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情事の時刻表 第44話「昂影」

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夜空に少し、雲が出てきた。天空に上がった満月は、雲間に隠れては 又顔を出す仕草を繰り返す。その下の 夜の小島で繰り広げられる男女四人の行為を、暗闇に引きずり込んでは 又月明りに晒して弄ぶのを楽しんでいる様にも感じられた。マットに臥した一方の 初美と豊は 初めの正常位に戻り、大きく脚を曲げ開いて臥した 半脱ぎの初美の上に豊が重なり、最後の高まりに入ろうとしていた。

「先生、それじゃ・・」豊が囁く。「何?あぁ、うん・・」訊き返しかけて、途中で得心した風情の初美が返すと、彼は恩師の膣に当てがった竿を秘溝の合わせ目に沈めにかかる。ゆっくり慎重に腰を落とし、繋がりを確かめると 上から上体の抱擁((ホールド)にかかった。「あっ、はぁぁっ!豊・・上手!さぁ動いて。ふぅぅっ!」 「分かりました。只今・・」 締まった肉壁から確かに亀頭に伝えられる昂奮を辛うじて抑え、恩師の両脚を抱え込んだ豊は、ゆっくり慎重に腰の上下動を始めた。

「あっ、あっ、はぁぁ!ふぅぅ~ん!」高音気味の、女の喘ぎは二か所から発せられた。隣どうしの美波と中条も、ほぼ同じく正常位で高まり始めていたのだ。「あっ、あっ、ふぅん!ねぇ新(しん)さん」 中条に仕掛けられながら、喘ぎ交じりに 美波が話しかけてきた。「あぁ、うぅん・・美波さん、中々好い感じそうやね。俺も嬉しいよ。所で何ぞ?」 「ふふ、他でもないわ。初美先生と豊も、熱そうに高まってるわね。何となく分かるわ」 「ああ『分かるね』。俺もそうですよ」 「あは、何かしら?良けりゃ教えて」

中条「ハハ、もうこうなりゃ、良いも悪いもねぇでしょう。初ちゃんが、俺よりデカい若モンの竿に攻められて、快感地獄に陥っとるぞって仰りてぇんでしょうが」 

美波「ふふ、よくお分かりじゃないの。図星よね。どう?起(た)った時のアレの太さって、豊の方が 貴方より一回りは大きいんじゃなくって?」 「あぁ、太さね。まぁ彼にゃ勝てんだろうな。仰る通り、一回りは違うだろうね。ついでに長さもどうだ・・2~3cm位ぇは違う・・かな」

美波「ご免なさい。変な事を訊いちゃったね。でも有難う。何となく、様子が分かるわ。実はね・・」 中条「はいっ、聞きましょう!」 「まあ!随分とリキが入ってるわね。エッチな話題だって分かるからかしら?」 「ハハ、ご免なせぇ。何かね、お話の様子からやっぱりそっちだろう!て、何となく分かる訳よ。今夜はね、お蔭で貴女のお身体の味も随分分かったし、初ちゃんが豊君を受け入れた感じも、一定は想像できてね・・」 

美波「そういう想像は良い事だわ。・・で さっきの続きだけど、あたしは 豊が小さかった頃罹った病気の看護をした縁で、彼が中坊の時に童貞を召し上げたって訳。だから、今夜に至って、彼と貴方と両方の『竿』の味を知ったって事よ。だから今 初美先生が豊に高められてるとこも、あたしなりに理解できるって事」

中条「そりゃよろしお話やな。実は彼女と豊君は、去年関係持ってるんだよな。でも、貴女も一緒のとこは初めてだから、そっちからの昂奮はあるだろうな。いや俺も同じですよ。何かね、竿を繋いだ時の肉壁の当たりが、初ちゃんと貴女じゃちょと違うって事で・・」 
美波「ふふ、じゃあ、今夜はその微妙な違いを楽しんで欲しいわ。あたしも味わってますよ。豊のは太目。貴方のは堅め。(笑) 所で、蟹挟みはお好き?」 中条「あぁ、男の腰に、女が下から両脚を回して締め上げる行為でしょ。初ちゃんのも好きだけど、貴女のも勿論好感・・あっ、その締めが、あっ、あっ、うぅぅっ」もう一度、下の美波が中条の腰に両脚を回し、ガッシリと組付けてきた。後は言葉にならなかった。

一方の初美と豊。ほぼ似た様な正常位で高まってきたが、豊が両脚を抱え込んでいた為、蟹挟みの技がかけられない。腰を使う合間に上と下で唇を交わした折、豊が聞いた。「先生、意外に長続きです。お疲れでしょうから、ちょっと両脚抱え 緩めますね」 初美「あたしは抱えられたままでも良いわよ。でも、豊がそうなら解放してもらおうかしら」 これを受け、豊は 初美の両脚の拘束を解く。とみるや、今度は美波と中条同様、捉えられていた両脚を 教え子の腰に絡ませ、ガッシリと組付けた。

豊「あっ、うぅぅ。やっぱりそう来られましたか。でも嬉しいです。先生と俺、又一つですね」 初美「ふふ、そうよ。あたしの下に繋いだ竿を離さなかったのも良いわね。分かったら、さぁ!腰を動かして」 「あぁ、はい。先生が仰るなら、喜んで・・」そう言い、豊が腰の動きを再開すると、秘溝に埋まったままの礼儀を守る竿が、再び肉壁を抉る様な運動を始める。「あはぁっ!豊の『大き目』も良いわぁ。暫く続けるのよ」 「かしこまりましてござる~!」言葉にならない喘ぎと呻きを交わし、少し前までの師弟は 上と下で高まって行った。

美波と中条も、相変わらず重なり合い、高まりつつあった。「美波さん、余計ならご免な」腰の動きを保ちながら、中条が言った。「うふ、いえいえ・・貴方のお話なら、余計や不愉快はそうそうはないわ。聞きましょう」美波が返したのを受け、彼は続けた。「豊君、意外に持続するじゃんか。俺、もしかして早漏か?って心配したんだが。こりゃ、所謂(いわゆる)杞憂だったな。つまり G.Gの取り越し苦労って事でさ・・」こう言い、苦笑。

聞いていた美波の美しい笑顔が、微かな月明りに映えた。そして「んふ。でも、貴方の心配も何となく分かるなぁ。若い男の子って、行為も性急(せっかち)で直ぐにイっちゃいがちってのは確かにありますね。でも、多分大丈夫。あたし、彼にその辺りも一定は訓練(トレーニング)したんです。後で 小町先生にその事が分って、豊は結局 彼女にも奪われるんだけど、あたしのその辺の指導にも嫉妬したのかしらね」 中条「いやそりゃ面白(おもろ)い話やね。俺も聞きながら考えたんだが、そうか。小町先生なら、十分あり得そうだな」

一連の会話が区切られると、美波が下から「新さん、最後の高まりだね・・」ボソリという感じで漏らした。上の中条は「うんうん、左様(さよ)か。そんなら、貴女を高みへお連れしようぞ」 「ふふ、期待してます。宜しくね・・」美波の返事を受け、中条はもう一度、正常位の抱擁姿勢を改めた。核心の竿は、勿論秘溝に繋いだままだ。

「あふぅっ!さぁ、動いて!」 喘ぎながらの美波の求めに、中条は頷いて応じる。ゆっくりとしたスロー・ピストンで動きを再開。「又、焦らしてる!」 一瞬、美波の視線が鋭くなるのを中条は感じるも「悪いですな。これだけは譲れねぇんだ」 決して、昇り詰める寸前まで腰の動きを荒げたりせず、ゆっくりゆったりと動かすのが中条のやり方であった。「意地悪!」初美と交わる時もそうだったが、絶頂のの直下まで焦らずじっくりと攻め立てて行くのだ。昇る前に発射してしまうのは、本意ではなかった。

島に上がってからもう二時間余り。最後の高まりに入ってから、二度三度イキそうになりながらも何とか持ち応えてきた中条だったが、遂に昇りの時が来た。もう一度蟹挟みが解かれ、美波の両脚を抱えた曲がりの大きい、ハードな正常位だ。「あっ、うぅぅっ、み・・美波さん。昇るぅ~っ!」 「あはぁっ!新さん、あたしもぅ~っ!」ほぼ二人同時に 絶頂に押し上げられた様だった。「ああっ、あたしたちも昇るぅ~っ!」 隣で高め合っていた初美と豊も、美波に中条と前後して、頂に立つ事に。

「あぁ、名月を観ながらの行為。最高の夜・・」再び顔を見せた満月に目を遣りながら、美波が呟く。中条も「そう、良かったね。貴女や初ちゃん、豊君も日頃の行いが良いからさ。肝心な事に及ぶ時に、天気に恵まれたんだろう。どうだ、そっちの二人も好い感じでイッた・・かな?」 それとなく訊くと「伯父さん、有難うございます。お陰でこっちも好い感じです」豊の朗らかな返事があり、彼の下の初美も 微笑んで頷く。「あぁ、そりゃ良かった・・」中条は、思わず呟いた。まだ正常位での抱擁が続く。下方の核心部分も、一体のままだ。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の壁紙 JR熊野市駅構内夜景(思い出画像) 三重県熊野市 2015=H27,11 撮影 筆者
今回の「音」リンク 「アヘッド・オブ・ウィンド(A Head of Wind)」 by松岡直也(下記タイトル)
A Head of Wind

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