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情事の時刻表 第43話「照度」

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「あぁ、帰って来た。ふ、ふぅぅ・・!」自らの望みもあって、再び正常位で組み敷かれた美波。その上に中条が重なり、女の足腰をやや強めに曲げて股間を上向きにし、そこへ礼儀を保つ「竿」をゆっくりと返して行く。竿の幹には、熱と湿気を帯びた 朱の肉壁がべっとりと纏わりつき「さぁ、もっと奥へ進んで!亀頭をうたしの子宮口に繋げるのよ!」と促される様な風情だ。

感触を知った男は、美波の願望を悟った。「まぁお待ち。そういう事なら、俺はとっくりと付き合う用意があるぜ・・」半分は美波、もう半分は彼自身に諭す様に 中条は呟いた。下方の連結を果たし、上腕で美波の上体を捉えると「さぁ、再開ですよ~!」の合図代わりの接吻(キス)を仕掛け、彼女もし返して来た。

「新(しん)さん、動いて・・」太腿の動きを男の両腕に制されていて 腰に脚を組み付ける「蟹挟み」の技が使えないのは残念だが、下から両腕を男の背後に回して力を籠め、腰の動きを促す。「あぁ、分かる分かる・・」上で女の意図を察した彼は、少しでも望みに沿う様、ゆっくりと腰の上下動を始めた。

「美波さん・・」 「はい・・」 「気持ちは分かった。だけどよ・・」 「何よ?聞いてるわ」 」・・と言ってだな。初めから激しくは本意じゃねぇだろ?」 「あぁ、分かるわ。初めはスローな動きで高めるんでしょ?」 「その通り!俺のモンを動かして じっくり温めてからスピード・アップって寸法な」 「そうか、貴方一流のお気遣いね。エッチな意図だって分かってても嬉しいわ」 「あぁいや、こちらこそ!エッチはその通りやね。まぁ、隠してても仕様もねぇ事だけどさ・・」会話が区切られると、二人は上と下で目を合わせて笑った。

少しでも 言葉との矛盾が少なくなる様、中条は初めの内 できるだけゆっくりしたペースで腰を進めた。所謂「スロー・ピストン」という技だ。「さぁ美波さん、俺の性感で歌ってくれるかな?」様子を見ながら呟くと、美波は低い喘ぎで応えてくれた。「あ・・うんん。い・・好いわねぇこれ。新さん、ゆっくり続けてくれる?」 「あぁ勿論!暫くと言わず、朝までだって OKよ。ここ暫く、俺はこの『持続力』の修行をしたから自信はあるよ。この技 じっくり味わってくれると嬉しいな・・」そう返しながら彼は、美波に繋いだ腰の動きを徐々に強めて行った。

一方の初美と豊。随分長い間、中空に上がった満月を共に眺めながら、後背位で交わりを進めて来た。彼女は言った。「もう二度目だからさ。なるべく喘ぎ声とか低くしたかったのよね。まぁ無人島で 誰も聴いてないのは分かってるけど・・」 聞いた豊も「まぁ、それもありますよね。余り大声だと もしかしてですよ、近くを船が通った時に気づかれるかもですから。まぁ美波さんと伯父さんは、今の行為に浸りきってるから 多分大丈夫でしょうけど」との返事。

「あらやだ。雲が出て来たのかしら。お月様が陰ったわね」少しおいて、初美が言った。豊「そうですねぇ。さっきからそれっぽいのが出た様な感じがしたけど、やっぱり・・ですか」と応じた。「美波さんと新さん、体位を替えたみたいね」 「・・みたいですね。自分たちも、替えた方が良いかな?」 「うん、そろそろじゃないかしら。だって、お月様見られないなら、仕様がないじゃないの」 「それもそうですね。俺は、先生のお尻を愛でながらの後背位(バック)は良いなぁ!なんて思ったんですが・・」 「あぁ、そうか。じゃあ、このままもう少し続けたい?」

豊「あっいやいや・・自分もね、とても好いけど、いつまでも後ろから仕掛けてて良いんやろか?なんて想いになり始めてたとこでして。先生もお疲れだろうから、一度自分と上下体位を入れ替えてみるのも良いかな・・なんて考えてた訳ですよ」 「君の言葉通りだと、今度は騎乗位がいいの?」 「ええと・・そこまでは申しませんけど、もしかして そんなのが良いかなって想像してみた位の事ですね」

初美「そうかぁ・・じゃあ、実行しよ!」 豊「マジですか?俺は良いですけど・・」 「又そんな出方をして・・。ホントは『あったらいいな!』位の事は考えてるんでしょ?スケベね!」 「は~い、ど~もスケベで済みません!ですが、本当に実現なんて思いませんで・・」 「まぁ良いわ。ご免ご免、さっきの『スケベ!』は撤回よ。でも、その夢実現したげるわ」 「有難うございます!俺も少し気楽ですね。何しろ、恩師を上から目線って ホントは気が進まないんですよ」 

初美「それは違うんじゃない?ちょっと前の師弟っていう前に、男と女なんだからさ。発情して燃え上がれば、もうその辺は眼中にない・・な~んてあたしは思うんだけどね」 豊「ええっ、そんなもんですか?やっぱり、正常位で先生を抱いてる時も、少しだけそんな想いがあったりするんですが・・」 「それはね豊、君がまだ熱中できてない証拠よ。気遣いは嬉しいけど、どこか醒めてる様な感じって あたしは感心しないな」

聞いた豊は、一瞬だが割り切れない表情を見せた。そして「う~ん、難しいなあ。俺、とに角一方的にどうのって嫌なんですよね。・・で、先生にもお訊きしながら あの事を進める訳ですけど・・」 初美「うんうん、分かった。一方的で粗暴なのよりは良いわ。今だから話すけど、あたし 以前つき合ってた男にそんなのがいて ちょっと嫌だったから、何となく分かるよ。だから、その辺りは君に任せる。『どうにでもして』て訳じゃないけど、こうしたいって風で進めたら良いわ」 「有難うございます!ちょっとだけ、気が楽になりました。それじゃ・・」

四つん這いの姿態から立ち上がった初美と入れ替わりに、豊が仰向けに臥す。思いの他明るい満月の下、傍らで 臥した美波に中条がのしかかり、かなり熱い正常位で交わる様子が分かる。勿論、喘ぎと呻きも聴こえてくる。「さぁさぁ、もう一度熱くなろう!」天仰ぎ勃起を保つ 豊の竿をめがける様に、初美が露わになった腰を下ろしにかかる。

「先生、ゆっくりお願いしますね・・」 「了解。任しといて!」下からの、結構な眺めも豊の視覚を酔わせるものだった。優れた曲線の臀丘と、それにつづく美麗な太腿の線は、豊の性欲を否応なく揺さぶるに十分。既に下着を剥いだ、露わな下草の上に咲く秘溝と菊花(肛門)も又、若者の願望を煽るものだった。堅くなり充血した亀頭を、同じく朱に染まる陰唇が呑み込んで行く。少しして、沖で微かに何かが当たる感触。心地よい衝撃だ。きっと初美も同様に感じているはずだ。

「あっ、あっ、はぁぁっ!」初めとは少し異なる 小刻みな喘ぎで 初美は愉悦の中にいる事を 豊に伝えている様だ。「せ・・先生。俺・・じゃない、じ・・自分も、わ・・分かります。うぅぅっ!」次第に激しさを増す 恩師の腰の動き。その上下動に導かれる様に、豊は昂って行く。「あぁ、凄い!こ・・このまま昇りそう。あうっ、ホ・・ホントに危ない。発射しそう!」 すると、喘ぎを伴う激しい上下動が一瞬止まり「ダ・メ・よ!」厳しい注意の様な、初美の声が大きめに響いた。

「ちょっと見てご覧よ。豊も一度停まってさ・・」初美はそう言い、引き続き正常位で高まる美波と中条を見る様指図。そして「最後はさぁ、あたしの望みも聞いて欲しいわ。彼たちみたいに、君があたしの上に乗って、正常位で頂上目指すのよ」 聞いた豊は「あれ~、分かりました!俺、下でイクのも悪くないなって思ったんですけど、先生のおつもりなら仕方がないですね」何気に返したら 「ちょっと、豊!仕方がないって何よ?」意外や意外、激しく詰め寄られた。

「いや~、ご免なさい。俺、先生のお言葉の理解が足りなんだ様ですね」一瞬同様も、直ぐに落ち着きを取り戻すのが 豊の強みだった。様子を見て 初美は言った。「あたしも熱くなったのは反省だわ。でも・・」 「はい・・」 「教え子が恩師の上に乗って昂るのって、凄く刺激的だと思わない?きっとね、君の 秘めた願望にもあるはずよ。それを今夜、お月様を観ながら叶えたげようってのが、あたしの気持ちなの。分かる?」 

恩師の話を聞いた豊は、少しおいて言った。「あぁ、分かります。先生の仰る願望、確かに自分にもありますね」 「よしっ、それが分れば良いわ。さぁ、最後の高め合いよ。美波さんと新さんがやってるみたく、熱い正常位で頂上よ」 「分かりました。そういう事なら俺も努力します」豊はそう返し、再び仰向けに臥した初美の上に重なりにかかった。「それじゃ先生、この姿態で高めてご覧に入れます」 「宜しく、お願いね・・」月明りの下、彼女は美しく笑った。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 Rion
今回の「音」リンク 「サルヴァドール(Salvador)」 by渡辺貞夫(下記タイトル)
Salvador

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