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轍(わだち)~それから 第16話「新歓」

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「もう、お尻ばっかりは嫌!少しは、こっちも構ってよ。この痴れ者!」 「は~い、ご免なせぇ。それじゃ・・」日付が変わる直前の、中条 新(なかじょう・しん)の居室ソファの上で、彼と、甥の元恩師 伊野初美(いの・はつみ)の睦み合いが続く。

黙っておれば、すぐ下方に延びがちな男の右手を女が掴み、胸の双丘へと誘(いざな)う。白いキャミソールの胸元を少しだけ下へずらしてブラを外し、姿を見せた、中庸で好い形の乳房へと、男の手を導く。彼は応じ、双丘の裾から、高みに聳える乳首へと、渦を巻く様にじっくりと愛撫して行く。漂う女の香料が、二人の気分を盛り上げて行く様だ。

初美「ああ、好いわ。新さん、やればできるじゃないの。これからは、まず胸を目指して欲しいわ」こう求めると「ご免ご免。これからは、そうせんとな・・」中条も、一応は同意す。ただ、実際の行為は、その時にならなければ分らないのも事実だ。

「初ちゃん」中条、声かけ。「はい、何かしら?」 「今、ふと思ったんだが、筆で貴女の胸を高めるってのはどう?」 「ふふ、又嫌らしい事を。でも、電マ器より好いわ。試してみる?」 「そうだね。よし、やろう」

中条は、机の引き出しから例の筆を取り出すと、ソファに戻り、並んで座る初美の、はだけた双丘の頂から、穂先で愛撫を始める。
「んん・・好い感じ。続けて・・」恍惚の表情を浮かべ、女は反応す。先程の、電マ器で仕掛けられていた苦痛のそれから、一転しての美しさだ。

「うんうん。これがこの女の、本当の魅力やね」男もそう感じ。手を休めず、乳首から双丘の裾まで、時計回り、又は逆時計回りでじっくりと高めて行く。「中々好いね、この悪戯(いたずら)感覚も。慣れると、癖になりそうだ」そう思いながら、行為を続ける。

「中々熱心じゃないの。所謂『食わず嫌い』よね」引き続いて、筆で双丘を撫で回されながら、初美はそう反応す。「残念ながら事実やね。これ、中々楽しめるよ」中条が応じれば「そう言っといて、初めから好きだったんじゃないの?」 「ハハ、自分が気づかなんだだけで、そうなんかも知れんな」男は、こう返した。

「さあ、新さん」女が言う。「あたしを、ベッドへ連れてって」 「かしこまってござる」男は再び、女が喜ぶ「お姫様抱っこ」の姿態(ポーズ)で寝室へ。「これ嬉しい。毎回してくれるかしら?」 「好いよ。何なら一生な」 「ふふ、できたらね」そんな会話を挟みながら。

まずは、希望通り仰向けに横たえられる初美。「さあ、上に来て」 「OK!」下肢を曲げ開いて招く女。促されるままに、その上に重なり、右手で上体を抱き、左手指を彼女の右手指と絡めながら、上から唇を合せ。舌技も使い、三十秒程かけての開始合図。中条、もう一度筆で、胸の双丘を、その頂から裾へ、一渡り撫でて行く。次いで隣に横たわり、女の腋から腹へと筆を走らせた後、今度は手指で上体を万遍なく愛撫。四十八手に言う「寄り添い」に近い姿態を取る。

「・・これも好い。ずっと、ずっと続くと好いわ」初美、こう感じ。「いやいや、いつまでもじゃ飽きるでしょ。そろそろ一度、入れ替わろうか」中条、促す。初美、応じて「好いでしょう。貴方、又あの事をして欲しいんでしょう」 「そうだね。されたかねぇけど、されたい・・かな」二人は笑った。

仰向けの男に女が跨って、前回と同じく、乳輪から腋、腹周りへと、指と唇、舌を巧みに使って高めて行く。腋の辺りは、特に敏感。「うう・・感じる・・でも、好い・・」男は、思わず身を捩らせて反応す。「ダメねぇ。もう少し頑張れる様にしなきゃ!」苦笑しながら、女が諭す。「ハハ、そうせんといかんのは分ってるけど、中々ねぇ」男も、苦笑で返す。

次に男は「初ちゃん。今度は、前後で入れ替わって欲しいよ」こう望む。「・・だろうと思いました。貴方得意の、お尻いじりでしょう。嫌らしいわね」こう言いながらも、女は、それが男の本音である事を知っていた。「仕様がないわねぇ。でも・・」と前後を入替え、男の顔に臀丘を向ける「二つ巴」の姿態に。二人の下方は、既に露出している。

まず、中条の「自身」が、初美の愛撫を受ける。「鈴口」と呼ばれる先端辺りに、女の舌と唇が纏いつき、亀頭部を咥え込んで行く。下草に囲われた陰嚢には、しなやかでなよやかな手指が取りつき、その裏側を、蠢く虫の様に高めて行く。

「ああ、何度見ても好い。絶景や・・」「女の真実」と向き合う男、感嘆す。魅惑の二ーハイを装う美脚、そして、ほんの少し捲れたフレア٠ミニスカの裾から覗く臀丘に囲われ、程良い下草、鮮やかな秘花、整った菊花(肛門)が、ほぼ下から上へと整列する。まずは、菊花に筆を当て、高める。綺麗に放射線を描く、その襞の一本ずつを愛で、慈しむ様に、穂先を当てて行く。左の手は、憧れの臀丘に添えられる。

「ああ、好い。好いけど、今度は、あたしの『核心』にもして欲しいわ」 「分った。でもさ、合わせ目にかかると、貴女の秘液で濡れちゃって、具合が悪いんだよなぁ」 「いや、そうじゃなくて、もっと大事な所があるでしょ」 「大事なね・・さあ、それはどこでしょう?」

「ちょっと、とぼけないでよ。知ってる癖に。さあ、仰い!どれかしら?」 「え~と、それはですね」たじろいだ中条、一呼吸の後「陰核(クリトリス)だと思います」こう答え。初美「ピンポ~ン!さあ、試してみて」そう言いながら、男の顔面に、グッと下方を寄せる。

「わ・・分った、只今ね」彼はそう言い、眼前スレスレに迫った陰核に、筆の穂先を当て、ゆっくりとその輪郭をなぞり始める。「あぁ~ん!ふぅぅ~ん!」中条の「自身」と陰嚢への愛撫の手を緩めぬ初美、一際大きい喘ぎで反応す。周囲まで漏れやしないか、心配になる程のレベルだ。
「そんなに好いのか。暫く、続けるかな」彼は、左手で臀丘を感じながら、引き続いて穂先で陰核を愛で続ける。寄せては返す波の様な女の喘ぎが、続いて来る。

「ああ・・ああ・・はぁぁ~ん!思った通り、とてもい・・好いわぁ~!」初美、まだ余韻に酔う。去年の夏、その時の教え子たちに開発されたのとは別の歓びが、今、中条と言う大人の男によって、導かれ、開かれようとしている気がした。「ハハ、導く・・か。俺はそんな、大それたつもりはねぇのやけど」思う一方「やっぱりさ。男と女じゃ、その時の感じ方って、違うのかもな」そんな想いも過る、彼だった。

「新さん」再び仰向けの初美が呼ぶ。「準備OKだわ。さあ、もっと深い所へ行くわよ」 「好いでしょう。それじゃ、上と下で、高め合うかな」 「そうしよう。さあ、来て」 「はい。只今ね」応じる中条、曲げ開かれる女の下方に腰を添え「進入」の態勢を整える。「ゴム(コンドーム)」の事は、もう訊かない事にしていた。「着けるか、着けないか。それは、あたしに決めさせて」の一言が、強く耳に残る。この夜、初美は、その事を語らなかった。

男は、静かに腰を沈めにかかる。彼「自身」が女の肉壁に迎え撃たれ、ヌメリと滑り込む様に進んで行く。そして・・その先端が、微かに何かに当たる様な感触を得る。締まる感じと共に「あぅぅ~、はぅぅ~ん!」喘ぎの一声。連結の合図だ。

彼は、女の上体をしっかりと抱き、その背後に彼女の腕が回り、沈められた腰には美脚がガッシリと組みつけられ、一体となって行く。「いつもながら、凄い脚力だわ」男は、改めて感じる。更なる深みへ向かう、準備が整った様だ。

「ああ・・うぅん、新さん!」 「初ちゃん、何かな?俺はここだよ」 「うん、さあ行こうね。二人だけで行ける、深い所よ」 「分る分る。今から動くから」 「お願いね・・」中条、これを受け、ゆっくり慎重に「スロー・ピストン」の要領で動き出す。「貴女は、もの足りんかもだが、初めはこれが一番だ。先を焦ると、長続きせんぞ」そう彼女と、彼自身に言い聞かせながら。
その事の歓びは、喘ぐ初美にも少し分り出していた。「新さん、分るわ。もの足りない位ゆっくりなのは、あたしを心から想ってくれての事って・・」

(つづく 本稿はフィクションであります)。

今回の人物壁紙 市川まさみ
松岡直也さんの今回楽曲「ミ・アモーレ(Mi Amore)下記タイトルです。
Mi Amore

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