この雨は こんな風に聴こえる 第58話「執心」
- 2021/02/22
- 10:36
「おおっ・・!」 隣室に届かぬ様、押し殺した様に 黒木が声を上げた。着替え前とほぼ同じ M字型に開かれた 麗海(めいみ)の股間に再び進み、ショーツ越しに口唇愛撫(クン二リングス)を図る仕草も又同じだ。ただ、着けるショーツが白から黒へと変わった事を除けば。
「ねぇねぇ、恆(ひさし)お兄さん・・」気持ち良さそうに表情を緩める麗海には、明らかにこれまでより余裕が感じられ。そして「ホント、こういうの好きなんだね。何なら朝までやってみたい?」 「ハハ・・」問われた黒木は、流石に苦笑を禁じ得なかった。「そりゃまぁ、大好きですよ。嘘はつけないよね。こうして眺めてるとさ・・」 「はい、何?」 「焦って繋がるのだけが、男女の事だと思っちゃいかんのが何となく分ってね」
麗海「そうかぁ。ホントは優しいんだ・・」 黒木「と言うか・・つまり正確にゃ『優しくやらしく』になっちゃうけどね」 そう返し、苦笑。
麗海「良いじゃないの。それ、本音でしょ。所で・・」 黒木「はい・・」 「あたしが今着けてるショーツって、今日一度着けたと思う?」 黒木は股間に鼻を寄せると、こう応じた。「う~ん、微妙だなぁ。貴女の芳香が乗ってる様な、はた又洗剤の香りが残ってる様な・・」
麗海「実はね・・」 黒木「はい、聞くよ」 「今朝まで着けてたの。夕べ ネグリジェの下に着けて寝て、朝のトイレで『白』に交換(スイッチ)したって訳。だから一度着けてまぁ~す!」 「いやぁ、有難と。ホント、良い流れだなぁ・・」そう返しながら、黒木はまず「T」越しに暫し口舌を走らせて行った。「ん・・、ふぅん・・」これに麗海は、同じく抑えた喘ぎで応える。やはり隣室で事に及ぶだろう、姉の宥海(ゆうみ)と黒木の弟・存(たつる)の耳は気にしている様だ。
その宥海と存。竿に仕掛けられ昂奮の度を増した存が 宥海と態勢を入れ替え、仰向けに臥して これも大きく脚を曲げ開いた宥海の股間へと進み、秘溝を口唇で高め始めた。こちらは麗海と異なり、初め頃から下方は露わだ。「さぁ、宥海お姉さん・・」 下心感じられる笑顔で、存が口を開いた。そして「いよいよ頂(いただき)へお連れしますよ~っ!」
「あ、ふふっ。楽しみ・・あっ、ふうっ、い・・好いっ!」 ソフトで絶妙な感じで、存の口唇が宥海の秘溝に重なって行く。「宥海お姉さんのアソコ、十分潤ってますね。下草までお汁(つゆ)が回ってて、好い感じ。それに秘芯が落ち着いた炎って感じで 素敵です・・」 「あは、流石(さすが)ね。女の褒め言葉が上手いわ。確か、元そっち系だったんだよね?」 「ええ、ちょっとね・・」
孫は(妹・麗海のそれよりは)落ち着いた趣(おもむき)の 朱の秘溝にゆっくりと口舌を走らせた。既にある程度の秘液が合わせ目から染み出し、周りの中庸な下草まで潤わせ始めている。合わせ目に上手く舌先を差し入れ、掻き回す様に動くと 宥海は「あ・・あはぁっ!うっ、うっ・・」と、時折高めの喘ぎで反応を見せた。
「あ、拙い。隣に、恆さんと麗海が居るんだった・・」 僅かでも我に返れるだけ、宥海にも余裕があるかも知れなかった。下方は更に、存の巧妙で執拗な攻勢に晒されていた。彼の口舌による攻めは 秘溝の周りに留まらず、白い豊かな臀丘や、線形の好い太腿、そして下肢にまで及んでいた。「あぁ、こ・・これも好い。存君、そろそろ繋がっても良いわよ・・」 言葉にならない喘ぎで、宥海は「次の許し」をぼんやりと考え始めていた。
少し前まで ホストの活動を通じてその辺りの加減を少しは知る存が、そんな宥海の様子を見逃すはずはなく「宥海お姉さん、そろそろ『次』ですか?」と そっと声をかけて行く。それこそわざと 妖しい揺れを見せる長い黒髪越しに、女の耳にわざと「フッ!」と息を吹きかける様に。
もうそうなると、宥海の反応も昂り始めていた。本命であるはずの 黒木の弟だと分かっていても、元ホストの巧みな愛撫とリードに「一度位、全てを任せても良い・・か」位の気持ちにはなり始めていた。「存君。次って『あの事』かしら?」さり気なく しれっと訊いてみたつもりだった。
「えぇ、まぁね・・」その様子をつぶさに観察していた存は、わざと恥じらった様に返した。ここは余り大きく 露骨な出方をしない方が・・との 経験から来る勘の様なものが、彼にそうさせたのかも知れない。勿論 結局はその方向なのだが。「用意は良いの?」再び 宥海が訊いてきた。「まさか・・」との想いも生じ、ほんの少しだが戸惑ってもいたのだ。「まさか・・ここまで来て 引き返しはないよね?」
その呟きも、存は丁寧に拾っていた。「宥海お姉さん・・」彼は言い、微笑んだ。薄笑いかも知れなかったが。そして「そうです。ここまで来て、引き返しはありませんよ」 そう続け、手元に小さい樹脂の包みを示した。「これは良いのかな?」それは勿論、避妊具(コンドーム)であった。
宥海は嬉しかった。徐々に欲求を表にしながらも、女への配慮も忘れない 存の姿勢に好感していたのだ。しかし、その気持ちを初めから表したくないのも事実だった。彼女は 敢えてムッとした反応に出る事に。「ゴムでしょ。必要ないわよ!」 「マジですか?」聞いた存の口から、咄嗟(とっさ)に出た言葉だった。
「あぁ、有難や!生でできるぞ!」これがこの夜、存の偽らざる本音であった。兄・黒木と共に絡んだ妹・麗海の時もそうだったが、姉の宥海とも「生」で交われるのだ。「こう言うのを『二重の喜び』とか言うんだよな・・」 まだ乱れたバス・ローブを着せたまま臥した宥海の 両の美脚を抱え込み、ゆっくりと上に重なりながら、存はボンヤリとそう思ったりした。か、しかし・・
「本当の事を言って下さい。マジで OKなんですか?」 些か詰る様に訊いた存に、宥海は 噛んで言い含める様に返してきた。「大丈夫。し・ん・じ・て・・!」返事を区切る時には笑顔だった。「分かりました。では・・」 応じた存は、右手指で宥海に分る様に「では、繋ぎます・・」の意のサインを送った。明らかに頷いて返すのを確かめ、存はゆっくり腰を沈めにかかる。左手で一方の太腿を支え、右手は下方の秘溝を探って行く。それに導かれて亀頭がジリジリと進み、秘溝を捉える。「良いね・・」感触を確かめ、存は礼儀を正した竿を、宥海の秘溝にゆっくりと「接続」にかかる。亀頭、幹、の順で静かに滑り込み、最後に亀頭の先が子宮口に静かに「接吻(キス)」して連結完了だ。
「あっ、ふうっ、う、うっ・・!」組み敷かれて下方に繋がれた宥海は、思わず大きく喘ごうとして 思い留まった。隣室には妹・麗海と宥海の「本当の本命」黒木が居るはずだ。「ダメじゃん。聴こえちゃ拙いのよ!昂ろうとする己に、辛うじて言い聞かせる。何とか効いて、喘ぎは小さく収まった。麗海は気がついたかもだが、鈍い黒木は 多分大丈夫だろう。
「シーッ!静かに・・」 様子を察したか、宥海の上に重なって来た存が、右人差し指を立てて口に当て、静かにする様促す。そして「じゃあ、始めますよ」 明らかに黒木より一回りは大きい存の竿は、流石に宥海の秘溝に繋がれる時の抵抗が大き目だったが、一度繋がると不思議にそれが緩み、心地よい愉悦の方が上回る感じがしたものだ。
「ふふ・・」宥海は下から微笑みかける。そして「動くんでしょ?」 「そうです。正にそれ・・ね」存はそう返し、ゆっくり慎重に腰の運動を開始した。それは正に 繋がれ進入してきた竿が、宥海の肉壁に、粘膜に巧みに絡みついて一体化せんとする意思でも持っているかの様に動き続けた。「あっ、あっ、ふっ、ふうっ・・。こ、この動き、ホントに存君の意思かしら。もしかして、この大きなお竿が単独で あたしの中で動き回っている様な気もしてね・・あっ、ううう・・!」
無意識の内に、抱え込まれていた両の脚が 存の両腕からすり抜ける。「よしっ、あたしも締めたげる・・!」少し自由を得た両の美脚が、存の腰を探り当てた。「よしっ、捕まえた!」存の腰は、宥海の両脚に捉えられ、ガッシリと締められ始めた。そして「何をしてるの?貴方は腰を動かせばいいのよ!」そう呟き、強い蟹挟みを仕掛ける。「あっ、ああっ・・ダメ。ダメです。余り締められると、お・・俺は、ま・・又 発射してしまいますぅ~・・!」姉の宥海を制圧したつもりでいた存は、又少し 不安に見舞われ始めた様だ。
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 朝比奈ななせ
今回の「音」リンク 「クリスタル・サイレンス (Cristal Silence)」 by Chick Corea (故人、ご冥福をお祈り致します。下記タイトルです)
Cristal Silence