交感旅情 第19話「妖講」
- 2017/10/10
- 19:30
夜 10pm近くだろうか。宙(そら)と由紀が、姉妹の部屋での妖しげな行為の後、酒席を終えて戻った 中条たちに合流、彼たちの泊まる、隣の大部屋に移る。既に寝具が整い、全員浴衣姿の、六人が揃ったのを確かめて、中条が言った。「さてさて皆さん、これから寝る前の 約二時間、どんな展開になるかは、薄々お分かりだろう。そう、さっき言った、三人ずつに分かれての『夜の分科会』を始めようと思う。初ちゃん、宙(そら)ちゃんと俺...
交感旅情 第18話「予行」
- 2017/10/08
- 14:54
「じゃ、あたしたち、先にお部屋に戻ります」夕食を終え、飲み直すべく、すぐ傍のバー・ラウンジに移った中条たち一行六人。未成年の宙(そら)と由紀(ゆき)は、先に上階の、木下姉妹の部屋へ。食事に先立ち、檜(ひのき)の内風呂を、戻って直ぐ入れる様に、由紀は準備していた。「まあ又、一緒にお湯入ろうよ」 促される宙「どう言う事?」一瞬、不可解な想いが過(よぎ)りもしたが、まあ良いか。着ていた浴衣と下着を脱ぎ、浴室へ。...
交感旅情 第17話「湯話 (ゆばなし)」
- 2017/10/06
- 21:46
三人の若い女に仕掛けられ、絶頂に達し果てた周(あまね)が、その発射した男精を恋人 宙(そら)の手で全身に擦り込まれ、心地良い余韻を、簀子(すのこ)に臥したまま味わっている傍らで、檜の浴槽に浸かった、初美と中条は、肩を寄せ合って暫しの会話。彼女は言った。「昼間にね、発電所脇の公園でお花見してた時、宙ちゃんから凄いお話を聞いたのよ」 「ほう、何だろう。聞かせてくれるかな?」女の肩から上体に腕を回し、男は続き...
交感旅情 第16話「情浴」
- 2017/10/03
- 14:51
初美と宙(そら)が、宿の上階、露天風呂の女湯で、妖しげな湯浴みに耽(ふけ)っている同じ頃、周(あまね)と中条は、JR咲花駅そばを通る五泉=(ごせん)市道を10分余り、新潟方面へ歩く。目指す撮影地点は、磐越西線の線路と市道に挟まれた、僅かな路肩。狭くも、何とか三脚を立てる位の余地はあった。それより、暮れて行く光線の方が心配だ。「よしっ」中条は言った。「周君は、俺の右隣でいいんだな」 「はい、文句なくこの位置です...
交感旅情 第15話「華宿 (はなやど)」
- 2017/10/01
- 22:24
温泉地 咲花(さきはな)。夕刻、JR磐越西線の下り普通列車、「キハ47型」と言われる旧国鉄ディーゼル気動車から、プラット・フォームに降り立った中条たち四人の視界には、もうこの日の宿「S亭」の佇まいが映り込んでいた。殆ど駅前と言って良い近さ。どうゆっくり歩いても、二分とはかからないだろう。「ささ、とりあえず部屋で一服しようじゃんか!」一同を促し、中条は、品の良い造りの前庭から、宿の玄関をくぐる。勿論、鉄筋...