想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密 第6話「予感」
- 2016/09/15
- 15:43
7月21日の火曜。終日、曇りがちで時折陽の射す天気。梅雨明けは、まだの様だ。この朝も、午前6時に起床した健(たける)、徹の二少年は前日に続き、草サッカーの朝錬を、多少メニューを変えてこなした。曇天もあり、気温の上がりが鈍かったのは幸いだった。尤も、前夜の女講師 初美との熱い口づけの記憶から覚めた訳ではなかったが。朝のシャワー、朝食、各自の場所と教室の掃除の後、午前の前半は、9時前に眼下を行く、JR中央西線...
想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密 第5話「誘惑」
- 2016/09/14
- 21:42
ドア・ノックに続き「失礼します」。講師の寝室に通された、健(たける)、徹の二少年。そこに、見たのは・・。「んふッ、どう?」往路の道中とは、中山荘(ちゅうざんそう)のこれまでとは、余りにも違い過ぎる、女講師 初美の艶姿(あですがた)であった。ここへ来た初日のTシャツにジーンズ、今日これまでのトレーナー姿を見慣れた目からは、すぐには想像もつかない、妖艶な佇まい。上方に装うキャミソールは、腋(わき)から上に一糸...
想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密 第4話「悪戯(いたずら)」
- 2016/09/13
- 12:41
7月20日の月曜。前日の日曜が祝日「海の日」と重複の為、その振替休日でもある。ただ、学校関係は夏休みに入ったので、影響があるのは、主に社会人だが。この日から、特別林間学級も本格始動した。健(たける)、徹の二少年は、午前6時起床。この朝は、所属する草サッカー・クラブ向けのパスやシュートなどのシュミレーション練習をこなした。眼下を通るJR中央西線(ちゅうおう・さいせん)は、旅客の一番電車が下りは6時30分過ぎ、上...
想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密 第3話「戯事(ざれごと)」
- 2016/09/12
- 10:25
「いや、早い方が好いわ。今の内に決めましょう」香緒里が促した。初美「分った。それじゃ、26の日曜は、貴方の英語は休講ね。だから、22の水曜、24の金曜、それに28の火曜と30の木曜にここ泊りって事でどうかしら?」香緒里「好いでしょう。で、できたらだけど、26の日曜は、小町先生が来られるかどうか、訊いてみるわ」初美「宜しくです。貴方の科目は、明日と、泊まった翌日の午前って事でよろしい?」香緒里「基本はそれて好い...
想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密 第2話「行路」
- 2016/09/10
- 12:58
7月19日の日曜、天気は曇り。女講師 初美と香緒里、それに生徒の健(たける)と徹の二少年が、G県下の特別林間学級の場、研修施設「中山荘(ちゅうざんそう)」へ出かける日だ。この日午前9時頃、N市内の、ある大手陶器メーカー広報拠点近くの香緒里の家玄関へ、銀灰色(ガンメタリック)を纏った、一台のレクサスLSが滑り込んで来た。運転は、健の伯父 中条 新(なかじょう・しん)。助手席に健、後ろは、所謂上席とされる運転席背後に...