南へ・・ 第10話「夜戯(よぎ)」
- 2017/07/09
- 16:24
「あ・・周(あまね)さん・・ふぅぅっ!」夜深まる豊野家(とよのけ)の離れ。一方の床(とこ)で、組み敷かれ、喘ぎながら美波(みなみ)、言葉を発し。「はい・・」上に重なり、その上体を抱く周が返すと「貴方の仕草で、さあ、来て・・」 「かしこまりました。只今・・」美波の下方が、熱気と湿気で濡れ光るのを確かめて、周は、礼儀を正した己の男根を、女の真実に、ゆっくり進める。亀頭が肉壁に迎え撃たれ、少しの緊締を感じながら...
南へ・・ 第9話「低語」
- 2017/07/07
- 19:26
3月後半 春休みの夜、親許の離れで過ごす高校生 豊野 豊(とよの・ゆたか)と、大学へと進む彼の先輩 阿久比 周(あぐい・あまね)は、豊が病気入院していた時の看護師 瀬野美波(せの・みなみ)と、大声では語れない、深く濃い行為に及んでいた。所謂3P。浴衣姿の彼女の胸元と下方は大きく捲(まく)られ、現れた、胸の双丘と股間は、若者二人の眼前にあった。「いや~、素敵!素晴らしいの一言!」美波の「女の真実」を目の当たり...
南へ・・ 第8話「蠢香(しゅんか)」
- 2017/07/05
- 19:23
賑やかな宴(うたげ)もどうやら先が見え、些か名残り惜しくも、翌朝早い事もあって、周(あまね)と豊(ゆたか)は、途中で離れの寝室へと引き上げる。母屋の大座敷の、引き続く大人たちの談笑を耳にして。しかし、彼たちの宴も、まだ終った訳ではなかった。「今晩は。やっと、三人だけになれたわね」後ろから、優れた声。「おお、これは美波(みなみ)さん、いらしましたか」若者二人が返すと、「ふふ、佳いお席だったわね。・・で、ここ...
南へ・・ 第7話「餐歌」
- 2017/07/03
- 14:46
穏やかな内海を眺めながら、周(あまね)と豊(ゆたか)が、美波(みなみ)と会っていた、北紀(ほっき)中央病院から長島漁港の桟橋に出向いたのは、4pm少し前。停泊中の、総トン数40t程の、豊野(とよの)家の中小型漁船「第二樹洋(じゅよう)丸」の甲板では、漁協の勤務を早めに終えた豊の父 樹(いつき)と学休日の弟 邁(すすむ)・それに、彼たち母方の祖父 津田兵衛(つだ・ひょうえ)の三人が、定置網漁の大きな網や、諸々の漁具を用意、...
南へ・・ 第6話「見参」
- 2017/07/01
- 21:45
「頂きます!」 「お上がり!」豊野(とよの)一家五人と、阿久比 周(あぐい・あまね)、計六人の、賑やかな昼食の席となった。長男 豊(ゆたか)の言葉通り、この時は地元の海産物、魚介の揚げ物や干物、鰯(いわし)のマリネ、海草サラダ、ひじき煮や貝汁などが、米飯と共に振る舞われた。特に貝汁の美味は、周の感銘を呼び、以後毎食、卓に上る事になる。そして、一つ引っかかるのが、揚げ物であった。「阿久比さん」豊が言った。「...