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この雨は こんな風に聴こえる 第55話「変意」

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「あ、ヤバい・・」 あられもない M字型に両の脚を開いた麗海(れいみ)の股間に顔を埋めかけていた黒木は、その行為を中断せざるを得なくなった。先にシャワーを使っていた 宥海(ゆうみ)と存(たつる)が それぞれ白いバス・ローブにくるまって、居間へと戻ってきたのだ。いずれも着衣を直して出迎えたのは 言うまでもない。

「お先ね。気持ち良かったわ」笑顔の宥海に、黒木も心が和んだ様で「いやいや、良かったね」と返す。洗い髪が、少し時間を要した事を窺わせた。「宥海さん、ちょっとよろしいか?」そう呟いて 黒木が宥海に 己の隣に着座を促す。「ふふ、分かるわ。嫌らしいわね・・」少し嫌そうに返しながらも、宥海は黒木の意図が分っているらしかった。洗い髪の香りを愛でたいのである。

「兄者、やっぱり思った通りだな・・」その様を、弟の存がニヤニヤと笑みを浮かべながら見守る。「悪いな、存(タツ)・・」これも微笑み・・というよりは薄笑いで返しながら、黒木は宥海の黒髪を掻き上げ、今少し香りを愛でようと図る。が、この策は長く続かなかった。さぁもう少し・・という所で、浴室から声がかかったのである。

「ねぇ、恆(ひさし)お兄さん!」廊下や隣室にまで届きそうな大声を、先に入った麗海が発した。「あ・・あぁご免。す・・直ぐ行くからね・・」 「早くお出でよ!」 「分かった。今行くよ!」 名残惜しさをありありと残しながら、黒木はソファを立った。「宥海さん、途中になった。ご免・・」 「あたしは良いわよ。それより、麗海を黙らせてくれないかな。うるさいから・・貴方も同じでしょ?」 「あぁ、まあね・・」 黒木が浴室へ向かうと、すかさずその後に 存が座った。

脱衣し 浴室に入ると、既に全裸の麗海の姿。「ふふ・・」まずは一緒にシャワーを使いながら「お兄さんは、ホントは姉とこういう事したかったんだ。彼女 シャワーは勿論だけど、ベッドでも全裸で あの事がしたい口だからさ・・」 黒木「あぁ分かる。宥海さん、どっちかというと その方が好きみたいだからね」 途切れがちに会話を進めながらも、合間に隙を見ては 勃起しかかった竿(男根)に手を伸ばそうとする麗海であった。

「ねぇねぇ、お兄さん・・」 黒木「はい、何?」 「もう今からさ、お竿の礼儀を正しくしようよ。そうしないと、あたしの『女』と面会するの、お断りかもよ」 「あ、いや・・そりゃ困る。少しだけ待って・・」依然続くシャワーの合間にそう言って呼吸を整え少しおくと、黒木の竿は 見事に怒張して立派なそれになった。

「うん、よしよし・・」確かめた麗海、一回りは立派になった黒木の竿を、惚れ惚れと、或いはしげしげと眺め入った。「あ、あの・・」 下方を見入られた黒木、やっとの思いで「ここは、観察だけにしてくれないかな・・?」と、弱めに呟いた。「ふふ、見られるだけで良いの?」微笑みながら、竿の幹を摩り上げる麗海の表情には、これまでにない余裕が感じられた。

麗海は続けた。「どうかしら。見られるだけで興奮ってとこ?何なら一度位発射したって良いのよ。その時はね・・」 黒木「はい、何?」 「その時は折角だからさ。あたしの顔をめがけてお願い。何かね・・」 「はい・・」 「貴方の男精(ザーメン)浴びると、あたし、何かもっと綺麗になれる様な気がするの・・」 「やれやれ、そういう事か・・」

「そんな妄想は卒業しろよ!」そう叫びそうになるのを、黒木は辛うじて止めた。そして「その願い、二人だけだったら叶えたげたいんだが・・」 聞いた麗海「ハハ・・。つまり、存さんと姉がいるからダメだって言いたいんでしょ?」 「あ、あぁ・・まぁね」曖昧に返す黒木の身体に、少し熱めにしたシャワーを見舞いながら、麗海は「それ、平気よ・・」二っと笑って、 今度は竿に湯水を見舞った。「さぁ、温めたげるわよ。礼儀正しく・・ね!」

かくして、浴室で立ったまま 黒木はこの日最初の昂りを迎えた。十分に洗い流された男の身体は、清潔この上ない。勿論竿も!麗海、全裸のまま黒木にグッと身を寄せると 下方に手を伸ばし、黒木の亀頭を手でこねる様な動作を見せた。暫く続けた後、ゆっくりとしゃがみ込み 礼儀を守る竿の高さに口唇を合わせる。「やっぱり、やる気か・・」黒木が覚悟した通りの展開になった。

麗海「分かるわね、これからは・・?」 黒木「分るよ。しゃぶるんでしょ?」 「そうそう・・」そう呟くのと、麗海の口舌が亀頭を捉えるのがほぼ同時。「ふふ、覚悟なさい。食らい付いたら離れないあたしなの・・」 恐らくは、初めて浴室で見舞われる口唇愛撫(フェラチオ)の序盤で、麗海がそう呟いた様に感じられた。

浴室での口唇愛撫は、執拗を極めた。「絶対に、絶対にイかせる。それまで、ここから出さないから・・」 「ジュパッ、ジュルルル・・!」明らかに耳に届く愛撫音を伴い 激しく仕掛ける麗海の所作からは、そんな執念の様なものが感じられた。何度も、何度も押し上げられる感情を、黒木は辛うじて凌ぐ。そんな繰り返しが 10分間程続いた。

「あっ、ああっ・・だ、ダメッ!の・・昇りたくな~い!」の叫びも空しく、結局黒木は押し上げられた。ほぼ一週間に亘り閉じ込められていた性欲の堰が一気に開かれ、ダム湖の水の様に貯められていた男精が発射され、宙を舞った。見た麗海、すかさず顔面を上に向け、落ち始めた男精の多くを受け止めた。

「参ったな。ついて行けんわ・・」 一気に欲求を抜き出され 方針気味の黒木と対照的に、オパール・ホワイトの男精を顔に纏い、満面の笑みの麗海が、シャワー・ヘッドを渡してくる。「これでね、あたしの顔を流してくれる?」 「あぁ、それなら良しだ。やったげるよ」

不覚にも この夜も一度はヌかれてしまったが、顔に男精を纏った所謂「顔面シャワー」を清めてやる行為は、黒木も悪い気はしなかった。左手を添え 洗い流してやると「うん、何か前より綺麗な感じもするな」と、彼の気分も少し晴れやかになった様な。そして・・

黒木「俺、先に上がった方が良い・・かな?」 麗海「うん、それも良いよ。お兄さんがそうなら、あたし 髪洗って行くからさ。洗い髪の香り愛でるの、好きだもんね?」 「あぁ、それ、認めますよ・・」黒木がそう帰すと、麗海は一度 クスリと笑った。そして「OK。それはこの後の楽しみね」 「そうしましょう。ゆっくりしてきて良いよ」思いやりで言ったつもりだったが、振り返ると麗海は手を横に振り 「それはないよ」のサインを送って来た。

先に入った宥海と存同様、白いバス・ローブを羽織って居間に戻ると、宥海と存は 長手ソファの上で並び、既に高め合い始めていた。「あ、うん。存君、上手だね。この後、期待が持てそうだわ・・」 「俺もですよ。宥海お姉さんとは初めての夜だから、色々と教えて下さい・・」 「どうかな?あたし、良い先生になれるかしら?」 「余り意識しなくて良いですよ。俺からもね、こうしたら良いみたいなヒントを色々出して差し上げますから、気楽に行って下さい」 「分かった。宜しく・・」 「こちらこそ・・」

そんな会話の間にも、ホスト勤務などで場慣れした感じの存の手は、宥海の締まった襟元を狙い始めていた。巧妙にそれを開き、中に控える「胸の双丘」を確実に目指す。襟の開きは次第に大きくなり、程なくブラも下げられて 大きくはなくも形の好い双丘が露わに。「ふふ、存君、手際が良いわね」 「有難うございます。何やら、以前の勘が戻ってきた様です」 「良い事だわ。この後が楽しみ・・」存の右手は、宥海の背後から 左右の乳房に交互に摩りを入れ始めた。

「存(タツ)、聴こえるか?」宥海への愛撫を続ける弟に、兄が呟きかける。「聴こえるよ・・」弟が頷き返してくるのを確かめ、黒木「俺、反対側から仕掛けるわ・・」 「OK、宜しく・・」真ん中に宥海を鋏み、右側から黒木、左側から存がじっくりと 宥海に愛撫を施して行く。「もしかすると・・」一方の乳房に手を伸ばし、ゆっくりと摩りながら黒木は思った。「今夜こそは、上手くすると 宥海さんと濃い繋がりが持てるかも。まぁ成り行き次第だが、試す事だな・・」 薄暗い灯火の下、トロリとした風情の、美しい表情を愛でながら 黒木は淡い期待を抱いた。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 鈴村あいり
今回の「音」リンク 「レッド・レイン (Red Rain)」 by Peter Gabriel (下記タイトルです)
Red Rain

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