南へ・・ 第20話「秘島」
- 2017/07/31
- 19:31
「二人・・」着ている上下を脱ぎ、ブラとショーツ、サスペンダー型のパンストだけになった美波(みなみ)は、唖然と眺めていた二人の若者に、こう言葉をかけた。「何を驚いてるの?今から、素っ裸になって、何かしようって訳じゃないわ。あたしは、水着に着替えてるだけ。君たち二人が見てるか否かって違いだけよ!」見ていた周(あまね)、ようやく我に返って「なる程、そうでしたか。済みません、じゃ、俺たちも、海パンに替えないと...
南へ・・ 第19話「航跡」
- 2017/07/28
- 11:20
「もう、本当に・・」周(あまね)と豊(ゆたか)、二人の若者が休む、豊野(とよの)家の離れを後にした美波(みなみ)は、思わずこう呟く。「手指と口だけで、あたしを二度もイかせるなんて、どう言うコたちかしら。悔しいし、それに・・何か寂しい。彼たちなりに、気を遣ってくれてるのは分るけど・・」この夜、彼女は母屋にて、豊の母 緑(みどり)やその母 春江と、それぞれの近況や世間一般、それに芸能ネタの話などして、日付が変わ...
南へ・・ 第18話「抑制」
- 2017/07/26
- 21:51
「いや~、これ、言っちまって良かったかなぁ?」七里御浜近くのネット・カフェでの、木下姉妹との好事を認めてしまった周(あまね)と豊(ゆたか)であったが。しかし、美波(みなみ)は、落ち着き笑って聞いている。「ふふ、それ位のお話で、動揺するあたしじゃないわよ。それじゃ豊、由香(ゆか)ちゃんと何をしたか、再現してもらおうかしら」 「分りました。いいでしょう」と、豊は返した。白衣の胸元と下半身をはだけ、仰向けで下肢...
南へ・・ 第17話「施術」
- 2017/07/24
- 21:40
「それはね・・」周(あまね)と豊(ゆたか)、二人の若者が寝泊りする、夜の豊野家の離れにて、美波(みなみ)が続ける。「余り分ってもらえないかもだけど、まあ、女の勘ってとこかしらね」 「ああ、女性の勘ね。俺たちが、そんな出会いしたって事、分ります?」周と豊が返すと「ふふ・・絶対そうだとは言えないけど、何となく分るの。君たちが、浜辺で彼女たちと出会って、好い事したって・・ね」 「怖いですね。かなり当たってます...
南へ・・ 第16話「質疑」
- 2017/07/22
- 21:44
「周(あまね)さん・・」星空の下、もうすぐ寝静まろうとしている、夜の漁村の片隅で、彼とその女友達 宙(そら)との、LINEでのやり取りが続く。宙「そうかなあ。豊(ゆたか)君と貴方が、美波(みなみ)先生に会ったとなると、ただの挨拶じゃ済まない気がするんだけどなあ・・」 周「そうか、そう感じるか。俺としちゃ、マジでただの挨拶のつもりだったんだが」 宙「・・けど、夕べの会食には、美波先生もいらしたんでしょ。そうなる...
南へ・・ 第15話「点検」
- 2017/07/19
- 19:50
夕方5:20pm過ぎの、JR紀勢東線 北紀長島(ほっき・ながしま)駅。熊野の有名な海岸 七里御浜から帰り、上り列車を降りた周(あまね)、豊(ゆたか)の若者二人を出迎えたのは、意外にも看護師 瀬野美波(せの・みなみ)だった。「二人、お帰り!」 「おー、これは美波さん、感謝ですぅ~!」出口で軽く一礼を経て、彼女の愛車、イエロー・カラーのスズキ・アルトに乗り込む。「お前、前行けよ」周に促され「じゃ、お願いします」と、豊...
南へ・・ 第14話「分岐」
- 2017/07/17
- 23:46
美しい風光を誇る、春の浜辺近くに建つネット・カフェで、周(あまね)は妹 由紀(ゆき)と、豊(ゆたか)は姉 由香(ゆか)と、隣り合わせのペア・ブース席で、下方を露わにして高め合い始めていた。姉妹との、初めての出会いもさる事ながら、この夜、豊の恩人 美波(みなみ)との、二度目の行為の可能性を意識して、最後の一線は越えまいとの想いが強くあった。周の席。膝枕の、横向きの由紀に、男根と陰嚢を外に連れ出され、その舌技の...
南へ・・ 第13話「感触」
- 2017/07/15
- 14:03
「ああ、ご免ご免!これ、あくまで豊(ゆたか)と俺の内輪話だから、気にしないで・・」シャワーを終え、戻って来た姉妹に向け、周(あまね)が言う。「ふ~ん、分った。で、貴方たちも、シャワー行って来る?」姉の由香(ゆか)が訊く。「有難うございます、行って来ます!」傍らの周に、肘(ひじ)で促され、豊が答えた。一も二もなく、若者二人は、シャワー室へ行かなければならない状況だった。これから、ブース席でどうするかの打ち合...
南へ・・ 第12話「交叉(こうさ)」
- 2017/07/13
- 15:45
早めの昼食の後、腹ごなしの散策かたがた、奇勝 鬼ヶ城の見物に出かけた、周(あまね)と豊(ゆたか)の二人。鬼ヶ城の全貌を見るのは半日を要する故、途中の所で折り返し、砂浜の海岸へ戻った時だった。前夜の熱い記憶を振り返り、雑談を交えて、潮騒(しおさい)を聞きながら波打ち際を、暫しブラブラ歩いていると・・「済みません!ちょっと、シャッターお願いしていいかしら?」若者二人に、これも若い女二人が、声をかけて来た。二...
南へ・・ 第11話「船出」
- 2017/07/11
- 14:38
「お休みなさい!お気をつけて。好い夢が見られそうです!」 「有難う、お休み!」軽快な発進音と共に、美波(みなみ)の駆る、黄色のスズキ・アルトが赤い尾灯(テール・ライト)の軌跡を描いて遠ざかる。変則3Pとは言え「あの行為」の後の、気だるくも心地良い余韻。終り際に、豊(ゆたか)のポロリと言った「美波さん、お着けの下着、どうしちゃったんでしょうねえ?」のバカ染みた問いも、今想えば楽しい「後戯」の一つだった。その...