轍(わだち)~それから 第38話「調教」
- 2017/02/08
- 14:05
「まあ、話し難い事かもだが・・」コーヒーを嗜みながら、中条が言う。「ええ、何でも聞くわ。隠さず話して」初美も応じ、続きを促す。
中条「小町主任は、学院の男生徒から手を引く条件として、又今夜、俺との関係を求めて来ると思うんだ」 初美「そう。それは十分考えられるわね」 「そこでだ。そうなった場合、俺たちとしては、これまでよりちょっとハードな出方で彼女を攻めて、生徒たちに手出しをさせん言質を取ろうと思うんだがね。言っちまえば、ちと『調教』てとこもあるが。あの女性(ひと)の、今夜の本当の狙いは、貴女を交えた女二人の3Pじゃねぇか?て、俺は想像するんだが・・」 「あり得るわね。あの女性の考えそうな事だわ。もしかして、先月終わり頃の、中山荘(ちゅうざんそう)での大声じゃ言えないイベントも、もっと大がかりにするつもりだったのかしら?」
「それだよ。初ちゃん・・」中条、答える。「俺の邪推も入りはするが、多分、彼女は香緒里、結(ゆい)の両先生と、徹君にウチの健(たける)も巻き込んだ、大乱交パーティーを企(たくら)んでたんじゃねぇかって思うんだ。勿論、その場合の車は二台な。多分、香緒里さんに用意させるつもりだったんだろうよ。盆明けの電話で、このお二方の名前が出た時に『怪しいな・・』と思ったもんだ」 「なる程ね。それと、健君たちが行ってた、中等科の強化学級でも、ちょっとしたのがあったんじゃなくって?」 「そうそう。夕飯後に徹君が、巡回中の小町先生の部屋に呼ばれそうになったらしい」 「そうか・・そこで関係が進めば、中山荘の時にそうしたレベルの事もあったかも・・て所ね」 「まあ、そんなとこだな。それで、今夜の事だが・・」中条は、二杯目のコーヒーを、初美と自分のカップに注ぎ分けて続ける。
「今から、俺の用具を揃えるから、貴女も理解しといて欲しい。もし、彼女んちへ行くなら持ってくもんだが、今すぐ会食の席へは持ち込まん方がえぇ。食後、向かう時にここへ寄らせて俺が持ち出す。そんなとこだ」 「分った。あたしも何を持ち出すか見ておかないとって所ね」 「そうそう、宜しくな」 「いいわよ」中条は初美の返事を受け、自分の浴衣や、夜の行為で使うつもりの電動マッサージ器や筆、初美の部屋着となる、黒のミニコスなどを揃え、彼女にも改めさせた。「しかしなあ・・」男が呟く。「今夜これから、貴女にこれを着られたら、俺、発情しちゃうかも。拙いよなあ・・」対する女は「まあ、そうなったら、その時はその時じゃないの」笑いながら返した。「そうか、まあ、ゴムっちゅう、文明の利器もあるしな」男も笑って、こう返した。
持ち物を準備し、二人が中条の居所を出たのが、pm,5:20頃。市営地下鉄でJR中央駅へ向かう。駅の玄関から少し東へ入った所に、小町の馴染み処たるフランス料理店がある。すぐ傍の書店で待ち合わせた三人、約束のpm,6頃、前後して落ち合い、件の店へ。
三人、この店オリジナルの、フランス料理のコースを嗜む。前菜、コンソメ・スープ、ホタテ貝の練り物のムース、主菜は中条が辛いペッパー・ソースの載るヒレ・ステーキ、女二人は子牛のローストだった。名物のフランス・パンと初美の好物 数種類のチーズも忘れずに。赤ワインは、AOCボルドーの、癖の少ない中庸のタイプが選ばれた。果物のデザートとコーヒーは後程。
前半、会食は当り障りの少ない佐分利学院内の近況や、世間一般の話題で進んだ。小一時間程して、食後のデザートの時間を迎えた所で、小町が言った。「さあ、どうしようかしら。食後のお酒も欲しいでしょう。二人、あたしの所へ来る?」 「それ、始まった!」中条は思った。「有難うございます。今夜は良いのかな?」 「大丈夫よ。今夜は、つもるお話もある事だし」 「分りやした。そうでしたらお供しますよ。初ちゃんもいいか?」 「あたしも大丈夫。お邪魔でなければ、伺うわ」初美、こう返す。「OK、それで決まりね」小町、笑顔で言った。その後小半時、音楽などの雑談で過ごした三人、食事の終わりはpm,8少し前。
「悪いですね。一か所立ち寄って欲しい!」 「かしこまりました。大丈夫ですよ!」会計を終え、店玄関そばで待機のタクシーに乗り、小町の居所へ。途中、少しだけ遠回りをして、中条の居所下、彼の愛車の駐車場前で停止。「じゃあ、済いませんけど、ちょっと待ってて下さい。持ち物があるんでね」 「了解しました!」運転手に断り、彼は上階の居所へ。携えて戻った肩バッグの中身は、夕方前揃えた「用具」である。
再び発進、小町の居所へ。「有難うございました!」彼女の精算を受け、三人は上階へ。「新さん、先にシャワーをどうぞ。あたしたちで用意しとくから」 「ああ、有難う。お言葉に甘えます」中条が使う間に、女二人で「ウチ飲み」の準備。入れ違いで、二人同時に浴室へ。先に出た男は、TV番組のチェックなどで過ごす。そして・・
「今晩は。さあ、お楽しみの時間ね・・」浴室から出た小町、お馴染みの白衣と黒下着、初美は、同じ黒ミニコスの上下だ。「ああ、有難う。二人共、凄く素敵やよ!」中条、こう称え。長手のソファに、彼を中央に、左手に小町、右手に初美が座り「両手に花」の風情。
「改めて、乾杯!」中条はブランデーのマーテル、女二人は、リキュールのシャルトルーズ、いずれもオン・ザ・ロックで飲み直しを。暫くの雑談の後、女医が一度トイレに立った合間で、中条は「初ちゃん、分ってるな。その時が来たら、電マと筆は、貴女が主に使ってくれ。何かありゃ、教えるけど」 「分ったわ。多分、その時の流れで見当がつくだろうから、大丈夫よ」 「うん宜しく。歯磨きして来る」 「ええ、そうして。後であたしもするわ」丁度席も一区切り。戻った小町も、それは理解し、順に済ませた。
「さあ、それでは・・」女医が切り出す。「今夜の、お話の深い所に入りましょう。新さんは、もう分るよね」 「はい・・そりゃもう」中条、笑顔で応じ「それじゃ・・」並んで座る彼女と唇を交わす。「初ちゃんも、お出でよ」 「ええ・・」次に、初美と同様のキスを。それからもう一度、小町と舌を交えての濃いそれを。「ああ・・好いわ・・」彼女は、早くも喘ぎ始め。「今夜の貴女は、特に熱いな・・」中条、呟く。「そうかしら、あたしはこれまでも、ずっと熱いつもりだったんだけどね」 「そうですか。気がつかなんだらご免なせぇませ」 「分れば良いのよ。さあ、そろそろ胸に手を回してくれる?」 「かしこまってござる」中条は応じ、小町の白衣の胸の合わせ目に手を滑り込ませ。
黒のブラを下方にずらすと、魅惑の胸の双丘が現れ。より深い仲の、初美よりもう少し豊かなのが、男を魅了する。乳首から胸の谷間へと、時計回りで撫で回すと、再び女医の喘ぎが聞こえる。初美は、小町の前に回って、白衣の裾から手指を入れてまさぐる風を。前かがみのポーズは、ミニのアンダー裾から臀丘が窺え、中条に対する挑発でもあった。「ああ・・こりゃ、好い・・」彼の呻く様な呟きも聞こえる。「・・二人、とても好い・・続けて・・」喘ぎの合間に、途切れながらの小町の言葉。「お・・俺も好いっすよ。もう少し・・もう少し・・ね」中条も応じ、これまでよりねっちりと、入念な乳房への愛撫を続け。傍らの初美も、女医の白衣の下方をはだけ、太腿へのマッサージをひとしきり。
「さあ、新さん、貴方の『モノ』を診察しようかしら」小町がこう言い、中条の浴衣の裾に手指を入れ。「宜しく、お願いします!」中条も応じ、浴衣の裾に伸びた手指を、更に奥へと招じ入れ。やがて、トランクスの前開きから彼の「自身」と陰嚢が露わにされ、小町の、そして初美の手指が交互に取り付いて行く。「むむ・・んん・・、ふ、二人。む・・無理はいかんよ。うぅぅ・・」ジワジワと、しかし確実な昂ぶりに、次第に抗い難くなって行く男。そして、小町が先に口唇愛撫(フェラチオ)の挙に。中条の下方からトランクスを取り上げ、露わの下方を、更に咥え込みなどで仕掛けて行く。初美も退かない。小町の手の回らない陰嚢や股間を撫でさすり続け。
「ああ、凄い凄い。でも好いわぁ。さあ小町さん、お返しをさせて下さいな」中条、一礼してこう一言。「じゃあそれ、ベッドでお受けするわ」小町はこう言い、三人つるんで寝室へ。中条、この時本当は「お姫様抱っこ」がしたい想いだったが、初美との公平を期したい気もあり、それは止める事にした。小町、ベッドに臥して「さあ、始めましょう」 「かしこまりましてござる。ちょっと、お御脚開いてよろしいか?」 「よろしいも何も、したいんでしょ?それ。あたしを大股開きにさ」 「いや~、参りましてござる!すっかりお見通しでござるな」 「やっぱり図星!さあ、お喋りはこれ位にして、熱い内に始めましょう」 「・・ですね。それでは・・」請ける中条、小町の下方に寄って、その両脚を曲げ開き、下肢を己の両肩に乗せ、ゆっくり両の膝から太腿にかけて撫でて行く。
「ああ・・新さん。初めてその出方してくれたね。とても好いわ。続けて・・」 「はい。それじゃ・・」中条は続け、傍らで見守る初美に「初ちゃん。小町さんの上体さすってあげてよ。何ならキスの一回や二回位、いいんじゃね?」彼女はこれを受け「・・と言う事だって。小町さん、ちょっとだけ失礼するわね」こう言って、仰向けの小町の上体に重なって行く。「くふっ・・初美。貴女にこんな趣味があったなんて・・ち・・ちょっと・・女同士でキスって、どう言う事よ?」 「まあ好いじゃないの。お医者様だからって、余りお利口さんにならない事ね。あたしは、新さんとしてる楽しい事を、ちょっとだけあたしに回して欲しいだけよ」初美はこう言い、小町の顔をじっくり見据えると、いきなり唇を奪う。「ああ・・悔しい!でも、好い感じ。初美、まあいいわ、続けて・・」 「はい、はい。今からね」女医と女は、舌技を交えた濃厚な口づけをもう暫く。まさかと思った「その、まさか」になった。
一方の中条。小町の両脚を一通り撫で、下着越しの秘裂へのそれも終えると、いよいよ、辛うじてその核心を覆う「T」を降ろしにかかった。女同士の、突然のキスのドサクサ紛れにだ。それでも「失礼、今降ろしました」一言は伝える。初美に唇を奪われた彼女は、言葉もなく、ただ頷くのが認められた。
「さて、それでは・・」中条は、持ってきた電動マッサージ器のスイッチを入れ、鈍い動作音を発するのを確かめ、まずは小町の膝裏辺りに当て、様子を見る。「いや~小町さん、これまで本当にお世話になって、感謝の一言です。俺、いつかこんな形でお礼をせんとって、思い続けてたんですよね。今夜、それが叶って、ホント嬉しいです」対する小町、初美に奪われた唇をひとまず取り戻して「まあ気持ちは分るけど、無理はダメよ。それと貴方、もしかして、お礼と言っといて、あたしに何か悪さをするつもりじゃないの?」 「あ、いやいや、そんなつもりは微塵もありやせん。あくまでお礼ですよ~」中条はそう言い、太腿から股間の辺りまで、電マ器を進めて行く。仕掛けられる小町「嫌らしい男性(ひと)。でも、何か好い。続けて・・」自ら刺激を欲しがる心理状態に、傾いて行く風情であった。
傍らの初美には、その様が良く分ったのだろう。「小町さんも人の子・・どんなに嫌らしくても、一度快感が分ると、簡単にはやめられないのよね。ある意味『奴隷』になりつつあるわ・・」内心で微笑むも、それは決して「思っていても、言ってはならない事」だった。「さあ、いよいよ・・」中条が声かけ。「小町さん、核心へと進みますぞ。下草からコアへと参ります」こう言って、露わにされた下草から秘裂へと、電マ器を順に当てて行く。「ブブ~ン!」と言う動作音と共に「あふっ!ひ・・ひぃ~!はぁ~!」今まで聞いた事のない、甲高い悲鳴の様な喘ぎが発せられる。「うんうん、かなり効いてますね。まずは成功だ。では小町さん、繋がせてもらいます」
中条は一言と共に、小町が頷くのを確かめ、その上に重なって行く。「初ちゃん。後は宜しくな」 「ええ、少しおいてね」 「そうそう・・」初美との短い会話の後、彼は女医の下方から、ゆっくりと「彼自身」をその秘花に繋いで行く。「うぁ・・ああんん・・ふぅぅ~ん!」肉壁と粘膜に迎えられて締められ、先端が子宮口に当たる感触と共に、連結が果たされる。
「ああ・・好い!・・新さん・・大丈夫よ!・・あ・・あたしは薬を飲んでるから・・」 「分りやした。有難うございます。じゃ、動きますね」 「い・・好いわ。いつもより、強くしていいからね」 「はい・・」重なる男の背後に両腕、腰に黒のガーター・ベルトとストッキングを纏い、はだけた白衣姿で絡みつき、女医との「行為」が始まった。その交合部には、後ろに回った、初美の冷徹な視線が注がれている。「ふふ・・小町さん。今夜のはちょっと違うわよ。あたしたちを、ここへ呼んだのが最後。新さんは、貴女を調教に来たの。貴女は、今宵奴隷に堕ちるのよ・・」
(つづく 本稿はフィクションであります)
今回の人物壁紙 波多野結衣
松岡直也さんの今回楽曲「ワン・ラスト・フェアウェル(One Last Farewell)」下記タイトルです。
One Last Farewell