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情事の時刻表 第53話「秘話」

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深まりゆく 秋の夜の寝室で、由香と由紀、木下姉妹の会話が続く。隣接する姉・由香の部屋に妹・由紀が来て セミ・ダブルベッド上に パジャマ姿で並び臥す恰好だ。尤も 飲み物を嗜む時は上体だけ起こすが。姉は春の新潟方面への行程の折、中条の交際相手 伊野初美から教えられたリキュール「グラン・マルニエ」を、寝付けない時などにオン・ザ・ロックであおっており、この夜も嗜んでいた。まだ酒気の許されない由紀は、天然レモン・ジュースのペリエ割りだ。少しだけ加糖してある。

「ほな、乾杯!・・で、さっきのは何や?」姉が訊けば、妹は「はい、乾杯!それでな・・」そう続けると、急に声を落とした。「あたしさ、どうしても忘れられへん事があってな・・」 由香「うんうん、忘れられへん事な。何や、男の事か?」 「いやぁ残念!ちょと違う。それはほれ、(阿久比=あぐい) 周(あまね)さんや豊野 豊君の恩師やった 伊野初美先生の下半身に関する事やな」

由香「ほぅ、初美先生の・・下半身とは嫌らしいな。アンタ、先生のどこに憧れとんのや?脚か?腰の括れか?太腿か?それとも何や?お尻のカーヴか?まぁどれとっても 先生は魅力ありやな。正直あたし、嫉妬するでぇ・・」 由紀「惜しいなぁお姉ちゃん、一番最後のがほんのちょこっとで外したな。つまりその、お尻の核心・・やな」 「ふむ、核心・・か。それって オメコの事かい?」

由紀は続けた「あぁ、凄く惜しい!下草の上に咲くオメコも素晴らしいけど、ありゃ中条の伯父様のモンだしな」 「すると・・!」語り合う 姉の表情が少しこわ張る風なのが、妹にも分かった。そして、彼女は言った。「つまり、オメコと縦並びに咲いとる、もう一つのお花の事でんがな」

「あのなぁ、それって・・」由香は返すも、途中で言葉を失った様だった。そして「もう何や?今のアンタ 頭ん中って、ただの『嫌らしい!』通り越して 最早『HENTAI!』レベルやんか。一体何?先生の『菊のお花』に何するっちゅうんや?」 「まぁまぁお姉ちゃん、あたしを信じて ちっとぁ冷静になっとくれやす。いや何、先生に暴力振るおうってんやないんやで。ただあたしゃ、あの『菊のお花』に憧れとるから、ちょこっとだけ悪さをしたいって事でさ・・」

ほんの一時、沈黙が漂った。「こいつ、何考えとんねん?」唖然とした表情で、由香も暫し 由紀の顔を見据えたのは無理もない。彼女自身も一度は目にした事だが、由香は過日 下半身を露わにした初美の菊花(肛門)に、妹が細筆で攻勢を仕掛けた記憶があったのだ。「・・で由紀」 「はい・・」 「又それ やる気なんか?」

「はい。まぁ『そうしたい』て願望はあるな」一呼吸おいた由紀は、そう返した。そして「あれな、周さんの彼女の花井 宙(はない・そら)ちゃん知ってはるやろ?彼女(あのコ)が嵌っててさぁ、一、二度位、先生と伯父様、宙ちゃんと周さんの四人で交換(スワップ)した事があるらしいんやと。その折にな、先生と周さんが正常位で高め合うとる時に、宙ちゃんが AVでいう『ハメ撮り』の位置から 先生の『菊のお花』に筆の穂先でじっくりと『おいじり』を仕掛けたって話でさ。そないな濃い事しとんなら、あたしも一丁してみたいなってな気分になったっちゅう事で・・」

確かに異常レベルな妹の話を 呆れ顔で聞いていた由香は、それが区切られると「あぁ、まあアンタの気持ちは一応分かったわ。あたしゃよう実行せぇへんけどな。けどそれって、先生にゃ苦痛なんと違うか?不愉快に思われとるんなら、考えたらあかんわな」 聞いた由紀は「あぁ、いやいや・・それがさぁ、ちと微妙なとこなんやな。確かに表は嫌そうな顔もしはるけど、実は先生 満更でもなさそうやで」

由香「満更でもない・・か。マジで?」 由紀「うん、まぁね。宙ちゃんはほれ、しつこいレベルまでのめり込むとこあるから 先生も閉口しはるんやろけど、あたしはそこまで攻めへんから まぁ大丈夫や。それにさ・・」 「何や?」 「上手くした場合の話やけどさ・・」 「いいよ。聞いてるから早く言っちゃえよ」 

由紀「つまりさ、先生の秘溝(オメコ)にゃ 伯父様のお竿(チンポ)が連結されるから、あたしたちゃ攻められへん訳よ。でも・・」 由香「でも、何や?」 「そやからさ、その時はお二人に 正常位で交わって頂きたいって事やな。さっきも言うた『ハメ撮り』位置からが、一番『菊のお花』が美しく見えるって訳で。あたしはそこを攻めたいって訳でさ・・」

いよいよ呆れた風情の由香は「大体分かった。しかしまぁ、アンタって娘(コ)はよくよく『HENTAI』的な事を考えとるな。どうしてもいうなら、せいぜい慎重にするんやな。下手すりゃ一生 先生から嫌われ続けるでぇ!」 由紀「あぁ分かる。お姉ちゃん、そのリスクは分かっとるよ。それでもなぁ、尚も先生のアソコを攻めてみたいってな想いが 今あたしん中で募っとるって事ですわぁ!」

由香「もう!あたしゃつき合い切れへんから、そこはアンタが用心してやってや。要はあたしゃ、マルちゃんの息子の子犬を迎えに行けりゃ それで良いんやからさ!」 由紀「そりゃお姉ちゃん、ワンコの事が一番大事なのは分っとる。初美先生に嫌われちゃ拙いのも分かっとる。でも・・」 「でも、何や?」 「先生と伯父様の性交(セックス)、も一度見てみたい思わへんか?」

「ふん!」 バカバカしい!とでも言いたげに、聞いた由香は鼻を鳴らした。そして「ちっとだけ頭冷やしてみたんやけど、確かに先生方の行為を見学するのも面白(おもろ)そうやな。アンタの言う『ハメ撮り』んとこから 先生のお尻の肌にそっとタッチとかいうのもスリリングやし。あっ、せや!」 「お姉ちゃん、何やあったか?」

急に何かを思い出した様なそぶりを見せる由香であった。そして「丁度ええわ。来月の半ば頃な、あたし その方が『危険な時季』なんや」 由紀「ほぅ、さよか。・・ていうと、あたしも前後してヤバイ時季・・かな?」 「・・それでや由紀、よう聞け!」 「はい・・」 「先生と伯父様の『アノ事』が見たいって事はや・・」 「聞いとるよ。続けて‥」 

由香「よしゃ。伯父様の性欲は、皆~んな先生がヌイてくれはるいう事やんか」 由紀「ハハ、まぁそないな事やな。そやから『アノ事』見るだけなら、お姉ちゃんも同意やろ?」 「ふむ、まぁ同意や。先生がそないなら、あたしたちも伯父様から激しく求められる可能性も低そうやしな」 「せやせや、あたしもその線狙っとるって事でさ・・」

「・・たく、仕様もねぇ奴っちゃな!」舌打ちをしながらも、由香は妹の考えに大筋で同意した。「さてさて・・」ニヤリとして 由紀は言った。「幾らお姉ちゃんやいうても Hネタばっかではあかんから、ちっとはワンコの話でもさせてもらおか?」 「やっとその話か?」返す由香は、又も呆れ顔だ。

由紀は続けた。「まぁ近づいたら 伯父様と打ち合わせる事になるやろけど、今んとこは 12/16の土曜と 17の日曜の二日になりそうや。多分土曜の午前中に伯父様んとこ伺って、お昼食べてから マルちゃんのご主人とこで、彼の赤ちゃんと初対面の運びやろな。帰りは、その赤ちゃんと一緒って事でさ」 「うんうん、いよいよ顔合わせが近づくな。楽しみやわぁ!」

まだまだ、当日の宿の事や中条宅と「マル」の居る主家「松乃屋」への交通手段をどうするか?新しい新名神高速道を車で往来するか、はた又利用し慣れた近畿参宮電鉄の直通特急列車での道中になるかは未定だったが、それは中条の意向も聞いて 直前までに決めれば良い事だった。「ほな、お休み!」 「お休みなさい!」日付が替わるラジオの時報を合図に 姉妹は会話を区切り 就寝。松乃屋の「マル」の子犬と面会、受領の為 N市へ向かう時が来るのは、それからほぼ一カ月後の事だった。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 水稀みり
今回の「音」リンク 「プライド・オブ・ライオンズ(Pride of Lions)」 by東京スカ・パラダイスオーケストラ(下記タイトル)
Pride of Lions

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