2ntブログ

記事一覧

情事の時刻表 第25話「不覚」

6ad2d846.jpg
確かに「不覚」だったかも知れない。女医・小町が、同行する予備校の教え子・豊の竿(=男根)だけを狙ったつもりが、自らの下方を高められる事になったのは。この日は当然入浴前、彼女の下方は、あの「匂い」もそれなりだったはずだ。しかし、豊は意に介さなかった。「先生、自分だけ気持ち良くさせて頂いてもいけません。是非 お返しさせて下さい!」その答えがこれだった。

洋式便器の上で 事実上「制圧」された女医は、前述通り 下方を露わにされた上、教え子の口舌で昂らされる事になった。「ホント、びっくりする位上手くなったわ!」彼の舌技は、初めて交わった二年前から大きく進歩、教える立場の女医を陶酔させる程のレベルになっていた。「本当は・・」仕掛けられ、高められながら 彼女は呟く。「このまま入り込み、繋がって欲しいわ・・」喘ぎながら、ぼんやりと想う所だった。

小町の喘ぎと 豊の呻きは、ディーゼル・エンジンの轟音を初めとする列車の走行音がかき消してくれた。意識の上の空だった小町には、途中停車の 三瀬ヶ谷に入る車掌・津田の放送による案内さえまともに聴こえなかった。制動(ブレーキ)を使い、ゴトリという軽い衝撃を伴い完全に停止、開扉の為のドア・エンジンのエアを使う音てけようやく「あ、停まった!」と気づく有様だった。

「シーッ!先生、お静かにね・・」股間に伏せる形の豊が 一瞬顔を上げ、声をかける。「うんうん、分かってる・・」頷いて返す。幸い 二人のいる最寄りのドアからの乗降はない様だ。「発車します、ご注意下さい」自動音声だろうか、そういう意の放送と共に、チャイム音を伴い閉扉。一呼吸して、エンジンの回転を上げ、又動き出す。

小町が「豊、分かってるね。次の駅よ」呟く妻に言うと、豊は「心得てます。後 10分で昇れる様にしますよ」笑顔で返す。「ふふ、楽しみだわ。あっ、ふぅぅっ!」再び、口舌が秘溝をうねり、高め始める。続ける事約 10分「あっ、ああっ、行くぅ~!」約束通り、豊は小町を頂に押し上げた。

「ああ、とても上手。良かったぁ~!」 「有難うございます!残り時間がないの、ちょっと惜しいですね」まだ熱さと高い湿度の残る秘溝から顔を上げると、二人は笑い合った。「さ、直ぐ処理しないと・・」 「うんうん、お願いね・・」備え付けのトイレット・ペーパーで手早く股間の湿度を拭い、まだ便器に臥したままの 女医のショーツを戻してやる。次いで手を貸して立ち上がらせ、タイト・スカートを戻すのだ。「密室の用事」が済んだのは、下車駅・北紀長島に着く 10分余り前だった。

車内にいる 他の乗客に訝られたりしない様 豊、そして小町の順で前後して席へ。戻って数分で「間もなく、北紀長島に到着します」との 津田の声による放送が入る。「豊、有難とね。そろそろだわ」 「いえ、こちらこそ。じゃ、病院でのご用が上手く行くと良いですね」 「うんうん。でね・・」そう言葉を区切り、女医は教え子に耳打ちした。「あの事が分ったら、直ぐ連絡するわ。携帯の方、宜しくね」 「了解しました!」 11:20am、列車は時刻表通り、北紀長島に着いた。

「有難うございました!」 「津田さんも、お世話様!」降り口まで見送ってくれた 津田車掌と挨拶を交わすと、小町と豊は 駅前で待機のタクシーに乗り換え。いつもなら 親や親族に迎えてもらう彼だったが、この日は小町から「お出迎え不要。実家の傍まで回ったげるからさ!」と言われ 「お言葉に甘える」事に。駅を出てから、豊の下車地点までは ものの数分である。「じゃあ先生、有難うございました。ひとまず失礼します!」 「豊もお疲れ様!又、後でね!」 帰郷の折には、看護師・美波と落ち合ういつもの三差路で、豊は車を降りた。後は、何食わぬ顔で親元へ向かうのみ。二人共、そろそろ昼時だ。

小町と豊が北紀町入りして間もなく、N市の JR中央駅から、今度は初美と中条が 前述二人の後を追って南下した。列車は「紀伊5号」。混雑する駅周辺の店舗を避け、中条が事前に入手した駅弁で車中昼食。メニューは、初美が「鰻のひつまぶし弁当」で 中条が「松坂牛めし」。勿論 ペット・ボトルの日本茶もお伴に。指定席を押えていたのも幸いだった。「やはり三連休初日ね。午後も、結構な混雑だわ」初美が言った。「ああ、まぁな。でも、朝方はウチの用事もしてぇだろ?」 「有難う。その通りよ・・」

「初めての M県の外海、楽しみだわ」 「まぁ、海鮮の質は間違いねぇだろうな・・」箸を進めながら談笑する内、1pm前の出発時刻に。想えば 特急「紀伊5号」は、豊の帰郷時愛用の列車だ。この日の彼は、午前中に小町と共に発っていたのだが。JR中央駅を出た列車は、一気に加速して、まずは N市の西郊を目指す。並行する近畿参宮電鉄・名勢線には、ほぼ同時刻に発った 大坂なんば行特急が、暫し並走し、速度を競うかの様な走りを見せる。

「ふふ、新(しん)さん・・」窓側の初美は、並走する近参特急を指さして笑う。「あちらに乗れば、ほぼ一本で 由香ちゃんたちの所行ける訳よね」 中条もそれを見て「あぁ、まぁな。厳密には終点手前の『鶴橋』てとこで乗り換えになるんだが、貴女の言葉通りでな。ほぼ一本で行けるのは間違いなしって事よ」 「ああ『鶴橋』ね。貴方 あそこ大好きでしょう。何しろ『焼肉の聖地』とか言われてるらしいじゃないの」 「あぁ『焼肉の聖地』な。そうそう、その通りやよ。又近く、初ちゃんと味見に行きてぇって思う訳よ。ちと煙ってぇのが気にならなければだが・・」 話を進めながら、彼は 大坂にいる木下由香・由紀の女子大生姉妹の事に、ふと想いを巡らせたりもした。

N市中央駅を発って小半時、並走していた近畿参宮電鉄の特急が 家並みの向こうへと消えると「紀伊5号」は更に加速、広い木曽三川を渡り終えると M県へ。工業都市 Y市を経て第三セクター路線となった I鉄道線をハイ・ペースで南下。M県都の T市を経て約一時間強で勢和多気へ。ここからは、小町と豊が辿ったのと同様の山間の途となる。

「この辺が、行程の中間辺りかしら?」初美が訊いた。中条「まぁ、そんなとこだな。起点から勢和多気までは、何たって平地だから、近参線と違って単線が多いのが不利なんだが、それなりに飛ばせた訳。ここからは、そうは行かん。山間だから、登り坂やカーヴも多いしな。まあ、今のディーゼル気動車は 昔のと違って足腰もそれなりに向上してるから、そんなにスピードは落ちんだろう」

勢和多気を 2pm過ぎに発って 暫く進むと、次第に街並みがまばらになり、徐々にだが山間の風情が深まって行く。中条たちの住む A県やここ M県も、標高の高い所は そろそろ紅葉の見頃だろうが、まだこの辺りは緑が深い。それでも「普段、コンクリの建物やアスファルトの道路に囲まれてばかりだから、この山河は目の保養になるわね」とは初美の弁。中条は笑いながら聞く。

「確かに、目の保養は事実だな。それとさ・・」 「はい、何?」 「貴女モナ~!」時折唸りを増すディーゼル・エンジンのせいもあって、静かな口調だと会話が聞き取れない事もままある。それで彼は、わざと大き目の声を上げた。「有難う。それでね・・」 「うん、何かな?」 「貴方は、この風景見て 不良な想像してるんでしょ?」 「ご免!分かるかな?」 「勿論よ。さっきから、この辺の緑と、あたしの下草はどっちが深いか?なーんて!」 「悪いなぁ。それ、当たらずと言えども遠からじだったりして!」そう返し、思いきり突かれる中条であった。

勢和多気から北紀長島までの 一時間弱の行程中ほぼ中間が三瀬ヶ谷だ。ここから一段と線路のラインは険しくなり、渓谷も深まって行く。「もう一つ、聞いたんだが・・」中条が切り出した。「何かしら?」深まる谷を目で追う初美が返すと 「豊野 豊君の実家が北紀の外海沿いってのは知ってるよな」 「ええ、聞いてるわ」 「うん。で、彼も帰郷の折 この列車に乗るらしいんだが、一度その道中 列車のトイレで好い事があったらしいんだ。その相手が・・」 時折出入りするトンネルのせいで走行音が大きく増幅され、ちと聞き難かったが・・

初美「あは、それ何か AVにありそうな展開よね」 中条「そうそう。上手いとこを突いたな。その時の彼の相手は、小町先生か 中坊の頃の病気で世話んなった 瀬野美波(せの・みなみ)っていう看護師の方らしいわ。いや~ 中々やるなって感心した訳よ」 「ふん!それって、変な感心よね。そういう話になると、貴方は身を乗り出して聞いたりするんだからさ」 「いやご免、そんな事ぁねぇよ」 「でもそれ、貴方の自己申告だから、どれ位あてにして良いんだか・・?」 「分かった分かった!その辺は、貴女に任す」

そうこうする内に、列車は登り坂の頂上(サミット)たる荷坂越を過ぎ、排気ブレーキを使いながら 慎重に下って行く。勾配を緩くする為 わざと迂回するオメガ・ループと呼ばれる大きなカーヴをクリアして少し進むと、いよいよ外海が姿を現す。「あぁ、久しぶりの海だわ」初美が感嘆して言う。中条も「そうだな、暫くご無沙汰だったわ。今日は、このまま宿に落ち着くかな」と返した直後、彼の携帯が LINE受信した。小町からだ。「ん?小町さん、一体何なの?」 北紀長島まで、後 10分程だ。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 小川桃果
今回の「音」リンク 「美しく燃える森」 by東京スカ・パラダイスオーケストラ(下記タイトル)
美しく燃える森
JR名古屋駅(物語中 JR・N市中央駅のモデル)の駅弁関連サイト、下記タイトルです。
JR名古屋駅の駅弁売上トップ10

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

hakase32

Author:hakase32
愛知県在住の後半生男です。恐れながら、主に18歳以上限定内容を記して参ります。

お手数ですが、拙各稿を初めからお読み下さる場合は、下方にあります月間アーカイブ他のご利用をお願い致します。
他ブログを含め、拙記事の無断転用及び引用は ご遠慮下さい。

下記ランキングに参加しております。
クリックをお願いできれば幸いです。

官能小説ランキング

アクセスカウンター

愛と官能の美学

Shyrockさんの R18読み物集。他の作者各位も多数リンクされています。入口は、下記タイトルです。

赤星直也のエロ小説

赤星直也さんの R18読み物集。入口は、下記タイトルです。

未知の星

赤星直也さんの R18読み物集もう一つ。他の各位の作品も収録されます。

Mikiko's Room

Mikikoさんの、カテゴリー豊富な R18読み物集。独自視点の旅日記も好感です。

Adult Novels Search

R18 読み物の検索サイトです。

ブロとも一覧

拙バナーです

知人様より、優れたバナーを賜りました。必要時はご利用を Produced by Shyrock

もう一つの 拙バナーです

知人様ご厚意により、拙バナー追加編も賜りました。必要時はご利用を。 Produced by Shyrock

清き一票を(笑)

下記ランキングに参加しております。

日本ブログ村バナー


にほんブログ村 →できますれば、こちらも応援を・・

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

月別アーカイブ

これまでの拙連載「想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密(2016=H28,9~10)」と「轍(わだち)~それから(2016=H28,11~2017=H29,2)」  「母娘(ははこ)御膳(2017=H29,3~6)」  「南へ・・(2017=H29,6~8)」 「交感旅情(2017=H29,9~12)」 「パノラマカーと変な犬(2018=H30,1~5)」  「ちょっと入淫(2018=H30,6~10)」 「情事の時刻表(2018=H30,11~2019=R1,6)」 「レディオ・アンカーの幻影(2019=R1,11~2020=R2,5)」 「この雨は こんな風に聴こえる(2020=R2,6~2021=R3,3)」も お読み頂けます。