊いちゃいかんかもですが・・」 「何?別にいいわよ・・」 「あの・・これも、宮城先生の、診察って言うんですか?診療って言うんですか?・・の内なんですよね」 「まぁ、そんなとこね。だから後は、落ち着いて見ててくれれば分かる事よ」 「・・て仰ると、美波さんとの『あの行為』も含まれるんですか?」 「まぁね。君は直ぐには受け入れられないかもだけど、そういう事になるかしらね・・」
「やっぱりそうか・・」豊は思った。もっと以前、まだ幼かった頃の入院で世話になってから、彼は美波に 徐々に恋心の様な感情を抱き、やがてそれは育って行った。美波もその事が分っていて、彼が親元に帰った折などに、時折「男女の深い事」を教えてくれたりもしたものだ。だがしかし、そうした仲になる以前に、彼の童貞を召し上げたのは小町の方だった。それは、豊が総合予備校・佐分利学院の中等科生最後の夏、ちょっとした体調不良で養護課を訪れた僅かな間に、その休憩室で実行されたのだった。美波はその事も知っていたが、看護師の仕事をこなしながら女医を目指す彼女に、先輩格の小町にモノ申す力はなかったのである。
「つまり・・」彼は思い続けた。「今夜のこの『診察と治療』って 結局、美波さんと宮城先生の性交(セックス)も含まれるって事だよね・・」その呟きを、女医は聞き逃さなかった。「そうよ。豊・・」彼女は言った。「これから始まる、宮城さんと美波の行為こそ、今回の入院治療の『肝』なのよ。悪い気がするかもだけど、それはご免なさいね・・」 「あ、いやいや。先生こそお気にせんで下さい。これは、自分も予想した事です・・」努めて冷静に、豊は返した。
美波と宮城の行為は、次第に熱を帯びて行く。美波の浴衣の上体は大きく開かれ、胸の双丘のみならず、上体の全貌が露わになった状態。「美波ちゃんは、腋(わき)毛もそこそこあるなぁ・・」宮城は、普段目が行き届かない所も観察し、変な感心をしている。「まあ、腋毛は 余り見ないで欲しいわね・・」美波が望むと 「ああ、そうか。そりゃご免。ま、適当にしとくか・・」と、とぼけながら反応。彼の上衣も開かれ、上体の多くが見られる様になる。「それでね・・」美波が言った。
「ああ、はい。何だろ?」宮城が返すと 「あのね、高まる時って、全裸の方がいい?それとも着衣のままかしら?」 「ああ、それね。実は俺、核心だけ脱いで、後は着たままの方が、ホントは良いんだよね」 「有難と。よく分かったわ。あたしはどっちでもいいの。何せ、看護師ですから・・」余り関係ないかもだが、美波はそう答えた。
「さあ、宮城さん・・」彼女は続けた。「はい、次の段階(ステージ)やね?」確かめる様に、宮城が返すと 「はい、その通り。小町先生も注目だわ。貴方の下方を、検査して進ぜます。ちょっと協力して欲しいわ」 「美波ちゃん『協力』は喜んで!でもさ、ちと訊いて良いかな?」 「はい、何かしら?」 「つまりね。その検査って、俺の下方を脱がせてするって事だよな。・・で、どっしょ?完全に脱ぐべきか、それとも『前開き』から出すか、どっちにする?」 「ふふ・・嬉しい事言って下さるわね・・」美波は、ニヤリと笑い、そして「この前も、貴方に悪戯(いたずら)心が起きちゃったけど、今夜も又 疼(うず)いてたんですよ。だから・・」 「はい・・」 「前開きから攻めようかしらね・・笑」 「いいですよ。どうぞ!」
重なり合っていた二人は、一旦 ベッドから上体を起こす。隣り合わせに座る宮城の前開きを、美波の右手が攻めにかかる。ゆっくり、しかしスルリと円滑(スムーズ)に侵入すると、もう勃起を始めた 宮城の竿(さお=男根)と、程々に堅さを得た陰嚢を連れ出して来る。「さあ、来るのよ・・」白くなよやかな手指の誘いを、この「男の核心」が断る理由など 微塵(みじん)もなかった。「ああ・・」これまで、浴室でしか見た事のない一物を手に取った美波は「感嘆の喘ぎ」を聴かせた。
「やっぱり、素敵な肉棒。宮城さんの奥様が羨ましい・・」恐らくは、美波の本音だったろう。「美波ちゃん、又悪いな・・」 もう竿に摩りを入れ始めた彼女に、宮城はそっと呟く様に 声をかけた。「いいえ、気にする事なんかないわ。あたしは、ホントの事を言っただけ!」そう返すと、竿への摩りを 手指から口舌に替えて行く。「チュパチュパ・・」なる微かな音と「あ、う、んん・・」なる男の呻(うめ)きが、寝室を支配して行く。看護師が「患者」に、口唇愛撫(フェラチオ)の診療を始めたのだ。
傍らで 二人の行為を見守りつづけて来た小町と豊の心境にも、変わり目が来た様だ。「さあ豊・・」 「はい・・」 「あたしたちも、始めるわよ・・」 「始める・・ですね。分かります」 二台並んだダブル・ベッドのもう一方に座る 女医と教え子も、遂に唇を交わし始めた。「いい事?あたしたちは、宮城さんと美波の『後追い』で行為を進めるの。あの二人の行為が『核心』に入ったら、手を開けられる様にね」 「心得ました。仰る通りになる様に動きます」浴衣姿の女医と、トレーナー姿の若い生徒も、お互いの身体を探り合い始めた。少し離れた 中条の居所でも、彼と永野、それに由香・由紀の姉妹。男女 4人が、似た様な行為に耽(ふけ)っている頃だろう。
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 秋元 翼
野呂一生さんの今回楽曲「フレイミング(Flaming)」下記タイトルです。
Flaming