この雨は こんな風に聴こえる 第19話「習性」
- 2020/08/29
- 19:26
「分かっちゃいるんだが・・」本当は芳しくないとは思いながら、又も黒木は、宥海の脱ぎ去った下着に手を伸ばし始めていた。これで二度目だが、それは確実に彼の習性となりつつある趣だった。「いやー、堪(たま)らん。この蒸れた感じの芳香さ。前より又小さめの 黒で揃えたブラとショーツで、感じ方が微妙に違うのも、又好いわぁ・・」良からぬ復習にはなるのだが、黒木のとっての「上と下」つまり宥海のブラとショーツからは、微...
この雨は こんな風に聴こえる 第18話「日時」
- 2020/08/23
- 21:41
6月の前半 第 2週の初めからは梅雨入りとなり、時折晴れ間が覗くも、徐々に雨がちの日が増えて行った。色んな業界の仕事も 少しは天気の影響があるらしく、黒木が折々応援に入る 伯父の不動産業も、顧客の現地物件案内などが それまでより心持ち減った様な気もした。ただその分、就活の方は 人事担当者に会える機会が増え、中には少しく手応えを感じられる様な企業も見られはした。梅雨に入った直後の 6月第 2週の火曜日は ...
この雨は こんな風に聴こえる 第17話「喚起」
- 2020/08/19
- 19:26
黒木はこれまで、殆ど深酒をした事がない。似た様な体験は、大学入学に際し 所属サークルの新歓会でしこたま飲まされる洗礼を受けた事と、以前の勤務先の同じく新歓行事で似た様な状況を経た その二回だけだと言って良かった。大学期から通し 日付を跨いでまで飲み歩く知友もいなかったし、仲良くなった女とも、そう取り乱す様な飲み方はした覚えがなかった。大体、余り酒気が進むと 肝心の性欲が減退してしまう事も一因だった...
この雨は こんな風に聴こえる 第16話「躊躇(ちゅうちょ)」
- 2020/08/14
- 12:08
「やはり・・」麗海の下方に繋がって少し後、一旦腰を前後に動かした黒木は、一旦停めた。「押し入った時の抵抗が、どうも大きい。彼女、処女じゃないのか?」その疑念は、時が経つにつれ 彼の脳裏を大きく占拠して行った。「事実なら・・」疑念は続く。「破瓜した時の出血もそれなりのはずだ・・」暫し続いた喘ぎを聴きながらも、彼は迷っていた。「麗海さん・・」暫しの思案を経て、黒木は声をかけた。「あぁっ・・はい、何?」...
この雨は こんな風に聴こえる 第15話「指戯」
- 2020/08/08
- 11:37
「好いぞぉ・・正にルビーだな、これは・・」照明を落とした居間のソファ上に、両の脚を曲げ開いて仰向けに臥した麗海(れいみ)の下方「核心部分」を押し開きながら、黒木はつくづく感心した様に呟いた。右手の親指から中指にかけての三本に、事務作業向けの所謂「指サック」を着け、これから彼女の秘溝に押し入ろうという魂胆だった。勿論、その合間に秘溝から漏れる芳香も愛でるのだ。「あぁ・・」喘ぎ交じりに麗海が言った。「恆...