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轍(わだち)~それから 第31話「復調」

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土曜の夜、ソファで寛ぐはずが、あの興奮に見舞われる中条であった。下着を降ろされ、露出された下方には、共に過ごす初美の手が伸ばされ、濃厚な手コキを経て、口唇愛撫(フェラチオ)。これで、彼の「自身」はこの日二度目の「起立」。礼儀を正した先端の鈴口からは、前ぶれ液が「正常に」分泌される事に。

「ふふ、新(しん)さん。とても好い感じよ。暫く続けて・・」並んで座る男から、お返しの、胸の双丘への愛撫を受けながら、女はそう呟く。中条が「確かになぁ。俺、今まで乳房(おっぱい)に余り構わなかったかもな・・」そう言い、筆使いを交えて続けると「ううん、分ればいいの。今夜から変われば・・ね」 「ああ、有難う」ゆるい揉みも加わって、中庸で形の好い、双丘の優れた感触が男を酔わせる。

「初ちゃん・・」暫く後、中条。「今夜は、このソファで始めよや。最初は、貴女が俺の上に跨って欲しい。そしたら、下から手を入れて、触りてぇんだけどな」と言えば、初美「まあ、あたしのミニの下に手を入れて、お尻触ろうっての?嫌らしいわね。でもそれ、少しだけ叶えてあげる」こう返して、男の膝上に乗る様に跨る。

「ねえ、後ろ向きがいいんでしょ?」意地悪く訊く。彼は「そう、よく気付いたな。その為に、前に鏡を立てたって事さね」ニヤニヤしながら返し。すると初美は「やっぱり貴方は、痴れ者!」笑顔で、鋭く一言。「悪いねぇ、これが一番興奮するもんでさ!」中条も、笑顔で鋭く返す。女はこれを受け、男に背を向け、膝に跨る。脚を開くと、Tバックを着けた股間が男の狙い通り、鏡に大写しとなる。

鏡越しに目を合わせる二人。「そう、これこれ。これを一度やってみたかったんだ」もう一度トランクスを戻し、膝上に初美を乗せた中条、ミニコスを着せたまま、周囲から臀丘の愛撫に入る。フレア・ミニのアンダー裾から手を滑り込ませ、臀丘の肌を「シュッシュッ」とさすって行く。優れた感触と「ああ・・好い・・」女の微かな喘ぎ。「うん、とても好いね。さあ、少しずつ核心へと進もう」男は、女の臀丘を撫でる手を休めず、次第に指先を、辛うじて秘裂を覆うショーツの縁へと進め。次いで中に指を滑り込ませ、湿度の上がり始めた秘裂に、時折の指入れを交えて、高めて行く。

「新さん・・」 「はい、何?」 「嫌らしい指遣いね。貴方、もしかして、香緒里みたいにピアノとか弾いてたんじゃなくって?」 「くふ、バレたか・・よく分ったな。そうやよ、俺、中学手前位まで弾いてたな。もう随分昔やけどね」 「やっぱり・・その出方は何となくそれかなと思ったの。もう復活は、ないかしら?」 

「復活・・か。う~ん、難しい。もう何十年も遠ざかっとるからね。でも、学院の香緒里先生辺りとバトル演奏ができたら、それも面白いな。・・あ、これ、あくまで『たら・・れば・・』やからね」 「ふふ、勿論『たら・・れば・・』で好いわよ。実現は無理でも、想像しただけでも楽しいじゃないの」 「そう、想像か。そりゃそれで好いよな。さあ、それじゃそろそろ、核心へ進むかな」中条はこう言うと、フレア・ミニの裾を少し持ち上げて下のショーツのストラップに手をかけ、ゆっくり慎重に脱がせて行く。

「やっぱり、大人の出方。去年の夏、彼たちに脱がされた時より、ずっとスムーズで好いわ」下半身を露わにされた初美、そう感じ。中条は、彼女を、脚を曲げて仰向けに臥さすと、その腰の下にクッションを噛ませ、下方に座り「女の真実」への口唇愛撫(クンニリングス)に入った。四十八手に見られる「立ち花菱」と呼ばれる姿態(ポーズ)。両の手で、再び臀丘を撫でさすりながら、下草に舌を走らせた後、その中の秘花に唇を合せ。合せ目に舌を出し入れするなどで、女を昂らせて行く。

「は・・ふぅん・・好いわ・・」喘いだ後「続けて・・」の一言。中条はこれを受け、舌と唇を強めて愛撫。「クチュクチュ」なる微かな音と、続いての喘ぎを聞きながらの行為が数分は続き、秘裂の湿度も十分に上がった風情。時折行為を止め、初美の秘裂を鏡に映すなど、興奮を高める工夫もしてみた。

「新さん・・」初美が呼びかけ。「はい、何かな?」 中条が返すと「これから、ベッドへ移るんでしょう。そしたら、最後まであたしが下が好いわ」 「分った。で、最初は、このソファで繋がりてぇんだけど、それはいい?」 「分った。いいわ・・」 「あの方は大丈夫?」 「大丈夫。でも、貴方が不安なら、着けたげよか?」 「ああ、宜しくです・・」女は、男の「自身」に手際よくゴムを着けた。

これを確かめた中条、鏡を向いてソファに座り、膝上にもう一度初美を乗せ、その脚を曲げ開いて、露出した股間が鏡に映る様にした上で、礼儀を正した「彼自身」を、降りて来た秘花にゆっくり繋いで行く。ゴム着きとは言え、もう馴染みのはずの肉壁が、初めて交わる如き鮮やかな感触で迫り、粘膜の滑りが、更に奥へと進むのを促す様だ。

「ああ、見ながらは興奮する・・」四十八手の「手懸け」の姿態で、座った姿勢の中条は、膝に跨らせる形で初美を迎え、座位で行為を進めて行く。「ふんん・・これも好いわね。さあ、う・・動いて!」 「あ・・わ、分った。や・・やっぱり、見ながらって、こ・・興奮だわ・・んん・・」繋がる、互いの「自身」を観察しながらの、一種下劣な行為が暫く続く。

「初ちゃん、お待たせ!引越しの時間や」 「・・もう、嫌らしいんだから。貴方、座ってしてる時、ずっと鏡を見てたでしょう。弩エッチ!」 「ご免ご免。まあ『見えてしまった』て事で・・」 「ああ、仕様もない!まあ、ベッドであたしの言う通りにすれば、許したげるけど・・」 「分った。なるべく沿うからさ・・」中条はこう言い、ソファを立つ時、初美を「お姫様抱っこ」して、寝室へ移動。

「さあ、続きが楽しみな・・」 「新さん、早く来て・・」仰向けに臥した女の上に、男が重なる。まずは、再開の濃厚な口づけ。舌の出し入れを含め、三十秒位。それから白コスの胸をはだけ、乳房愛撫の復習だ。筆を交えて、もう一度胸の双丘を撫でさすり、昂らせる。区切りになると、初美から「よくできました」の口唇愛撫(フェラチオ)を暫し賜り。この日二度目の昂ぶりも、流石に暴発はない。その後は勿論、答礼の愛撫(クンニリングス)。男は、陰核(クリトリス)と菊花(肛門)の愛撫のみ、筆を使う。女は「ふんん・・好い・・」と軽く喘ぎ。これらの効きも、それなりの様だ。

一通りの前戯を終え、中条は、初美の下方に回り、礼儀を保つ「彼自身」をもう一度、秘花に繋ぎにかかった。肉壁や粘膜の感触を確かめ、ゆっくり慎重に繋ぎ終えると「ああ・・んん・・」喘ぎの一声と共に、彼の背後になよやかな両腕が、腰に美脚が回され、強い力で組み付けられるのが分る。

「ふふ、新さん・・」 「ああ、はい。何でしょう?」 「これはあたしの、愛の力よ」 「愛の力・・うんうん、分ります」こんな会話を待つまでもなく、中条にも「これが初美だ!この締め付けが、彼女の一番の魅力だ!」と言う事が分っていた。片手を回して交合を確かめ、ゆっくり慎重に「スロー・ピストン」を進めて行く。下の初美、目を向けると緩くも熱い愉悦を味わっているらしく、昼間とは打って変わった美しい表情を見せる。

「新さん・・」優れた笑顔の女、声かけ。「はい、何かな?」男が返すと「そのまま続けて。あたし、何だかスロー・ピストンが好きになっちゃった」 「そうか。そりゃ好い。もっと癖になる様にしてやろうかな」 「ハハ、又焦らすの?意地悪ね」 「いやいや、貴女が好きになったって言うから、それを叶えてあげるって事さ。さあ、寸止めの時間や。ちょっと待ってね」 「あ、ダメダメ!待たなくていいわよ」上と下で、歌う様な喘ぎを交えての、こんな大人の会話が、暫く続いた。

男が上から支配し、女が下から統制する。互いに操り操られの小気味良い感触が、繋がる事自体の愉悦を、更に増幅させて行く。もう何度もの交わりを経て、中条は、今やっと正常位の深い魅力に気づかされた様だった。「初ちゃん、有難う。今度ばっかは、貴女に教えられた気がするわ」腰の動きを続けながら、彼は思った。

「ううん、教えられるのはお互い様よ。新さんが丁寧に仕掛けてくれるから、あたしも歓びを手にできるんだからね」女もそう応じる。「さあ、少しペースを上げるかな。そろそろ昇り時らしいわ」 「うんうん、頂上まで二人一緒よ」頃合を見て、激しく絡み合い、高め合う。「ああっ・・好い・・好い・・行く~!」喘ぎと吐息を交え、絶頂へ。

「ああ、今度も良かったね」10分程して、交合を解き、二人は笑い合う。「貴方の男精、二度目も中々濃いじゃないの」外したゴムを手に取って見ながら、初美が言う。「そりゃ好い。久々で一日二度やったから、どうかと思ったんや」中条も応じ。

今夜は、まだ日付が変わる前の様だ。「どうしような。シャワー行ったら、もう少しTV見ようか」男が言えば「そうね。まだ余り眠くないし。あたしも一緒に見たいわ」女も応じ。恒例儀式、二人一緒のシャワーの後、グレー下着上下と白ミニコス+ニーハイは、時折臀丘と男根に互いの手を伸ばし合って、民放番組の前に並んで座る。彼女はグラン・マルニエ、彼はヘネシーVSのロック・グラスを携え。「それじゃ、初ちゃんの復調を祝って、乾杯!」
(つづく 本稿はフィクションであります)。

今回の人物壁紙 早川瑞希
松岡直也さんの今回楽曲「ソングス・アンド・デイズ(Songs and Days)」下記タイトルです。
Songs and Days

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