レディオ・アンカーの幻影 第38話「共謀」
- 2020/04/05
- 19:15
頃合いをみての 前嶋からの SNS着信を、隣室にいた理乃は勿論見逃さなかった。時に 11pm過ぎ。特に見たい TV番組もなかった彼女は、タプル幅のベッド傍に転がっていた 彼が読みかけの週刊誌の記事に目を走らせながら、折しも始まった「ラジオ深夜館」に耳を傾け始めていたのだ。
「いよいよ・・か」居間で睦んでいるだろう 由香利の前嶋の様子を察した理乃は、寝転んでいたベッドから起き上がると、仕切りドアを僅かに開けて、照明を落とした薄暗い部屋の様子を窺った。かなり前戯が進んでいる様で、下着の様な由香利の濃色の着衣は上体がはだけられて、遠目にも胸の双丘がはっきりと認められた。同じくバス・ローブの着付けをを乱しながら、これも露わな太腿の辺りに手指を走らせる前嶋の様子も分かった。
「ふふ・・」絡む二人の様子を一瞥しながら、理乃は呟いた。「もう随分、理性が飛んでいるかも。でも、もう少しすれば恍惚レベルでしょう。あたしが加わるのは、それからでも良いわね。うん、もう少し熱くなるのを見守っても良い・・か」 この間にも 由香利と前嶋は、それぞれ背後に腕を回したり 舌技をも交えた濃い接吻(キス)やら互いの下方をそれぞれの手指で探り回る仕草に勤しんでいる。女の口からは 断続的に喘ぎが聴かれ、男の吐息も次第に荒くなって行く風情であった。
「あぁ、好いわ・・」喘ぎながら、前より念入りな愛撫を施された由香利が呟いた。「のぞみさん、ホントに触り方が上手くなったわね。このまま朝まで続けてくれても良い位・・」 前嶋「有難うございます。褒めて下さりゃ 俺、真に受ける質ですからマジでやるかもね」 「うんうん、それも良いけど、やっぱり男は もっと深い事したいでしょ?」 「あぁ、アハハ・・それ、本音ではありますね」 「ふふ、分かるわ。そろそろ、次へ行く?」
際どい問いに、前嶋はたじろぎ 一呼吸置いた。それから「宜しくお願いします」と返した。睦みを続けるソファの背後には、気づかれぬ様そっと入り込んだ理乃が、息を殺して成り行きを見守っている。「じゃあ・・」と由香利は続けた。「のぞみさんのパンツ、下ろそうかな・・」そう続けながら濃色のボクサー型パンツをゆっくりと下した。
「ふふ、今夜も素敵に元気ね・・」 照明を落とした眼前に晒された、前嶋の一物を愛でながら 由香利が呟いた。「特に大きくはないけど、浅黒くて好い形だわ。堅さも中庸で好い感じ。ふふ・・これが私の下に繋がるなんて、ちょっと期待ね」と悪戯っぽく笑う。聞いた前嶋は「それも感謝です。俺も期待ですね。所で・・」 由香利「はい・・」 「ちょっと味見して頂けると、もっと有難いな、な~んて!」 「あら嫌だ。それ、私の希望よ。勿論外すもんですか」礼儀を知る竿の胴から亀頭、そしてその下の陰嚢へと手指を走らせながら、又 程好く濃い陰毛を指先でまさぐりながら、由香利は言葉を区切った。
「あっ、はぁっ、うぅぅ・・・」竿を屹立させて座る前嶋の上に伏す様に、由香利が竿を咥え込んだ。一旦胴の中程まで吸い込み、少し戻すも亀頭だけは口内で捉え続ける。続いて「んっ、んっ、んっ・・」の小刻みな呻きを伴って、又吸い込み、戻すの口唇愛撫を繰り返す。「あぁ、素敵なフェラチオだ・・」仕掛けられた前嶋、思わず呟いた。「若いコには、絶対できない技(テク)だよな。おおっと・・油断してるとイっちまう!」高波の様に見舞う、射精の衝動を辛うじて凌ぐ彼だった。
この間、理乃は引き続いてソファの背後から 行為の成り行きを見守る・・というより観察している。「好い思いをして・・この幸せ者が!」これが素直な所だったが、由香利が前嶋の竿や陰嚢を咥えたり舐め回したりしている間は動けない。「ま、楽しませてもらうが良いけど、射精だけはダメよ」と釘の一つも刺してやりたかったのも事実だ。
濃厚なフェラチオが 10分ちょっと位続いただろうか、前嶋が呟いた。「由香利さん、極上の愛に感謝です。今度は少し、俺がお返ししますよ」 「ハハ、有難う。今度は貴方が、私のアソコにお礼をしてくれる訳ね?」 「そうです。是非ともお返ししたいですね」 「分かったわ。このソファでしてくれるの?」 「そうですね。もし貴女のお気に召さなければ、ベッドにお連れしましょうか?」 聞いた由香利は「あ、いやいや・・ソファの方が面白そうだわ。だからここにしましょう」それを聞くと、前嶋はコックリ頷いた。
由香利は続けた。「所でのぞみさん・・」 前嶋「はい・・」 「上と下、どっちが良いの?」 「そりゃもう お返しですから、俺が下になりましょう」 「OK。じゃあ横になって・・」 「分かりました。お願いします・・」そう返すと、前嶋はソファに仰向けに臥したが、その瞬間 背後の理乃に気づいた。「今からやるぞ・・」そういう意味を込め、前嶋は由香利に気づかれぬ様、理乃に向かい 頷きのサインを送った。薄暗く 良くは分からなかったが、理乃も頷き返した様だった。
前嶋は落ち着いていた。彼のソファはベッド兼用にできるタイプでやや長く、身長 170cmを僅かに切る身には、何とか身体を伸ばして臥せるサイズだ。勿論背もたれも倒せる。それをしなくても、前戯なら何とかこなせそうだ。彼は、理乃の見ている側に頭を向け、上に重なる由香利が、理乃に下方を向ける様仕向けたのだった。「うんうん・・のぞみさん、それで良いわ。これで、由香利さんのアソコが丸見えだもんね」そう呟き、微笑する彼女だった。
「二つ巴」の要領で、身体の上方と下方を互い違いにする形で 由香利が前嶋に重なって行く。一旦はだけられた下着の様なアッパーは元に戻され、フレア、ミニの下方から優れたカーヴを描く臀丘が現れる。が、決してアンダーを捲り上げず、自然に見える形で覗き込むのが前嶋の好みだ。コスと同じ濃色の「T」の様な極小のショーツは、まだ股間に食い込む様に残っている。
「あぁ、極上の眺め・・」深呼吸を伴い、前嶋はそう呟いた。既に由香利は、再び竿に食らいついている。「んっ、んっ、んっ・・」再び始まった 小刻みな呻きに耳を傾けながら、彼は頭の両脇に曲げられ控える美脚の先から 手指の愛撫を開始した。ニーハイを纏ったふくらはぎから太腿を経て、白く優れた臀丘を、周囲から股間へ向かい、摩り上げて行く。「んっ、ふっ、い・・好いわぁ!」一旦、口から竿を解放した由香利の 喘ぎ交じりの呟きが聴こえた。
二つ巴の態勢での高まりが、又も 10分間余り。頻度を増す由香利の喘ぎを確かめながら、下に臥す前嶋は背後の理乃に顔を転じ「そろそろだよ」と合図。頷いた理乃は、彼の上で高まる由香利の背後に、そっと寄り添った。その手には、抜かりなく細筆が一本握られていた。「用意が良いね。まぁ、出番はもう少し後だけど・・」前嶋、ヒソヒソと声をかける。由香利は、まだ気づいていない様だ。
理乃「了解よ。これから彼女のショーツ、脱がすんでしょ?」 前嶋「そうそう。そこからが勝負ですよ」そう言葉を返すと、由香利の臀丘に回していた右手で「ポン、ポン」と軽く叩いて合図をした。「由香利さん・・」 「はい、何?」 「後ろは振り向かんで下さい。今からちょっとだけ、腰を浮かせて下さいませんか?」 「腰ねぇ、何の事かしら?」
その様な返事を経て「アッ、分かった!」流石は鋭い勘の由香利、前嶋の言葉の意味を直ぐに悟った。「ふむ、さてはショーツを脱がす気ね。いよいよ謹んでお返しって事かしら?でもまぁ良いでしょう・・」そう呟くと、脱がせ易い様、着いていたいた両膝を浮かせ、前嶋の眼前で中腰の姿勢を取る。依然、臀丘は彼の視界を独占していた。「有難うございます!さ、やろう!」今や傍らに現れた理乃の応援を得て、それぞれが右と左のストラップに手指を絡ませ、ゆっくりと下して行った。
「ふふ、素敵ね・・」理乃、思わず低く呟く。そして「綺麗なお尻・・」 仰向けで耳を傾ける前嶋も、いちいち頷いて反応した。「じゃあ、お返しを・・」呟き返した前嶋、眼前に現れた 程好い濃さの下草の上に咲く落ち着いた朱に染まる秘溝に 唇を合わせる。お返しの口唇愛撫(クン二リングス)を開始した。「あっ、はぁっ!こ・・この前よりずっと好いわぁ!」高められ、思わず反応する由香利。
前嶋は様子を見て、舌を合わせ目に挿し入れたりして、努めて複雑に仕掛ける。両の手指は臀丘を捉え、心地良い摩りを続ける。「高まって来たわね。どうせ分かりゃしないわ」と言わぬばかりに途中から理乃の手指も加わり、尻への摩りが 前嶋の手指との協調「コラボ」と化して行く。数分間を置いて、理乃の右手が細筆を取り上げ、まずは臀丘の周囲から「シュッ、シュッ!」という感じで肌を捉えて走る。それはやがて徐々に、秘溝の上の菊花(肛門)に狙いをつけ始めた。「のぞみさん、筆を使い出したの?それとも、誰かもう一人いるの?」高まっていた由香利も、どうやら異変に気がついた様だ。
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 神咲詩織
日野皓正さんの今回楽曲「ラウンド・アバウト・ミッドナイト(Round About Midnight)下記タイトルです。
Round About Midnight